第7話 催眠博士 SNAFU
脚本/Chris Dingess
監督/Vincent Misiano
【これまでのあらすじ】
カーターはSSRに容疑をかけられた為に、一度ホテルに戻ってスティーブ
の血を採りに行く。ベラルーシから連れてきた精神科医のイフチェンコ
はSSRの捜査に協力するという中怪物は実在するとして中でも一番恐ろ
しいのがリヴァイアサンだと語る。ドッティにキスされたカーターは
自分が持っていた口紅「甘美の夢」(睡眠剤入り)によって眠らされ
ナイフで刺されそうになるが、そこにスーザを先頭にしたSSRのエー
ジェントがカーターを捕まえに来る。カーターは薄れる意識の中、
ドッティが探していた女性だと知る。スーザはカーターをSSRの取調室
で尋問する。
【ストーリー】
●1943年・ソ連
軍医はフェンホフ先生(イフチェンコ)に対して手術を手伝ってくれな
いかと頼む。イフチェンコは「フォースタス博士」と書かれた新聞
記事を読んでいた。イフチェンコは軍医にどういう意味なのかと問うと
看護師からあにたは技を持っていると聞いたとし、人の頭を操って
痛みを感じないように出来るのだろうと。手術をしている患者に技を
使ったことはないという。他に手が有れば頼まないとし負傷兵が多すぎて
ついに麻酔が使い切ってしまったのだという。オヴェチキン上等兵の
傷口が化膿し切断しないと死んでしまうのだという。この患者の命を
助けてくれと。イフチェンコはベッドに横たわるオヴェチキンに
対して戦争前の君の世界に連れて行ってくれと語る。
「オヴェチキンは戦争に行く前日にピクニックに行ったこと。母とチェス
をしたこと。何時までも続けていたかったと。」軍医は皮膚を押して
切断部の消毒をするよう告げる。イフチェンコはあの人は気にせず
母さんの方を見てとし君がここにはいないという。好きなだけそこに
居ても良いとしその為には「集中」だという。「母が降参したこと
時間は止められないわと言ったこと。母の笑顔が見たくて散歩し
未来の話をした、帰ったら何がしたいか」と。
●3年後・ニューヨーク
スーザは取調室のカーターに対して静かだなと語る。オレが君でも喋ら
ない。君がスパイダー・レンモンドのクラブに行ったときの写真が
有るという。ニトラミンを積んだトラックに乗ったのも、スタークの
発明品を積んだ船に乗ったのも目撃されているという。死んだのは3人。
スパイダー・レイモンド、リート・ブラニス、レイ・クルゼミンスキー。
本気で私がクルゼミンスキーを殺したと思っているのか?と問うと、みん
なと一緒に悲しんでいたことを語るカーター。芝居だろうとすると
信じられないという彼女。信じられないのはコッチだとし、僕はこの半年
君をかばってきたのだという。裏切り者だということも知らずに・・と。
この期に及んで仲間のフリなのかと。よくもこんなに証拠をそろえた
ものねというと、活躍するチャンスは滅多に回って来ないから張り切る
のも分かるがあなたは貴重な時間を無駄にしていること。凄腕の殺し屋
が野放しになっているとししかも彼女は陰謀のコマに過ぎないのだという。
背後には大きな黒幕がいると。
窓越しにみて居たイフチェンコはドゥーリーに対して大した女だとし
この女は一流の嘘つきだという。一種の病気だろうと。
トンプソンが入ってくると今電話でエージェント・ヨークが事故で
亡くなったと報告を受けたという。バーから出た所でトラックにはねら
れて死んだという。情緒不安定だったから・・というイフチェンコに
対してトンプソンは部外者が何をしているのかと語る。立ち会いを頼ま
れたのだというと、カーターがリヴァイアサンについて話をするかも
知れないからだという。ドゥーリーは文句があるのかとしてトンプソン
に語ると、イフチェンコは私のせいで現場の雰囲気を悪くするワケには
いかないとしてドゥーリーのオフィスに戻っているという。あの女が
リヴァイアサンについて話すとは思えないというイフチェンコ。
ドゥーリーはカーターに圧力をかけようということで、入れ替わり立ち
替わり取調室で尋問していく。しかしトンプソンは何かが引っかかる
としてベラルーシでのお前は別人だったとし、オレの命の恩人だという。
何か矛盾しているというと、私はクルゼミンスキーを殺していないし
発明品泥棒とも関係無いという。スーザは君もスタークに丸め込まれた
のだろうとしスタークに操られているという。カーターはそれを否定し
全て自分の意思でやったという。スタークと君が訳ありだと認めても
スタークは君のことを見捨てるとし、取引に応じろと語る。捕まえたい
のはスタークだと。あいつを差しだし自分を守れという。しかしカーター
は私が言えるのはあなたたちが捕まえるべきなのはスタークじゃないっ
てことだという。SSRは彼を目の敵にしていること。だから私も独自で
捜査していたのだという。スターク一辺倒じゃないとしスーザがお前
のことをかぎつける間に他の可能性も考えていたというドゥーリー。
じゃあその他の可能性について追求しましょうというカーター。トンプ
ソンはその為のネタをくれという。ドゥーリーはカーターが持っていた
“ボール”は何なのかと問う。言いたくないなら昔の話をしようというと
「フィノーの戦い」についてを口にする。私はその戦いには関わってい
ないというカーター。お前の仲間のロシア人以外は生きていないという。
みんな本当の私が何も見えていないとし、ボスにとっては私は玄関先
の捨てられていた子猫であり、白馬の王子を待つ秘書、一見清純派
で実は愚かでふしだらな女だとしているが全く幼稚に考えだと非難する。
しかし捜査のやり方自体が杜撰そのものだというカーター。
私を車に乗せた時に真犯人はすぐソバに居たのだとし、ドッティを
探しなさいという。今頃名前を変えているだろうと。
ドッティはその頃店でベビーカーを購入していた。自宅用だとすると、
店員はまだ予定日は先ではないのかという。
トンプソンは取引の話はなくなったとするとカーターは元々応じる気
はないという。このままだとドゥーリーの命令で嫌なことをやらなきゃ
いけないとし、オレの取り調べは見たことがあるだろうと。あなたも私
の力を知っているでしょと語る。
SSRのフロント企業のベル社のローズの元にジャーヴィスが現れると
ドゥーリーに合いたいという。ここの責任者でSSRの人だという。
一言伝えてきて欲しいとしジャーヴィスがスタークの供述書を持って来た
ことをと。
■感想
スタークの為にSSRとは内緒で捜査していたカーターは、彼と
手を組んでいた裏切り者ではないかとされて捕まってしまう。
スパイダーの店の写真、ブラニスが居た工場、スタークの発明武器が
搭載された船のいずれもカーターが居たとする証拠・証言が見つかって
居た。
カーターとしてはSSRの捜査官たちはまるで見誤っていて、スタークを
容疑者としてしかみておらず、また自分の事もまるで無視している
ことを訴え、盲目と化したSSRとは別の角度から捜査していたことだと
して訴えるが・・
とにかくイフチェンコにしてもドッティにしても憎たらしいほどに
切れ者だな。
遊び人の男を揶揄して、近づく女性に警告の意味で触れるだけで妊娠
するぞみたいな言い方をする事が有るけど、イフチェンコは会話する
だけで、彼の術中にハマってしまう。「集中だ」としている中で指を
触る行動の心理の中にはそんなに相手の言葉に注意を引きつけるだけの
何かが含まれているのか。まるでメデューサレベル。目を見るなって
ことで。
正直研究室にドゥーリーとイフチェンコが入っていった際に、テーブル
の上のガラスのビンが割れてそんな催眠が解けるのかなと思っていた
けど、残念ながらそうはならなかった。
「渡しちゃいけない気がする」と最後まで彼の催眠に抗っていたのに・・
■カーターの聴取
誰もカーターのことを信用していなかったけど、唯一あの嫌みなトンプ
ソンだけはカーターの事を味方をしている様だった。
スーザは分析官としては鋭い視線が有るが、どうしても脚のハンデが
あるな。オヴェチキンが脚を切断していたので、スーザと関係が有る
のかと思ったけど、それは無かったか。
イフチェンコが向かいのビルにメッセージを送っていたとして話そうと
するが信用してもらえないと思ったカーターは結局全ての真相を話す
ことで信用してもらうことに・・。
カーターとしては生きるお守りのようなロジャースの血のことも話した
為に、スーザの中でも心変わりしている部分が有った。
「スタークはここの科学者が血清の再生に失敗することを恐れた。
20世紀最大の科学技術を守ろうとした」
「スタークは私も信用していなかったので中身については嘘をついて
いた。ニューヨークを救う為に盗んでくれ」と言われたと。
何故それを取り返して返さなかったのかと問われて、理由は分からない
としていたけど、理由は寧ろ明らかではないのか。
■ドゥーリーの最後
次々とSSR捜査官が命を落としていくな。
死ぬ前にドゥーリーは幸せだった頃の妻子との姿を見ることになる。
ロレッタというブロンド女性の妻とエメットという小鳥の箱を作る
少年の姿が有る。勿論実際には妄想だったので、本当に彼らが今何を
しているのか分からない。でもディナーの約束をしていたということ
は生きてはいるのかな。
ディナーの約束をすると人は死ぬ。
これカーターの法則じゃないのか。
■スタークの功罪
開発に犠牲はつきものだけど、それにしてはスタークの開発は人々に
死を与えているものばかりだな。
周りのものを不幸にするデスアイテムばかりだ。
ジャーヴィスも今回ばかりは、スターク様が作った発明のせいだとして
いた。
オフィスの窓から飛び降りて空中で爆発するドゥーリー。
カーターに対して
「約束しろ、絶対にアイツを捕まえるんだ。頼むぞ」。
決して悪い人ではなかったのにね。
・映画館で散布されたもの
90分後に計画が実行されるということで、ドゥーリーの死のことなのか、
SSRの施設の爆破のことかと思っていた。
イフチェンコによって盗まれたものはスタークの発明品の17番の箱に
入っているという。どんなものなのか提示されずにやきもきさせられた
けど、映画館で散布した薬がそれに該当し、それが彼らが言っていた
計画なのか。
それを嗅いだものは互いに怒りの感情が抑制出来ず、殺し合いをしていた。
これが「フィノーの戦い」の真相なのかな。
遅れてやってきた夫婦は助かったけど、嫌なものを見たな。
■使用された曲
・Around the Town by Ray Davies
・Brahm’s Lullaby
Written by Johannes Brahms
■出演者
ペギー・カーター (Hayley Atwell) SSRエージェント
エドウィン・ジャービス (James D’Arcy) スタークの執事
ジャック・トンプソン (Chad Michael Murray) SSRエージェント
ダニエル・スーザ (Enver Gjokaj) SSRエージェント・松葉杖
ロジャー・ドゥーリー (Shea Whigham) SSR支局長
ハワード・スターク (Dominic Cooper) スタークインダストリーズCEO
アンジー・マルティネリ (Lyndsy Fonseca) “L&L Automat”ウェイトレス
ドロシー・アンダーウッド (Bridget Regan) “ドッティ”、バレエダンサー
Dr.イフチェンコ (Ralph Brown) 精神科医
ローズ (Lesley Boone) ベル社
ロレッタ・ドゥーリー (Sarah Bloom) ロジャーの妻
エメット・ドゥーリー (Lincoln Melcher) ロジャーの息子
オヴェチキン (Pawel Szajda) 戦場の脚を切る患者
アレックス・ドゥービン (Kevin Cotteleer) SSRの科学捜査長
— (Rob Locke) Surgeon
コーコラン (Travis Johns) エージェント、階段で見張り殺される
オヴェチキンの母 (Madonna Cacciatore) チェスをする
— (Lisa Pescherine) Salesclerk
— (Diana Gettinger) Usherette
— (Mary-Beth Manning) Woman
— (Chris Palermo) Middle-Aged Man
— (Sandra Lee Gimpel) Elderly Woman