第5話 ベラルーシ行き The Iron Ceiling
脚本/Jose Molina
監督/Peter Leto
【これまでのあらすじ】
ドゥーリーはスタークは逃亡者と認定されたと語る。スタークは
カーターに対して汚名をそそいで欲しいと頼む。ミリアムは新しい
入居者だとしてドッティを紹介する。しかしそのドッティはスターク
やカーターを狙って押し入るミンクを殺害する。
カーターはスタークが彼女に盗ませたものがスティーブ・ロジャース
の血だと知り、ウソを付かれて利用されたとして激怒し、信用出来ない
と語る。スーザはスパイダーが殺される前に一緒にいたブロンドの
女性の顔が一枚も取れていないと語る。トンプソンは魔法のタイプ
ライターの分析かと問うとドゥーリーは信号を送受信しているようだ
と語る。
【ストーリー】
— 1937年 ソ連 —
少女たちは施設でスパイとしての訓練をされる。逃げないように寝る時
にはベッドに手錠。目覚めると手錠をハズされる。ドッティとアニヤは
隠し持っていたパンを分けながら食べる。映写機で白雪姫を見るが
英語の唱和の為の訓練だった。そして格闘の訓練をさせられ少女同士
が激しく戦わされる。
— 1946年 ニューヨーク —
ドッティはそんな夢から目覚めると朝から腹筋で体を鍛える。
朝食に喫茶店に行くドッティとカーター。
ドッティは彼女に”アンニュイ”ってどういう意味なのかと尋ねる。
憂鬱に近いもので怠惰や退屈から生まれる物悲しさよと語る。
何故そんなことを聞くのかと尋ねると、今朝アンジーの部屋をノック
したらその言葉を言っていたのだという。アンニュイに浸りすぎて今日は
仕事にいけないと。演劇学校では”淡泊すぎる”と言われている人が・・
とカーター。どうせサボっているならアンジーに街を案内してもらう
という。ニューヨークの名所を全部回りたいというドッティ。
まずはセントラルパーク、エンパイア・ステートビル、トリニティ教会、
で自由の女神だと。カーターはジャーヴィスの名刺を目にしていた。
ニューヨーク、街を知るには人と話さないとダメだとし、ちゃんとした
仕事に就いている人だという。胡散臭い人ではなく・・と。ブルックリン
に行くと良いとし、女神は動かないし、彼女が象徴する自由の精神は
普通の人たちの中にこそあるのだという。今の言葉キャプテン・
アメリカが言いそうだというドッティ。そんな中ドッティはカーターの
バッグを落としてしまう。拾うフリして彼女の部屋の鍵を入手する。
教えられたとおりブルックリンにいくと語る。
カーターはピートの店で新聞を買う。雨が止んだねと声を掛けられ
イギリスが恋しいのではないかと言われる。ジャーヴィスも新聞を
買いにやってくる。カーターは弁解など聞きたくないというと、
ボクだってウソはダメだとスタークに話したことを語る。しかしカーター
はあなたも同罪だと語る。スタークがキャプテン・アメリカの血を
盗ませようとしてるなんて・・。スタークは汚名をそそいでと言って
おいて私を弄んでいると語る。あの方は軽率で思いやりに欠けうぬぼれで
子供っぽく無責任で傲慢だが、善人だと語るジャーヴィス。利用されて
いるわというカーターに対してあなたの協力が必要だという。SSRでは
何が出来ますかと言われると私は立派なエージェントだという。しかし
現実はお茶くみであり同僚はあなたのことを眼中にもないという。
見る目を変えられますかというジャーヴィス。変えさせるというカーター。
SSRについたカーターは騒がしい状況を知りスーザに何が有ったのかを
尋ねる。サーシャ・デミドフの魔法のタイプライターにメッセージが
届いたのだという。今、陸軍の暗号分析者が来ているのだという。
分析者はチューリング方式は当てはまらないことを告げドイツではない
と語る。分析者に暗号を解くよう迫るトンプソンとドゥーリーに対して
脅しても急かしても暗号は言うことは聞かないと語る。
カーターはそれを見てこれは「めくり暗号」だと語る。
分析者はめくり暗号じゃないのは確認済みだとするが、ロシア語だと
いう計算を入れたのかという。これは地図の座標だとし、
「53度72分・北緯、27度37分・西経、購入完了、受け渡しは4月27日
0800時」だという。スーザはその座標はベラルーシのマリーナ・ホルカ
って森だという。リヴァイアサンが手に入れようとしているのは
資産品・大量破壊兵器のだという。リヴァイアサンとは何なのかと問う
分析者。スーザは旧約聖書に出てくる海の怪物の名だという。
ドゥーリーはソ連の秘密組織と言われているが実在しないと思っていた
という。最近同盟国と戦う為の武器を買い集めているという。
トンプソンは”お嬢さん”の分析が正しいならば・・というと、カーター
は、分析しているので”お嬢さん”の気を散らさないでと返す。
「代金はアメリカドルで10万ドル、品物と到着時に支払うこと。支払い
先はハワード・スターク」と書かれていた。敵に武器を売るのを
現行犯で逮捕だという。ドゥーリーはベラルーシまで行ってスターク
を逮捕してこいとし、マイク・リーとリック・ラミレスも同行する
という。カーターは自ら”カーターも同行します”と語る。任務に私は
必要だというとトンプソンは反対する。戦時中の私の記録を見て下さい
というと、リヴァイアサンが暗号で通信を続けるかも知れないとしチーム
で私の暗号分析力は必要だと主張する。子守なんて出来ないという
トンプソン。カーターが解読するのは凄いが向こうでは何が待っているか
分からないとし、頭脳よりも筋肉だというトンプソン。
言葉と情勢を理解しているものが必要だというと、私は3年間欧州戦城
にいて東から西まで知り尽くしているという。真夏のベラルーシで
ニシンの臭いがしたらどういう意味か分かるか?と問う。バルト海から
風が吹き込んでること。つもり夏の吹雪が来るってことだとし、匂いに
気がついたら30分以内に避難して火を熾さないと朝までに凍え死ぬの
だという。しかしドゥーリーもカーターに私の立場も考えて欲しいと
語る。もしもベラルーシでお前が殺されたりお前をかばって誰かが
死んだりしたらやっぱりオレのせいになるのだという。お前の経歴は
知っているが、送り込むのは向こうに詳しい人物。私にはほど遠い
第107連帯にも来て欲しいとするが・・・カーターは私が彼らを呼べる
と言ったら?と語ると、それなら行かせるという。
に
■感想
今回は色々と興味深い流れが有ったかな。
何よりもカーター自身がSSRで自分の存在感を認めさせる為に、現場
で”正当”的な活動をするという流れが有る。
これまでスタークの為に”裏”で働いていた彼女としては、その功績は
認められずに、寧ろSSRには反目的立場な状態になってしまっていたが、
今回は正々堂々と戦い力を見せつけられる姿が有る。
そして何よりも今回カーターを後押ししたのは
映画 「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で
彼女がキャプテン・アメリカと共に救出してその後一緒に戦った第107
連隊が参戦したことで、SSRのドゥーリーとしても彼女を認めざるを
得なかった。
当時の女性が如何に現場から疎まれていたのかというのは想像に難く
ない。そもそも21世紀の警察組織だって女性というだけでやりづらい
現場なんだし、それが当時の捜査官ならば尚更のこと。
トンプソンは憎たらしい人物だけど、ドゥーリーの立場というのは
全く分からないでも無い。
女性が現場で何か有れば、責任者のドゥーリーは非難は免れないの
だろうし、結局の世論が女性を前線で働かせることに否定的だったん
だよね。
■1937年のソ連
ドラマの世界の現在から9年のソ連で、なにやら施設で女性スパイを
育成していた。その中にドッティなどが居たけど、逆算すると
ドッティとは19歳なのか?
あれだけ過酷な環境で訓練を受けたものに対して、SSRたちは訓練して
いる姿も無いし調査しているだけなので、もう少し実戦的訓練シーン
でも見せたらどうかなと思う。カーターらは何処かの組織から優秀
なので引き抜かれたのかも知れないけどね。
シールドの場合、常にメリンダにしてもスカイにしても訓練に余念が
無い訳だし・・・
しかしあれだけの人数の女性がスパイとしてアメリカに送られている
とすれば、そこに中に存在していそうだ。
アンジーもやっぱりスパイだったりしないのかな。
どうもベラルーシのマリーナ・ホルカの森の任務と聞いた時には
「NIKITA / ニキータ」でのウディノフ家・アレックスとニキータの光景
の任務が頭に浮かんでくる。
■魔法のタイプライターが稼働
ロシア語のめくり暗号だそうで・・・
ただこのタイミングでベラルーシに行かせている中で、ドッティが
カーターの部屋を調べたということは、偶然にしては出来すぎている
し、二つは繋がっているということなのかな。
リヴァイアサンがほぼソ連の秘密組織だということが判明している
けど、ドッティなんかもその一員なのかな。
ドッティはカーターのドアのトラップも見破り、そして引き出しの二重
底の中から
■男子更衣室で・・
トンプソンがまた嫌なヤツで・・ドゥーリーの方がマトモだったという
のは意外だった。
トンプソンがソーザに意地悪し、着替えているカーターのところに
行かせた。単なる意地悪だけで終わるのかと思わせたけど、ソーザが
目にしたカーターの後ろ姿は特徴的なもので銃弾を2発受けた傷が有る。
ヨークに資料を持って来てもらいカーターの経歴書を見る。
身体的な特徴まで事細かく書いて有るというのが凄いけど、右肩甲骨
に銃創が2つあるということで、高級クラブで撮影された金髪女性の
後ろ姿と一致する。スーザが疲れた顔をしていると最後に指摘されて
いたけど、ずっと写真と睨めっこして疲れたのか(笑)
■フィノーの戦いを調査するドゥーリー
ドゥーリーの単独でこの件を調査していた。
グレイという人物とバーで接触。フィノーの戦いはソ連側に247人の
死者が出た惨殺なもので、グレイは当時タイムズでその記事を書いた
とするが、編集長からボツにされたということで、何かの力が働いて
いることは確かな様だ。
ソ連の裏工作に陸軍とスタークが絡んでいるとされるが、スタークは
惨殺現場の後片付けを頼まれただけで、当時の陸軍の指揮官である
マクギニス准将は先月亡くなっている。
部下の前でスタークは准将を殴ってあり、一週間後に准将は辞職。
更に一週間後にはスタークは陸軍からの数百万ドルの請け負った
研究開発から手を引いているという。
ドゥーリーの中ではスタークが無実だということが少しずつ明らかに
されてきているのかな。
ジャーヴィスと接触
ドゥーリーはジャーヴィスに対してこの話には3つの側面があること
を告げ、「あんた側」「俺の側」「真実」だという。
ドゥーリーは何よりも真実を知りたいとして名刺を渡していた。
■ベラルーシでの任務
ハウリング・コマンドーズ
107連隊の名前の別名。
ダムダム・デューガン、ジャニア・ジェニパー、ピンキー・ピンカートン
ハッピー・サム・ソーヤーが助ける為にやってくる。
因みにジェニパーが名付けたとしていたしソーヤーはその呼び方は
嫌いだとしていた。
107連隊と接触した際に、デューガンが”エミュー”、ピンカートンは
“ダチョウ”と語っていたので何かと思ったら、合い言葉のようだ。
カーターは合い言葉は鷲でしょとして、107連隊のことをお猿さんたち
と呼ぶ。
デューガンはバーボンをカーターからもらって喜んでいた。
ドイツはビールは上手いがバーボンではやっぱりアメリカだという。
デューガンによるとこのまま進んでも国境の警備が厳重なのでリトアニア
に渡りアシミャヌイからベラルーシ入りを提案。
野営地にて・・
チベットには雪男がいると言ったとしてピンカートンやカーターは
それを言ったジュニパーのことを笑っていた。しかしイエティと
言ったと否定。
日本には人魚がいるって聞いたわよと言ったのはカーター。
トンプソンが日本に赴任・交戦していたので、彼に尋ねたものだった。
その際にトンプソンのウソの武勲話を聞かされることになる。
トンプソンの過去
展開としては明らかにカーターを持ち上げ、ひたすらトンプソンを
蔑むような展開になるとは思っていたのだけど、輸送機からの落下
から始まり、現場の撃ち合いに於いてトンプソンが恐怖に怯えて
何も出来ないという失態。
前日の野営地では、いきなり勲章をもらったというトンプソンの武勲
を聞くがそれがウソだった。
トンプソンは日本と交戦していたようで1945年に南の島で夜中の見張り
の最中に居眠りし目を覚ますと6人の敵兵が野営地に入ってきたという。
真っ暗の中で一人が寝ている上官にかがみ込んで打とうとしているとこ
ろを後ろから撃ち殺して助け、その後6人共殺したとされた。
しかし後にトンプソンは如何に自分が現場で使えなかったのかを実感
し、カーターには、1945年当時の顛末に於いての真実を語る。
敵兵は白旗を持って来たのに、それを見誤って撃ち殺してしまったこと。
白旗を隠してさも襲われた風を装ったみたいだ。
ズロースの中までゾクゾクね
いよいよ現場の建物内に入った一行。
カーターの提案で4人2組で侵入することに・・
トンプソンはサム・ソーヤー、ピンカートン、ラミレスと同行。
カーターはデューガンとリーとジェニパーでチームを組む。
カーターたちはアニメが動いているのを知る。
そしてベッドには手錠の跡。
アニメはサブリミナル効果のようにして潜在意識の中に「教え込む」
「恐怖」という文字が刷り込まれていた。
エヴァという少女が居たが、デューガンが山高帽を見せている間に
突然ナイフで刺してくる。幸いベストを貫くことはなかったみたいだ。
そういえば任務に就く前にカーターたちもチタン合金10%だとされる
防護服を着ていたね。
アシモフとDr.イフチェンコ
施設にはアシモフとイフチェンコが捕らえられていた。
リヴァイアサンが欲しがっていたのは「光子性の増幅装置」。
光というのは粒子であり波でもあるが、スタークは波の性質を変える方法
を見つけたのだという。ただしその設計図を盗み取ったが、組み立てる
方法を知らないとのことで、エンジニアのアシモフをキエフから連行
し、イフチェンコを同行させたという。
頭を使え!
それを使ってリーは銃殺されてしまった。
映像が暗いのでそれ以外は誰が殺されたのか分からなかったけど、
基本的にデューガンとカーターとトンプソンが生きていれば良いんだ
ろうけど。ラミレスとソーヤーは生きていたので殺されたのは
ピンカートンとジェニパーだった?
リーの遺族にはトンプソンが話すと言っていた。
キャプテン・アメリカならば・・
「ペギーに逆らうなと言うわ」。
デューガンは最後に107に戻らないかとしてペギーを誘っていた。
ニックネームは「ごり押しカーター」。
もう前線は退いたのだと。
■使用された曲
・Reveille Rolle by Rob Parton Orchestra
■出演者
ペギー・カーター (Hayley Atwell) SSRエージェント
エドウィン・ジャービス (James D’Arcy) スタークの執事
ジャック・トンプソン (Chad Michael Murray) SSRエージェント
ダニエル・スーザ (Enver Gjokaj) SSRエージェント・松葉杖
ロジャー・ドゥーリー (Shea Whigham) SSR支局長
ハワード・スターク (Dominic Cooper) スタークインダストリーズCEO
アンジー・マルティネリ (Lyndsy Fonseca) “L&L Automat”ウェイトレス
ドロシー・アンダーウッド (Bridget Regan) “ドッティ”、バレエダンサー
ヨーク (Alexander Carroll) エージェント
ダンダン・デューガン (Neal McDonough) 第107連隊
Dr.イフチェンコ (Ralph Brown) 精神科医
ハッピー・サム・ソーヤー (Leonard Roberts) 第107連隊
リック・ラミレス (Greg Serano) エージェント
マイク・リー (Eddie Shin) エージェント
ニコライ・アシモフ (Alex Veadov) エンジニア、天才
グレイ (John Glover) SSR Informant / ドゥーリーが情報を聞く
ピンキー・ピンカートン (Richard Short) 第107連隊
— (Jared Gertner) Cryptographer / 暗号解読
ジュニア・ジュニパー (James Austin Kerr) 第107連隊
10歳の頃のドッティ (Veronika Bonell) パンを分け合う
10歳の頃のアニャ (Caitlin Carmichael) パンを分け合う
10歳の頃のエヴァ (Chiara Aurelia) カーターたちが施設に行くといる子
ピート (J. Anthony McCarthy) 新聞屋
— (Vladimir Tevlovski) リヴァイアサンの兵士
ジョン・マクギニス陸軍准将