第4話 煙と鏡 Smoke & Mirrors
脚本/
監督/
【これまでのあらすじ】
スタークはアリーナ・クラブの件、どういう事件なんだとカーター
に尋ねる。分からないけど行くべき場所は一つだという。クラブに
盗聴器を仕掛け悪事を暴くのだという。ジャーヴィスは出来る限り
カーターの手伝いがしたいという。スーザはペギーにデスクの上
のものが浮いていることを告げる。ゼロマターによる副作用だと
いうカーター。スタークはあらゆる電磁波を見えるようにすると
してスプレーを吹きかけると消えていなくなったウィルクス博士
が見えるようになる。スーザは彼女ホイットニー・フロスト/アグ
ネス・カリーはアイソダイン・エナジーのブレーンだったという。
ケネスがホイットニーに触れると黒くなってホイットニーに
吸い込まれる。ホイットニーの額にはゼロマターの痕跡が血管の
ようにして見えていた。
【ストーリー】
●回想シーン
「竜よ、覚悟しろ私が姫を救いだす」そう告げて剣を
振り回すカーター(Gabriella Graves)に対してマイケル
(Webb Hayes)は剣を取り上げる。返してという中、カーターは
マイケルを突き飛ばす。すると母(Carole Ruggier)がやって
きてマーガレット・エリザベス・カーター!!(ペギー)と名前を
読んでお転婆が過ぎるという。いつかレディーらしく振る舞うと
き来ると告げる。
●現在
カーターはケーキのクリームを資料にこぼす。
ウィルクスはその資料に目を通す中で、身体のあらゆる部分が感覚
がない事を告げ未だに慣れないという。元に戻せれば良いが・・
ウィルクスはたまらなく歯がゆいことを語る。
ここにある資料は「中性子炉の設計図」。昨年ロスアラモスで
作られたのは同じタイプで最大25kwの発電が可能だという。3年前
にアグネスはこの反応炉の特許を取っているという。理論上ロス
アラモスの1000倍のパワー。ホイットニーは天才の域を超えている
という。
メイベル(Tamika Katon-Donegal)はホイットニーに荷物が届いた
事を伝える。
アイソダイン研究部からのもの。中で何かが動いているという
メイベル。中にはネズミが入っていた。
チャドウィック選挙事務所。
ジャーヴィスはチャドウィックの偵察へ。中に妻のホイットニー
は居ないこと。バッジをもらってきたというがカーターは捨てて
しまう。夫の選挙事務所にも撮影所にもホイットニーは居ない。
映画監督失踪以来、自宅に潜伏しているのだろうと。ゼロマター
を隠そうとしていた。ホイットニーが全ての鍵を握っていると
いう。チャドウィックがやってくる。”ヘディ・ラマーが3度目の
離婚”だという雑談をしていた。そんな中ジャーヴィスはあの
運転手の右手を見てというと、例の暴漢も右手に怪我をした筈
だという。
カーターはローズに頼んで調べてもらう。
運転手はルーファス・ハント(Chris Browning)。大戦では
フィリピンで従軍。武器を横流しにしたのがバレて軍法会議に
かけられ除隊。そして殺し屋になったのかという。今は
アリーナクラブの警備主任だった。
あそこの秘密に精通している筈。殺そうとしてきた相手からどう
やって聞きますかというジャーヴィス。考える必要が有るわねと
カーター。
ジャーヴィスは麻酔銃を撃ったことは有ります?と尋ねる。
私はペットの世話でたまに使うという。まさかフラミンゴを撃って
いるのかというとコアラだという。
法を犯すことについては?というカーターに対して今回は異存なし
だという彼。
●1910年オクラホマ州ブロクストン。
アグネス(Ivy George)はラジオを直してメモに色々と書いてい
た。母・ウィルマ(Samaire Armstrong)がやってくるともうすぐ
バド叔父さん(Chris Mulkey)が来るので感じよくしてと
頼む。ここに住めるだけ幸せなのよというウィルマ。バドがやって
くるとアグネスの鉛筆を取ってしまう。返してくださいという彼女。
笑ったら可愛いのに何で笑ってくれないのかと問う。考えている
からだという。ウィルマはアグネスに感じよくと言ったでしょと
いうと、私はあの人が嫌いだというアグネス。
●現在
ゼロマター実験その1。
ラジオを聞きながらネズミに触れる。しかしその際に夫のチャド
ウィックがやってきた為に急いで隠す。何をしていたのかと問われ
セリフを覚えていただけだという。監督がいないんだろうと。
火曜日から飲んだくれていたので池にでも浮かんでいるんじゃない
のかという。何か用事か?というと彼はカメラマンから今度君には
白いドレスを来て欲しいとのこと。Vネックか?「ライフ・マガジ
ン」の表紙を飾れるのは滅多にないことだとし、君は史上最高の
美人ファーストレディーになれるなと。6時にねとチャドウィック。
彼が居なくなると再びネズミを使った実験をする。ネズミが噛み
ついたかと思うとホイットニーの身体の中に黒くなって吸い込ま
れる。ケネス監督の時と同じ・・・しかも徐々に傷跡は大きく
なりゼロマターによる亀裂音がなる事になる。
●1940年イギリス、ブレッチリーパーク
●1928年オクラホマ州ブロクストン
●1940年イギリス、ハムステッド
●1940年イギリス、ハムステッド
●1934年カリフォルニア州ハリウッド
■感想
今回はペギー(マーガレット・エリザベス・カーター)と
ホイットニー(アグネス・カリー)の幼少期から成長し、現在に
至るまでが平行して描かれて最終的には1940年に向けた流れと
なっている。
どちらも暗い過去が有り、ホイットニーは父無し子だったのか
母親のヴィルマが土地の有力者のバドに媚びを売り事実婚の内縁の
妻のようになって住む場所を得ていることを気に入らない。
ホイットニー本人は1920年当時の幼少期には既に母親のラジオを
分解して直している姿が有り、笑顔が苦手な子だったが既に
天才の才能を見せていた。
一方ペギーには兄のマイケルの姿が有り、幼少期から母親からは
お転婆娘だと言われ、「いつかはレディらしく振る舞うことになる」
と指摘されるが、その直後のカットではケーキを頬張り書類に
ベッタリこぼしている光景が有った。
ホイットニーは鉛筆を武器、ペギーは剣を武器にしていた幼少期。
マイケルと戦うペギーの腕は剣。ホイットニーはバドから鉛筆を
取り上げられて「私の鉛筆を返してください」と主張したところ
から既に戦いは始まっている。
また互いに母親を感じさせる象徴的アイテムがこの中で描かれて
いる。カーターはハンカチ。幼少期にハンカチのことが指摘され
ていたがカーターの結婚式の時に母親が涙した為にハンカチを
手渡す。
ホイットニーは研究する時にはラジオを聞いているシーンがある
が、幼少期の自分の原点となるアイテムでもある。
電子工学的才能を持っていた訳だけど、ラジオも聞いていたこと
でショウビズ界にも興味を持つ素地が有ったのかな。
劇場版でのカーターは「キャプテンアメリカ」の中で、ショウ
ビズの世界の裏方としてキャプテンアメリカの存在をアメリカの
象徴として扱い、兵士を鼓舞して世界中を慰問して周り、そして
兵士募集に力を入れていたよね。
この二つの流れは本当に対象的で、当時の女性の役割として
必要とされている立場にいたものと必要とされていない立場と
して存在している点が興味深い。目立つ存在になりたいと考えて
いるホイットニーと目立たない女性の存在を求められるカーター。
まさに天敵って感じ。
■ウィルクス博士
先日だったかハワードがあらゆる電磁波を見えるようにするスプ
レーを開発していた為に、ウィルクスの存在がまだこの世に存在
するようで存在しない存在として描かれている。
いつでも傍に居られるということは、うがった見方をすると息を
潜めて24時間好きなカーターの元にいることが出来るってことだよ
ね。紳士的なウィルクスがそんなことをするとは思えないが、
シャワーを浴びたり寝ているところの傍に居たりしても誰にも
止められないぞ(笑)
後ろから包み込む感覚はデミー・ムーアとパトリック・スウェイ
ジの映画「ゴースト」なんだけどね。パトリック・スウェイジは
残念ながらガンで亡くなってしまっていましたが・・
ウィルクスによるとアイソダインエナジーが開発していたものは
中性子炉の設計図で昨年ロスアラモスで作られたものと同じタイ
プ。3年前には既にアグネスがこの反応炉の特許を取っているばか
りが、このプロトタイプの1000倍のパワーを持つものであり、
天才の域を遙かに超えている。
■それぞれ歴史
・ホイットニー / アグネス・カリー
最初の描写は1920年のオクラホマ州のブロクストン。
母親のヴィルマがバドと関係を持つ中、母親のそう言う行動が好き
ではない。
2度目の映像は1928年。ヴィルマはバドに新しい愛人が出来た為に
家から追い出されることになる。
ヴィルマはホイットニーが無愛想にしていたとして娘に責任転嫁。
しかも頭が良いと思っていることに対して鼻持ちならないと
感じている様子。オクラホマ大学に受験したけど不合格通知が
届いていた。(日付は1928年4月23日だった)。
そこで母親からは頭が良いと思っても実際には顔や見た目をよく
しないと世の中女性が生きて行く武器にはならないことが語られ
た。
最後は1934年にカリフォルニア州のハリウッドの映画館の前で
何度も同じ映画を観る姿が有る。
Teresa MontgimeryとかThe Spanish Tower(スペインの塔)なんて
書かれていたけど、そこでネッド・シルバー(Andrew Carter)と
いう芸能エージェントと知り合うことになる。
スーザが持って来た資料ファイルにも
「アグネスは1934年にオリンピアの映画館の前でスカウトされて
芸名を与えられ映画に出演。4年後(1938年)のアンヴィル映画の
稼ぎ頭になった」としていた。
・ペギー(マーガレット・エリザベス・カーター)
最初の登場の時には何年かは年代は書かれていなかった。
ただイギリス人の彼女はイギリスにいて、竜退治ごっこをしては
兄のマイケルと争っていた。
1940年のイギリスブレッチリーパークでは暗号解読員として
働いていた。その際寿退社を臭わすフレッドとの婚約話が持ち
上がるも、エドワードという上司からチャーチルが陣頭指揮を
取っているSOE(特殊作戦執行部)で女性スパイとして戦場で働か
ないかと言われる。スパイ工作、破壊工作、ゲリラ戦。
ヨーロッパ中のレジスタンスが町を歩いても目立たない人間を
探している。それは女性。
「国王陛下と祖国の為に大活躍出来る稀に見るチャンスだ」と。
3度目の登場はイギリス・ハムステッドでの結婚披露宴の場。
兄のマイケルとカーターの婚約者のフレッドが初めて紹介する
場だったのかな。マイケルは妹の性格を知っていて子供の頃から
夢見ていた冒険の人生を叶える為に、兄がSOEに推薦していた。
「人がどう考えるなんて気にするな。自分を偽るな。戦う為に
うまれて来たんだ」
4度目の登場はやはり結婚式の日。
カーターがウェディングドレスを着ている中で、兵士がやって
くる。マイケルの死を伝える兵士たちの姿。指輪を置いてSOEの
手紙を手にして出て行くカーターの姿。
■現在のエピソード
・チームカーター
何と言ってもアリーナクラブで何が行われているのか。
そしてあそこで集まっている人物は誰なのか。
チャドを監視していると運転手の右手が怪我。先日カーターを
襲った時に出来た傷。
相手はルーファス・ハント。フィリピンで従軍していたが武器を
横流しにして軍法会議で除隊。その後殺し屋へ。
麻酔銃を使って確保する作戦。
ジャーヴィスが警察を装ってルーファスに家に行き裏口で待つ
カーターが麻酔銃を撃った。なかなか麻酔が効かずに痛い目に
合うことになるけどね。「大丈夫です(大ジャーヴィす)」
スーザにバレる。
「何だかボクを追い返したがっているようだ」
(まさにその通りですけど・・早く帰って!!と)
「お前なんてエリオット・ネスの真似で走り回っているだけ。女
にはどうしても越えられない一線がある。」
ルーファスの口を割らせる為にマラリア菌と嘘付いて注射。
太平洋戦争を経験しているのでマラリアの怖さを知っているでしょ
とのこと。
スタークインダストリーズが開発したより強力な薬。
ただの風邪を重症化させるものなのかな。20分で手遅れになるわ
よとして、そんな彼から金融業者のトーマス・グロースター
ロクソン社のヒュー・ジョーンズの名前にどが関わっていること
を聞く。この組織はマッキンリー大統領の暗殺や大恐慌も起こした
程の組織だということで、クラブの倉庫に「9人の評議会」の会議
の録音があることを聞く。
クラブに乗り込もうとするが、検事も当然組織に掌握され、
カーターらSSRにやってきたのは陸軍省のヴァーノン・マスターズ。
大統領直々の命令でSSRを監査すると逆に攻撃してきた。
“ハリウッド・テン”も自分たちを自立的思考の持ち主と考えたと
いう彼。ハリウッドの魔女狩りとSSRは関係が無いとするが、
カーターが外国人であることやカーター本人は守られても仲間は
守られないかも知れないと圧力をかけられる。
・
手詰まりかと思ったけどウィルクスがジェーン・スコットの組織
サンプルを持ち出していた。
そこでハントを解放させて盗聴器を仕掛けさせ、ホイットニーの
室内を監視。そこでルーフィスのことをホイットニーは処理する
ことになる。
・チームホイットニー
ゼロマターの実験をしていた。ネズミを取り寄せてそれを使って
の実験。ホイットニーの身体に流れる黒い血。
ネズミに噛まれるかするとホイットニーの身体の黒い血によって
取り込まれてしまう感じ。そしてホイットニーの額の血がどんどん
広がっていく。
ライフマガジンの表紙の仕事をもらったけど、そんな状態なので
全く人前にも出られなくなっていくな。
最後にルーファスのことをゼロマターで取り込んでいた。
しかもチャドの目の前で取り込んでいたね。流石にこれを見たら
もう逆らえない(笑)
■使用された曲
・Agent Carter Theme
Written by Christopher Lennertz
・My Baby Loves Everybody (feat. Corey Gemme) by The City of
Los Angeles All Stars & Richard Geere
・Violin Concerto In A Minor, Op. 3, No. 6, RV 356 III. Presto
(uncredited)
Written by Antonio Vivaldi
■出演者
ペギー・カーター …… SSRエージェント
エドウィン・ジャービス …… スタークの執事
ジャック・トンプソン …… SSRエージェント
ダニエル・スーザ …… SSRエージェント・松葉杖
ハワード・スターク …… 映画監督、科学者
ホイットニー・フロスト …… カルヴィンの妻、女優
ジェイソン・ウィルクス …… アイソダイン研究員
カルヴィン・チャドウィック …… アイソダインエナジー社CEO
ルーファス・ハント …… プロの暗殺者
ヴァーノン・マスターズ …… 陸軍省
マイケル・カーター …… ペギーの兄
ウィルマ・カリー …… アグネスの母
バド・シュルツ叔父さん …… ウィルマのパトロン
Mr.エドワーズ …… イギリス時代のペギーの上司
フレッド …… ペギーのフィアンセ
Mrs.カーター …… ペギーの母
ネッド・シルバー …… スターのエージェント
メイベル …… チォドウィック家のお手伝い
アグネス・カリー …… 18歳の頃のアグネス
若い頃のペギー・カーター …… チャンバラごっこ
若い頃のマイケル・カーター …… ペギーと遊ぶ
若い頃のアグネス・カリー …… 既にラジオを分解修理
…… チケット売り場
…… FBI捜査官
ロリーン …… オーウェンズの娘
オーウェンズ …… ロリーンの父
トーマス・グロースター …… アリーナ・クラブ / 金融業者
ヒュー・ジョーンズ …… アリーナ・クラブ / ロクソン社
ジェーン・スコット …… 凍ってしまった遺体
ローズ …… SSRの受付
サンバリー博士 …… SSR、チーム・カーターの一人、ローズを好き