第21話 未解決連続殺人 Disturbed
脚本/Cheryl Heuton
Nicolas Falacci
監督/Dennis Smith
【ストーリー】
「行方不明7636人、殺人2260件、未解決連続殺人6件、第100話」
サッカーボールを蹴る少年のことを夫が来るまで送る中、夫人は家に
入ると検査官が夫人の元にやってきて突然夫人を殺害する。
“女性、拘束、刺殺、ロープ”。
チャーリーはドンが撃たれて以降独自の殺人事件に関するパターン性
を考えていた。コルビーはそんな彼に何か閃いたのかと問うと頭の
体操をしているだけだという。デビッドは未解決の殺人が24件だと
して十分にリアルだという。兄さんが刺されてからずっと思っている
ことがあるとしどんな暴行も説明が付く物だと。しかしこれらは
手口も被害者もバラバラで、男、女、子供、射殺、刺殺、絞殺、撲殺
など・・しかも3人はひき逃げだというデビッド。
しかしチャーリーはパターンがある事を告げ、これは地球外の知的生命
体を探す時と同じ「数字的コンセプト」を使うという。宇宙は絶えず
背景に電磁波のノイズを発生し続ける。SETI(地球外知的生命体探査)
はこのランダムな宇宙ノイズの中から複雑且つ規則的なシグナルを
拾い出すためのアルゴリズムを使って人工的なパターンを発見しよう
としているという。「時空間視覚化モデル」を使えば、殺人への
欲求が現実的な制約条件とどう折り合いをつけて現れるか分かるとい
う。
チャーリーが途方もないことをしているのをリズやニッキーも遠くから
眺めていた。デビッドはかつてチャーリーが銀行強盗を予測して
ドンが撃たれたことが有ったがあの時も同様の状態で閉じこもって数学
の難問を解こうとしていたという。ニッキーは5日間もあの調子だと
いう。リズはPTSDの症状に過剰警戒っていうのが有るとし、何か起きる
のではないかと常に怯え続けて何も無いのに脅威に思うことだという。
チャーリーは帰宅するとソファーで寝ていたドンが声を掛ける。
朝3時までFBIで何をしていたのかと。連続殺人事件の可能性を調べて
いるんだろうとし、オレが怪我したのはチャーリーのせいではないと
語る。忘れるんだというと答えが出ない難問だって有るんだと語る。
翌日ゴミ収集車が遺体を発見する。先日妻殺しで通行人を目撃した
郵便局員がヒロされたものだった。
ケイツ捜査官はニッキーに声を掛ける。
こんなに目立つところで殺人が発生したのかと驚くニッキー。郵便配達
の途中に至近距離から頭を撃たれて死んだらしいという。
チャーリーは調べていたが完全なパターンじゃないとし、そこから外れ
る事件も多少はあるという。多少とはどのくらいかというデビッドに
対して2、3だというと、でも全体的パターンは存在しているんだとチャ
ーリー。マクロに見れば統計的には2、3は誤差の範囲だと語る。
デビッドは5年も一緒にやっているので君の分析の正しさは信用して
いるが仮説に人手は割けないんだという。数学者の発見した連続性
以外のパターンがないと。大抵の連続殺人犯はパターンのせいで捕ま
るので、だから同一犯だと思われないように変えているのだという。
手口、凶器、タイプを変えること。チャーリーはそれを調べる為にも
データが欲しいというと、デビッドはアマチュアの研究データはどうか
と問う。別の事件で協力してもらっているとのこと。
チャーリーはロイ・マクギルの元にいく。
如何にも陰謀論者っぽい世間と隔絶しているような人物だった。
オレの研究はトップシークレットだと言うと、チャーリーとはいつか
コンビでやれると思っていたという。チャーリーはデータが欲しいだけ
だと語ると、オレの連続殺人のブログはマニアには人気だと語る。
先生のパターンに合う殺人は2件だとし、それ以外は連続殺人データセ
ンターに行こうと語る。
マクギルが連れて行ったのはジーン・エバンズという元会計士の男の
元だった。失踪未解決の殺人が多く警察だけでは手が回らないものを
我々全国のアマチュアがデータの収集と分析をやっているのだという。
しかしエバンズは2年前にもう辞めたとし妙な電話が続いて妻のマーサ
が怯えているからだという。マクギルに仮説を聞いて思いついたが
ロス市内の事件じゃないものばかりだという。北の方のフレズノや
ベーカーズフィールドのものだという。チャーリーは事件ファイルを
見せてもらうともう何年も前のものだという。しかしパターンが有る
というエバンズは被害者の通り道を知っている点もみて居るという。
犯人の特徴の一つはコンストリクター結びを5つの事件で使っていること。
ベーカーズフィールド警察には見せたとし、ドリスコル刑事にだと
いう。
■概要
・女性が拘束され殺害される。
・チャーリーはFBIに缶詰になり5日間ずっと事件について色々と
数学的見地から捉えようとする。
・時系列的なパターンが有るとするが、手口がバラバラで連続性と
見るには今の所無理が有った。デビッドにそれを調べる為にもデータ
が欲しいことを言うと、FBIの仕事を手伝っているアマチュアの
連続殺人犯を追っているものたちのことを紹介される。
・ロイ・マクギルは未確認物体やその他事件についても幅広く扱って
いるマニアだった。しかしチャーリーのパターンに遭う殺人をより
知る為にはデータを持つジーン・エバンズ先生の元に行く様誘われる。
ジーンはかつて失踪未解決事件の捜査・データ収集・分析に協力して
いる会計士の男性で、彼もチャーリーと同様にこの事件は時系列的
な規則性があることを唱えている一人だった。しかし既にそれも引退
していて、辞めた原因は犯人からの脅しだということだが・・
■感想
ちょうど100話目のエピソードなのね。
海外ドラマの成功に於ける一つの基準を見事にクリアしたという感じ
だけど、評判の割りにドラマとしてはシーズン4をピークにして
どんどんつまらなくなっている印象も有る。
数学と事件を結びつける流れがかなり強引になってしまい、事件捜査
の補助的役割として理論が用いられるのではなく、冒頭から数学的
アプローチで事件を探り当てるというのもちょっと厳しい気がする。
今回の件でも不自然なシーンが多く、凡人にはそれが連続殺人だと
する流れが理解出来ないし、プロなら寧ろ連続性を見出せと小一時間。
その連続性が否定されたことで、ジーンはこれまで生き延びられたけど
ドリスコル刑事は殺されていたし、ドラマの中では目撃者の郵便局員
も殺され、捜査を始める宣言をしたジーンもまた結局は殺されてしまっ
た。
5つの事件で使われて居たコンストリクター結びというヒモの結び方
に関して、それだけでも警察官は捜査しても良かったのではないか
という気がする。ただ個々の案件でも証拠を見いだせていないのであれば
連続性の事件だとしても見つかる訳無いよな。
ラリーが天文学者なので、チャーリーの凝り固まった観念を解すため
に諭すようにして事件捜査に於ける解決の一つの思考的価値に結び
つけるというのは上手いなとは思う。
先日ドンが撃たれたことで、チャーリーもストレス性で今回の事件に
固執している所が有った。彼のストレス解消方でも有るのかも知れない
けど、なかなかその理論を信じてくれるものがいないとのもまたスト
レスになりそうだ。
しかし事件捜査が進むに従い、これが連続性を帯びたと分かると、
デビッドにしてもリズにしてもみんなチャーリーの理論を説明出来る
ほどに数学的アプローチからの捜査の段取りを理解しているという
のだから現金な感じ。
■捜査に於ける数学の先生たち
・時空間視覚化モデル
地球外の知的生命体を探す時と同じ数学的コンセプトで探している
ことを告げ、複数の数多くの事件の中から共通するパターン/アルゴリ
ズムによって一見ランダムだとされるものから時系列的関連性を
見出して犯行の連続性を探ろうとしていた。
・認知発現理論
先日からチャーリーが取り組んでいた数学者としての理論。
ラリーはそろそろFBIの捜査から離れて数学者に戻るべきことを
語っていたけど、そもそもの捜査に関わったのもドンが怪我した
ことへの罪悪感的なものも有るのだろうし、何よりも今回夢を
見る中で、赤いドレスを着たアミタが犯人に襲われるように映像を
みて居たよな。あれってアミタだよね?
・ステルス・プレデター(ステルス犯罪者) / ロスモの理論
ロスモの理論とはカナダの刑事で数学者でも有る地理的プロファイル
の先駆者のキム・ロスモが
で彼も同じタイプの連続殺人犯を見つけたが、犯人は
ステルス・プレデター(FOX翻訳ではステルス犯罪者だった)と呼ばれる
警察に気づかないやり方の犯罪を行うもので、ロスモはバンクーバー
の警察に提言したパターンがあるが、警察にはこの事件が一人の仕業
だと信じられずにロスモをクビにした経緯が有る。
その後31人が殺害されたという。
・QZ2平面宇宙に於けるライマンα線放射体の光電的性質
本来チャーリーが組んでいるマクギルだが、マクギルが持って来た
被害者第1号に関してチャーリーは連続殺人犯としては該当しないと
して除外してしまった。事件の根拠は1号被害者のナンシーが例の
ロープの結び方をされていたところがあるけれど、チャーリーは除外。
しかしラリーがそこで寧ろこの件ではマクギルの方に味方したいとして、
その根拠としては、完璧なパターンというのは存在しないということ。
チャーリーは「一人の人間をシンプルな数学的パターンに当てはめよ
うとしているが、宇宙論的に云えばあらゆる出来事は既に起きたこと
ばかりをみて居る」と語っていた。
・ホットゾーン(重点域)の公式
3つのエリアが怪しいことは明らかで、冒頭から名前が出ていた地名の
ロス、フレズノ、ベーカーズフィールドの中でも夫婦で30代半ばが
狙われやすいとされていた。
・不審者通報の比較分析
過去の事件での通報された録音データを実際に耳にしたことのある
ナンシーの恋人だったスティーブに聞き分けてもらう。
ナンシーが殺されたのは88年だぞ。本当に覚えているのかいな。
その後スティーブは車に細工されて殺され掛けたということで
一家でネバダに引っ越ししたというのだから可哀想だな。
■その他
・犯人はポズナー
逮捕前に一度ハリコミしている際にポズナーにデビッドとニッキーが
逃げられるシーンが有る。リズとコルビーも別のホットゾーンを
監視していたのだけど、本当の犯人はデビッドたちのハリコミの方に
いた。で、このポズナーだけどあの顔とは似つかないほどに俊敏な
動きで逃げ去ってしまった。訓練しているデビッド相手に柵を乗り越
えて逃げる事なんて出来るのか。
・ドンは取りあえず復帰
本格的な復帰は次週からみたいで今週はデビッドに全てを任せていた
けど、重要なところで顔を出していたよね。
・リズの好きな俳優
マイケル・ルーカーのファンだということで、「シー・オブ・ラブ」
(1989)、「ヘンリー」(1986)「リプレイスメントキラー」(1998)を
挙げていた。
コルビーはアイツいつも犯人役じゃないかとしていたけど、リズは
反論する際にリプレイスメントキラーを出して反論していた。
リズもまた凄い人を好きになったな(笑)
因みにマイケル・ルーカーと云えばドラマブログ的に言えば
「ウオーキング・デッド」のダリルの兄メルル・ディクソン役。
■使用された曲
・Heaven by I Monster
・Numbered Days by The Eels
■出演者
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
ニッキー・ベタンコート (Sophina Brown) FBI捜査官
リズ・ワーナー (Aya Sumika) FBI捜査官
ロイ・マクギル (Josh Gad) FBIに捜査協力するアマチュア
ロバート・ポズナー (Brian Howe) 連続殺人犯、数々の偽名
ジーン・エバンズ (John Rubinstein) 元会計士、アマチュアの殺人データ
ピーター・エバンズ (Jack Shearer) ジーンの兄
マーク・ホーン (Daniel Sauli) ジーンのクライアント、接近禁止令
ジャック・ケイツ (Dan Martin) 捜査官
スティーブ・サバード (Brett Rickaby) ナンシーの元彼
マット・リー (Matthew Yang King) FBIのテック班
ジャック (Paul Messinger) リンダの夫
リンダ (Michelle Feynman) ジャックの妻
レナード・ウィルバー(Creagen Dow) ジャックの娘の友達
ジョー (Jonathan-David)
— (Erica Piccininni) 婦人
— (Anne James) 妻
— (Laura McDavid) 殺された妻
ラルフ (Keith Nobbs)
ナンシー・カーショー () 17歳ストックトン高校、88年に殺害された
ドリスコル () ベーカーズフィールド警察
マーサ・エバンズ () ジーンの妻