LAW & ORDER : クリミナル・インテント 犯罪心理捜査班 シーズン7 第16話 黒い秘密 Reunion

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第16話 黒い秘密 Reunion

脚本/Warren Leight
Jacquelyn Reingold
監督/Jean de Segonzac

【ストーリー】

人気の深夜番組シルビア・ローズの”ロックントーク”の時間。
録画放送が流れる中、元アシスタントのエイヴァは恋人のラルフ
とタトゥー店にいた。シルビアからのメールが来るが彼女とは
縁を切ったと語る。
番組では特別ゲストとしてonly oneの男、音楽界の伝説で社会
活動家でもあるジョーディー・ブラックが紹介され登場する。
そのジョーディーは放送が行われている日には疲れて帰宅する。
妻のタラはジョーディーを誘惑するが今日は疲れたとしてベッド
に寝そべりシルビアの番組を見る。ここ最近ジョーディーは
音楽活動以上に奉仕活動をしていた。恩を返そうと思って行って
いるというと、シルビアはお手柄だとして感心してみて居ること
を告げる。TS(ツイステッド・ストランズ)の再結成ツアーについて
話をして欲しいというシルビアに対して新しいギタリストが
入ったのだという。ジョーディーはギターリストを紹介すると
して呼び出すとそこに入って来たのはマイロだった。シルビア
の息子にちょっぴり微妙な表情を見せる。
マイロは自宅からママに電話するが、出ないことに苛立ち。
ついには出ろよとして怒鳴りだし携帯を投げる。
シドニーの番組は、彼女のセリフ「人生は厳しいけど、酷い目
に遭ったら暴れてやり返すだけ」と言って終了する。
その放送が行われている際にシドニーは自宅で血を流して床に
倒れていた。隣にはネコがいた。

ローガンとウィーラーは現場に行く。
刑事のルイーズからこれまで調べたことの報告が入る。
被害者はシドニー・ローズ、音楽プロモーターで深夜の公開番組
の視界でニューヨークの人気者だという。独り暮らしなのかと
問うウィーラーに対して発見者は息子のマイロだという。この
アパートはドアマンが不在で防犯カメラもないとのこと。
目撃者も居ないという。
ウィーラーは未だにVCR(video cassette recorder)を使っている
のかと告げる。強盗の跡は遭ったのかというローガンに対して
これは息子の足跡で侵入の形跡はないという。財布もガードも
現金も宝石類にも手つかずの状態だと。ローガンは遺体を持ち上
げると後頭部を重い鈍器で一撃だなと語る。ウィーラーはどう
思うかと問うと、シャンパンの栓のワイヤーを緩めている時に
後ろから一撃ねとし、テーブルの上の状態を見てシャンパンを
一本飲み干し、二本目をあけようとしていたのだという。アルミ
とワイヤーとコルクがゴミ箱に入っているというと、ローガン
はボトルが無いなとし、それが凶器で犯人が持ち去ったのかも知れ
ないと。息子は何処に居るのかと問うと隣に住むジョーディー
ブラック夫妻の所だという。それを聞いたウィーラーはJ・ブラ
ックってTSのボーカルのか?と問う。奥さんのタラは黒いビスチェ
姿だというルイーズ。ローガンはウィーラーにファンなのかと
問うと当然だとして目を輝かせ、高校の時には全てのアルバムを
集めたと語る。

ブラック家に行きマイロから話を聞く。
母の好物のベーグルを持って行ったが返事が無く室内に入ったら
ママは床に倒れていたという。母親の部屋の鍵を持っているのかと
問うローガンに対して一年前に家を出たばかりだという。他に鍵を
持っていた人物はと問うとマイロは名前を覚えていなかったが、
タラがエイヴァだという。何人も首にしてきたので覚えていない
という。最後に遭ったのは何時なのかと問うウィーラーに対して
2日前の番組収録の時だという。そこにジョーディーがやってくる。
ローガンは彼に今朝はずっとベッドに居たのかと問うとタラと
二人だという。シドニーは真の友達だったというと、いつから隣に
住んでいるのかと問う。3年前からだというと、でも初のアルバム
以来の付き合いだという。”BOC”の前座の頃からか?というウィー
ラーに対して君はマダ生まれていない頃だろうというジョーディー。
涙するマイロに大丈夫かと声を掛ける。ママは飛行機事故でさえ
生き延びたとし3歳の頃だという。パパの他の客もみんな死んだ
のにママだけ助かったという。不死身だと思っていたのに・・と。

検視室。
エリザベスは彼女は頭をかち割られていることを語り、死亡推定
時刻は夜の22時から午前24時だと語る。シャンパンボトルで殴ら
れたというのも正解かもと。アルコール濃度は0.17%で深酒だが
それも仕方が無いのではないかというエリザベス。彼女には
化学療法、放射線治療、肺葉切開の跡もあるという。タフな女性
で死んだ夜にも放送をしていたと。
そこにロスがやってきて合流する。シドニーのアシスタントは
エイヴァ・リースだと語り話を聞いてくるよう告げる。

■感想

ローガン&ウィーラーサイドの捜査だった。

ロックンロールというものを通して、酒、ドラッグ、暴力、
セックスなどの如何にもな問題が複雑な要因・要素として存在
し、それがどのようにして事件に関与しているのかということを
探っていくもの。

テーマとしては「寄生」だったのかな。

人間関係に言及されるエピソードで、二人の人間が居ると必ず
優劣的ものが存在し、区別されるものがある。一番分かりやすい
のは男性と女性という性別単位で分けられることだけど、最悪な
のは同性であれ異性であれ、「利用する人・される人」って形で
人間関係が形成されてしまうことじゃないかな。

それに対する不条理さは雇用という形であれば、対価が得られる
ので問題は無いと思うけど、そうでなければやはり憤りを感じる
ところだと思う。
またその不条理さも愛情があれば気にならないものなのかも知れ
ない。
しかし単に都合良く利用されているだけだとしたら、これ程不快な
ものはないということで、ここでは対等な関係というのはなかなか
見られないものが有り、至る所でその構図が見て取れた。

そういう時に光輝くのは刑事としてのバディ関係なんだろう。
ローガンとウィーラー。俳優としてのポジションからすれば
ローガンがメインとなるのは仕方が無いけど、今回はウィーラー
に意見を求めたり、彼が彼女に気を使う一面が見て取れた。
彼女がジョーディのファンだという事を知り、取り調べでは個別
に行うとした際にはウィーラーにはジョーディの元を訪れる機会
を与えた。レコーディング中のジョーディの姿を見て、彼の
熱狂的な一ファンとしてウィーラーとしては最上の時だっただろ
うね。

■利用するもの・されるもの

・人生を捧げてきたもの

人の心はなかなか両思いに傾くことがなく一方通行の関係が多い
こと。夫婦とはいえ所詮は他人だという事はよく言われる事だ。

ジョーディとマイロを巡ってシルビアとタラの関係はなんとも
複雑なものがあり、血のつながりはなくとも、親子を通して
複雑に交錯する関係・思いがある。

タラがマイロと関係を持っていたのはジョーディを振り向かせる
為のもの。タラが本当にマイロを愛しているのではなくその先に
居るジョーディの姿が念頭には置かれている。

ジョーディがシルビア家の近くに引っ越して来たことの意味。
そしてマイロがシルビアの元から徐々に離れてジョーディに擦り
寄っていく状態。バンドを再開させてその中にマイロを含めた
意味。

シルビアは自ら命が短いことを知り、マイロが自分の手から
離れてタラやジョーディと過ごすことには嫌悪感が有ったのかも
知れない。

逆にタラにしてみれば子供を持たないとするジョーディによって
それに付き合う形で長年文句も言わずに付き添ってきたけれど、
酔っぱらったシルビアによってマイロの父親の真相を聞かされ
それ以上にこき下ろされたことで、その怒りは殺人へと発展して
しまった。

・シルビアは元々我が儘だったところがある

シルビアのアシスタントをしていたエイヴァもラルフの前で彼女
とは縁を切ったとしていた。しかしエイヴァはラルフがタトゥーを
彫る最中に彼に貢ぐようにして金を渡している。

・エイヴァに利用されるルームメイト・キア

元々キアがアパートの借り主。そんな所にエイヴァが転がり込み
家賃は払わず、ベッドまでも彼女が占拠してキアはソファーで
寝ている構図がある。
そして最終的にはクレジットカードまでスキミングされていた。

■人生嘘だらけ

そもそも今回は多くの人が嘘をついていた。
嘘と噂はまた違うものがあるけれど、ジョーディが付いていた
嘘は過去の事実と伝聞され耳に入る物事の流れからして、かなり
怪しいものとして存在している。

過去には彼は激しいドラッグ中毒患者で有った事。
また捜査をしていくウチに未成年との性的関係疑惑が浮上したり
妻との性的関係が失われていることからゲイではないのかという
疑いも出たし、ドラッグを再び始めてしまったのではないかと
いう疑惑も出て来て疑心は尽きないところ。

またマイロに至っても多くのシーンで嘘をついていて、死ぬ前に
母親と食事に行っていたことやケンカしたのではないか

ブラッグシャグという手巻きタバコが有り、ロンドンまで買いに
いくとしていた。そのブラッグシャグはマイロの部屋のベッドの
下に置かれていたことから当初はジョーディが性的虐待と共に
疑われるも、それは否定された。

・ドラッグに於ける現実

ジョーディは後にドラッグの手を染めたせいで指に障害があるこ
とが分かる。
シドニーもまた同様のことが有るのだろうか。

ただジョーディはこれまでの人生を振り返り、本当に反省して
いたのは確かな様で、息子に父親だと言えなかった罪悪感から
支援していたことも明らかだろうしね。

■私生活

ローガンサイドの時って意外と周りのスタッフたちが私生活を
語ったりするところが多いな。今回、ローガンが被害者のアシス
タントをしていた詐欺師のビアンカがニュージャージーで
クレジットカードを使用していると聞いて、ウィーラーに

「今夜の予定は?」
「婚約者とスカイプをする。テレビ電話よ」
「待たせておけ、俺とドライブだ。ポコノに行くぞ」

と語っていた。

ロスもまたシルビアのジョーディが出て来た時の映像を見て
「長男に母と住むと言われた時の私の顔」
と称していた。

■ゲスト出演

・ロック歌手ジョーディー・ブラックを演じたMichael Masseeは
つい先日2016年10月に享年64歳で死亡した。

何と言っても「Rizzoli & Isles」の初回から宿敵となる殺人鬼
チャールズ・ホイト役で出演。
「フラッシュフォワード」ではダイソン・フロスト役。

・弁護士ボー役のDavid Patrick Kelly

「ツイン・ピークス」のジェリー・ホーン役、
「ゴッシプガール」ではダンが指導を仰いでいた小説家のノア・
シャピロ役で出演していた。

■出演者

ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
ミーガン・ウィーラー (Julianne Nicholson) 刑事、ローガンの相棒
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)

ジョーディー・ブラック (Michael Massee) ロック歌手、Twisted Strands
マイロ (Noel Fisher) シルビアの息子
タラ・ブラック (Dana Wheeler-Nicholson) ジョーディーの妻
シルビア・ローズ (Joan Jett) “ロックントーク”、音楽プロデューサー
ボー・リービー (David Patrick Kelly) 弁護士
キア・ビスマン (Kathy Brier) ビアンカのルームメイト
ジーノ・トニオロ (Ernest Mingione) 食事店、シルビアの常連店
— (Mark Greenberg) Twisted Strands Member
— (Rich Campbell) Twisted Strands Member
エイヴァ・リース / ビアンカ・ロペス (Denise Ramirez) シルビアのアシスタント
ルイーズ・カンペシ (Caris Vujcec) 刑事
ヴィヴィアン (Julienne Hanzelka Kim) 子供を虐待から守る会”セイフ”
Dr.スチュワート・ファヘイ (Sanjiv Jhaveri) マイロを診察
ラルフ・センジオ (Ramon Fernandez) タトゥー、ビアンカの彼
ラニー・ベック (Brett Helsham) ボーにこれ買ってとギターお強請り
— (Pawl Bazile) College Student

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