第10話 涙のクリスマス A Moorland Holiday
監督/Michael Engler 脚本/Julian Fellowes
【これまでのストーリー】
伯爵一家はシンダビー卿から城に招待される。執事のストーウェ
ルはトムに対して嫌がらせ。メアリーはトーマスを通じてそんな
ストーウェルを懲らしめようとする。しかし今度はみんなの前で
シンダビー卿に侮辱されたトーマスはストーウェルを利用して
シンダビー卿を懲らしめようとする。クラーギン侯爵に夫人を
引き合わせたヴァイオレット。苦渋の決断の末だった。
そしてイザベルは再びマートン卿との結婚を前向きに考える。
過去に起こした傷害事件の告白をするアンナ。アンナを思うベイツ
だがマレーから厳しいことを聞かされる。
【ストーリー】
狩りに行く際シンダビー卿を組み合わせを伝える。
ローズとトム、メアリーはタルボット、レイチェルは夫と回る
ことに。イーディスは何処に向かえばいいのかとするとローズは
好きなところに行って構わないという。ロジャースさんは?装填係
と二人で回っても良いかと問う。バーティー・ペラムはイーディ
スに声を掛けると僕と組まないかという。自分は領地の管理人だ
とし、狩りに呼ばれ夕食も誘って頂いたのだという。
ヘンリー・タルボットとメアリーは狩りに出る。メアリーは
知らない人と組むのは嫌ではないかと問う。別に相手は君だし・・
という。今日はは友達と泊まるのかと問うと、シンダビー卿の
厚意に甘えるという。狩りの経験を尋ねると遊び程度だという
ヘンリー。「やっぱりね」というメアリー。それはどういう意味
なのかと問うとアティカスはあなたの為に狩りを諦めたのだとい
う。それを聞いたヘンリーは人数が決まっているなら予めそう
言ってくれたら良いのに・・と。しかしメアリーはそれは礼儀に
反することだという。君は夫と参加したのかと問われ、メアリー
はそれを否定し死んだ夫はダイブ最後には腕を上げたという。
戦争のせいで若い寡婦が増えたという。メアリーはマシューは
戦死ではないと言おうとした所、カモが飛んできてヘンリーは
発砲する。見事な腕前にメアリーも思わず褒める。マグレだと。
イーディスはバーティーと会話する。
管理人になって何年が経つのかと問うと1年半だという。この
土地には馴染みがあること。ウチの父と前の領主が又従兄弟で
昔からよく城に脚を運んでいたという。父の死後、軍を除隊して
ブラブラしていた時に今の領主のピーターに拾われたのだという。
他にやりたいことはなかったのか?と問うと昔はパイロットや医者
に憧れていた時が有ったという。あなたはどうか?諦められない夢
はないのかと問うと、今日は凄く幸せだったという。
スプラットはデイジーに朝の挨拶をする。何か用事なのかと問う
とちょっとデンカーさんに遭ってきたという。何を大事そうに
抱えているのかとしてバスケットを覗くが何も入っていなかった。
デイジーは帰りに買い物の予定なんだという。
イザベルはヴァイオレットに報告があるという。
ディッキーとの結婚のこと。彼が息子を説得してくれたのでは?
と問うと、息子のラリー・グレイから手紙が届いたのだという。
「クローリー夫人へ。父に言われてあなた方の縁組みについて
もう一度考えてみました。よく考えましたがやはり僕の意見は
変わりません。説得しても無駄と父に言って下さい。このまま
だと親子の溝が深まるばかりだという。」
ヴァイオレットは彼には見せたのかと問うとイザベルは否定
する。このまま泣き寝入りするのか?私の心は決まったとし
これからの余生はこんな風にいがみ合って悲しみに暮れながら
過ごすのは嫌だという。一つ救いがあるというヴァイオレットは
クラークソン先生が喜ぶわとしながらもヴァイオレットが嬉し
そうにする。
雨が降りみんな狩りから戻ってくる。
トムはイーディスに疲れたねと語る。ストーウェルはロバート
に対して電報が届いているという。コーラは何なのかと問うと
マレー弁護士からの伝言でアンナの裁判が決まったという知らせ
だという。そんな中ロバートはまた腹部を押さえる。これ以上は
狩りをしないでとコーラ。少し休めば平気だよというが・・。
イーディスに対してバーディーは何か手伝うことはあるかと
尋ねる。アティカスの銃を取りに行かないといけないという。
メアリーはロバートにアンナの件は本当なのかと問うと詳しい
ことは分からないという。
父が辞退したのでアティカスも狩りが出来るというメアリー。
償いせずに済んで良かったわねとヘンリーに語る。いい加減許して
くれとし夕食の間もしかめっ面されたらたまらないと語る。
私は無作法な人が許せないのだという。悪気は無かったのだとし
寛容な心があるなら許してくれと言うヘンリー。私には無いわと
メアリー。
スプラットはデンカーに対してデイジーにスープを作らせて無い
だろうねとし、包丁で野菜を切る彼女に作っている振りだろうと
語る。デイジーのスープで自分の手柄にする気だろうと。
スプラットはデイジーが置いて行ったスープのビンを見つけると
それを流しに捨ててしまう。処分して無かった事にするのが一番
だとし自分で作るしかないんだというスプラット。
シンダビー卿はロバートに調子を尋ねる。
午後は大丈夫になったという。メアリーはコーラに対して父は
病気なのか?と問うと分からないが無事に帰れると良いがとコーラ。
ストーウェルにあの方は誰なのかと問うレイチェル。シンダビー卿
は何しに来たのかという。ローズは彼女の名前を教えてと
シンダビー卿に語ると私が何とかしますという。ダイアナ・クラ
ークだという。レイチェルがダイアナに話しかける前にローズは
まるで自分が招待したように振る舞う。友達のダイアナで近くに
来ていると聞いて招待したのだという。坊やの名前は?という
レイチェルに対してダイアナはダニエルだという。奇遇にも夫と
同じ名前だと語る。ローズはダイアナに話を合わせてというと
ダイアナは息子を連れて来るようにと電報があったのだという。
ロバートはメアリーにあれは誰だ?としローズの友達ではないだ
ろうという。見たことがないというと、メアリーは私もだという。
ストーウェルを困らせるようにバローに言ったがやり過ぎたようだ
と語る。
■感想
いよいよシーズン5の最終話。
最終話ということでこれまでのシーズン同様に別れも有り、
出会いもあり、未来を予感させる流れが多かった。
新しいことにチャレンジする人に取っては平坦で容易なもの
ではないだろうし、逆に平穏を求めるものにとっては変化を
嫌い争いを嫌う。
前半のインパクトが強かったせいか後半部は想像通り予定調和
な感じがして少々物足りなさも感じたけれど、それでもやはり
その名の通り調和が取れていて良かったかな。
このドラマのテーマの一つでもある「異文化との遭遇」や「異
なる身分や価値観/宗教観との融合」という点が有った。
シーズン4まではどちらかというと新しい文明の利器との出会い
という側面が有ったけど、そう言った物質的なものではなく、
人間同士の繋がりに比重を置いてきた。
トムが本当にアメリカ/ボストンに渡ってしまうのか。
ローズもアティカスとニューヨークに行くような話をしていな
かったっけか。シーズン6(Final)ではどういう形で関わって
くるのかな。
■それぞれのキャラクター
・イーディス
イーディスも恋多き女性って感じ。
前半ではマリゴールドのことを気にしていたけれど、後半では
早くも領地の管理をしているペラムとの間でちょっぴり良い感じ
の出会いがあり、思わず「今日は凄く幸せだった」ことを口に
していた。
ペラムの城主のヘクサム卿とは遠縁だが親戚みたいだけど、
どうなんでしょうかね。彼はこの地に拘りを持っているみたい
だけど、イーディスはロンドンの出版社の件もあるし交流を持っ
ていくと大変そうだ。
トムがアメリカに行く事に残念がる。メアリーのようにしつこく
引き留めたくないとしていたけれど、それでもあなたが恋しくなる
と語っていた。
最後は何と言ってもメアリーとの融合が有った。
クリスマスの奇蹟だ・・
・メアリー
ブランカスター城での彼女はタルボットと組むことになった。
メアリーはタルボットが来たせいでアティカスが狩猟に参加
出来なかったとしてご立腹。
しかしメアリーさん、めっちゃ肌が白いっ。ちょっと何か化粧で
白く塗りすぎてない??たまにメアリーの肌が本当の真っ白に見え
るシーンがある。
また今回はメアリーがトーマスに「やっちゃいな!」と命じたこと
で暴走。
まさかあれだけ厳しい結婚観を持っているユダヤ教徒のシンダビー
卿が愛人と隠し子が居る。ローズを含めてチームダウントンが
フォローの手をさしのべた為に事なきを得るが、隠すことが
本当に夫婦にとっては良いことなのか?
私たちはもう家族だとするローズだったかのセリフが響いてくる
ところがあるな。
メアリーはこの件でストーウェルに対してトムに対する正しい扱い
を求め、ローズとシンダビー卿の間でも急に関係が近づいた。
気になるのはまだメアリーはイーディスの子のことに気がついて
ない。トムにもマリーゴールドの件はメアリーには黙って居て
とし、彼女は私に関心がないのが逆に助かることを語っていた。
タルボットが出発する際にチャーリーが急用で出発が早まったと
していた。タルボットは実は良い所の出なのかな。メアリーが
良い趣味の車だとしていたものはそんなタルボットの車だった。
タルボットはヨークシャーに叔母がいるのでよく行く事を告げた。
メアリーを悩ますことはアンナが未だに釈放されないこと。
またロバートが胸を押さえるような行動に出ていたこと。
上述した二人の流れが解決した後にクリスマス。
ラストは何と言ってもロバートの酔ったことを機に変なことを
言わない様に家族で守る(笑)
トムが酔ったロバートの代わりにコメント。
そしてその後はイーディスの伴奏でメアリーが歌を歌うという
シーンに繋がる。
・ブランソン
もうトムがアメリカに行く流れは止められないのか。
一番悲しいんで居るのはシビーを連れて行かれるロバートか(笑)
ロバさんと呼ばれることに嫌だとしながらも気分良くしていた
んだろうね。ロバさんの跡を継ぐのはマリゴールドということに
なるのか。
トムはランカスター城では散々だったけど、トーマスとメアリー
のお灸によってストーウェルは改心して、トムに気を使うように
なった。「執事が身の程を知ったのよ」(メアリー談)
クリスマスの靴下をぶら下げに来る。
最初にイーディスがいてトムが来てメアリーがやってくる。
トムがまた三人全員でクリスマスに会えるのは最後かも知れない
なんて言うもんだから寂しいよな。
その為にシビルの為に一緒に祈りたいことを提案する。
三人で手を繋いで輪になって祈っていた。
ロバートはクリスマスの場で
「トムが居なくなると寂しい。みんなに言われているだろうが
酔うと本音が出る。今や私はすっかり君を好きになった」
「シビルが聞いたら驚くだろうな」
最後にロバートがトムの為に送り出す為の言葉をみんなの前で
述べた。
■イベント / エピソード
・ヴァイオレットの決断
ヴァイオレットはイザベルに過去にクラーギン侯爵、イリーナ
との関係を告白していた。
嫌っているのに何故彼女を助けるのか。
公爵とヴァイオレットは出会った日に恋に落ちて何週間も楽しん
だ関係に有ったこと。そしてついに駆け落ちする決意をしたけれど
港に向かう途中の馬車で、ヴァイオレットの侍女を密告によって
力尽くで行く事を阻止した。
何日かして冷静になった時に気がついたが、あの時一緒に行って
いれば身の破滅を意味していた。
その時の借りを返したいとのことだった。
「最後の恋?」
「理性を失ったのは最後よ。これ以上は言えない」
「エドワード朝は享楽の時代だった」
・アンナ容疑者
アンナが捕まったことでベイツは自分がグリーンを殺したと
告白した後に逃走した。手紙にはロバートにだけ連絡先が残され
ていて、アイルランドに逃走。
ベイツはグリーンの殺害の日には、ヨークに行ってパブで昼に
食事を取っている。そのアリバイを証明しようとしてモールズ
リーとバクスターが一軒ずつパブを回るとピッカレルというパブ
のソルターという人物から目撃証言者を見つけ出す。
ベイツのことを覚えていたのは脚を負傷していたこと。
そして南アフリカの戦争の話で意気投合したことからだった。
ただこう言っては何だけど、確かこのパブの件では無実は証明
出来ない(アリバイの証明)と言ってなかったか?
昼間からでも十分にロンドンに行けるみたいな流れが有った
ように思うけど。問題は切符が見つかるかどうかだったよね。
ただアンナに対して目撃証言が怪しくなってきた為に釈放。
(なんじゃそれわーーーー)
ベイツはクリスマスの日に戻ってくる。
・カーソンとヒューズの投資話
カーソンは元々投資話と称してヒューズと一緒に住む場所、
働く場所を見つけたかったのだろう。
カーソンもまたクリスマスから抜け出してヒューズと共に話す。
「家は僕だけの物ではない。君と私の共同名義にしたんだ。」
「最初に決めた通りにしたい。」
「気持ちは嬉しいがダメよ。」
「先のことは誰にも分からない。いつまでここで働くかも。」
「この先新しく踏みだそうって時に私がソバに居たら邪魔でしょ」
「要点はそこだ。君にソバに居て欲しい。」
「結婚を申し込んだように聞こえたなら間違い無いよ。どうだろ
う?」
「もちろんあなたと結婚するわ。お馬鹿さんね。もう待たせ過ぎよ」
シーズン4のラストの時に既にもの凄くいい雰囲気だったからね。
・融合
・シンダビー卿がローズと仲良くなり家族として受け入れられた。
・アティカスはユダヤ教徒だがクリスマスに参加。
(これぞクリスマカー(クリスマスとハヌカー)だね。)
(THE O.Cを思い出す)
・ヴァイオレットとイザベルの関係。
(この二人とももう争い・戦うことは嫌だとしていた。最初に
イザベルがマートン卿の息子と戦うのを嫌っていたが、ヴァイオ
レットは使用人同士の戦いを嫌う。)
(デンカーが作ったスープ、相当不味かったんだろうね。それでも
ヴァイオレットは美味しいと口にしていた。)
・ロバートとトムの関係
(上述したけど、二人の間でようやく本当の意味で蟠りが解けた
のではないか)
■その他
・いろいろ
・ロバートは狭心症ではなく潰瘍だった。
・デンカーとスプラットのスープ対決はどうでも良い感じ
・マートンとイザベルは別れる。
・デラ・フランチェスカの絵が高額で売れる。アンディを雇う。
・トムの代わりに領地開発はメアリーが担当。
■使用された曲
・Downton Abbey – The Suite by The Chamber Orchestra of London
■出演者
ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母
チャールズ・カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
アンナ・スミス・ベイツ (Joanne Froggatt) メイド長
デイジー・メイソン (Sophie McShera) 料理人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 副執事
エルシー・メイ・カーソン(ヒューズ) (Phyllis Logan) メイド長
ベリル・パットモア (Lesley Nicol) 料理長
ジョセフ・モールズリー (Kevin Doyle) 無職->下僕
トム・ブランソン (Allen Leech) シビルの元夫
フィリス・バクスター (Raquel Cassidy) コーラの侍女
ジョージ・クローリー (Oliver Zac Barker) メアリーの息子
シビー・ブランソン (Fifi Hart) トムの娘
マリゴールド (Eva & Karina Samms) イーディスとグレッグソンの娘
ヘンリー・タルボット (Matthew Goode) メアリーと仲良くなる
ストーウェル (Alun Armstrong) シンダビー卿の執事
LADY レイチェル・シンダビー (Penny Downie) アティカスの母
LOAD ダニエル・シンダビー (James Faulkner) アティカスの父
アティカス・オルドリッジ (Matt Barber) ユダヤ人、ロンドンの銀行
Missデンカー (Sue Johnston) ヴァイオレットの侍女
スプラット (Jeremy Swift) バイオレットの執事
LOAD マートン (Douglas Reith) ロシアの貴族
イゴール・クラーギン公爵 (Rade Serbedzija) ロシアからの難民
— (Hannah Wood) Brancaster Kitchen Maid
イリーナ・クラーギン (Jane Lapotaire) クラーギンの妻
ジョージ・マレー (Jonathan Coy) 弁護士
チャーリー・ロジャース (Sebastian Dunn) アティカスの友人
バーティー・ペラム (Harry Hadden-Paton) 領地の管理人
ダイアナ・クラーク (Alice Patten) シンダビーと浮気相手?
アンディ (Michael Fox) 下僕
— (Anthony Milton) Veteran in Crowd
— (Jason Nicholls) Rules Patron
ベクサム卿 () ブランスカター城の当主
ドーント () シンダビー卿の従者
ブレナン () 料理人
ポッター () 料理人
ダニエル・クラーク () ダイアナの息子