第7話 悲しみの決断 Episode #6.7
監督/David Evans 脚本/Julian Fellowes
【これまでのあらすじ】
ダウントンでは病院の資金繰りの為に屋敷の見学会を開くことに
なる。イーディスはバーティーにアドバイスを求める。理事会は
病院の統合に対して新しい理事をヴァイオレットではなくコーラ
を指名してくる。ヘンリーから告白を受けたメアリー。
使用人たちの問題ではアンディの事でトーマスのことを不審に
思ったカーソンは問い詰めるが、疚しいことはないと誓えると
いうトーマス。トーマスは悩み苦しむ。見学会の当日に病院の
理事を解雇されたヴァイオレットが乗り込んでくる。伯爵にも
訴えるがロバートは官僚を動かせる力は我々にはもうないことを
告げられる。疎外されたヴァイオレットは寂しさを覚える。
【ストーリー】
ヘンリーはタイムキーパーをしているスタッフのビリーにどうか
とするとロジャースさんよりも3秒半遅れているという。俺には
叶わないとして認めろとロジャースは語る。
朝食の際、ロバートは手紙が来たことを告げ、メアリーに夢中の
ヘンリーが我々家族をレースに招待したいそうだという。イーデ
ィスはご機嫌取りねと語るとメアリーはお父様は行けないわね
とし病み上がりでしょと語る。ロバートはレースに出る訳では無
く見るだけだという。イーディスは遠出してまで見に行く程の
ものかと問うと、トムはバーティーも呼ぶらしいよと語る。
イーディスはばつが悪そうに”あらっ”と語る。メアリーは行く?
と問うと行く事にしたが後悔するだろうと語る。
デイジーはパットモアに対して凄いとし改装が終わりついにホテル
の経営社になるのねと。アンディは改装って?と尋ねると、
パットモアは寝室を一つ潰して浴槽とトイレにしたのだという。
客室が2つに姪の部屋もあるという。ヒューズは後は客を待つだけ
ねと。パットモアはヒューズに対して新婚は順調かと問うと、
順調ではあるが・・と歯切れが悪い返事。カーソンがまた家で夕食
を食べたいというのと語るとパットモアは食材はあげるよと。
しかしそれで作っても料理法とか皿の温度まで文句を言うのだと
いう。感謝もないのか?というデイジー。それが男よというヒュー
ズ。
モールズリーはデイジーにドーズ先生が試験の日を決めたと話した
という。20日だと語ると、デイジーは”神様っ”と手を合わせる。
ヒューズはむやみに主の名前を出すべきではないとするが、神の
助けが必要な時なんだというデイジー。
ヴァイオレットに会って話をするイザベル。
イザベルはアミリアとラリー・グレイ(マートン卿の息子)の結婚式
の招待状をもらったとしてそれをヴァイオレットに相談する。
あなた結婚式は好きでしょというヴァイオレット。イザベルは
それを認めるが私はこれに出ないとし私が行っても歓迎されると
思えないからと。ラリーがあなたを呼ぶなんて何か妙ねと。
彼じゃなくてディッキーが呼べと言ったのよというイザベラ。
しかしディッキーがあなたの困ることをするとは思えないという
ヴァイオレット。誰が?というと、ミス・クルックシャンクねと
語る。彼女は前から妙に馴れ馴れしかったとし、私が魂胆を探る
というヴァイオレット。見せなければ良かったとため息をつく
イザベル。かつての私の王国は安泰か?というヴァイオレットに
対してコーラが仕切っているわと語る。あなたも複雑ねというと、
ヴァイオレットは私は過去でコーラは未来・・・それだけよと。
正直こんな仕打ちをうけて頭に来ているという。イザベルはそれは
無理もないという。ヴァイオレットは私は怒ると相手に酷く悪態
を付いてしまうのでだから旅に出るという。人けのない所で怒りを
発散するという。自制心を取り戻せるようになるまでだと。
イザベルは懸命な判断よと語る。その敏で息子夫婦と揉める事な
んて嫌でしょと。出発前にアミリアに会うとするヴァイオレットに
手強そうなお嬢様よと。見ていらっしゃい!とヴァイオレット。
使用人部屋。
アンディはメイソンの仕事はどうかとデイジーに尋ねる。
午後に行くので手伝うことがあるか聞いておくという。トーマス
はカーソンに仕事は探していることを語る。カーソンは分かって
いるがこれ以上長引かすと旦那様に申し訳ないという。それなら
首なのかというと、早く新しい雇い主が見つかるのを願っている
という。そんな会話を遠巻きにヒューズが見ていた。
ロバートはロザムンドの家に泊まりレース場に行き昼食を取って
レースを見て翌日戻るという。コーラはそんな体で行かなくても
と語るが体は大丈夫だとし寧ろ退屈で死にそうだという。イーデ
ィスは?と問うとバーティーが来るならばいくという。ロンドンで
他の用があるのかもという。メアリーはあなたに会うのが目的
ではないか?というと、イーディスはだったら悪いのか?と
言い返す。
■感想
今回も色々と有ったけれど、やはり興味深い流れとしては馬の
時代から自動車の時代への変遷を感じさせる自動車レースが
有ったことかな。F-1を見に名古屋に何度か言ったけど、流石に
今はパニック障害で電車で遠距離を乗って見に行ける気もしない。
今ならF-1人気も低迷しているのでチケットは余裕で買えそうな
のに残念だ。
1925年と言えば自動車レースも随分と進化している感じ。
ドラマではル・マン式のスタートでドライバーは旗の合図で一斉
に車に飛び乗りコースを失踪するというもの。
ヘンリーやチャーリーはベントレーの車に乗っていた。
他のスポンサーやチーム名なんかを見ていると、シェルとか
ミシュラン、ダンロップ、グッドイヤーなどのメーカー名が
見られたけれど、技術力競争が激しかったのだろうね。
男性達はレースに熱狂し、女性たちはあまり興味を示していなか
ったけど、男女平等とはいえこういう所で趣味が分かれるところ
なのだろうか。
昔日本でもF1が盛り上がっていた頃に、女性ドライバーの
Giovanna Amatiがレースに出たことが有ったけど、結局結果は
出なかった。馬の騎手も体重が軽い方が良い面が有るし、
F1のコックピットの狭さからすると女性ドライバーには適する
ところもあるのかなと思うけど、やはりコーナーでのGに耐えら
れないのか。
病院統合問題に関しては徐々に終息し始めた感じだし、更に
マートン卿に於けるラリーの妻・クルックシャンクの策略という
のも判明したようだ。
ラリーは何の仕事をしているのか知らないけど、ディッキーの
世話はアミリアが見ることになること必至なので、それをイザベル
に押しつけたいのだろうけど、寧ろ話し相手としてのことを
考えればアミリアと居るよりもイザベラたちと居る方が明らかに
有意義に過ごせるだろうしね。
しかし最後のヴァイオレットからロバートへの贈り物はまた
憎い演出だったな。アイシスが亡くなったことも有って新たな
犬のプレゼント。
名前はティオ。イーディスはいつもエジプト風の名前にしている
でしょと言うがロバートによると、ティオはアメンホテプ2世の
妻にしてトトメス4世の母の名。
■それぞれのキャラクター
・長女・メアリー
前回ヘンリーからの告白を受けてロンドンではキスされた。
雨の中での衝撃のシーン。そしてメアリーの性格さえも変えて
くれそうな相手であること。
冒頭ではクローリー家にヘンリーからレースの招待状が来る。
メアリーはあまり気乗りしない。マシューが自動車事故で亡くな
ったことも有るので、自動車に対する印象は最悪だ。
ロバートは家の中で静養しすぎて退屈過ぎて死ぬのを避ける為にも
行きたい様子。
イーディスの反応が面白かったね。
「遠出して見に行く価値は有るの?」(Edith)
「バーティーも呼ぶらしいよ」(Tom)
「あらっ」(Edith)
「バーティが来るなら行くわ。ロンドンで他の用があるのかも」(Edith)
「あなたに会うのが目的では?」(Mary)
「だったら悪い?」(Edith)
コーラもレースに同行することになる。
バクスターに着替えの服を用意させる。
コーラは、
「ヘンリーに期待を持たせたくないとし、カーレーサーが
ウチの娘を幸せにすると思えない事を語る。シビルなら分かるが
メアリーよ」(Cora)
「それが不思議だ。メアリーは彼の何処に惹かれたのか。トニー
の方が資産も有った。色気はあるがメアリーはそんなことに惑わ
されるか?」(Robert)
「あの子はへそ曲がりなのよ」(Cora)
・
メアリーがアンナに相談するシーンも有った。
アンナは自分には言う権利はないとしながらも、ぶっちゃけて
話してといわれて
「ヘンリーは素敵な方ですがお嬢様とは住む世界、価値感が
違う」(Anna)
「あなたの言う通りだから困っているのよ」(Mary)
・次女・イーディス
もうこの人はバーティー様々って感じだけど、イーディスには
一つの大きな秘密が爆弾/障壁となっている。
マリゴールドについて本当はマイケルとの間の自分の子供という
ことを話せずにいること。
でも社交界は有るにしても今の混乱期に於いてはイーディスの
子供を出産したことについても発覚してもスキャンダルとして
取り上げられるだろうか?そもそもマイケルとは結婚していたか
どうか忘れたけど内縁の妻状態だった訳だし。
また仕事の件でも新たな試みとして、お悩み相談をしていくこと
になりそうだ。
最後にイーディスはバーティーからプロポーズを受けた。
「何も無いボクも溢れる程の愛はある」。
イーディスはよく考えたい事を告げると、君に捨てられない限り
は他の人とは結婚しないと語る。
■教育の問題
ここに来て教育の問題が大きな割合で取り上げられ始めた。
ドーズ先生がデイジーとモールズリーに試験を受けさせてそれぞれ
に生徒と教師の道を模索する。
更に文字を読めなかったアンディに対してこれまでトーマスが
教えていたけれど、それを知ったドーズは放課後に教えるとして
学習させることを説得する。
何よりもメイソン家の養豚をする為には帳簿を書く必要が有った
こと。力仕事が必要になるのは子豚が乳離れまではないという。
先にモールズリーの結果が出たけどドーズ先生は、その教養の
高さに驚いていた。モールズリーならばオックスフォードや
ケンブリッジの卒業生並だという。
使用人を卒業するのか?というデイジーに対して
「いずれみんなが卒業するんだ。少し早いだけ」
■ヘンリーとメアリーの行方は?
今回は最悪なことにメアリーにはまた悪夢を思い出させてしまっ
た。ヘンリーは悪夢を経験したことで、思い立ったが吉日だ
と感じたのかすぐに行動を起こしてメアリーと一緒になりたいと
考えメアリーにとっては逆の決断の一つになったようで
別れる事を告げる。
イーディスの職場のローラもロザムンドの家に呼ばれていて
発言していた。
「人は危険や挑戦と言っておもしろがるが当然一歩間違えれば
死が待っている。突然で愚かで無意味な死。」
メアリーはあの事故の際に死んだのがヘンリーではなくチャーリー
だと聞いて私は喜んでしまったという。
しかしトムは傷つくのが怖いのだろうとし、僕達は何度でも傷つく。
それが生きて行くことだと。だからと言って最愛の人を諦めては
いけないという。
■一人占めの愛
メイソンの件でパットナムはデイジーに話をする。
「メイソンからアンディが色々と教わってもいいだろう。一人締め
はよくない。愛は無限なんだ。メイソンに友達が出来てもあんた
への愛情は減らないよ」
パットモアは外郭からデイジーを説得する様子。
ヘンリーがメアリーに対してレース前日のディナーの時に君の
周りの人から信頼を得ていくようなことを語っていたな。
■その他
・ヴァイオレットの決断
村での病院での役割や自分の居場所がないと知ったヴァイオレッ
トは旅に出て頭を冷やすことになる。
自制心を取り戻せるようになるまで旅に出るという。
デンカーとスプラット。
相変わらずスプラットは切手収集。ヴァイオレットは南フランスに
いくことに決まり、デンカーも同行してカンヌの海岸を散歩し、
ジュアン・レ・パンで優雅でディナーを食べられると喜んでいた。
スプラットは自分は何をすれば・・というと切手の整理でもした
らどうか?と皮肉られ・・ルス中にコソコソしていたのだろうと
デンカーを攻めれば、コソコソしているのはあなたの方だと完全に
叩き潰された(笑)
ヴァイオレットはクローリー家がロンドンに行く間にこっそりと
出て行くようだ。
明日サウサンプトンからパリ号で経つこと。地中海を回り、カンヌ
のブルーム家に滞在する。前から誘われていたという。
イザベルは周りは外国人ばかりだとするが、そんな彼女に
「旅に出るのは帰りたいと思いたいからなの」
「それにフランス人に囲まれるのが一番」
プライドの高いイギリス貴族はフランスが嫌いなんだろうね。
フランス人と接しているウチにダウントンに帰りたいと思うよう
になると思うのだろう。
「クイーン・メアリー」時代にもフランスはイギリスと対立して
いた光景があるし・・
・トーマスは追いつめられる
カーソンが最近感じ悪いよって感じだったけど、今回は女性の
苦労を知らせる為にヒューズとパットナムで策略する。
ヒューズが怪我したことにして、カーソンが要求してきたヒュー
ズへの注文を彼自身にさせようとするもの。
当然ながら味にはうるさい彼だが、作るのは全くの素人で出来る
ハズもない。しかも洗い物までしてもらい少しは懲りただろう
か。
トーマスの件ではカーソンはその扱いも酷い。
特にアンディとの件を疑ったことについてはカーソンの疑念は
完全に空振りだったので多少の謝罪が有っても良いのではないか
と。
ヒューズがカーソンとトーマスのやりとりを見ていて、ウチの
カーソンが言い方がきつくてゴメンねと謝罪していた。
そんな中トーマスはヒューズとの会話で、彼女は新しい職場で
働けば新しい出会いがあるとしていたけど、トーマスにとっては
ここは初めて根を下ろせたと感じられた場所だということで、
愛着があるみたいだね。
我慢して信頼感を掴んで行くのか。
この調子で正直何処かに仕えて暮らす生活っていうのは難しいの
ではないかって気がするね。
最後にヒューズはカーソンのことを笑っていた。
「何がおかしいのか?」
「人生よ、カーソンさん」
・バクスターの問題
コイルとの件ではどちらかというと法廷で証言しなかったので
彼女自身の心の中ではこの問題が終わっていないことを語って
いた。彼の呪縛が解けたと思いたいだけ。
そのウチ面会に行くのかな。女性たちを手込めにしていた男
だからどんだけ良い男子なんだ?
■使用された曲
・Downton Abbey The Suite
Written by John Lunn
Performed by Chamber Orchestra Of London
■出演者
ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母
トム・ブランソン (Allen Leech) シビルの夫、シビーの父
チャールズ・カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
アンナ・スミス・ベイツ (Joanne Froggatt) メイド長
デイジー・メイソン (Sophie McShera) 料理人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 副執事
エルシー・メイ・カーソン(ヒューズ) (Phyllis Logan) メイド長
ベリル・パットモア (Lesley Nicol) 料理長
ジョセフ・モールズリー (Kevin Doyle) 無職->下僕
フィリス・バクスター (Raquel Cassidy) コーラの侍女
ジョージ・クローリー (Oliver Zac Barker) メアリーの息子
マリゴールド (Eva & Karina Samms) イーディスとグレッグソンの娘
シビー・クローリー・ブランソン (Fifi Hart) シビルとトムの娘
LADYロザムンド・ペインドウィック (Samantha Bond) ロバートの妹
アンディ (Michael Fox) 下僕
ヘンリー・タルボット (Matthew Goode) シャクルトンの甥
チャールズ・ロジャース (Sebastian Dunn) ヘンリーとレース
ビリー (Christos Lawton) ヘンリーのチームメイト
アミリア・クルックシャンク (Phoebe Sparrow) ラリーの妻
スプラット (Jeremy Swift) ヴァイオレットの執事
Miss デンカー (Sue Johnston) ヴァイオレットの侍女
Mr.メイソン (Paul Copley) デイジーの義理の父
ローラ・エドムンズ (Antonia Bernath) 出版社に面接
バーディー・ペラム (Harry Hadden-Paton) ブランカスター城領地管理
— (Peter Hamilton Dyer) Racing Commentator
Mr.ドーズ (Patrick Brennan) ダウントンの学校の校長
ルーシー・フィルポット (Hayley Jayne Standing)
— (Jake Rowley) Paparazzo
オードリー (Victoria Emslie) 出版社
—(Michael Glover) 村の男
エミリー (Sarah Maddocks)
— (Shaun Newnham) Mechanic
— (Dan Noye) Upperclass Gentleman 3
— (Vanessa Quiney) B&B Guest
— (Jay Vaisey) Racing Driver
カサンドラ・ジョーンズ
トニー
コイルグエン
ジョン・スミス
サム・ニール
サー・パトリック