第2話 後悔 iNO
脚本/Stephen Hootstein
監督/Fred Berner
【ストーリー】
朝の出勤・・駐車場でウィルはナタリーを見かけバッグを持つ
よと語る。出入り口に入って早々いきなりマギーからウィルに
対して心筋梗塞の疑いの患者が来るという。ウィルはそんな
彼女にまずは「おはよー」だろうと語る。ウィルはナタリーに
キャディーをやれて光栄ですとしてバッグを渡すと「チップは
でないよ」とマギー。
マギーはナタリーに今夜大丈夫か?と問う。女子会のことで
店”モリーズ”でエイプリルと行うという。彼女の彼氏捜しに付き
添って欲しいという。ナタリーはホルモンで男を誘ってという
と考えておくというナタリー。
チョイ医師はIDを車の中に忘れてきたとして駐車場に向かうと
助けを求める男性の声が聞こえる。男性は血だらけの少女を
抱えていた。
急いで病院に運び外傷2で治療する。出血部位不明。
運んだ男性によると2ブロック先の歩道で倒れていたんだという。
コナーもやってくると出血部位は見つかったかと問うが探して
いる所だという。ナタリーは何が有ったのかとして覗きに来る。
頭部、首、胴ではなく腹部はやわらかいという。そんな中
内臓らしきものが出ているのを目にするがこれは腸ではないと
し、へその緒だと語る。この感じだと出産したばかりねとナタリ
ーは5分も経過していないハズだという。しかし何処で赤ちゃん
を産んだのか。
コナーは連れてきた男性から少女を何処から運んだのかを尋ねる
とエイプリルたちに産科キットを持ってついて来てくれという。
何を探しているのかと問われるが熱心に探す。すると近くに
バックパックがあることに気がつく。コナーは中を見ると赤ちゃ
んがいることが分かりすぐに吸引だという。酸素をくれとしタオル
でまくと息を吹き返す。急いでNICUに・・と。
ナタリーは少女はまだ胎盤が出てないので剥がさないといけない
という。チョイは自分がやるとし経験があるからという。
エイプリルに赤ちゃんはどうかと尋ねると、ビルの裏にバックパ
ックに入っていたことを語る。
マギーはサラに対して手首をくじいた年配の女性、コニー・フラ
ンシスを診てと語る。待合室にいるコニーを探すサラ。
するとコニーはサラを見て随分と若い人だとし、ビーチに一緒に
来ないかという。
心臓発作だとしてやってきたダグ。妻のジェナはいつもこの人
は心臓発作だと言って脅すのよと。芝刈りや掃除、ゴミ出しの
時ばかりに・・と。ウィルはどんな症状なのかと尋ねると、胸の
上に誰か座っていて命を絞り出されているような感じだという。
サラはチャールズに助けを求める。
シーネをつけたいのにビーチに行きたいと言って聞かないのだ
という。コニーはフォート・ローダーデールまで30分だという。
チャールズが声を掛けるとあなたプリストン大の人か?という。
チャールズは私はペンシルベニア大ですとし、サラのことは
許してあげてという。優秀だけど修行中なんだという。身内に
連絡を取りたいのでちょっと腕に巻かれたプレートを借りても
良いかと尋ねる。
チャールズはサラに対して認知症だと疑わなかったのかと問う。
名前に聞き覚えがあるだろう、コニー・フランシスだぞという
とサラは有名人なのか?と問う。世代が違うか・・と。
ヘレンは病院にやってくるとマギーに対して思い出に残る様に
しましょうとして派手なパーティーをしようとしていた。
マギーはくだけた集まりのハズだったのに・・というが。
ヘレンがマギーと会話しているのを見かけたナタリーは義母が
帰った後に話を聞く。マギーは何の事かととぼけるが、ピンクの箱
を置いていったと指摘され中身は何なのかと問われて白状する。
ナプキン、オムツ、ナッツカップスよと。私の出産前祝なのか?
と言うと当たりだとして今夜キリーズでと言われる。女子会は嘘
だったのか・・調子を合わせてと言われる。
少女のことは何か分かったかと問うと、家族は分からないが母親
の名前はエリカ・ドハーティーとだけ分かったという。
ナタリーがエリカの元にいく。
エリカは何時退院出来るのかと問うと、ナタリーは出血して体が
弱っているので一晩は居た方が良いと語る。連絡出来る人は?
と問うが答えなかった。エリカはバックパックは見つけたのか?
と問う。ナタリーはどうやって路地裏までたどり着いたのかを
尋ねる。エリカは体の異変に気がついていたけど考えないように
すれば大丈夫だと思っていた。私はバカみたいだと語る。
あなたは何歳なのかと問うと14歳だという。連絡して欲しい人は
居るか?と尋ねる。
コナーとナタリー、チャンは屋上で会話する。
エリカの母親は刑務所で父親は出て行ったという。シャンペーンに
姉のカーラが居るみたいだと。取りあえず留守電に入れて置いた
事を告げる。あの子は病院と目と鼻の先にいたし、へその緒は
閉じて有ったので赤ちゃんを死なせる気はなかったハズだという。
チャンはバックパックに入れて置き去りにすれば死ぬことは分か
っていただろうと。あの子は赤ちゃんを見殺しにしたんだと語
る。ナタリーはパニクっただけだとしあなたは女性じゃないので
分からないのだという。男女に関係無く赤ちゃんには責任を持つ
べきだろうと。病院は聖域だから黙って置くことも出来たという
コナー。しかし一生傷を背負っていくしその上責める必要なんて
あるのかとナタリー。赤ちゃんが死ねば母親は殺人犯だと語る
チャン。
ナタリーは赤ちゃんの様子を見に行く中、看護師から今日の
小児外科の担当がグラント医師だと聞くと、EDに戻る。
ツェルニー先生が来たところにブロンド美女のM.Eのゾーイが
やってくる。今日こそ弊社のトラネアサム酸の新薬について説明
させてというと忙しいとして断られる。ゾーイは近くにいた
ウィルを見つけると声を掛ける。自分はスチュワート&ブレック
製薬のゾーイだと。手術中の失血って大きな問題ですか?と
問われるとウィルはEDの医師はあまり手術はしないという。弊社
は複数の機関で大規模な臨床試験を行い多種多様な使用法での
有効性を立証していると説明する。しかしウィルは患者が来たの
で・・と離れようとするとゾーイは夕食でもどうかと誘う。
8時に・・として都合が悪くなったらここに電話して下さいとして
名刺を受け取る。エイプリルはそれを見て愛想の良い人ねというと
営業だからねとウィル。
■感想
可能な限りリアルタイムで見て、残りは時間が有る時に
変則的な見たのでちょっと細かい内容は覚えてないな。
冒頭では偉そうに言っていた医師たち、安易に考えていた医師
たちが何処かで患者の状況が悪くなり、自分の主張の正しさ
から一転して責められる立場に追い込まれる。
EDで働いている限りこういう形の繰り返しなんだろうね。
「シカゴ・ファイア」でも常に命と背あわせの中で働いている
けど、こういう葛藤で苦しめられている。
ただこう言っては何だけど、EDっていうのは応急措置を行う所
なので、治療をしたら大抵は専門の部署に回されるものでは
ないのか?
■今回の患者
・14歳のエリカ
最初に運ばれて来た患者はエリカ・ドハーティーという14歳の
少女。男の人が血まみれで倒れているのを見たとして運んで
来てくれた為に駐車場にいたチョイ先生が対応に当たる。
体中が血だらけ。出血部位を探すがない。
見つかったかと思えばへその緒・・・なんと出産したばかりだと
ナタリーが気がついた。
出産したばかりでへその緒が付いているということで、コナーは
まだ赤ちゃんがその辺にいるハズだとして、運んできた人に
案内してもらって赤ちゃんを見つけに行く。
なんとバックパックの中に赤ちゃんが居て、蘇生すると無事に
息を吹き返した事を知る。
■エリカは不幸な境遇の持ち主。
母は刑務所、父は蒸発、一人いる姉はなんと会社で昇進した
ばかりなので面倒が見られないという。
エリカ本人は里親・施設を転々としていて、売春にアルコール
中毒やドラッグの可能性もあるとされた。
まだ幼いのに姉のカーラが成人になれたのは、里親が良かった
からなのか。それともまだ当時は両親共にまともな人生を歩んで
いたのか。
■ドラマで問題になるのは2つ。
チョイのエピでは患者に対する感情の問題が関係している
のではないかとして討論になる。
ナタリーは妊婦だし女性の味方。チョイは赤ちゃんを無下に扱っ
たエリカをどうしても許す事は出来ない。
その為に両者は赤ちゃんやエリカに対して感情をこれまで以上に
込めて扱うことになっていく。
いや病院全体がエリカが逮捕されることは望んでいなかったのか
も。児童保護局と対峙する際にシャロンは一応防波堤の役割を
果たすも残念ながら手の及ばないところだった。
・胎盤剥離の問題。
チョイは自分はその処置を行ったことがあるということで、
産科医に任せずに彼が胎盤を剥がす手術を行った。
結果として暫くすると全てを取り除かれていないことが分かり、
出血を起こす。
パチェフスキー先生が子宮摘出かるかも知れないということで、
14歳にして辛い事情を抱えることになりそうになる。
・エリカの法的責任問題
赤ちゃんを捨てたことは赤ちゃんの遺棄と殺人未遂。
赤ちゃんの体調もそれ程よいハズはなく、NICUに運ばれたが、
気胸で右肺が潰れてしまった。酸素飽和度をあげないといけない
という事になる。
・心臓に疾患を抱えるご主人のダグ
ジェナと共にやってきた。主人はよく心筋梗塞だというが、
自分の仕事が嫌な時にだけ言っているのではないかと夫人の
ジェナは主張する。
対応したのはウィル先生。
冒頭ではナタリーとのほのぼのとした流れが有ったり、M.Eの
ブロンド女性のゾーイとお知り合いになれそうだった。
検査した結果心電図は正常、心筋逸脱酵素も胸のレントゲンも
異常がない。ただし胸の痛みの原因は沢山あって、胃液の
逆流やストレス、不安などが関係してくるという。
後日心臓の専門医がストレス負荷テストをするとしていたけど、
感じのダグはストレスは妻のジェナの”ジェノサイド(大量殺戮)”
だとしていた。
■悪化するダグ
一度は退院したもののすぐに戻って来た。
ツェルニー医師は右冠動脈は完全に塞がり回旋枝の6割は閉塞
しているので両方にステントを入れてインペラを取り付けた
ことを語る。心停止の時間はトータル20分。普通ならば諦めて
いるとされる。
そんなツェルニー医師はウィルに対して、
「神と医者の違いは何処に有るか」
との問いかけを行った。神は自分が医者ではないと分かっている
とのこと。
何度も心停止を繰り返していたダグは結局植物状態になって
しまったのだろうか?
3人の子供がいるとしていたし、その暮らしをしている夫婦にと
っては辛い事実だ。
でも植物状態ではなく、神経科から説明があるが後遺症が残り
怒りっぽくなったり物忘れや運動障害が起こって暫くはベッド
からは出られないことを語っていた。
店頭で手首をくじいたキャロル
担当したのは研修中のサラとチャールズ先生だった。
この二人の組み合わせって何げに良いな。
チャールズ先生には癒しが有り、キャロル自身も認知症ではない
かと疑われていた時には、チャールズのことを慕っていた。
キャロルは自分のことを「ボーイ・ハント」のコニー・
フランシスだと思い込んでいる。
そんな彼女の元に夫のトム・ドノヴァンが迎えに来る。
二人はフォートローダーデールで出会い1960年の「ボーイ・ハ
ント」が公開されキャロルが大好きな映画だったという。
映画と現実がごちゃごちゃになっていること。
サラは親切で介護の辛さを言ったつもりだけど、チャーリー
からは「挨拶状か星占いの文句」みたいだとされる。
ただ退院の際に自分がこうなった原因を話したことから認知症
なら怪我した時のことを覚えていないし、すり足歩行をしている
こと。
検査をする中で、彼女はアルツハイマーではなく「水痘症」で
あることが分かる。脳に水だ溜まるので髄液を抜いて様子を
見ようという。
結果として彼女だけは快方に向かっている。
脳の前頭葉皮質下に髄液が貯留されていて脳脊髄液を排出した。
自分を見失っていた為に物が違って見えていた。
最後にサラとしてはネットで調べて「ボーイ・ハント」での
使用曲を流す。
■その他
・チャーリーは良い人
この人は患者だけでなく医者もいやしたり話を聞いたりする。
今回はスナック菓子を食べながら、患者に対して感情を持って
接してしまった為に危険に晒してしまったのではないかと
感じて落ち込むチョイに声を掛ける。
その際にチャーリーは色々と話を聞いていた。
チョイは今でも海軍の予備役だとしていた。
チャーリーは軍人は心を開かないので診察が難しいとしていた。
「強がりだから・・」。
そのチョイさんもまた強がりなのか。
しかし最後にチョイさんはエリカに色々とアドバイスしたり
産まれた赤ちゃんの居るINCUに行っていた。
・サラに対してもアドバイスしていたし、患者にも語っていた。
「病気になると病気ばかりに目がいって人間そのものを見失い
がち。愛する人がそこにあるのを忘れてしまう。」
皮肉だけで今回は自分を見失っていたのは、このドラマに出て
くる多くの人たちだったな。
・一酸化窒素のボンベを巡る争い
今回ウィルの患者のダグと赤ちゃんの為に双方ともこのボンベが
必要だった。ウィルはナタリーが持ち出そうとしているのを見て
こちらの家族には3人の子がいるのだとして「医者として判断」を
求める。妊婦としてではなく・・と
・義理の母の出産前祝
ナタリーは義母から出産前のパーティーを開かれる。
ウィルに一緒にいって助けてくれというが、彼は先ほど知り合っ
たM.Eのブロンド女性のゾーイとの会食がある。
・コナーと父
この二人の関係は何なのだろう。コナーの父は金持ちっぽい。
高級車でやってきて仲直りしようと言っていった。
お前が出て行ってから傷ついた。姉さんに聞いて見ろとのこと。
でも「あんたは無神経」「うまいね父さん、完璧なセリフだ。
ダマされないよ」。
コナーは見失っていないのか。
・シカゴPDより
ショーン・ロマンとキム・バーガスが病院にやってきた。
ただエリカはあの体で病室から居なくなっていたね。
家で娘を一人にしたらそうなるよとはショーン談。
■使用された曲
・Where the Boys Are by Connie Francis
■出演者
Dr.ウィル・ハルステッド (Nick Gehlfuss) 内科医。兄はシカゴ警察
エイプリル・セクストン (Yaya DaCosta) 看護師。ブラジル出身
Dr.ナタリー・マニング (Torrey DeVitto) 小児科医。救急外来研修中
サラ・リース (Rachel DiPillo) 医学部の4年生
Dr.コナー・ローズ (Colin Donnell) 外科医、父とは長年の確執
Dr.イーサン・チョイ (Brian Tee) 感染症の専門医。海軍の予備役
シャロン・グッドウィン (S. Epatha Merkerson) 管理部長
Dr.ダニエル・チャールズ (Oliver Platt) 精神科部長
マギー・ロックウッド (Marlyne Barrett) 主任看護師
ドリス (Lorena Diaz) 看護師
Dr.サバージ (Sarah Charipar)
Dr.ツェルニー (Philip E. Johnson) ベテラン医師
Dr.レア・モビット (Yelena Shmulenson)
Dr.パチェフスキー (Amy J. Carle) 産科医
コーネリアス・ローズ (D.W. Moffett) コナーの父
キャロル・ドノヴァン (Caroline Lagerfelt) 認知症かと思われた
トム・ドノヴァン (Larry Pine) キャロルと1960年に結婚
ゾーイ・ロス (Susie Abromeit) M.E / スチュワート&ブレック製薬会社
エリカ・ドハーティー (Aislinn DeButch) 14歳、妊娠出産
ショーン・ロマン (Brian Geraghty) シカゴP.D、エリカに事情を
キム・バーガス (Marina Squerciati) シカゴP.D、エリカに事情を
ヘレン (Annie Potts) ナタリーの義理の母
ダグ (Thomas Kelly) 心筋梗塞の疑いの患者
ジェナ (Aemilia Scott) 3人の子持ち
カーラ・ドハーティー (Cydney Moody) エリカの姉
マデリン・ガスターン (Jodi Kingsley) 児童保護局
ブレント (John Byrnes)
— (Erin Noel Grennan) NICU Nurse
— (Vahishta Vafadari) Med Student
— (Armando Reyes) コーネリアスの運転手
— (Ryan Bernales) 救命士
— (Rajnita Gupta) Cafeteria patron
— (Chase Smith) Med Student
カーラ・ドハーティー / Kara Dougherty
グラント医師