第4話 誤解 Mistaken
脚本／Eli Talbert
監督／Donald Petrie
【ストーリー】
2016年1月15日、ビルとルーシーと息子のマックスは映画を見に
行く。チケット売り場では大人2枚と小さな怪獣一匹分のチケット
を購入。そんな中館内で騒ぎが有り銃声が鳴り響くと観客達が
一斉に飛び出してくる。ルーシーはマックスを抱える中、その
群衆の流れに逆らってしまい倒れて踏まれる。ルーシーはビルの
名前を最後まで呼び叫ぶ。
病院前の屋台でコナーはみんなに食事を奢る。
コナーはコリアン・スパニッシュフャージョンなのか?という
リースに対してショートリブとチョリソー入りブリトーだという。
リースはベジタリアンだったら?お勧めは豆腐キムチ、ケサディー
ヤだという。リースはガーデンサラダを注文。エイプリルはスパ
イシーポーク&チリタコスを注文。早速投稿しようとして食事を
携帯で撮影するとSNSに画像をアップする。ウィルは良いのかと
いうとウチから持って来たという。ナタリーはウチから持って
来たって、あなたの冷蔵庫の中は古いヨーグルトと重曹くらいしか
無さそうだけどと語る。ナタリーは義理の母に勧められたケール
を食べていた。不味い・・エイプリルはナタリーに対してウィル
と良い雰囲気ねと語る友達だという。
そんな中、医者たちの携帯が一斉に鳴り出すと共にマギーが病院
から出て来て映画館で発砲事件が発生。負傷者多数で4分で
到着するので忙しくなるわよと語る。また映画館で乱射事件なの
かとウィル。
シャロンはマギーに対して災害プランを発動だとして整形と
精神外科を呼んで飛び込みの患者はあと舞わしにしてという。
◆23歳男性・踏まれて肩を脱臼した患者が搬送されてくる。
外傷7番へ。
◆20歳女性・踏まれて頭皮剥離だとするチャウトに第6へと
マギーは患者を捌いていく。
◆ルーシー・シムズ(34歳)、反応無し、自発呼吸無し、挿管して
いるという救命士のシルヴィー。外傷2番へ。
彼女の父親は後ろの救急車ですとリースは語る。
ルーシーは脈が微弱で抵抗が凄くバッグが固いというエイプリル。
血圧は70-40、心拍130、飽和度が低下しているというと、コナー
はエピ1mmだと語る。
レポーターは乱射事件の加害者の男性の身元は明らかにされて
いないと報道。目撃者によると10代後半から20代前半だという。
笑いながら銃を乱射していたとのこと。
シャロンは警察が拘束した犯人はここに搬送されてくるという。
銃創が複数あるとし、一般市民が撃ったそうだという。高校の
数学の先生で彼もウチに来るとのこと。マスコミは病院の表に
多数集まっていた。
「メディア程強いものはない。無実の人を有罪にし犯人を無実」
と言ったのは誰だっけ?というチャーリーに対して、マルコムXよ
とシャロン。
◆マスコミは救急車から出てくるリック・ミラーにカメラを
向ける。あなたはヒーローだとし皆さんを助けてくれたという。
ビルが頭の血を押さえながら自力で歩いてやってくる。マギーは
どうしたのかと問うと私の妻のルーシーが搬送されているハズ
なんだという。息子・マックスと一緒だとすると、奥さんは処置
中で息子さんは無事だという。
ウィルはルーシーに対して穿刺しようという。コナーは心マを
辞めてと言うと脈が戻ったという。しかし戻るまで23分かかった
こと。これだけ長いと厳しいぞとウィル。チェストチューブを入
れてCTを撮ってから判断しようという。
◆ナタリーは母親のコートニーと共にやってきたアシュリー・コー
ル(16歳)の容体を見る。逃げる時に押されて息が出来なくなって
気絶したのかと問うと、アシュリーはそれを否定し、その前から
目眩がしていたという。吐いた原因は分かるかと問うと分からない
という。コートニーはお菓子でも買ったのでしょとしバターポップ
コーンを食べたのか?と問う。あれは本物のバターじゃないのよ
というとジャンクフードだらけだという。私が10代の頃は好きな
ものを食べていたから当然太ったので娘には食生活に気を使って
いた。聴診器を使うナタリーは心臓、肺は正常だと言うと今でも
吐き気は有るかと問う。いつもダルイのだという。母親は作った
お弁当を食べたかと問うとヘルシーなものを作ってもいつも食べ
ないという。不味いからだとすると、食べると吐きたくなるという
アシュリー。検査をしましょうというナタリー。食物アレルギーや
感染症で吐き気が続くということも有ると。
ナタリーは看護師に採血を頼むととし一般採血と検査(血算、生化、
プレアルブミン、マグネシウム、尿検査、HCG、薬物)をし、
チャールズ先生を呼んでと語る。
◆17歳男性GCS6点の患者/ピーター・ウォレスが運ばれてくる。
腹部に複数の銃創。静脈ライン2本、挿管しているという。血圧
はギリギリだと。
■感想
今回はモラルの問題が至るところで大なり小なり現れましたね。
患者に対して医師が個人的感情を持ち込んではいけないとは
言われていて、このドラマでも初期の頃からその問題を取り上げ
ている。
これまでは感情を入れて治療に当たったものたちがペナルティ
的罪悪感を感じる後味の悪さを実感させられるものだったけど、
今回はコナー先生が全方位的に動いている姿に、相当ウザったら
しさも感じるところに繋がった。
医師と違って患者ならば当然感情をもってそれを露わにするのも
然るべきところだ。
特に今回の事件の発端となったのが明らかに一つ間違えば大騒ぎ
になるのを知りながらイタズラした少年が発端で、何人もの
人が死んでいる。この子にはやり直しの機会など幾らでも有った
のにそれを無視して次々と危険領域に達した結果、銃事件の多い
シカゴでついに大事件へと発展してしまった。
この子が殺したのは一人や二人ではないということを忘れては
いけないところだ。それでも親は当然子供を治したいと願って
いる。
■今回の患者
今回の患者は映画館の乱射騒ぎで起きた事件・事故での負傷者
が多かった。
・映画館で怪我したもの
■1) ルーシー・シムズ(34歳)。
夫・ビルと息子のマックスと楽しそうにやってきた映画館。
周りはまだクリスマスモードも漂っていて、良い雰囲気だった
のに一人の少年のイタズラがきっかけでパニックとなった。
ただルーシーも咄嗟のことだったけど逃げようによってはこう
はならなかったな。どうも流れとは逆の方向に向かおうとして
いた感じが有ったので対応を誤らなければ負傷しなかったのか
も知れない。
先日の患者の件(2話)ではウィルが20分の心肺蘇生を行って、
助けようとしていた。幸いにも助けることは出来たんだけどね。
そしてルーシーの件ではコナーが心肺蘇生を行い23分の時間
を要している。
結局チェストチューブを入れてCTを取り最終的にはエイブラムズ
医師から「痛みの反応無し」「瞳孔散大固定」「角膜反射、咽頭
反応無し」「無呼吸テスト、自発呼吸無し」。ということで死亡
してしまった。
「どうしてこんなことに・・」(Will)
「人間は最低なんだよ」(Abrams)
早速臓器提供の話になる。
■2) リック・ミラー
高校の数学の教師。過去には強盗事件に襲われてから護身用の
銃を携行する許可を得ている人物だ。レッスンも受けているし
身元調査などにはパスしている。
この人が銃によって犯人に発砲したことで犯人を制圧出来た
と思われた。しかしパニックはすぐに収まらずに逃走するもの
たちの間で怪我をするものが多数。
病院に運ばれてくる時にはヒーロー扱いされ、頭の傷も名誉の
負傷としてフォロワー集は120人から96000人になる程。
病院に迎えられた際には拍手で迎えられていた。
しかし徐々に事件が解明されていくウチに少年のイタズラ事件
だったことが判明していく。
退院する頃には手のひらを返したようにして、フォローたちの
悪口が目に余るようになる。マスコミもまた全面的にダマされて
発砲したと悪者扱い。
ただ自分はリックがヒーローになりたくて共犯者を装ってもう
一人を殺したのかなと思っていた。
先日のエピ(2話)でウィルが退院させた患者がすぐに倒れて
戻って来たことが有ったけど、ここではリックは自殺して
戻って来た。車に飛び込んだという。遺書とも言える動画
カメラのビデオ映像が残されていた。
■3) イタズラ少年・ピーター・ウォレス(17歳)
落ち葉拾いのブロワーを使って送風機で驚かせていただけだった
が、暗い映画館でのことだし、音響的にも映画で銃を発砲する
シーンも有って、それを本物だと思われてミラーに犯人と思われ
て撃たれた。
犯人扱いされ、運んできた刑事もウィルはそんなに拘る必要はない
として助けることに消極的だった。
腹腔内出血で大動脈を遮断していて血液が心臓と脳に行くように
しないといけないという。ウィルはここで開胸するのかとして
ウィルは練習台にするんだろうとしていたけど、命を助ける為だ
と語る。心臓の血液が空。急速に輸血する必要が有り鼠経部から
カテーテルを挿入したのがウィル。これってリースが一話の時に
失敗した処置だったね。血管鉗子をかけて血流を遮断。
30分以内に出血部位を見つけなければならないという。
オペ室ではコールとザネッティが対応に当たる。
出血が肝臓上部の門脈でシカゴではこの一年に一体何回プリングル
法をやったのかとしていたけれど、シカゴは銃での事件が多いので
外科医には腕を磨く場所だと皮肉られていた。しかし残念ながら
ここで選択肢がある。命を取るか肝臓を執るのか。鉗子を外せば
出血死、つけておけば肝臓が犠牲になる。
・目眩の少女、アシュリー・コール(16歳)
同じ年の子に比べて身長が近く猫背がちの子。
映画館に居たけど、原因は映画館ではなく、元々吐き気が有り
目眩が有ったという少女。
ナタリーが対応に当たっていた。吐いた原因について何か心当たり
はないかと尋ねると、母親は質の悪い油ものを食べたからだと
していた。食生活には口うるさい母親故に、ナタリーは摂食障害
/拒食症を考える。血液検査、アレルギー、妊娠もなし。大学時代
の親友が同様のケースで亡くなった環境と似ているということ
でナタリーはチャーリーに頼むことになる。
母親はチャーリーが消化器科の医師かと思ったら精神科医だと
知って見当違いだとしていた。結果からすると確かに見当違い
だったけどね。
承認されたばかりの嘔吐抑制剤があるとし臨床ではめざましい
結果を出しているのでハンバーガーもポテルも食べられるように
なるという。
レントゲン、超音波も大丈夫。胃腸科に連絡したので胃カメラを
飲むよう告げる。そして大腸の内視鏡検査も行うと。
ナタリーは上腸間膜動脈を支える脂肪組織が縮んだことで
十二指腸が潰れて首を通過した食べ物が全て一カ所につまり
閉塞を起こしてしまうという。
1) 数ヶ月の経鼻栄養チューブ
2) 手術
のどちらかで治るとのこと。
・コヴァック・ガートルード(72歳)
エイプリルが世話をしていたが、彼女のことをジャマイカ人とか
島の人っぽいとしていた。そして私の掃除に来ている人と似て
いるという。
この人はエゴは差別主義者で、映画館で負傷した人物ではない
のにそう嘘をついて治療を優先させてもらっていた。
病状は頭痛と疲れと咳が出るという。物忘れもあるとのこと。
血算と生化と心電図とレントゲンを執ることになる。
この人はチャン医師を見てアジア人は数学が得意なのであの先生
に担当してもらいたいとウィルに語る。
彼女は結局、ガンではなく非乾酪性肉芽腫(サルコイドーシス)。
炎症性の疾患で免疫システムが健康な細胞を攻撃するもの。
サルコイドーシスはある人種の人がかかる確立が特に高い。
あなたは合致していなかったので別の検査をした。
■その他
・モラルの問題
基本的にはマスコミやソーシャルメディアに於ける見えない
匿名の相手がモラルを問う中心的存在だけど、なかなかそれ
を正すのは難しいよね。
■チャールズ先生のモラル
今回は担当医のナタリーに言わずにミントのプラセボを試した。
いわゆる偽薬で、自分が病気だと思い込んでいる人に飲ませる
ことで効果が出てくる。ただし本当に身体的に問題が有れば
改善することはない。
そのことを言わずにチャールズはそれを使用した。ナタリーは
怒っていたけど、それを使うことで問題はハッキリしたとし、
拒食症ではないとの診断を下した。
■ナタリー先生のモラル
「確証バイアス」という自分の先入観に合わせて情報を都合良く
解釈するもので、ナタリーは妊婦の時にもそうだったけど、
過去に拒食症で親友を失っていることから、患者もそうではない
かと決めかかってしまった。
「確証バイアス」は、今回の被害者で加害者であるミラーにも
当てはまるものがあり、一度被害に有ったのでよく見えない状況
の中でも発砲してしまったのはそんなバイアスに捕らわれている
証拠だ。途中で運ばれて来た患者の中には「広場恐怖症」の人が
折角映画館に足を運べたのに病院に運ばれるという不運も有り、
これもまた「確証バイアス」を印象づける形となっている。
■ウィル先生のモラル
この人はエイプリルが人種差別されていることを受けて仕返し
することを考えている。
チョイ先生は患者間コヴァックに信頼されてご満悦って感じ
だったよね。難しい病名を並べ立ててウィルは助手扱い(笑)
ウィルはDNA検査まで勝手にして、彼女の遺伝子構造の中に
アフリカ系の血が混ざっていることを告げて彼女に仕返しをした。
「仲間ですよ。アイサツ・・グータッチ」(April)
・モラルやエゴか・・
コナーの行動は果たしてどちらに該当するのか。
正しい行動をしているのにそう捉えられてしまうというのは不本
意だけど、助けられる命を助けた結果、助けられた方は助けた
被害者の遺族から死ぬまで苦しめてやるとして復讐の道具にされ
ようとしている。しかも因果応報とばかりに、ソーシャルネット
ワークを使って一生書き込みしてやると復讐を誓っていた。
「LAW & ORDER」のクリミナル・マインドではS7-20の自警団
でこんな話が有ったな。
一度犯した罪で街全体が若者を敵視して死に追いつめたこと。
・シカゴP.Dより・・
映画館で発砲する経緯について、ミラーから聞くことになる。
そこで事情を聞きに来たのは、イケメン男はジェイ・ハルステッ
ド。「シカゴP.D」と言えば、ハンク・ボイトですよ(笑)
「シカゴ・ファイア」ではハンクの暴走でケイシーが相当悩まさ
れることになるけどね。
ジェイは「Law & Order SVU」ではS16-7とS16の20に登場する。
一方美人ブロンド刑事はエリン・リンゼイ。
二人共「シカゴP.D」では1話から出ているキャラクター。大した
役ではなかったけど、流石に今回は映画館での騒動だったので
P.Dメンバーが登場するよね
・コナーとザネッティが関係に・・
ウィルとナタリーも良い感じの関係でマギーは”友達ね、ふぅぅん”
と疑っている感じ。まぁウィルにはナタリーへの感情が有りそう
だけどナタリーはどうかな。何時になっても良いから生まれそう
になった時には呼んでくれとして送っていくというウィル。
コニーとザネッティは仕事の終わりにベッドイン(笑)
・シャロンとチャーリー
最後にこの世の世知辛さみたいなものをバーで飲みながら語って
いた。シャロンはリックがバッシングを受けて自殺したことに
対して「酷い世の中だ」としていたけど、チャーリーは
「そうでもない。十字軍の遠征、モンゴル軍の侵攻、2度の世界
大戦・・・もっと酷い時代は有った。今はずっと平和だ。コイツ
(スマホ携帯)さえなければ・・」
そんなチャーリーにエヴァという子から電話が来た。
「怖い夢を見たの・・」
「可哀想に・・」
■使用された曲
・
■出演者
Dr.ウィル・ハルステッド (Nick Gehlfuss) 内科医。兄はシカゴ警察
エイプリル・セクストン (Yaya DaCosta) 看護師。ブラジル出身
Dr.ナタリー・マニング (Torrey DeVitto) 小児科医。救急外来研修中
サラ・リース (Rachel DiPillo) 医学部の4年生
Dr.コナー・ローズ (Colin Donnell) 外科医、父とは長年の確執
Dr.イーサン・チョイ (Brian Tee) 感染症の専門医。海軍の予備役
シャロン・グッドウィン (S. Epatha Merkerson) 管理部長
Dr.ダニエル・チャールズ (Oliver Platt) 精神科部長
マギー・ロックウッド (Marlyne Barrett) 主任看護師
Dr.サム・ザネッティ (Julie Berman) 外傷外科医
Dr.サム・エイブラムズ (Brennan Brown) ルーシーの死亡を確認
ディナ (Amanda Marcheschi) 看護師
— (Xavier Armanno) Hospital Administrator
ジェイ・ハルステッド (Jesse Lee Soffer) シカゴ P.D、特捜班刑事
エリン・リンゼイ (Sophia Bush) シカゴ P.D、21分署
シルヴィー・ブレット (Kara Killmer) 救命士
チャウト (Alex Weisman) 救命士
リック・ミラー (Joe Tapper) 容疑者のピーターを撃つが・・
ビル・シムズ (Paul Fitzgerald) 父親
コートニー・コール (Beth Chamberlin) 母親
アシュリー・コール (Gus Birney) 娘
ジェシカ・チルトン (Dora Madison)
ガートルード・コヴァック (Joan Porter) 72歳、人種差別主義の患者
ピーター・ウォレス (Daniel Mozurkewich) イタズラ映像、撃たれる
ブレンダ・ウォレス (Mary McDonald Kerr) 母親
デビッド・ウォレス (Shannon Parr) 父親
— (Miriam Lee) 救命士
— (Nick Mayer) 救命士
— (Cesar Jaime) 救命士
— (Adam Poss) 救命士
— (Michael Collins) ニュースアンカー
— (Aaron Holland) リポーター
— (Darinka Lora-Stepan) リポーター
— (Sarah Timms Chittaro) リポーター
— (Catherine Dughi) Field Reporter
— (Michael Kevin Martin) 患者
— (Kathleen Puls Andrade) 患者
— (Joie Goodman) Server
ルーシー・シムズ (Sara Holden) 母親、34歳、逃げる途中踏まれる
マックス・シムズ (Connor Norris) 息子