第16話 赤の女王 Red Queen
脚本/Daniel Cerone
監督/Chris Long
【ストーリー】
リズボンは目撃者は何処かと問うとヴァンペルトはこちらです
という。ラローシェ(Pruitt Taylor Vince)は受付の女性
(Stacy Highsmith)に対して君が容疑者を見たのかと問う。いつ
何処に行ったのかと問うと、私がランチから戻ってエレベーター
を降りたら容疑者は上に行ったという。上は屋上だけなのに・・
リズボンは上からパトリックの部屋が有るという。誰かパトリ
ックを見たかと問うリズボン。みんな一斉に武装してパトリック
の部屋に行く。ラローシェも用心しろとし相手は武装している
という。チョウは鍵がかかっているというと、室内にいるパトリ
ックに声を掛ける。「出て行くからみんな下がってくれ。武器を
持っていたら下ろしてくれ」という。
そんな中パトリックは扉を開けて出てくるが、ハイタワーが
パトリックの頭にライフル銃を突きつけていた。下がらなければ
殺すというハイタワー。
●36時間前
●北カリフォルニア・考古学・人類学博物館。
警察官は鑑識が到着したという。チョウはリズボンがやってくる
と状況を説明する。今朝警備員が巡回中に発見。博物館内で
複数の刺し傷で死亡している遺体を見つけたという。ガラスケース
が割れているわねというリズボン。そこにはマヤ文明の金の象が
有って盗まれているという。被害者はマヌエル・モン
テロ(Andrew Ryan)、古代美術の教授だという。防犯カメラを
見ると午後10時25分に一人で入館後カメラを止めているという。
リズボンは恐竜を見ているパトリックに声を掛けると、この骨
はキャロライン。最も保存状態の良いティラノサウルスだという。
人の死体は見た事が有るけど恐竜の骨だという。リズボンは彼に
仕事をしてというと、働いているという。ボクがただ遊んでいる
だけだと思うなら頼むからこっちの小さい方の恐竜の肋骨を見て
くれという。一本折れているというリズボン。クローンを作るか
分厚いガラスのケースを割るためだろうという。このステゴサウ
ルスか?というとリズボンは鑑識に指紋を採ってという。
パトリックはこれはトリケラトプスだよと語る。
人類学の教授のクリスト・パパダキス(Dakin Matthews)がやって
来た為にリグズビーは話を聞く。モンテロは非常勤だったこと。
彼はすぐに南米に逃げる。廃墟で暮らしているという。リグズビ
ーは金が無いのかというと、彼は金持ちだという。マヤの遺跡
だよとし、彼は先住民文化専門で展示品の多くは彼個人のもの
だという。彼に恨みを持つものは?と問うと、見当も付かないと
し、彼は取引上手だという。良心的なアンティークのディーラー
だったと。最近の古美術商は詐欺師みたいのが多いと。
モンテロは普段からバイヤーを招いては所蔵品を見せていたと
いう。彼はここの鍵を持ちセキュリーコードを持っていること。
こんな所で見せれば価値も高く見えるだろうと。死ぬ前に考える
時間は有ったみたいよというパトリックは時計を見てという。
ダサイ時計だ・・・電卓付きの時計。忙しいセールスマンには
便利アイテムだとし入力されているのだという。「6078」と
書かれていたが、パトリックは上下逆さまに見てというと
「BLOG」と書かれているように見えた。携帯を犯人に壊された
ので思いついて入力したのだろうと。ヴァンペルトに対して
モンテロのブログを調べさせるという。
パトリックはもう少しここに居るとして、マストドンも居るし
オオナマケモノやダイアウルフも居るという。
ミミはハイタワーに電話。
お泊まり会に行きたいというミミだが母のハイタワーは次の日が
学校だからダメよと。
そんなオフィスに居たハイタワーの元にラローシュがやってくる。
トッド・ジョンソンの件で来たという彼。彼に殺された警察官
の写真を君に見せたいという。彼を知っているかと問うと、
ランス・ハワード巡査・ハイウェイバトロールでしょという
ハイタワー。ここのみんなは彼と親しかったというと、君は特別
ハワードと親しいという噂だという。何の関係があるのかと問う
と、ドッドは焼き殺されていたのだとし、強い恨みを持つものの
犯行だという。君には動機があるのだという。ハイタワーはそんな
トイレの落書きレベルの話を聞いて捜査するタイプなのかという。
写真を置いていくラローシュ。彼が立ち去ると写真を伏せる彼女。
チョウはモンテロの経歴を調べたとしてリズボンに報告。
独身・自営業・休みの度に南米へ買い付け。サンフランシスコ
に倉庫を所有。両親はフロリダに在住で現在こっちに向かっている
とのこと。ヴァンペルトはモンテロのブログを見つけたというと
ブログ名は「墓堀人の記録(I Dig Dead People)」だという。
考古学ジョークねとリズボン。遺跡発掘の宣伝を兼ねた冒険譚が
書かれているという。3週間前に今回盗まれた像を持ってコロン
ビアから帰国していること。ブログを乗せた後に個人のバイヤー
が見せてくれと匿名のメールを送っているという。メールの追跡
はFBIラボに頼んだというと、フィアンセがFBIに居ると楽だね
とリグズビー。鑑識はまだ指紋の照合には時間がかかるとしている
というと、その間に倉庫を調べましょうというリズボン。
■事件
考古学・人類学博物館で古代美術の教授、マヌエル・モンテロが
館内で何度も刺されて死亡しているのが発見される。
彼は臨時職員であり、南米の先住民文化を専門として、このフロア
に飾られている展示物の殆どは彼個人の所有物で、バイヤーとも
ここで会っていたことが判明していく。
最近のこの手の古代美術品のやりとりは元の所有国が所有権を
求めて返す為に扱いが難しいことが分かる。
彼がダイイングメッセージのようにして”ダサイ”電卓付き時計
にBLOGとも読める文字を入力していた為に彼のホームページから
情報を掴んで行くことになる。
■感想
今回レッド・ジョンネタにも繋がったので興味深い流れは
有った。しかもラローシュが出てくると本当に不気味だ。
元々ラローシュが調べているトッドが殺害された件に於いて
トッド自身が殺害されたのは、レッド・ジョンの情報を知って
いるからであり、その証拠隠しの為に殺されたとされている。
しかもそのやり方は火で燃やして殺害していること。
CBIはカリフォルニア州の凶悪事件を扱う部署みたいだけど
サクラメント署の一部門なのだろうか。
その割りには入室ゲートが妙に容易に入れそうだし、敷地面積
もそう広く無さそうな感じはする。
今回は改修工事をしているということでパトリックが駐車場の
場所の変更を余儀なくされたけど、正直あの建物内で誰にも見つ
からずに灯油でも運んで殺害するなんて芸当が出来るのかどうか。
いや出来たから現在ラローシュが内部調査している訳だけど・・・
事件当時の殺害現場と当時の捜査官の位置関係を調べるマッピ
ングの光景は、「Law & Order: Criminal Intent」S8-2で
ニコラスが行ったものと全く同じ。
位置関係から殺す事が出来た人物は5人。
数字は「12(赤)」「188(黄)」「16(黄)」「36(青)」「146(緑)」
とされていたけど、36=ハイタワーだった。
冒頭からハイタワーが犯人説だと印象づける為にパトリックを
人質に銃口を突きつけている光景があるけど、誰も額面通りだと
は思っていないだろうし、リズボンが最後に語る様に、何故
パトリックを人質にしたのか。
「あなたが絡むと疑う理由になるのよ」
■捜査
今回の捜査はトッドの件と繋げる為のネタでも有った。
またCBIの中でも何者かがハイタワーを犯人としてヌレギヌを
着せるための工作だろうことも伺えるものが有る。
被害者モンテロには悪いけど今回ほど、被害者がどうでも良いと
思ったことはないかも知れない(笑)
やっぱりレッド・ジョンネタが絡めばそっちの方が比重は大きく
なる。
犯人はラローシュかと思われたけど、彼の家を見たパトリックの
リアクションからも分かる通り、彼自身は至って普通の暮らしを
していて、冷酷な殺人鬼がフワフワの犬を飼って家を構えている
だろうか?
そして新たに浮上するのは局長のバートナムだったりもするの
だけど、それ以前に指紋鑑定の男があまりにも慌てすぎていた
り、またFBIに捜査の一旦を頼んでいた所も有るので、最初は
リグズビーがヴァンペルトに対して嫉妬心から「FBIのフィアンセ
が居ると捜査も楽だな」みたいな嫌みを語っていたけど、その辺
の流れから繋がりが出てくる可能性も有る。
■捜査2
トッドとモンテロの故郷はなんと高校で一緒。互いにヴァイラン
ド高校のアメフト部の仲間。
リズボンが夜遅くまで調べて見つけ出したものでモンテロの私生活
を見直して発見したのに、パトリックがまたリズボンに対して
「自分の私生活も見直したら」
と語る光景がある。さらっと受け流されたけど(笑)
よく分からないのはモンテロは当初コロンビアで活動していたの
でギャング、カルテル、私設軍隊によってやられたのではないか
とされたが、彼らが殺害するのであればわざわざ館内で刺して
殺すようなことをする訳もない。
一瞬にして「そんな話フィクションだよ」としてモンテロと
密輸事件には関係がないことを見出したパトリックの姿が有った。
■レッド・ジョンを出し抜くために・・
流れはよく分からないけど、ハイタワーのことを引きずり下ろし
たい人物が居るのかな。
殺されたのはハイタワーが関係を持っていたランス・ハワード。
だからその彼を殺したトッドに復讐する動機は確かに存在する。
しかし彼女には二人の子供がいるという事実も忘れてはならない。
前回のエピソードでハイタワーとパトリックという犬猿の仲同士
が捜査上組むことになったのは、ある意味ヴァンペルトをいつも
内勤にさせているリズボンに対する罰則的エピかと思ったんだ
けど、今回のエピソードに入る前にこの二人の関係を近づけて
置くという意味や、ハイタワーに起きている私生活上のことなん
かも提示しておく必要が有ったのかな。
気になるのはハイタワーの夫って誰だったのだろうか?
今まで言及されたことが有ったっけ?
■仏像チョウさん
相変わらずこの人の淡々とした感じが活かされたシーンが多い。
特に感情移入しない彼は取り調べ室に於いて駆け引きしていない
ように見せて淡々と処理させるウチにいつの間にか容疑者の方
から擦り寄る流れが面白く出来ている。
リグズビーとの捜査では、倉庫にいく際に帰りに屋台を見つけた
のでタコス食べて行こうぜと言われて
「断るっ」
ってところが笑える。流石チョウさんや!
しかしチョウさんの軍隊仕込みの射撃の腕は見せてもらいました。
一人には逃げられたけど・・
■その他
・指紋鑑定技師
フォーリー (Chris Coy)という人物が行っていたけど、もの凄い
挙動不審。何だったんでしょうか。
■使用された曲
・
■出演者
著作権の関係で俳優名はリストに書けなくなりました。
パトリック・ジェーン …… 犯罪コンサルタント、CBI
テレサ・リズボン …… CBIの捜査チーム・上級捜査官
キンブル・チョウ …… CBI捜査官・元軍人
ウェイン・リグズビー …… 放火事件のエキスパート
グレース・ヴァンペルト …… CBIの新人捜査官
マデリーン・ハイタワー …… CBIの責任者
J.J ラローシュ …… 内部調査部
ゲイル・バートナム …… CBI局長
フォーリー …… 指紋鑑定
ロベルト・サルバドール …… モンテロの倉庫・密輸
クリスト・パパダキス …… 人類学の教授
ジム・ピルソン …… セキュリティ
…… 受付係
トッド・ジョンソン …… 刑事、CBI室内で焼き殺される
ミミ・ハイタワー …… マデリーンの娘・お泊まり会
ロン …… CBI
マヌエル・モンテロ …… 古代美術の教授
ランス・ハワード