March 13, 2005
第15話 究極メニューのワナ Death Roe
脚本/Rene Balcer、Warren Leight
監督/Rick Wallace
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魚市場でトミーはフレディから”あるもの”を入手する。
トミーはそれを受け取ると義理の息子であるジョシュにそれを
手渡す。”あごヒゲの客”だぞと念を押すトミー。
ジョシュは帰宅すると妻のベアトリスが待っていた。どうだっ
たのか?と問うとジョシュは成功したと思うと告げる。
しかし彼は電話を受けると突然「破滅だ・・」と語る。
あごヒゲの客はトイレで録音機に向けて何か暗号を吹き込む。
ランニングしているカップルは上から血が滴り落ちていること
を知り確認に行くとニット帽を被った男装をした女性が血を流
して倒れて居るのを発見する。助けて・・という女性。
ゴーレンたちは現場に呼ばれる。
国連ビルの近くで襲われた身元不明の女性を外交官が発見した
というものだった。男装していること。サイフは無くなって
おり、上着にはレコーダーが入って居るが何を言っているのか
内容は分からないというもの。鈍器によって頭部と首を強打
されているという。怨恨によるものなのか。ゲイバーが近くに
有るので憎悪犯罪なのかとエイムズ。ゴーレンはヒゲが落ちて
いることが分かりアゴにしていたものだと分かる。変装に暗号
をしているという事は趣味ではなく何かをしていたのだろうと。
エリザベスは検視をすると、傷は41カ所。肋骨が折れてそれが
脾臓に刺さったことによる失血死だという。陸橋で6時間倒れた
状態だったという。組織を損傷しているが蹴った跡なのかどう
かは不明で、被害者本人も大きな体格をしていることから
抵抗した可能性があるという。胃にはフルコースが有り邪魔
しそうだという。胃の内容物はチキンに魚、牛肉、ヤギ、
バナナ、ビール、香辛料はカレーとココナッツだという。
ゴーレンはインド料理だろうと。録音テープの最後にドアを
開ける音とレゲエ音楽が流れており、レストランにいたであろう
ことを示唆していた。ゴーレンはそれらを総合すると彼女は
料理評論家だろうという。顔を隠すために変装し、何皿も食べる
のが仕事だという。そして記録を取っていたのだと。
1月12日(水)・サリー・ムーアのアパート。
被害者は料理評論家のサリーだと判明。仕事仲間のヘレンから
事情を聞くと、一緒に食事に行き角で車を降りたという。
朝には評論を送ると言っていたこと。特に誰か不審者がいた
感じはなかったという。エイムズは近くに有った評論を見る。
そこには”泥水のような豆のスープ”、”匂いも酷い”と辛辣な
批評が書かれていた。ヘレンはハッキリと言うからこそ彼女
の批評は人気が有ったのだという。
ゴーレンは白米とジンジャエールがある事を知って病気か
何かだったのかと問うと、木曜日にレストランに行きそこで
食中毒になったのだという。しかし彼女のスタンスとして原稿
が出来るまでは店の名は話してくれないのでどこの店かは
分からないという。暗号を使っているのでテープの内容も
分からないとのことだった。評論家を食中毒にさせたら終わり
だろうという。近くに半年前の記事がありアピーチェに関する
もので、”トゥローボの秘蔵っ子ジョシュが独立した”という
内容だった。写真には黄色いバイクと共につま先が金属のブーツ
をはいていた。その靴ならば被害者の組織を損傷させることは
出来るとゴーレンたちは考える。
1月13日(木)・アピーチェ・トラットリア。
料理人のジョシュについてスタッフの一人・メイから話を
聞くと、彼の奥さんであるベアトリスが失踪届を出している
とのことだった。ベアトリスから夫の失踪について尋ねると、
消えたのは月曜の夜だという。朝に出勤時間(火曜の朝時)に
なっても戻らなかったのだという。私は父・トミーの店で
パティシエとして働いているという。最後に会話したのは
月曜日の夜・・つまり彼がここに来る前だろうと。定休日だが
メニューを考えたり帳簿を付けに来ていたのだという。彼は
店を大事にしていたとのこと。エイムズは写真のブーツを
月曜日にもはいていたか尋ねると毎日はいていたという。
夫は疲れてストレスを感じて居たとのこと。
ゴーレンは壁に貼られている写真に目を向ける。
この写真は料理評論家を見抜くために貼っていたであろう写真
だという。あごヒゲの写真はサリー・ムーアだった。
ベアトリスは木曜日に彼女は来たとし、夫は彼女に完璧な
料理を出したと言っていたとのこと。そして評論が出てくるの
を楽しみにしていたという。
予約はエド・デイトンの名前で8時に4名で来店していた。
その時間帯に予約が一件取り消されていることが分かる。
この店の料理で食中毒になっていることを指摘し、ムーアは
月曜日の夜に殺害されていることを語る。
するとベアトリスは何かに気が付いた顔をする。
事情を聞くと、火曜日の午後に家に戻ったら洗面所に夫の指輪
が置いて有ったのだという。そんな中ベアトリスに警察から
電話が鳴り、ジョシュのバイクが見つかったというものだった。
ゴーレンとエイムズはそのバイクのある海岸にいく。
殺人に耐えられずに川に飛び込んだものなのか。
しかしゴーレンはバイクには傷が無く、砂浜に置いて石の上に
倒れるようにした跡があるという。焦った行動であり自殺ではなく
逃走の跡だという。
トミーはデュークに対して娘の様子と店の帳簿をチェックして
くるよう頼む。
エイムズたちは上司のディーキンスに報告する。
行方不明のジョシュのカードに使用歴はなく、預金も動いてい
ないという。客商売なので現金を持っているだろうと。
携帯の通話記録を尋ねると、最後の通話は月曜日の9時で公衆電話
からの着信だという。一時間後にサリーの元に2回電話している
とのこと。何処かからの情報で”酷評される”という警告が
届いたのかも知れないという。しかしゴーレンはあの店が
酷評されることはないと語る。テープに録音の暗号は逆読み言葉
でありそこには良い評価しか言われていないこと。エイムズは
食中毒の前なのでそういう評価が吹き込まれたのではないか
とするが、一週間経っても酷評記事はどこにもないと語る。
しかし食中毒のことは誰から聞いたのか。
恐らく義理の父・トミー・オネラトだろうという。
彼はテレビの料理番組にも出演し、3つ星レストランも経営している
ので顔が広いはずだという。
1月24日(月)・ミラー医師のクリニック
1月27日(木)・ジョシュ・メイラーのアパート
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料理評論家の女性・サリー・ムーアが殺害され発見される。
彼女は辛辣な評論をすることでも有名で、彼女の評価次第で
店の存続問題にも繋がる程の影響力が有る人物だと知る。
彼女の足跡を追っているウチに、木曜日に食事したレストラン
で食中毒を起こしていることが分かり、それを出した店の店主
が評論を阻止する為に殺害したのかに思われたが・・・
国連ビルの近くで起きたもので、発見者は外交官。
被害者は男装して謎の暗号をテープに吹き込んでいるところを
見ればスパイの存在を想像してしまうけど、ドラマでは意外にも
料理関係の覆面評論家が被害に遭うというものだった。
ドラマとしてはなんと言っても殺人者役のトミーがChris Pennだ
ったことだ。映画「フットルース」の時に、レンと共にロックや
ダンスが禁止される保守的な田舎町でダンスパーティーする為に
奔走するウィラード役として出演していた彼。数々の映画で
印象的な役で出演していたけど、このドラマの撮影数ヶ月後に
薬物使用で亡くなってしまった。因みに兄はショーン・ペンだ。
捜査は割とオーソドックスなものが有り、それ程専門的な知識
を要するものがないので見やすい流れが有った。
容疑者の男女の親子関係を見ているとゴーレンとエイムズの関係
を彷彿とさせるようなものが有り、父と娘、どちらが主導権を
握っているのかということが興味深く描かれている。
ゴーレンが捜査の過程でトミーのオリジナルのワインを飲もうと
した際のエイムズさんの突っ込み。「捜査中でしょ」と制する
姿。完全に尻に敷かれるゴーレンの姿がある。
それと同様にトミーとベアトリスの間でも主導権がコロコロと
変わりある意味態度として分かりやすいくらいにそれらが
視聴者にも分かるつくりだった。
力が弱いと思って虐待していたものが成長することでいつかは
自分の方が立場が弱くなるということは考えも及ばないのか?
という感じがするし、力や体格では永遠に娘として
は勝てないところがあると思うので、イニシアチブのとり方
に関しては難しいところだけど、トミーの方が娘を溺愛して
いたとなると完全に娘が誘導出来そうな感じがする。
そんな臭いを感じさせるあたりの展開が今回のドラマを
より興味深くさせたところで、思ったほどジョシュの死を
悲しんでいなかったようにも見える。
ドラマでは驚くべきことに近親相姦の有無が背景に存在して
いたことだ。これって性犯罪特捜班ネタじゃないかと思わなく
もないけど、事件そのものは女性料理評論家の殺害事件の
真相にあるからね。
父親が娘婿に嫉妬するというのは分からないでもないけど、
支配欲の強いトミーが激怒したのが店から独立して店を持った
ことに起因するものではなく、娘を奪われたことや、自分
の欲求のために子供を作ろうとしていた娘たちの流れを止め
ようとする意図が存在していたことというのは相当異常な
感覚が有った。
正直流れからすると料理評論家は殺される必要はなかったんじゃ
ないだろうかって感じもする。
サリーが食中毒した流れは、幼少期に食べたサンタバーバラ産
の白アワビによるものだった。
絶滅危惧種を食べていたことで食中毒になるというなんとも
皮肉な展開で、検視していたエリザベスは「絶滅危惧種を
食べた罰」だとしていたり、市場で白アワビを売ったフレディ
の弁護士は、自己負罪拒否権を行使するとした際に、
「絶滅危惧種を売っておいて・・」それを使うかみたいな
突っ込みどころが有ったところは面白かった。
魚市場で不正なものを売っている人物がいると知った際には
エイムズさんが静かな口調で、誰が売ってるのか・・言わないの
ならば目覚めさせてあげるとする辺りは彼女の気の強さが
出た場面だった。
食べてはいけないものに手を出した結果、こういう結末になる
というなんとも皮肉な流れ。
しかし料理店とはいえ、都市伝説のように人間を調理場で解体
してしまうというところが怖いな。人間は30分で解体できる
とゴーレンさんは語っていたけど、結局解体した後の遺体は
何処に行ってしまったのだろうか。
また豆を食べると妊娠しづらくなるというのは都市伝説みたい
だけど、実際のところどうなんだろうか。医者は迷信だとして
いたけど、ゴーレンたちは最後まで妊娠を阻止させるために
豆料理を娘に食べさせていたみたいな流れが有ったよね。
あの料理の中にジョシュが詰まっているのかと思ってちょっぴり
怖いものがあったけど、流石にそれはなかったようだ。
トミーとデュークの関係も奇抜で、デュークの妻はトミーに
襲われたとしているけど、デュークはトミーを心酔している
ような感じだし、なんだかよく分からない部分も有ったな。
相変わらず最後はベアトリアの心理を上手く誘導して
証拠品であるジョシュの右足に埋められたボルトを自ら
提出させるというもの。医療記録なんてそう簡単に破棄できる
筈も無いだろうと思うけど、それを信じてしまうところは
トミーの性格を現しているところなのかね。
「君の父は大食いのケダモノだ。友達の夢やジョシュのことまで
潰した。抑制が利かない。君の将来の幸せだって握り潰す。」
君を守れるのは真実だけだというゴーレンの言葉は説得力が有った。
そんな彼に対して「大食漢が大罪だと初めてなっとくしたわ」
とはエイムズ談。
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
トミー・オネラト (Chris Penn) 父親
デューク・コールドウェル (Daniel Oreskes) トミーの部下
Mrs.コールドウェル (Stephanie Roth Haberle) デュークの妻
ジョシュ・メイラー (Alex Burns) 夫
ベアトリス・オノラト・メイラー (Monica Keena) トミーの妻
フレディ (Edmund Wilkinson) 市場で違法なものを売る
Dr.ミラー (Matt Landers) 産婦人科医
エディ・デイトン (Seth Rudetsky) サリーの知人
サリー・ムーア (Moira Driscoll) 料理評論家
ヘレン・ホワイト (Fiana Toibin) 料理評論家
ボーズ・ハミン (Jeremy Xido) 外交官・ランナー
ゲン (Lisa Brescia) 外交官・ランナー
ウィルケンス (Dan Daily) 捜査官
ジェサス (Laith Nakli) Jesus
バディ・ドーフマン (Bruce Birns) 弁護士
メイ (Susan Louise O’Connor) アビーチェのスタッフ
ナオミ (Elizabeth Mathis)
ニーナ (Diane Sintich)
— (Thomas A. McMahon) Judges Chauffeur
— (Stewart Summers) Crime Scene Investigator