October 24, 2004
第7話 母親失格の代償 Magnificat
脚本/Rene Balcer、Diana Son
監督/Frank Prinzi
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ウィンデール電子の会議室ではCEOのボブ・リーディが社員に
対して話をする。ジュリアスセブンスとの契約が決まったと
して盛り上がる中、この新製品で我が国の安全保証が向上する
という。プロジェクト責任者はドン、そして補佐役はポール
がしてくれという。
ポールは自宅の妻・ドリーンに電話すると、責任者になれなか
った事を報告。残念だったわねという妻に対して、君の車の
登録が切れていたので罰金が取られるのが急いで更新するよう
告げる。後で陸運局にいくという。ドリーンは早く帰ってきて
と語るが、今日は早くに帰れそうにないという。
ドリーンは4人の子供を連れて車で買い物にいく。
途中にガソリンスタンドで給油する。店員からオイル漏れして
いるみたいだとして検査するかと言われるが断る。
ドリーンはガソリンスタンドの外で中東系の男二人が言い争い
しているのを横目に見ながら、店内に入りガソリン代金を払う
と同時に4人の子供たちの為にアイスを購入し与える。
すぐに車で発進するドリーンは、助手席に座るアダムに窓で
遊ぶのは止めるよう告げる中、車は爆発する。
ガソリンスタンドでもその轟音が聞こえてみんなが外に出て
黒煙を確認する。
チョイ捜査官によると子供が3人死亡し、1人は母親と共に
大学病院に運ばれた事を告げる。父親はポール・ウィトロック。
生存者は意識不明で車外に倒れて居たという。フロントガラス
を突き破ったのだろうとのこと。ガラス片がドアの内側に有る
のを見てドアは開いていたのだと語るゴーレン。それで前の
座席の爆風が弱まり、運転していたドリーンと助手席のアダム
は助かり、後部座席に座っていた三人の子供たちが亡くなった
のだという。エイムズはチャイルドシートから見て、いつも
乗っている車と違うと指摘する。
爆発物処理班の男性は、車の底にパイプ爆弾が設置されており
中身は化学肥料だという。誰かが車の下に潜り込み仕掛けた
のだろうという。チョイ捜査官によると最後にこの車が立ち寄
ったのは半マイル先のガソリンスタンドだという。
9月9日(木)・クイック燃料、スタテン島
店員の二人から話を聞くと、彼女は週に一度子供と来ていた
という。トラビスは奥さんに対してオイル漏れをしている
ことを話したという。普段はミニバンで来ているとのこと。
店長によると支払いは店内で行われて子供のためにアイスを
買っていたという。車に乗ろうとしている際に中東系の男が
近づいて来たという。あの空気ポンプがある位置で二人の
男が言い争いをしていたとのこと。多分アラビア語での争い
だという。ヒゲの男が彼女を見て近づいていったが、彼女は
車を出してしまったとのこと。
夫のポールに話を聞く。
私の車にガソリンが入っていなかったので妻の車で今朝は
出社したのだという。勤務先はウィンデール電子で、普段は
エンジンや部品の設計をしていて、空気洗浄機やMRIなどを
扱っているという。奥さんに何か危険が迫っていることはなか
ったかと問うと、中東系の男の影があるのだという。テロリスト
によって狙われる可能性を尋ねると、会社のプロジェクトで
新型の地雷点火装置を発明したという。一年で劣化し地雷を
無力化させるもので軍が実地試験をしているという。ただし
私は責任者ではないとのこと。尾行されていたことを聞いた
ことはないが、子供には常に気を使うよう話していたとのこと。
署のオフィスで情報を精査する。
試験場はクウェートで地方紙に一度記事として掲載されている
という。シャラーンという男性がエジプト国籍で2002年1月に
学生ピザで入国し、8ヶ月前に失効しているという。
ガソリンスタンドの防犯カメラの写真に写っている中の一人
だという。彼らが乗っている車には、有線放送の違法受信探知
アンテナが搭載されているとのこと。シャラーンの従兄弟は
有線放送会社に勤めており十分爆弾を作れるという。
すぐに家宅捜索をするようディーキンスは語る。
ガソリンスタンドでのことを尋ねると彼女に近づこうとした
のは道に迷ったので尋ねようとしただけで、首を切るような
アクションを見せているのは、口論はもう止めようという
意味で見せたものだという。彼女は人は時に不当に扱われると
話していたとのことだった。自分は姪の学校で音楽作りをして
いたとし、演奏家である事を語る。
3ヶ月前にビザに関しては再発行を申請いたところだと分かる。
またアリバイも確認が取れるのだった。
9月10日(金)・ウィンデール電子。
ボブ・リーディのオフィスを尋ねて話を聞く。私がドンをプロ
ジェクトの責任者に選んだとし、ポールの場合、家族に縛られて
力を出せないでいたという。野心は有ったようだとのこと。
家族が消えれば良いと感じて居たのではないかとエイムズは
告げる。
ゴーレンたちはウィトロック家を調べる。
子供たちを自宅学習させているのは宗教的理由なのかと語り合
う。文字が極端に下手だという。また庭のイスが倒れて居た。
鑑識によると元から倒れて居たという。また園芸に関しては
下手なようだとし、葉は育つが花が咲いていないという。
ゴーレンは窒素過多の状態なのだとして、鑑識に対して肥料を
調べる様求める。
すると肥料は使用されておらず、パーライトと養土だけが
使用されていた事が分かる。
ガレージを調べると、オイルを掃いた跡があるという。
爆発は11時で夫が連絡を受けたのは11時半。1時以前に誰かが
爆発の証拠を片付けたのだろうと語る。
そんな中爆発処理班から時限装置は家庭用電化製品で作れる
もので、中身は窒素肥料が1kg使われていたという。
夫は家族が仕事の邪魔になったので意図的に電話で外に誘い出し、
そして二度目の電話で車に乗っているのを確認したのではない
かとして通話記録を調べていく。
9月25日(金)・大学病院
9月13日(月)・アマンダリッター医師のオフィス
9月14日(火)・ドリーンの母親宅
9月15日(水)・精神科病棟
9月29日(水)・高位裁・第31法廷
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一家6人の大家族のウットロック家。
夫のポールはエンジニアで忙しくしている中、妻のドリーンは
4人の子供を連れて車で買い物に行く最中に爆発によって
重傷を負う。後部座席に座っていた3人の子は死亡し、運転手
のドリーンと助手席のアダムだけが生き残っていた事を知る。
調べていくウチに爆弾によって殺されたことが判明し、夫の
仕事との因果関係を調べていく。子供達の訃報を知らせるが、
夫は何処か淡々としている様子にゴーレンは異様なものを感じる。
S4-5と少しネタ的には似ている雰囲気がある事件かな。
犯人役ドリーンのCarrie Prestonさんは「グッド・ワイフ」で
はエルズベス・タシオニという赤毛で癖のある弁護士さん
だった。ここではブロンド姿だったので分かりづらかった。
夫のポール役のSam Robardsのことに言及するのは今週二度目だけ
ど、「ねじれた疑惑」のカイル署長役を演じている。
妻ドリーンは一人では何も出来ないと考えている母親リアンの
姿が有ったり、夫・ポールの姿が有る。
それを良い事にポールは妻を操り支配しているようで、一見すると
気を配っているかのように思えるけど、その生活は全ての行動
をポールによって監視されているようで、相談すべき相手も
ポールが遠ざけてしまっている状況だ。
ポールの病気は一体何なのだろうか。単なる自己中とも違うし、
支配力の強さというのは、どの段階から生まれた性格なのか。
彼の生育環境の中で生まれたものではなく、自然と身についていた
としたならば、相当偏屈で家庭などとても持てそうにない人物像
だった。
また女性側にも違和感が有り、彼女が爆弾を使って車の爆破を画策
している事実が有ったこと。母親として理想像から離れた妻が
失望して、自殺を考えるというのは全く分からないでもないけど、
その結果子供まで道連れにするものなのか。
ポールとしては、妻が産後鬱の状態を知り、それでも忙しく子育て
をしていれば治ると考えていたようで、妻が自殺を試みようとして
いることを知りつつ、その状況を巧みに利用して排除しようとして
いたようだ。仕事でプロジェクトの責任者となれなかったのは、
家庭があるからだとする上司の言葉からすると、寧ろもう少し
支配率から解き放って子供や家庭のことを妻や妻の母に任せても
良かったのではないかと思う。
信心深い祖母は何故そんな関係に一歩踏み出すことが出来なかった
のか。
カーバーは妻の罪は問えるとしたけど、残念ながら夫のポールを
司法の場に引きずり出すのは難しいとしていた。もどかしさ爆発の
ゴーレン。今回はエイムズも妻が産後鬱になっているのを知りつつ
も抗うつ剤を買い与えることなく、更には今の病院からも退院させ
ている事実を知って”いよいよ許せなくなってきたわ”と語るシーン
が有り、出産して子育ての大変さを知るエイムズとしては爆発するのか
と思われたが、流石に行きすぎた行動は取れなかった。
何でも支配したいと考える男も会社ではまるで評価されていない
状況だ。しのしわ寄せが家庭に及んできているとしたならば、
本当に辛いことだと思う。暴力こそ奮わないものの、精神的なDV
という感じで、彼自身の感情の無さはこれまでの人生に於ける何かが
欠けていることを示しているね。
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
ドリーン・ウィトロック (Carrie Preston) 母親
ポール・ウィトロック (Sam Robards) 父親、ウィンデール電子
アダム・ウィトロック (Sebastian Vignone) 長男
ビル・ウィトロック (Jack Metzger) 息子
リアン・コルソン (Pamela Burrell) ドリーンの母・信心深い
ボブ・リーディ (Kenneth Kimmins) ウィンデール電子の上司
ドン・ミルナー (Ross Gibby) ウィンデール電子、プロジェクト責任者
コルビー (Peggy Gormley) 判事
Dr.アマンダ・リッター (Dana Vance) 精神科医
サミル・アル・バナ (Arian Moayed) 家宅捜索
— (Atosa Navi) Al-Bana’s Wife
トラビス (Khan Baykal) ガソリンスタンド勤務、オイル漏れ指摘
アジジ (Mueen Jahan Ahmad) ガソリンスタンド経営
テレル (Albert Jones) 捜査官
ティム・ケラー (James Ludwig) 弁護士
チョイ (C.S. Lee) 捜査官
(Maximiliano Hernandez) Nunez
ケニョン (Nick Basta) 捜査官
ロドリゲス (Nina Hellman) 看護師
— (Guy Messenger) CSU Tech
ピーター・ウィトロック (Kyle Maruca) 息子
ピーター・ウィトロック (Luke Maruca)
テオ・ウィトロック (Matthieu Chatelain) 息子
テオ・ウィトロック (Oliver Chatelain)
— (Mikal Saint George) 捜査官
— (Anne Lockhart) Policewoman
タリク・シャラーン (Asim Mujahid) ガソリンスタンドにいた