第14話(32) 憎しみの連鎖 A Bride. A Box. A Body.
脚本/April Blair
Robert D. Doty
監督/Andy Mikita
【これまでのあらすじ】
王位欲しさにフランスを戦争に巻き込もうとしたなとシャルル
はアンリに告げ、だがボクの物だとして語る。愛しているのは
ボクだろうとしてアンリはニコルに迫る。フェルディナンド
大公はエリザベスにお互いこの結婚を成立させたいことを語る。
ボクは財政難、君はカトリックを取り込みメアリーに勝つため
だという。ただその前にギデオンとの関係を切って欲しいとし
宮廷から追い出すよう告げる。スパイからの報告で枢機卿が
女王失脚を目論んでいる。君の卑劣な夫も絡んでいるという
ボスウェル卿。姦淫をデッチあげようとしたがボスウェルを
狙うも一緒にいたのがリッチオなので殺されたという。
ダーンリーはメアリーから一緒に逃げようと言われる。
あなたはノックスに利用されているのでいずれ殺されると。
しかしダーンリーは途中でメアリーと別れると何処かに居なく
なる。メアリーはボスウェルと合流。
「あなた方の女王はは裏切りにあった。共に城を取り返しま
しょう。そして裏切り者たちに自らの命で償わせる」と。
■ストーリー
●スコットランド
武装するメアリーたち。ボスウェルはメアリーに城の奪還の
指揮を執りたいのは分かるが危険だと語る。しかしメアリーは
例え妊娠していても裏切り者の臣下と枢機卿に分からせたい
という。スコットランドの真の統治者が私だと知らしめる
という。君と後継者は命を落としてはならないとし忠実な
氏族と軍団が城に攻め込もうと集まってくる。俺に指揮を
執らせてくれというボスウェル。メアリーは危険が及ばぬよ
うに離れている。子供は守るがだからと言って安全な場所で
待つ気は無いというメアリー。ルースベン卿と枢密院に分から
せたいという。彼らの女王が城を取り戻す事。夕べのクーデ
ターが加わったものは大きな代償を払わなければならないと。
氏族が大挙して城に攻めてくるのか?とルースベン卿と
フレーザー卿 (Graham Abbey)。枢機卿を招集だとするが
遺憾ながらみんな逃げたと語りダーンリー国王もだという。
ルースベンは国王を知って居るか?というと、一晩中
自室で軟禁状態のハズだという。
ボスウェルは女王の命令だとしてただしち降伏しろと語る。
ルースベンは応じない事を告げスコットランドの女王は
囚人として拘束していると嘘をつく。ボスウェルはあり得ない
とし女王はあんたが滅び行くのをみて居ると。
反逆罪と女王に対する謀反の罪でルースベンは死刑になる。
首謀者を証言すれば一族の土地は没収せず残すというボスウ
ェル。国家を愛するものが立ち上がっただけで、彼女は
カトリックの暴君であり偽物の女王に対して言う情報はない
という。メアリーは枢機卿の顧問官を一人残らず捕まえて順に
吐かせるという。必ず聞き出すとしどんなに時間がかかっても
リッチオの仇を執るとして絞死刑に登るルースベンの椅子を
蹴飛ばしてトドメを刺す。
・2ヶ月後
ノックスがメアリーの元へ。衛兵を引き揚げるよう要請
する。昼夜問わずに私をつけ回していること。証拠が有る
なら捕らえれば言いという。もうすぐ手に入れるとし断言する
というメアリー。未だ反逆者として一人の顧問官も捕まえて
いないこと。また国王は行方不明だという。自分の真の姿
を認めてはどうか?とノックス。利己的で見当違いの女王。
夫に国家転覆を謀らせて枢機卿に嫌われ背かれるほど信頼
は薄いのだというノックス。それはあなたが私が帰国以来
反感を煽りつづけダーンリーを私の後釜のように枢機卿に
思わせてきたからだという。暴動を助長してきたのはあなた。
反逆罪だというメアリー。今頃ダーンリーと枢機卿は結集し
ている。王座を狙う為・・どうして分からないのか?私以上
の敵が居るということをとノックス。
●フランス
カトリーヌとナルシスは先導者のノックスにトドメを刺す
時だと意見は一致する。カトリーヌはスペインとはきっ
ちり取り決めをしておいたという。フェリペ国王が出した
候補者からシャルルが后を選べばスペインはシャルルの
統治を支持してくれること。ナルシスはまだシャルルが
フランスの象徴だとするのは危ういと語る。シャルルは今
アンリが王位を狙うのをあきらめるよう躍起になっている。
息子たちのライバル心が役に立ったという。気がかりが
一つあるというカトリーヌ。ナルシスが留守中にニコルが
良い子にしていられるか。シャルルの手綱を握れるのは
あの子だけだからと。ナルシスは言って聞かせたし財布も
満たしておいたので役目は分かっているだろうと。
しかしニコルは町中でアンリと密会していた。
城よりも安全な宿を取ったという。シャルルは私には優しい
ので傷つく所は見たくないという。では好きなのはあなた
だというニコル。二人が宿に入るのをリュックが偶然に
見てしまう。
■感想
いよいよこのドラマも佳境に入ってきた感じ。
シーズン4は16話構成。現在14話なので今回を入れても
残りは3話だ。
やはりドラマとしてのおもしろさは政略結婚に於ける葛藤
が発生する点で、個人を犠牲にしても国の為に利益になる
決断をするのか。それとも国よりも自分の心に正直
になって決断を示すのか。
その決断を強いられる場面は「結婚」であり「復讐」であり
なかなか難しい所だが、事情は分かっていても制御できない
のは人の心というものだ。
次々と連鎖反応のようにしてスコットランドのメアリーの
結婚に始まり、イングランド、そしてフランスへと波及して
いく。三竦みの状況に有って、その外部に居るのが多大な
影響力をもたらしているスペインである。そして対立点を
もたらしているのは権力であり宗教でありと難しい構図と
なっている。
この辺は日本の戦国時代でも全く同様にして同盟の証と
して娘や妹を嫁がせたりする戦略結婚の話はいくらでも
あるし、現在の世の中でもその辺は同様のものがあるのか
も知れない。
しかし今回は前回のリッチオが殺されたのに対して、三人の
主要メンバーが殺害されてしまう。果たしてそれは誰なのか。
状況はスコットランドでメアリーが城を奪還した後の2ヶ月後
から始まることになる。もちろん奪還する過程で一人亡くな
ったけど、まぁどうでも良さそうな人だった。
■スコットランドサイド
スコットランドはノックス牧師を中心としてクーデター/謀反
が起こされた。
ダーンリーは一応メアリーを殺させることだけはしたくなか
ったようで姦淫の罪で投獄するなり国外追放するという
ノックスの言う事を信じて居た訳だけど、結果として
殺すことを目的としていた。
ダーンリーはまさか目の前でリッチオまで殺すと思わなかった
のだろう。目の前で彼を殺した時の光景はかなり猟奇的だ
った。そんな前回を踏まえてなんとかメアリーは逃げること
が出来てボスウェルらメアリー派の精鋭部隊と合流。
途中でダーンリーは心変わりしたようなことを言いつつも
何処かに身を隠してしまった。
城を攻めるが居たのはルースベン卿だけ。
あっさり捕まり反逆罪・謀反の罪で絞殺される。
もちろんそれをヤル前にはルースベンにも一族に土地を残す
チャンスを与えたがそれも叶わず椅子を無慈悲に蹴飛ばす
メアリーの凄まじさが有った。これくらい強さを見せないと
王女としてはダメなのか。
ノックスは堂々としていた。
リッチオを殺害した罪というのはノックスたちには該当しない
のか?ノックスは罪に問うなら証拠を・・と語るが、顧問官
たちはみんな蜘蛛の子を散らすようにして逃げてしまい何処か
に潜伏している。
ノックスはメアリーに文句を言っていた。
特に夫に転覆を謀られて枢機卿にも嫌われ、フランスの流儀
作法を身につけ、外国人扱い。側近としているリッチオは
イタリア人だしノックスが嫌う女性でも有って相当彼が
メアリーを嫌う理由がある。
ただメアリーが帰国する前から既にメアリーを嫌うような
扇動的な行動を起こしていたのがノックスだ。
ノックスが語る「私以上の敵がいるのが分からないのか」と
いう意味は何処に繋がっていくのか。
・おーい、みんな何処に行ったの?
謀反を起こしたものたちがみんな居なくなってしまった。
メアリーはこの二ヶ月捜したけど全く手がかり無し。
一番怪しいとされる西部地区をジェームズが捜索していると
言っていたので彼は国内には居るんだね。
ボスウェルは意外にも情報が入って来たことを告げる。
情報主はダーンリーであり、クーデターを起こした臣下の一人
フレーザーの元を尋ねた。
ダーンリーはエリザベスからの提案でみんなでイングランド
に逃げようと語る。ただフレーザーはダーンリーのいうことを
信用していなかったが、このままスコットランドにいても
追われ続ける状況であること。みんなを集めて欲しいとし
エリザベスの軍に従えば失ったものを取り戻せるという。
ただこのダーンリーの言う事が本当かどうかは謎だ。
・メアリーの敵は?
ボスウェルが恐れているのはダーンリーだった。
ナルシスが突然メアリーの元にやってくる。本当の敵とは
フランスかイギリスかそれとも他にいるのか。
ナルシスが来た目的はローラの復讐。全ての手引きは
ノックスがしたものだと分かって居るし、ローラ殺害を決行
したのはエリザベスである。ノックスの一番大事なものを
奪うとしたけど、メアリーとしては自分が市民や枢密院の
納得する形でノックスを罰しないことにはメアリー自身が
疑われるという。カトリーヌからは立場を危うくするなと
言われて来ているのでその辺は大丈夫だとしていたけど、
ナルシスは何をするつもりなのか。
・火災が発生
ダーンリーが集めた山荘が火事になりドアも窓も塞がった
状態。会合を知ったものが殺したとしてそれがノックス
なのかダーンリーなのかナルシスなのかということになる。
ボスウェルはダーンリーには前科があるとして彼を敵視
していたけどね。
これをきっかけとしてダーンリーは牢屋に入れて尋問する
ことになる。
・ナルシスの復讐
A) ノックスを捕まえて彼の”息子”を切ってしまった。
B) ギデオンが毒殺されたという話がメアリーの元に届き
ナルシスが殺したのか問うと、ローラを殺したエリザベス
の大事なものを奪っただけだと語る。メアリーは彼のことを
怪物だと告げる。
・ダーンリーもおかしい
母親に最後に逢っていたけど、クーデターに加わり枢機卿
たちを殺したのもやはりダーンリーだった。キーラの姿が
見えるとしていたことからダーンリーの精神も尋問で破綻
してきたのか。
■フランスサイド
カトリーヌとナルシスは再び大人の関係になったのかな。
ただ今回は突然ナルシスがノックスにトドメを刺すとして
スコットランドに遠征することになる。ナルシスはニコルを
懐柔していたが既にアンリによってその魔法は解かれて
おり、カトリーヌが不安視していたことに近いことが起きる。
ただ事態は好転していてシャルルがこのままスペインの
フェリペが選んだ候補の中から后を選べば支持を取り付けら
れる手はずは整っていた。
その結果アンリは降格。しかしニコルとの関係は続いている。
・アンリはゲイ?
ニコルとアンリが城の外で逢っているのをリュックが見て
しまうところがなんとも言えない。
ニコルとアンリは関係を持つが、突然アンリは彼女が寝て
いる際にイヤリングなど装飾品を身につけては鏡に向かって
いた。それをニコルに見られる。
先日にスコットランドでのリッチオとルースベンのように
ゲイネタを思いだすけど、アンリによると単純に女性のもの
を身につける趣味があるっぽい。女装(仮装)することで別人
になり全てのプレッシャーや背負うべき宿命からは離れる
感覚に酔えるみたいだ。確かに女性の服や装飾品って華やか
で羨ましいけど金掛かりそうだからね。
アンリは単純にナルシストなんじゃないかと思ったけど、
そういう事情が有った様だ。
・アンリとニコルの関係がバレる!?
バレると言ってもリュックにバレてそれがクロードとカトリ
ーヌに知られる。シャルルに知られたらどうなるかカトリーヌ
自身も想像出来ない。クロードはアンリともニコルとも
仲良くしているので何とか別れさせる為にカトリーヌから
頼まれる。「兄弟の殺し合いはゴメンだ」と。
またリュックにも協力を頼む。「彼は良い人だから言葉に
説得力が有る。シャルルをカトリックに戻し、それによって
命を救ったこと」。カトリーヌからは今度はアンリを救って
欲しいと頼む。
・シャルルの結婚相手は?
スペインからはフランコ大使がやってきて后候補の肖像画を
見せていたがどれも気に入らない。カトリーヌは説得。
スペインからの支持を得るには結婚する必要が有ること。
大使を迎えてパーティーを開く中、クロードとリュックが
踊るが、彼女の心がレイスで一杯でありリュックとしては
愛する人と共に有るべきだということで身を引いたことを
受けてシャルルは決める。みんなの前でニコルと結婚すると。
■イングランドサイド
エリザベスの元にオーストリアの大公・フェルディナンドが
戻ってくる。ギデオンが居ない間に彼とは体の関係になって
いて結婚前に関係を持つ。
これはまさにメアリーとダーンリーと同じパターン(笑)
大公は嫉妬してギデオンを宮廷から追い出すよう告げる。
その為にエリザベスも苦心して外交的な職務を与えては色んな
国に向かわせる。
ただエリザベスはギデオンを留まらせる為に大公を説得する。
彼は長年の友人で相談役で外交官でもあり女王の代理をして
数々の成功を収めてきた。
エリザベスは自分の魅力を全面的にアピールしギデオンは
私を愛しているかもしれないが、この国全員の心を奪う女王
であり誰からも愛される栄光の象徴でいないといけない
ことを語る。大公とは単なる政略結婚ではないこと。
イギリスが新世界への進出を図る際にギデオンはフランスと
の結びつきが強くスコットランド女王のことは誰よりも詳しい
として有能な相談役は盾になるのだという。愛して居るなら
安全で居て欲しい筈。それなら宮廷に残すのが得策だと
上手く結びつけた。
・エリザベスとギデオンと大公
エリザベスはギデオンとの関係は続けようとしている様で
夜に部屋で逢おうと告げる。しかしエリザベスの前で
椅子に座って読書しているのは大公だった。
翌日逆にエリザベスがギデオンの元に行き何故こなかったの
かを尋ね事情を語る。
ギデオンは国の為には大公と結婚すべきことを語る。
エリザベスは賢さ故に嘘をついていたことにも失望していた。
矛盾している所もあるんだけど、結果として大公と関係を
持っていけばギデオンは自分のことなど気にしなくなると
いう。「俺たちは終わりだ。君を欲しいとは思わない。」
そんなギデオンの言葉に名残惜しさを感じる。
・エリザベスとギデオンと二人だけの結婚式?
古びた教会で二人だけで約束していたね。
しかしギデオンは登場した時からあまり具合がよくなさそう
だった。かつてスペイン風邪が流行したことが有ったので
外国周りをしていた彼は何か病気にでもかかってしまったの
かと思ったら毒が入れられていたようだ。そこで初めて
先日のエピソードでスパイ・ジェーンの姿がクローズアップ
される。彼女はやはりナルシスのスパイで有った。
毒を盛りエリザベスの前で鼻血を出して亡くなった。
■その他
・
■備考
・メアリー・スチュアート (1542年12月8日 – 1587年2月8日)
父はスコットランド王・ジェームズ5世、母はフランス貴族
ギーズ公家出身(ドラマではマリー・ド・ギーズ)。
カトリック教徒
・ジェームズ・スチュアート
ジェームズ5世の庶子の子。メアリーとは異母兄でマリ伯。
先日まで政治顧問をしていた。
・フランソワ (1544年1月19日 – 1560年12月5日)
父はアンリ2世、母はカトリーヌ・ド・メディシス。
シャルルとアンリ3世の兄でメアリーの夫。
・カトリーヌ・ド・メディシス(1519年4月13日 – 1589年1月5日)
アンリ2世の王妃。
父はロレンツォ2世・デ・メディチ、母はマドレーヌ・
ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュ。
■使用された曲
・Reign End Credits Theme
Written by Trevor Morris
■出演者
Queenメアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
Queenキャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
Queenエリザベス1世 (Rachel Skarsten) イングランド女王、庶子
グリア・カッスルロイ (Jenessa Grant) SC。娼婦の館主
Lord ステファン・ナルシス (Craig Parker) コンデと国王に会う父
Princess クロード・ヴァロワ (Rose Williams) 王妃、カトリーナの娘
Lord ギデオン・ブラックバーン (Ben Geurens) 幽閉、大使へ
ジョン・ノックス (Jonathan Goad) 牧師、ジェームズと協力
King シャルルIX (Spencer Macpherson) フランソワの弟
Lord ダーンリー/ヘンリー・スチュワート (Will Kemp) 王位継承権有り
Lord ボスウェル (Adam Croasdell) マリーの元臣下
Lord リュック・ナルシス (Steve Lund) クロードの夫
Lady レノックス (Nola Augustson) ダーンリーの母
ニコル (Ann Pirvu) シャルルが好意を寄せるプロテスタント娘
Prince アンリ (Nick Slater) シャルルの弟
ジェーン (Megan Hutchings) エリザベスの侍女、スパイ
Lord ルースベン (John Ralston) スコットランドの貴族
Archduke フェルディナンド (Steve Byers) オーストリア大公
Lord フレーザー (Graham Abbey) クーデダーの一人
フランコ (Pierre Simpson) スペイン大使
ソフィア (Caitlyn Sponheimer) フレーザーの愛人
(Cory Lipman) ガード
(Ash Catherwood) 枢密院顧問官、ダーンリーが裏切る
(Romii Reilly) スコットランド人貴族
(Simon Pellegrino) スコットランド人貴族