第10話(28) 王冠の行方 A Better Man
脚本/John J. Sakmar
Kerry Lenhart
監督/Dawn Wilkinson
【これまでのあらすじ】
ナルシスは気性の荒いスペイン王妃からの連絡は?と問う
カトリーヌはリーザは王位を兄の方ではなく弟の
アンリ(Nick Slater)に繋がせたがっていること。リーザが
シャルルを国王と認めるのはアンリが帰国するのまでだと
いう。エリザベスはメアリーの結婚で勢いづく国の事を恐れて
いることを語る。それでは攻め込まれるとすると、ギデオン
はメアリーが攻めて来ても君は一人じゃない。俺が君の傍に
居る。見捨てたりはしないと語る。ニコル(Ann Pirvu)もシャ
ルルと親しいに違いない、操って損は無いとカトリーヌ。
ナルシスは国王の女に手を出すのは賢明とは思えないと語る。
グリアはジェームズに対してあなたみたいな人とは良いタイ
ミングで出逢いたかったと語る。マリ伯ジェームズとメアリー
は超自然的能力を身につけて私を潰しに掛かってくるという
ノックス牧師。そこでメアリーに尾行をつけたら、ジェームズ
は私を監視するために妻・エミリーと寝たことを追求する。
お前は私を監視するために探る道具に使われたのだという。
メアリーはカトリーヌにダーンリーとの結婚を辞めたくても
避けられないこと。彼の子がお腹の中に居るのだというメア
リー。
■ストーリー
●スコットランド
オーケストラの演奏。ダーンリーはそれを聞く中、ダヴィデ
はもう少し打楽器を多く増やした方が良いのではないかと
語る。力強いビートで国王の寛大な心を表現してはどうかと?。
メアリーがやってくるとダーンリーはどうかなと演奏の感想を
尋ねる。メアリーはあなたの戴冠式なので好きにしてと語り、
少しの間私の秘書を貸してという。ダヴィデは戴冠式に欠かせ
ないというダーンリー。結婚式からそろそろ一ヶ月が経つのが
今夜行っても良いかとメアリーに尋ねるが国中を回ることに
忙しいとして断る。民への顔見せも重要だが世継ぎも欲しい
だろうという。だから戴冠式をしてと告げる。
メアリーはダヴィデに一緒に来てくれと語る。
ハミルトン卿(Tyrone Savage)を招待したいのだという。
戴冠式に出席して欲しいとしプロテスタントに影響力のある
人の協力はイングランドの王位継承に欠かせないという。
彼は王位継承権を主張出来る立場に有りダーンリーと出逢う
前は結婚を申し込まれたのだという。
しかしダーンリーの一族とハミルトン家の間には殺害絡み
の対立があるという。ハミルトン卿の支持を得るためには
ダーンリーはソバに居ない方が良いとしハミルトンの日程
はこちらが計画したので戴冠式まで鉢合わせしないように
したいという。その為にダヴィデはダーンリーに尽きっきり
になって欲しいと頼む。
ジェームズはメアリーにハミルトン卿が招待を受けたと報告に
来る。プロテスタントのハミルトンが味方につけば君は寛容な
女王だと証明出来るという。そしてノックスの立場が弱まると。
ハミルトンはプロテスタントに伝えるハズ。私に逢うことを。
ノックスが黙って見過ごすだろうか?今すぐエミリーと逢って
ノックスが妨害を企てているか調べて欲しいという。君がハミル
トンと逢ったと知ればダーンリーは傷つくというジェームズ。
しかしメアリーは大切なのはスコットランドよと。ダーンリー
が傷ついても構わないという。でも遠ざかれば世継ぎも出来なく
なるというと、メアリーは実はもう妊娠しているのだと語る。
ジェームズには誰にも言わないでと語る。あなたの支援が
必要だという。
そこにグリアがやってくると、ジェームズは二人で話すと
良いとして部屋から出て行く。グリアはメアリーに大きなミス
をしたこと。結婚式の時「あなたみたいな人に出会えたら・
・」と話したが、あれは「私に気が有るならば言って」と
背中を押したつもりだったという。家具か何かを見るような
目で見られていること。メアリーはあなたがまだ既婚者だから
よとすると、エミリーだってそうだという。ジェームズを
責めないでとし、「表から見えないことも有る」と語る。
●イングランド
エリザベスは浴室に居ると気持ちが良いとして侍女のジェーン
(Megan Hutchings)に語る。ジェーンにもう行って良いわと
いうとエリザベスはまとっていたものを脱いで風呂に入る。
するとギデオンが後を追うようにして浴槽に入ってくる。
誰にも見られないように来たとし、今夜の誕生日パーティーを
どう祝うかだという。二人でベッドで祝いケーキを食べるの
ではないのかというと、ギデオンは盛大なパーティーを開く
のだという。何百人もの貴族や要人を呼んで求婚者候補を
選ぶチャンスだという。
■感想
それぞれの国で似た様な思惑・計画が決行されようとして
いるがやっぱりその中には、愛と国の為の犠牲が含まれて
いる。個人の感情を利用するがあまり失策のように陥ったり
また上手くいくものも居れば、微妙な所で関係をつなぎ止め
ようとしてドロドロとしている。
色んなところで三角関係のような状況が訪れているし、
白か黒かどちらか一方を取らなければならない選択を求めら
れるシーンも多い。結局そんな殺伐としている状況の中で
誰を信用して行動を取れば良いのか。
一番怖かったのは先日の流れの中でジェームズがノックスの
情報を引き出す為に利用してしまったエミリーが人生を
狂わされたことによる復讐心を何処で見せていくのかという
所に有ったかな。まさか差し違えるのではないかとして
ヒヤヒヤする所が有ったけど、今回の一件で罰を受けるべき
人物に対してどんな罰が最も効果的なのかというところもまた
興味深く写る。
■スコットランドサイド
スコットランドの流れは熱かった。
メアリーはダーンリーと結婚したものの彼は戴冠式がある。
戴冠式にプロテスタントの影響力のある人物を招いてアピール
すれば、スコットランドとしてもプロテスタントとカトリック
教徒が共存する世界の実現に近づくと同時にイングランドの
王位に関しても支援を持てることになる。
ただ問題となってくるのは、
プロテスタントの権威の一人・ハミルトン卿はダーンリーと
は100年の宿敵の関係にあること。
ただプロテスタントの権威と言えばジョン・ノックスがスコ
ットランドでは有力者で、民の信頼も厚い様子。
ハミルトン卿を呼べば、それを阻止する為に殺害を計画する
のではないかということ。
その為に必要なのはエミリーから情報を引き出すことにあるが
先日ノックスから妻に対して「ジェームズからは利用されて
いるだけで愛情はない」と言われる。ジェームズがまた都合の
悪いタイミングでグリアと仲良くしているものだからそれを
目にしたエミリーの中でも嫉妬心は爆発していることだろう。
エミリーに話を聞くと、現在ノックスからは見放されて
家畜同然の扱いを受けていることを知る。
・ハミルトンとダーンリー
祖父時代の因縁の対決。
エミリーはダーンリーに相談せずにハミルトンに逢ったことで
更に信用を失う結果となるが、「王位を守る為に信念を曲げる
こともある」として良き夫、良き国王ならば理解する様求める。
王冠の寸法を修正する時だろうか。
密着していたハズのダヴィデの元から抜け出して個人的に
ダーンリーはハミルトンの部屋に逢いに行く。
そこでは散々とダーンリーにとっては耳の痛いことを言われる。
この二人はダーンリーの祖父はハミルトン家に殺害された。
そしてハミルトン家は一度はカトリックに改宗し、また
情勢に応じてプロテスタントに改宗するという行為を行って
いる。
ダーンリーはスコットランドを裏切りイングランド人になった
ことを責めていたし、ハミルトンは改宗はしたが魂は同じ神を
信仰しているとして自らは全てを捨てた訳では無いようなこと
を口にする。
更にメアリーからは戴冠式に出席する見返りに枢密院になる
特権を受けることでダーンリーのことを排除することを
ハミルトンから宣言される。それでもガマンして手を出さずに
その場を後にする。
しかしエミリーの偽の情報に踊らされて、実はハミルトンは
ノックスと共謀してメアリー女王を殺そうと計画している
事を聞く。それを問い詰めようとしてハミルトンたちとにら
み合いとなり結果としてハミルトンたちを全滅させてしまっ
た。
■フランスサイド
フランスも状況は複雑だ。
スペインはフランスの政治に内政干渉して圧力を高める。
元々スペインはイングランドに圧力をかけて大使をイギリス
に送っていなかったか(笑)
フランスではヴァンドーム村で突然プロテスタントのもの
たちがカトリックの教会に押し入り国王に条件を突きつけて
くる。牢獄にいるプロテスタントの指名する囚人仲間を
保釈せよというもの。
ナルシスたちはこの騒動が起こるまではシャルルとアンリを
対決させないようにシャルルに退位を求めようとしてニコル
を利用しようとした。ニコルには報酬を弾むとして田舎の
城を与えるとして色々と条件を出す。
しかしニコルは元々田舎から出て宮廷での華やかな生活に
憧れていたこと。体の良い追い出しだと考えてニコルとしては
ウンとは言わない。
そこでナルシスが再びニコルを誘惑する。流石にこの状況で
誘惑すればあからさまなものとして感じるので無理だろうと
思ったけれど、ローラの死を利用して、若いニコルを愛する
のは罪だと感じてしまうことを口にする。愛して居るがそれは
出来ないような雰囲気を作って真実味を出させた。
結果としてニコルはシャルルに兵を出させて上手く対処した
ことによって国民を助けて感謝されることで国王としての
自覚を持ち、そして喜びと自信を掴んだ。
ただナルシスはカトリーヌに対して、彼女自身は何の痛みも
感じていないことに不満そうだった。
アンリも一度はシャルルと共に国を守るようなことを口にする
がやはりトルコでの功績などをみるとそれだけに収まる器
ではなさそうだ。
■イングランドサイド
今回はエリザベスの誕生日。
盛大に祝うと共に世界の貴族などを集めて婚約者候補を見つけ
ようとする。16カ国32人の求婚者が出席することになる。
ギデオンとは友達の関係だとしてエリザベスは立場の違いを
唱え、ギデオンもそれを承知しているようなことを口にするが
この三角関係は至る所で全く同じシチュエーションを目にして
おり、一つとして成功した試しはない。
クロードとレイスもそうだったし、エリザベスもこれまで
散々恋人との関係をつなぎ止めていた。メアリーも一時は
フランシスとはカタチだけの関係を続けていた時もあるが
いずれも上手くは行かない。嫉妬心が人を狂わせてしまう
ことはレイスのエピソードが一番色濃く表れていた。
ギデオンもあれだけ自分だけはエリザベスの味方だとしていた
が結局は嫉妬心が勝る。
しかし翌日になってそれを受け入れようと考えた際に、
エリザベスはギデオンの重要性を感じていく。
■その他
・ジェームズがスコットランドから追放
エミリーのウソによって大事な賓客のハミルトンを殺害して
しまった。その責任をとるカタチでジェームズは財産の没収と
スコットランドからの追放が決まる。ジェームズから言い出
したことだけど、これってもしかするとグリアと関係を求める
為の策略だったりするのかな?グリアとジェームズは最後に
目配せしていたようにも思える。
・エミリーの重罪
エミリーは殺されることもやむなしで自分の心を利用した
ジェームズに復讐しようとした。しかしメアリーは”寛大さ”
をもって彼をノックスの元に戻す。家畜のような扱いを
受けて居る彼女のことをメアリーは分かって居る様だった。
・妊娠の事実がダーンリーに伝わる
ダーンリーはかなり誠実そうに思えるけどどうなんだろうね。
キーラのことを愛して居たけど随分と一途にも思える。
メアリーも彼女のミスでキーラを失うことになったのだし
許しても良いのではないか。メアリーは自分だけが正しいと
思い込みすぎている。
■使用された曲
・Reign End Credits Theme
Written by Trevor Morris
■出演者
Queenメアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
Queenキャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
Queenエリザベス1世 (Rachel Skarsten) イングランド女王、庶子
グリア・カッスルロイ (Jenessa Grant) SC。娼婦の館主
Lord ステファン・ナルシス (Craig Parker) コンデと国王に会う父
Princess クロード・ヴァロワ (Rose Williams) 王妃、カトリーナの娘
Lord ギデオン・ブラックバーン (Ben Geurens) 幽閉、大使へ
Earl ジェームズ・スチュワート (Dan Jeannotte) スコットランドの庶子
ジョン・ノックス (Jonathan Goad) 牧師、ジェームズと協力
King シャルルIX (Spencer Macpherson) フランソワの弟
Lord ダーンリー/ヘンリー・スチュワート (Will Kemp) 王位継承権有り
ダヴィデ・リッチオ (Andrew Shaver) トリノの商人。伝言を。
ニコル (Ann Pirvu) シャルルが好意を寄せるプロテスタント娘
Prince アンリ (Nick Slater) シャルルの弟
Load ハミルトン (Tyrone Savage) ダーンリー家と100年の確執
Archduke ファーディナンド (Steve Byers) 大公
ジェーン (Megan Hutchings) エリザベスの侍女
エミリー・ノックス (Claire Hunter) ノックス牧師の妻
Count アルフレッド・フォン・ビューレン(Christopher Fowler) オーストリア大公
Duke フェラーラ (Don W. Shepherd)
Count アレハンドロ (Andrew Di Rosa) 伯爵
(Dru Viergever) 反逆者リーダー
ピエール (Shawn Meunier)
(Stephen Sparks) カトリック教会 / フランスで襲撃
10歳のプリンス (Aaron Feigenbaum)
モーティマー卿
エリク王子
サボイ公爵
Lord ボスウェル (Adam Croasdell) マリーの元臣下