第13話 忘れられない日 That’ll Be the Day
脚本/Kay Oyegun、Don Roos
監督/Uta Briesewitz
【Previously on ..】
ケイトは私がケヴィンを施設に入れたと責任を感じる。
バーバラは健康的な生活を習慣づけないといけないと
ケヴィンに語る。ケヴィンは暫く俺に必要な場所で暮ら
すという。母・レベッカの元へ。ランダルはベスと共に
ウィリアムが住んでいたアパートを購入しようと考える。
ジャックは今度こそ自分のビジネスを始める・・
「Big Three Homes」を。
【STORY】
— 大昔 (子供が産まれる前) —
ジョージ (Jack McGee)とジョージの妻・サリー(Jane Daly)
は家を売る為にガレージを整理する。サリーはガラクタを
捨てようとするがジョージにとっては宝物も多く売れる
ものもあるだろうと語る。しかしこんな古い物ばかり置い
ているので三ヶ月も経つのに一人も買い手が付かないのだ
という。ここに置いて有るのは全部ガラクタだから・・と。
これは捨てられないというジュークBOX。昔私のダイナーに
来てた若い美人が居て最高の笑顔をしたその人がいつも
コインを入れて同じ曲をかけていた。
「That’ll Be the Day」。
「君と別れる日なんて来るはず無い。僕が泣く日なんて
来るハズ無い。別れたいなんて嘘だろう。それは僕らが
死ぬ日だから・・」
ステキねというサリーだが捨ててよと語る。
— 昔 (大学前) —
スーパーボウルの日(2月上旬の日曜日)。
レベッカはSTEELERSのユニフォームを着ていた。
ジャックに対してスーパーボウルの日だというが彼は新聞
を見ていてアメフトはあまり見てないというという。
今日はチリもあるし目覚めのショットを持って来た・・
ジュースだけどという彼女。スポーツ欄は閉めてとし
デンバー・ブロンコス一色だからだという。しかしジャッ
クは見ているのはスポーツ欄ではなく売り家の広告
だという。夜中にふと目覚めて思った。今すぐ今の会社を
ヤメテ会社の立ち上げは無理。もう少し”ゆっくり”やる。
仕事を続けながらいくつか家をリフォームして転売して
みるとか・・と。
そこにケイトがやってくると、ランダルが一時間も洗面所
に籠もっているという。アリソン・ウォルシュ
(Isabel Oliver Marcus)が来るからお洒落しているのよと。
何をしても一緒でしょとケイト。ジャックが大声でランダ
ルにケイトに洗面所を使わせろというとドアを開けていく。
子供と最後のスーパーボウルだなとジャック。最高の思い
出作りにしようという。
— 現在 —
冷蔵庫にはレベッカかケヴィン宛にミゲルと出かけると
メモが書かれていた。ケイトはランダル・ベス・テス・母
さんとチェックしていく。そんなケヴィンは携帯でラン
ダルにメッセージを送る。
ベスはランダルに対してケヴィンからメッセージだとして
携帯を渡す。ランダルは今日はお前との冒険はお預けだと
し新しく買ったアパートに向かっている所だ・・仕事でと
返信する。
今日は誰にも邪魔させない。住民の日が変わる日だから・・
破産せずにアパートを修繕させる日でしょとベス。
つまり人助け。「人を助けて破産はするな」が会社の
モットーだとランダル。あそこの住民は長年酷い環境を
耐えてきた。剥げたペンキ、汚れた廊下、おしっこみたい
な中庭。”今日で”終わる・・というとベスは怪訝な顔を
させ「ゆっくり」時間をかけてアパートを改善する。数ヶ
月って意味でしょ?というと、ランダルもそうだとし、
最近リフォーム番組を見過ぎたという。ペースを落とすよ
と語るとベーグルを用意する。長期戦になるならベーグル
くらいは用意しないと・・「となりのサインフェルド
(原題:Seinfeld)」も見過ぎたかもとランダル。
トビーの元にケイト。
彼はベッドでパソコンを嬉しそうに見ていた。
ケイトは今ポルノを見ていた・・絶対そうだと語る。
顔が赤くなっているし・・というと僕はアイルランド系で
太っているから赤くなるのだという。
ケイトは違うならばみせてくれても良いでしょとして
パソコンを取り上げる。何フェチ?シッター?ナース?
するとそこには犬の写真・・保健所や犬の出会い系サイト
みたいだと。飼い主を捜すサイトだという。会社の同僚
が犬を飼い始めてその写真を見せてもらったら俺も急に
欲しくなったというトビー。でも君は犬はトラウマなんだ
ろうと。だから忘れてくれという。
・古マンション
ベスとランダルは古いマンションの住民の説明会をする。
“R&B PROPERTIES”として物件の新しい家主になったこと
を語る。このアパートは大規模修繕工事が必要なので
優先事項からやっていくという。
一番は金儲けだろうとロビー(Garrett Morris)。ベスは
否定し非常階段の設置を行うという。ローズマリー
(Dawnn Lewis)の家はドアの鍵の具合が悪いという。ドア
くらいなら僕が直せるというランダル。
すると次々と住民は不満を言う。そんな中ケヴィンが
やってくる。みんなはシッターマンだと語る。
■Impression
いよいよ近づいて来た自宅の火災。
それによってジャックが亡くなったのだとは思うのだけど
この日がまさにそれぞれに於ける人生の忘れられない日
になったことは言うまでもない。
相変わらず興味深いつくりになっていて、それぞれが
抱えている問題はこの日から全てが始まった訳では無い
もののこの日に一生心の傷になったことは確かだ。
問題は父親の死を経験することによってその後の人生に
迷走しているということ。ケイトなどは既に自分が何か
に迷走していたが、ランダルにしてもケヴィンにしても
自分は一体何なのかという自分の社会に於ける人間として
の価値について悩んでいる。それだけジャックの存在感
が大きく、それまでにも色々と迷走しないように道筋を
立ててくれていたり、ジャックやレベッカによって子供の
頃には気づかなかった、子供を守る親心を今になって
気がついて向き合おうとする。
火災の原因となったのは18年くらい前にもらった電子
ジャーのスイッチの問題だったようだ。買って2年だが
スイッチの調子が悪いが使えると語っていた。
少し過去の問題についてはよく見ていないと分からない
作りで、ジャックは家を探していたが、それがあの電子
ジャーをもらったサリーとジョージの家ではないことだ。
あの頃、ジャックは妻が妊娠中にもかかわらず家を建てて
いたし、今回は子供たちが大学進学の直前になって
自分の会社を持とうとしていた現実が有る。
悲しいのは3世代に渡って時代の終わりを感じさせる流れ
があること。
冒頭に出て来たサリーとジョージは家を売り払おうとして
いた。理由はわからないがまた新しい家を探して住めば
良いと語っていた。この二人の存在はジャックとレベッカ
に似ている所が有るね。
そしてジャックとレベッカに訪れた時代の終わりは、
子育ての終了を意味する巣立ちの日であったこと。
三人の子供たちはピアソン家恒例のスーパーボウルの日
にみんな友達の家に行きデートに行きして、家族全員で
集う最後の機会を失っていた。勿論ここからジャックと
レベッカの新たな出発の日とも言えるが、火災で一つの
時代の終焉を演出してしまうのだから罪だね。
家の二階で寝ていたのはレベッカくらいだった気がする
が一応夜にはランダルとケイトは戻って来ていたのかな。
色々と言動の繋がりもあり、「ゆっくり」仕事をしよう
と語っていた所はジャックとランダルのエピで言われて
いたし、「何かをしていた方が依存症のことを考えずに済む」
としていたのはジャックとケヴィンのエピソードである。
■今と昔
興味深い流れはいくつもある。
今回は時代性を感じる面白い対比的流れもあった。
ジャックは朝から新聞を目にして物件を探している光景が
あった。
トビーもベッドでパソコンを使って犬探しをしているよう
な光景が有り、時代性を感じさせる流れになっている。
ただ大事なメッセージは携帯だけでなくメモを使ったり
紙のリストに書いてチェックしているところは今でも
アナログ的な価値があるのだろう。ただし最後のジャック
のメッセージは寧ろメモだからこそ伝わらなかったね。
火に弱い紙。
また送られて来る手紙の中にはケイトの合否の通知も
遭った。トビーのパソコンを取り上げたケイトのように
ジャックがケイトから手紙を取り上げるというシーン
に受け継がれている。
■問題点のいくつか
・ケイトの苦しみ
犬に対してトラウマになっているようだ。
ただケイトは犬以外にも自分の容姿にコンプレックスを
持っている。
心の病とも言える自制心の欠如的流れが存在している。
それはピアソン家には切っても切れない”依存症”という
血統の問題なのかな。
先週の流れではマディソンを励ますときに、ケイトは
その事に触れていた。
「当時は痩せて痩せさえすれば幸せになれると思って
いた。頭の中の声が叫び続けていたから・・「お前は太
りすぎだ痩せろ」と。しかし聞こえていた声が聞こえ
なくなった時に自分が分からなくなったと語る。頭の声
を聞いて自分に苛ついていた方が心地よかった」と。
オーディション映像としてではなく記録として撮影
していたジャックの姿をVTRの中から見てケイトは
喜んで居たよね。声は聞こえなくなったが、見守って
くれる人の存在というのを感じたか。
犬の問題については亡くなり方に問題が有るのだろうか?
ケイトの犬が火の中に飛び込んでいったのではないのか。
あの犬は火が回ったときには一階で寝ていた気がするし。
ただ自分の幸せだけでなくトビーの幸せを考えて行動出来
るようになっただけ大人になったということか。
新しい犬はジェイコブ・トレンブレイ(Jacob Tremblay)
のような犬の”オーディオ”を買うことになった。
・ランダルの苦しみ
ランダルは二人の父親が居る手前、色々とアイデンティ
ティの問題で悩んでいる。白人の思想を持つ黒人。
これも先週のベスによって指摘されていたことだ。
ランダルは急いでアパートの修繕工事をしようとしている。
40歳が近づく中で何か新しいことをするのは難しいという
ことだ。スタートラインが他の人に比べて圧倒的に遅れて
しまっている。だからこそ追いつくためにも急いで認め
られたい気持ちもあったのだろう。
「ローマは一日にしてならず」
「この待ちでは言う。僕らのアパートは一日にしてなる」
ただ貧困層として育ったベスの方がこの手のアパートの
対処法は詳しかったようだ。
色々と言葉遊びのようにして、最初はランダルが優位に
たつも、”肝っ玉”ベスによって、やっぱり言いくるめら
れてしまった。
ランダルは父さんよりも長生きしている自分が見えないと
して混迷している。
「父さんが死んでもう20年だ。生きて居た時より死んでた
方が長い。」
・ケヴィンの苦しみ
ケヴィンが子供の頃に不憫にも両親はランダルやケイト
に手を焼き、その分相手にされていなかった。レベッカは
かつて「ランダルの方が扱い易かった」と語っていたが
最初からそうだったのか。寧ろアメフトをしていた彼は
部活で忙しくしていたので手が掛からなかったのではない
のか。
ただケヴィンが相当高飛車な態度をとるようになり、
自分は傍観者ではなくプレイヤー側の人間と父親に語った
ことで失望させた。ケヴィンはランダルとアリソンが
仲良くしているところを見て鼻で笑っていたけど青春時代
は相当嫌なヤツだったんだよな。
そんな彼が今になって謝罪行脚をしている。
色々とチェックしていく中でシャーロットって誰だっけ?
演劇か誰か役者の人だっけ??
■その他
・気になる
・ケイトの部屋に「バフィー ~恋する十字架~ / Buffy
the vampire Slayer」のポスターが貼ってある。
・ランダルの初めてのキスはアリソンで、映画「タイタ
ニック / Titanic」を7回目の鑑賞後だったようだ。
ということはこの時代は1997年頃かな。
しかしこの映画3時間14分の作品なのによく見るな。
・父親からもらったネックレスはシャーロットが持って
いた。
・ケヴィンが壁を壊す際、ランニング姿で作業している
と女性たちが集まる。
・ソフィーはニューヨーク大に合格。ケヴィンは
アレゲニー短大に行くのか!?
・ソフィーもケヴィンも互いの存在は特別。ただソフィー
は10歳、17歳、20歳の頃の綺麗な思い出のまま残して欲
しいと語っている。
・「ケヴィン愛してる、ちゃんと謝れよ」というメッセージ
は伝わらなかった。
■Used songs
・The Way We Move by Langhorne Slim & The Law
・Rebecca & Jack (That’ll Be The Day) by Siddhartha Khosla
・To Build a Home by The Cinematic Orchestra
・Where I Belong by Hannah Zeile
・To Build A Home by The Cinematic Orchestra
■Cast
ジャック・ピアソン (Milo Ventimiglia) 再びアルコール
レベッカ・ピアソン (Mandy Moore) ジャックの妻、夫とケンカ
ランダル・ピアソン (Sterling K. Brown) 37歳、エリートビジネスマン
ケイト・ピアソン (Chrissy Metz) 37歳、ケヴィンの付き人
ケヴィン・ピアソン (Justin Hartley) 37歳、コメディドラマ俳優
ベス・ピアソン (Susan Kelechi Watson) ランダルの妻
テス・ピアソン (Eris Baker) ランダルの娘・長女
アニー・ピアソン (Faithe Herman) ランダルの娘・次女
トビー・デーモン (Chris Sullivan) 減量のためのサポートグループに参加
ウィリアム・ヒル (Ron Cephas Jones) 無職、62歳、ランダルの父
ソフィー (Alexandra Breckenridge) ケヴィンの妻
ミゲル・リバース (Jon Huertas) 現在レベッカの夫
17歳のランダル (Niles Fitch)
17歳のケヴィン (Logan Shroyer)
17歳のケイト (Hannah Zeile)
17歳のソフィー (Amanda Leighton)
10(8)歳のケイト (Mackenzie Hancsicsak)
10(8)歳のケヴィン (Parker Bates)
10(8)歳のランダル (Lonnie Chavis)
10歳のソフィー (Sophia Coto)
1歳のケイト (Sydnee Parker Anderson)
ロイド (Garrett Morris) 6号室の男性
ジョージ (Jack McGee) サリーの夫
ローズマリー (Dawnn Lewis) 3号室の女性
イングリッド (Lena Waithe) 動物保護”Rescue Angel”の職員
サリー (Jane Daly) ジョージの妻
アリソン・ウォルシュ (Isabel Oliver Marcus) ランダルが誘う
グロリア (Lidia Porto) 22号室の女性
(Bruno Xavier) 住民
(Curtis Webster) 住民 / 共有の洗濯機が壊れている
(Marlynne Frierson Cooley) 住民
(Orlando Flanagan) 住民
バーバラ カウンセラー
ルイ(犬)
クルーニー(猫)
オーディオ(犬)