第7話 無念 Inherent Bias
監督/Michael Waxman
脚本/Stephen Hootstein
Danny Weiss
【Story】
エイプリルと恋人で元患者のテイト・ジェンキンス
(Deron J. Powell)は朝食後に彼が彼女の為に夕べのラザニア
をランチに食べてと弁当箱に入れて渡してくれたこと。
そして低反発のインソールを買って置いたことを言われる
とエイプリルは彼が余りにもよく気がつくので、貴方無し
では居られないとし「YES!」と語る。長く待たせてゴメン、
あなたと結婚したいとエイプリル。何ヶ月もお待たせだった
ぞとして彼は大事に隠して置いた指輪を彼女に渡す。
その指輪を見て信じられないとし二人は抱き合い喜ぶ。
・シカゴ総合病院
ウィルはニーナから今日は残業ではないのか?と問われる。
シャロンは超過勤務を一時禁止にしたのだという。新しい
ルームメイトの顔を見るのが憂鬱だという。またカウチに
切った爪は起きっぱなしにしたのか?と問う彼女。今度は
真っ裸でエクササイズをしたのだという。追いだしたらどう
か?というが、家賃も払えなくなるというウィル。いざと
なったら遺体安置所にベッドねとニーナ。
エイプリルの弟・ノアはウィルに話が聞こえてしまったと
して彼に声を掛ける。金を稼ぐ為の耳寄りな話が有り役に
立てるということだった。
・患者レジー・ディクソン
マギーは患者が来るとしてナタリーやチョイに声を掛ける。
救命のデズモンド(Desmond Gray)たちが病院に運んで来る。
61歳・男性、140-90、38度3分、自分で救急車を要請した後、
呼吸困難に陥ったという。レジーはERに運ばれる中、
「聞いてくれ・・」と繰り返し唱えるが医師達の声にかき
消される。ナタリーはネブライザーの準備とソルメドロール
125mm静注を看護師ドリスに告げる。血ガスの準備も・・
ナタリーとチョイはネブライザーをレジーに咥えさせると
何とか落ち着かせる。レジーは「シャロン・マッギーを
呼んでくれ」と語るとマギーはそれを聞いてグッドウィン
の旧姓だと語る。
レバーは一週間、熱が出て頭痛がしたのでインフルエンザ
かと思ったら突然息が苦しくなったという。何か過去に病気
にかかっていた事は無いのかと問うと、酷い大腸炎で何ヶ月
か前ステロイドを処方されたとナタリーやチョイに語る。
そんな中シャロンがレジーの元にやってくる。
二人共再会が嬉しそうでレジーはシャロンを見てちっとも
変わっていないことを語る。
近所に住んでいた幼なじみであることをみんなに告げる
シャロン。私が高校を卒業した夏以来逢ってないわねと。
俺がベトナムから戻った頃だという。チョイは自分も軍医
として戦地を経験していた為に話に耳を傾けると、彼は使
ったのは銃ではなくカメラであることを語る。シャロンは
補足するように彼は星条旗新聞のカメラマンだという。息が
苦しくなって救急車を呼んだがここでシャロンが働いている
事を聞いて運んでもらったがまた苦しくなったよとレジー。
ステロイド処方の医者を覚えているか?というナタリー。
パリの医者だという。ロイターの派遣で行っていたがこっち
に異動になったというと人生の新しいステージだと。
知らせて欲しい人は?家族は顕在?奥さんは?と尋ねると、
独身で結婚はしなかったという。君が病院を仕切っている
と聞いて連れてきてもらったという。俺の味方だから・・と。
チョイは血液検査をしたいので採血を・・と語る。
シャロンたちは病室から離れる。
そこで彼女は所見をナタリーとチョイに尋ねる。
ステロイド治療で免疫力が低下していれば呼吸器感染症
かも知れないとし、胸部レントゲンと抗生物質、後は結果
次第だというチョイ。少しの疑いでも調べてとし、検査結果
が出たらすぐに知らせてというシャロン。
チョイとナタリーは顔を見合わせ、色目を使っていたのは
気のせいか?と語り合う。
エイプリルは病院勤務に当たる中、突然助けてとしてやって
くる。腕が重くて死にそうだというと、突然手を差し出す。
なんとテイトにもらった指輪の公開・自慢だった。
これは凄く眩しいという看護師。サングラスが要りそうだ
と。サラはおめでとうと語り、マギーは祝うが不安な顔を
見せる。
・ダニー
マギーはサラがやってきた為に第二にあなたじゃないと嫌
だとしている患者が来ていると語る。人身売買組織に
縛られていたダニー・ジョーンズ (Nick Marini)だった。
胃がキリキリしていたいと語る。
■感想
今回も色々有って見逃してしまうそうな要素が沢山でした。
自我の強さとか過剰な感情移入から患者や大事な人への
判断が普段とは違う風になってしまうというエピソードで、
その最たるはダニーとサラかなと思っていたら、それ以上に
レジーとシャロンの方が凄い勢いでエゴ向きだしで立場を
利用して病院では我が物顔だった。
ただ今回のエピソードのテーマの一つは間違い無く「決断」
とか「選択肢」でも有るので、治療に於ける選択肢・・
そして更に言えば人生に於ける選択肢を迫るシーンが
多かった。その中には生死が伴うリスク性も高かったので
ヒヤヒヤするところだけどね。
レジーとシャロンは確実に「タイミング」の問題で人生を
分けてしまった人だった。
一方でそれで学習して今度こそはそういうミスは犯すまい
として決断を下した。
エイプリルは結核患者テイトとの関係が続いており、プロ
ポーズまでされていた。そしてある朝直感の如くプロポーズ
を受けるという返事を見せた。ただ最後になって改めて
問題が浮上したようだ。
このエイプリルの決断に心配していたのはマギーだった。
「シカゴ・ファイア」での現場決断に於いてギャビーと
シェイがシーズン2で仲違いしてもの凄く険悪な雰囲気に
なって随分と引きずった流れが有ったんだよね。
それがここでも起きるのかと思った。エイプリル&マギー
と言えば最高のコンビだからね。
コナーとダニエルの娘・ロビンもタイミング性の中に運命
を感じ始めた人物だった。ダブルアイスラテシュガーフリー
バニラワンプッシュという分からない人には呪文にしか
聞こえない面倒な世の中になった感じのドリンクだけど、
ロビンとコナーは偶然にも同じ物を注文していた。そして
更に治療に於いて患者の検査目的に必要なものが合致して
そこに運命を感じる。
運命の選択に振り回されてるのは、ウィル先生だ。
この人は優柔不断さがある。ナタリーが好きなのだが、
ニーナと良い感じの関係になり同棲が始まりそうな雰囲気
がある。その決断を下す前にチラっとナタリーを見るとこ
ろが憎い。
そして何と言ってもダニエルだろうか。
ダニエルは正論で突き進んだ人物だった。
運ばれて来たパメラのことにしてもサラがダニーに肩入れ
しているのも知って居てそれでも医者としての姿勢をたた
き込み、当然の行動を起こそうとする。
ただダニエルがこれまで取ってきた行動のせいで実際には
娘が離れている状態である。そしてパメラという人物は
そんな娘の代替的役割を果たして上手いこと肩入れするよう
な流れを作った。彼女に決断する能力はない。しかし手術
しないとその決断も出来ないという難しい状態である。
「卵が先かニワトリが先なのか。」
言い得て妙でこの場合まさにこの言葉が一番適切ではないか。
■今回の患者
・レジー・ディクソン
新聞記者でありカメラマン・・所謂従軍記者のようなことを
していたようだ。
熱と頭痛、そして息が出来なくなり救急車で運ばれて来た。
シャロンとは近所に住んでいた幼なじみであり、一夏の
淡い思い出を共有している。
デズモンドが運んできた。レジー自らが通報出来た。
残念ながら大腸炎を患いその際にステロイドを処方されて
いる。そのステロイドによってこれまで潜伏していたもの
が復活してしまうという・・記憶を呼び起こすだけでなく
病気までも呼び起こしてしまった。
腹が熱いと言いだし発疹かと思えばなんと寄生虫。
ただし発展途上国に行ったことはなく熱帯地方にも行って
いない。20年の間に行ったのは南フランス止まり。
星条旗新聞時代にクワンイ省で第七騎兵連隊と同行して
いる。
糞便サンプルから寄生性の糞線虫、ストロンギロイデス。
チョイは軍人病院でよく目にしており恐らくベトナムで
感染している。40年前にいったのに、腸壁に戻り込んで
何十年も休眠していたという。大腸炎で使ったステロイドが
免疫抑制したせいで一気に増殖してしまった。
この場合もう治った例は殆ど無い。
シャロンはその言葉を聞いて、
「始める前から諦めて欲しくない」
とは言っていたけどね。
シャロンと会話中に大量下血。
輸血しつつ、PPIとパソプレジンを投与。
飽和は88で肺機能が低下している。一酸化炭素吸入
で様子見。Peepはまだあげられるが改善がなければ呼吸器
に乗せるという。シャロンは人工肺のことを口にするが、
過剰感染なので他の臓器に広がるのも時間の問題。
シャロンが強引に人工肺を入れさせた。
時に病院ドラマでは亡くなる人よりも生きて苦しみを
抱えていかねばならない人の事も考えるべき必要性を
訴える事もあるんだよね。で、シャロンが言う通りの事を
してもダメだったらあきらめも付くというもの。
ただ患者には苦しみのまま亡くなっていくことになるけど。
これこそまさにエゴだ。
チュードリー先生が死亡宣告。
・ダニー・ジョーンズ
胃が痛いとしてやってきた患者でこれまでにも何度か病院
に来ている。人身売買組織によって性的搾取が行われて
いる。前回発信器は取りだしたのだが、結局組織から抜けて
も居場所がない。シェルターは病床もなく追い出されて
しまったという。
リンジーに保護拘置してというが捜査も始まっていないの
で無理だと言われる。サラはダニエルに一応は彼を自宅
に泊める話を持ち出すが「医師と患者の境界線」の話を
聞かされる。
ただ助言に従い躊躇した結果ダニーは居なくなってしまう。
・エリオット・キャプラン
23歳・男性、鼻血が止まらない。
IT企業で働いている金持ち。
ノアがコンシェルジュ医療に手を出そうとしており病院に
来ないでもアプリ一つで駆けつける医者を導入しようと
している。
医療の有資格を持つアテンディングのウィルを巻き込んで
の治療だったが、ウィルは医師として見逃しがないように
完璧な治療をしようとした。
家族にガン患者が居ないか、自己免疫疾患はないか。
麻薬の依存はどうかなど・・
彼のオフィスで鼻腔タンポンを外した時点では3ドル50セ
ントだったが、ウィルが感染症・ネグレリアのことを
口にする。ジェニーバコ湖の湖畔に泳ぎに行ったという
ことで、近年暑いので可能性はある。ただし95%は深刻では
ないとのこと。
簡単・便利でウリのアプリ。
サービス業界の常識として満足の客は2人、不満な客は2000人
に話すものだというノア。ただ顧客が求めるのは治ること。
結果病院で検査した(血算、生化、検尿、赤沈、頭部CT)が
何も無かった。アルコール値が高いので控えめにという
程度の結果。
アプリこそウィルスだとして消去して出て行ってしまう
エリオット。
・パメラ・ブレイク
ウィーラー医師によるとコンビニの外で独り言を言って
彷徨いていたところを警察によって保護されて来た女性。
担当医はダニエルになり、彼は何とか患者だけでなく娘と
関わり遭いたい為に感染症の可能性を示唆した。
ダニエルは爪を見て爪下線状出血、そして発熱・・これは
IEの症状で、その合併症として脳梗塞を起こしているという。
ロビンとコナーの会話で、MRSAの可能性を指摘するが病歴が
無いと確定は出来ない。家族も分からず、培養して確定
するしかない。
アルヴィン医師がパメラを検査に連れていく。
ロビンは血培は上手く行かなかったのでサンプルをもらいに
“バニララテ先生”コナーの元にくる。感染した弁を切除する
のでそれを使えば良いというが、バードヴィ医師は手術が
キャンセルになったと語る。決断力・判断力がないと
ダニエルが判断した為の物。インフォームドコンセント無し
にオペをするのは暴行罪だと。
結局シャロンに判断を仰ぐ。
するとレジーの件で決断に後悔していたので、治す自信が
あるというコナーを支持した。
結果覚醒したが彼女はダニエルのことを忘れていた。
■その他
・気になること
・マギーとエイプリル
マギーはエイプリルが問題を解決せずに結婚しようとして
いるのではないかと感じている。
彼はプロポーズしていた際には「仕事は辞めて欲しい」と
言っていたし、彼には「元妻と子供」が居る。全てを
話合ったのかマギーとしては心配しているが、エイプリル
は一番幸せの日をぶちこわそうとしているとしてマギーに
怒りをぶつける。多分マギーの言った事は全て耳が痛い所
だったのでしょうね。
・レジーとシャロン
かつてレインボービーチで朝日を見た関係。朝まで寝ないで
彼が持って来たブランデーで暖まったという。未成年の頃。
彼が治れば結ばれていたかも知れないな。
ただ時空を超えて会いに来た人とは結ばれないみたいな恋愛
ダメダメ法則がある。思い出は思い出のままで・・みたいな。
っていうが時空は超えてない(笑)
そういえばレジーを演じたRobert Gossettは
「The Closer」「Major Crimes」のテイラー副本部長です。
・ロビンとコナー
何とかしてダニエルが娘と関わりたがっていた。
オフィスに置いてあるスカーフが空しく起きっぱなしにな
って写っていたラスト。
ロビンが元彼と別れたのは弱かったから。コナーはその点
自分の意志を持って強く当たってくる。
・エイプリル
テイトと結婚することを決意するも最後に咳き込んでいた。
結核はうつってしまうもの。呼吸器をやられると大変な
んだよね。
・ダニーは何処へ?
また元の組織に戻るみたい。組織から抜けた穴をサラで
埋めようとしていた。それを語るダニエル自身がロビン
が抜けた穴をパメラで埋めようとしていなかったか?
■使用された曲
■出演者
シカゴ医療センターの救急外来
Dr.ウィル・ハルステッド (Nick Gehlfuss) 内科医。弟はシカゴ警察
エイプリル・セクストン (Yaya DaCosta) 看護師。ブラジル出身
Dr.ナタリー・マニング (Torrey DeVitto) 小児科医。救急外来研修中
サラ・リース (Rachel DiPillo) 医学部の4年生
Dr.コナー・ローズ (Colin Donnell) 外科医、父とは長年の確執
Dr.イーサン・チョイ (Brian Tee) 感染症の専門医。海軍の予備役
シャロン・グッドウィン (S. Epatha Merkerson) 管理部長
Dr.ダニエル・チャールズ (Oliver Platt) 精神科部長
マギー・ロックウッド (Marlyne Barrett) 主任看護師
イシドール・レイサム (Ato Essandoh) 医師・外科医
Dr.サム・エイブラムズ (Brennan Brown) 脳外科居
Dr.ニーナ・ショア (Patti Murin) 病理学
ジョーイ・トーマス (Peter Mark Kendall) 臨床検査技師
ジェフ・クラーク (Jeff Hephner) 新しい医学生、元消防士
Dr.レア・バルドヴィ (Shay Rose Aljadeff) 研修医
Dr.チョードリー (Kamal Hans) 死亡宣告する医師
ノア・セクストン (Roland Buck III) エイプリルの弟・看護師
キャンディス・レイトン (Karissa Murrell Myers) 看護師
ドリス (Lorena Diaz) 看護師
エリン・リンジー (Sophia Bush) シカゴP.D
シルヴィア・ブレット (Kara Killmer) 救命士
コートニー (Courtney Rioux) 救命士
デズモンド (Desmond Gray) 救命士
レジー・ディクソン (Robert Gossett) カメラマン、患者
Dr.ロビン・チャールズ (Mekia Cox) ダニエルの娘、感染症科
テイト・ジェンキンス (Deron J. Powell) エイプリルの婚約者
ダニー・ジョーンズ (Nick Marini) 性的搾取されている
Dr.ジェイソン・フィーラー (Jurgen Hooper) 医者
パメラ・ブレイク (Paloma Nozicka) 患者、
エリオット・キャプラン (Julian Hester) 患者、IT企業
(Torian Miller) バリスタ
(Ashland Thomas) ED医者
Dr.アルヴィン
Dr.ウォルターズ 循環器科・部長