DOC(ドック) あすへのカルテ2
(DOC – NELLE TUE MANI)
制作:2022年 イタリア
原作:Pierangelo Sapegno、Pierdante Piccioni
第12話 ゴールド・スタンダード Gold Standard
(Gold Standard)
脚本/Francesco Arlanch、Viola Rispoli
監督/Giacomo Martelli
based on the book “Meno dodici”
【STORY】
■内科医長の国際会議
豪華ホテルで泊まっていたアンドレアの部屋に何者か
がドアを叩く。無理に起こされた格好のアンドレアは
ドアを開ける。するとそこにはローブを来たテデスキ
の姿が有った。
「一緒に来てくれないか」
テデスキの部屋に行くと男がベッドで意識が無いよう
な状況で居た。彼女の話だと一緒にいた男でベッドで
急に胸が苦しいと言い出したという。
「救急車は呼んだのか?」(Andrea)
「彼は既婚者・・でも名前は知らない」(Tedeschi)
「いくら妻を裏切ったからといっても放っておく訳
にはいかない。病院に運ぼう」(Andrea)
■アンブロシアーノ総合病院
男性は救急車で運ばれてくる。
ジュリアはアンドレアたちに状態を聞く。
胸の痛みを訴えて意識がない状況だという。
「この人も医者なのか?」(Giulia)
「会議を主催した製薬会社の社員だ」(Andrea)
「痛み出した状況は?」(Giulia)
「女性と一緒だった。その人は何処かにいった」(Andrea)
カロリーナがやってくるとショック状態になったと
報告。緊急でCTを依頼しろというアンドレア。
・アンドレアとテデスキ
テデスキはアンドレアに男の相手が自分だった事を
話さずに助けてくれたことに感謝する。
「そりゃ助けるさ。君が僕を追い出そうとしている
医長だろうと関係はない」(Andrea)
「このまま黙ってくれていると思っても良いのか?」(Tedeschi)
「医者だから患者への守秘義務がある」(Tedeschi)
「それは僕を医者だと認めてくれるということか?」(Andrea)
●院長室
アンドレアとテデスキが話していた所にカルーソが
現れオフィスに呼ばれる。「会議はどうしたのか?」
と問われるが関係者が倒れて運ばれれたことを語る。
カルーソは事前通告はせずに“シミュレーション”
を本日行うことになったことを語る。
アンドレアは一体何のことなのか困惑していると
今日一日アンドレアが医長になり、テデスキは普通
の医師になってもらうこと。そしてダミアーノが
アンドレアが医長にふさわしいかどうかを審査する
のだという。アンドレアは新しく赴任したばかりの
男に審査を任せることを不満だと訴えるが、寧ろ
勤務が浅いので客観的な判断が下せるというのが
カルーソの言い分だった。
「嫌だと言ったらどうなるのか?」(Andrea)
「医長を降りて医者も辞めるんだな」(Caruso)
●医局
アンドレアはロッカー室で久しぶりに白衣に身をま
とう。そして内科医長のネームプレートを首から
下げる。
●海岸沿い
アニェーゼはダヴィデとマヌエルと共にビーチで
休暇を楽しむ。
そこにアンドレアからの携帯電話が鳴る。
アニェーゼは電話に出るか迷うが出てみると
彼からカルーソの最終テストが始まったことを語る。
アニェーゼは私が居ない時を狙ったのだとして憤り
を感じるが、”応援している”としか彼女には言えな
かった。
●医局
内科に関わる医療従事者を集めるとアンドレアは
みんなに現状を語る。
「今日は特別な日で僕がテデスキと交代して医長を
やる。そして全てその働きぶりをダミアーノが審査
する。それによって委員会は僕が医長に戻るのにふさ
わしいかどうか判断することになる」(Andrea)
そんな中リッカルドは医長になったら要望があると
して発言する。
「給料をあげてください!!!」(Riccardo)
「決めたぞ、ボンヴェーニャは即時解雇する」
・ガブリエルがやってくる。
彼はみんなに話しに来たことを語る。
「みんなを裏切った。済まない。大事な時に一人で
逃げた」(Gabriel)
ジュリアは何のことを言っているのか分からず追加
の説明を求める。
「僕はコロナではなかった。ただもう耐えきれられ
なくて嘘をついた。検査結果を勝手に書いた」
「許されないだろうけどちゃんと言いたかった」
アンドレアはその行為に勇敢だと称える。
みんなに軽蔑されて当然だというガブリエルに対して
医者なら分かってくれるだろうというアンドレア。
しかしガブリエルはもう医者では無くなるとし、
全部話したのは精算する為だという。
「僕はもう白衣を着られない」
★そこに突然病院内に非常ベルが鳴り響く。
一体何の警報なのか・・テレーザにも分からないと
いう。ただ電話が全て通じず、パソコンも動かない
とのこと。
カルーソは病院全体の情報システムが停止した事を
告げ多分パソコンウイルスだろうと語る。
秘書のコスタンツァに状況を聞くと医療情報部から
連絡はない事を告げる。
今の状況では「画像診断」も「病理組織検査」も
出来ないことを告げる。
『ゴールド・スタンダードは無し』
アンドレアには初耳の言葉だがテデスキによると
「診断の決め手となる最良の方法のこと」
であり、今はそのことをゴールド・スタンダードと
呼ばれれているという。
カルーソは通信手段を断たれた院内で連絡を取る
には看護師が必要だという。しかしアンドレアは
看護師が減るのは困る事を告げる。
それは上手く仕事を割り振るべきだというカルーソ。
テデスキはこんな状況なので医長のシミュレーション
は別の時に行うべきではないかと問う。
しかしカルーソはその判断は本人がすべきもので
中止すれば委員会としては辞退したと受け取るかも
知れないと語る。テデスキは非常事態なのだから
患者のことを考えてとアンドレアにも告げる。
【感想】
今回、めっちゃ重要エピソードではないか。
なにせ一人の力によって病院の機能を止めてしまう
という暴挙に出た話であり、カルーソがそれを何処
まで把握していたか分からないが、一人の人間を蹴落
とす為に病院の患者を犠牲にする事も厭わない金の
亡者たちが起こした氾濫であり、これは一種のテロ
リストである。
この事実が公になればアンドレアが一発逆転する
どころか、この病院自体が吹っ飛びそうな問題を
シラッと描いているのだから凄い。
確かこの病院では医師の不手際による世論の厳しい目
から信頼を回復する為の行動を行っていたはずなのに
気がつくと全く正反対の行動を取っている。
このような状況でシミュレーションだと称してテスト
をしている事が分かれば問題があるだろう。
タイトルは「ゴールド・スタンダード」。
スタンダードな事にゴールドが付くくらいだから
スタンダードとしての最上級なものなのだろう。
病院とか医学界が設定したゴールド・スタンダード
は委員会のようなものが決めたもの。
それを今回医療判断を通して何かを掴んでいくもの。
アンドレアは様々な事態に遭遇し最終的には彼ら
チームのスタンダードを述べる。
「決めるのは医者なんだ。僕らは毎日頭と心で
患者を診て、触れている。患者は他でもない僕等の
手が守る。大事なのはテクノロジーではない。僕ら
なんだ。ゴールド・スタンダードは。」
●話して楽になるか、それとも隠して楽になるのか
色んなところで新たに問題が発生し、時にはそれを
隠したり、吐露する事で解決していく。
知らなければ幸せなこともある。
話さなければ済まない自責の念もあって色々と個性的
な行動の選択が目立つ。
マフィアの話が一部出てきた。
アメリカ・ニューヨークを舞台にした年代物の
刑事ドラマを見れば必ずイタリアンマフィアの名前
が出てくる。映画「ゴッドファーザー」(The Godfather)
の抗争が激化した頃でもシチリア島に一度向かう
シーンが有ったよね。映画「アンタッチャブル」
に出てくるマフィアのボス、アル・カポネはイタリア
系ギャングだ。
10年前にイタリアでは大規模な検挙騒動が起きたが
その中で加入の儀式が公開された。
裏切りものには2つの選択肢がある。
それは「毒の誓約」というものだ。
ガブリエルの告白は、ある意味アンドレアたちの
行動を指摘し、それは対照的で皮肉さを含んでいる。
アンドレアも全て話して楽になるべきではないのか。
テデスキが起こした問題の秘密をアンドレアは巻き
込まれる形で知ることとなる。
テデスキには貸しが出来たし、短期的には明るい未来
だ。
秘密の共有は結束力を強めるが決して幸せになる
ものではない。
医者の事情とかコロナ禍に於ける人間としての感情を
考慮するとアンドレアが語るように
「分からないでもない」状況というのも有る。
彼の場合、新たにテデスキと患者の関係を隠して
しまった。患者の妻はこの病院で働いている事務職
の人物であり、彼女はカルーソの下で働いているに
も関わらずアンドレアを応援してくれている。
●記憶や事象を境にする大きな潮流
地球村で起きているコロナウイルスだけど、その
ウイルスが発生したことでの後遺症の問題がある。
それは病気や病状からの見地だけではなく、状況や
立場から取り上げたものだ。
皮肉に映るのは、コロナウイルスはアナロクチック
なものであるとするならば、院内で発生した問題は
デジタルチックなもので、コンピュータウイルスだと
設定していることだ。
シミュレーションとは別のところで動いた事で、
人為的に起こした事が最後になって明らかにされる。
そんな状況の中で起こす人間の行動習性は、確かに
医長を決めるシミュレーションとしては良い舞台
設定なのだが、上述したように医師間での問題事
を患者も巻き込む事への倫理観は相当厳しいものが
あると言えよう。
しかしその危機的状況は、人同士の関係やその人が
持つ本性に近い色んな顔を映し出してドラマを盛り上
げる。
人間の愚かな一面と賢い一面を映し出す。
ヒューマンエラーはどんな事象にもついて回り、
それを無くすために人は努力するものなのではないか。
●原始的方法論
文明の利器が使えない時に試されるのは医療の中でも
基本的で基礎的なものだ。近代医療でこなしていた
ことに代替していかねばならず、このテーマを
切り取ってみると、現在戦いに有る
最先端医療を目指しているテデスキ医師らと記憶を
失ったアンドレアの関係の構図を反映している様に
見えるから不思議だ。
元々このドラマに於いては医師が患者と何処まで
関わり合うのかという所で争っている。
人間と触れ合わずして、医療機械ばかりを導入し
患者との意思疎通を無視して行うことなど可能なのか。
●人それぞれ
今回のケースはほぼ男性側に否があり、女性は被害者
という構図が有る。
・患者のルチーアは、ドメニコという夫がいるが、
体調の悪さを無視してでも強引に飛行機に載せて
アメリカまで行こうとする。全ては自分の授賞式を
見せつけるために・・だ。
・患者のルッジェーロは、妻がいる身でありながら
浮気した。何処まで本人が話した言葉を信用出来る
か分からないが、製薬会社の営業職の男にとって
医者は憧れのものだという。
・市長のオリヴィアは医師との違いを解く。
都民が苦情を言ってくるが「何も出来ません、残念
でした」では済まない。医師にはそれが出来る
とされる。
●決断を求む
「上に立つもの」と「その人の元で働くもの」
その違いは責任の有無が有り、大事な物事への選択・
分岐点での決定・決断に迫られることだ。
今回は非常ベルがなり医療機器の多くが使用出来な
かった。その状況は明らかに意図したものとして
映るが、シミュレーションと考えれば悪くはない。
ただ上述したように例え病院の人事の問題で有っても
それに患者を巻き込んでの攻防は流石に引くような
状況設定だった。
手術するかしないかの選択と責任。
移転させるかどうかの選択と決断。
市長を辞めるべきかどうかの選択。
冒頭ではシミュレーションを行おうとする中で
緊急事態が発生した際に、カルーソがアンドレアに
こんな発言をした。
「延期するべきではないか?」
「その要求は本人がすべきものだ」
・因果応報の応酬
「私が医者であなたは患者」
「私が決めてあなたが従う」
「医長に必要なのは慎重さよりも度胸よ」
かつてアンドレアがジュリアにアドバイスした言葉を
そのまんまアンドレアに返したジュリア。
別の場面に於いてルチーアがガブリエルに言った
言葉もまた同様に彼女の元に戻ってくる。
「僕に聞くのか?彼に医者を辞めるべきだと言っただろ」
「”辞めるべき”じゃなくて、問題は向き合うべきだっ
てこと」
オリヴィアに対しても同様の言葉として跳ね返る。
「君の痛みの原因に気がついた」
「前にも聞いた言葉ね」
「市長の公約も同じようなもの」
【患者】
今回の患者はみんな導入部が似ていて痛みなどの
症状も似ている。しかしそこから検査していけば
すべての人は違うというものだった。
● ルチーア・フェッラーリ
職業 : 心理士の女性医師。
症状 : 腹部の痛み、意識喪失
家族構成 : 夫(ドメニコ)
第一発見者 : ガブリエル医師
備考 :
オフィスの中で気を失って倒れているのをガブリエル
が発見。ガブリエルは最後に彼女に挨拶にいった時
にちょうど見つけた感じ。
気を失う前に腹痛が有ったが、いつもの生理痛だと
思い気にしていなかった。
「プレドニゾロン」という”コルチゾールから作製
された合成副腎皮質ホルモン製剤”を飲んでいる。
夫のドメニコが連絡を受けて飛んでくる。
これから6時間後にニューヨーク行きの便に乗る
為だった。(ドメニコが会社で賞を取り授賞式が
アメリカである)
彼女は早起きして荷造りしたので低血糖で倒れたと
推察する。
本来ならばCT検査をしたいが出来ないので血液検査
をする。
・検査の結果
特に問題がある数値ではなかったが、それでも完璧
ではなく「白血球の数値が少し高い」状態。
問題なのは鎮静剤しか飲んでいないのに数値が
低くないことにある。
・触診
一瞬だけで良いので触診させて欲しいと語る。
痛みの有無の確認。
顔を歪めたのでプレドニゾンが切れると痛みが戻る。
本人によると痛みではなく不快感だと語る。
右下腹部に痛みが映っているので「虫垂炎」の可能性
も出る。機内で腹膜炎を起こしたら命に関わるもの。
ドメニコのガブリエルを見る差別的で高圧的な態度
が実に腹立たしいが、女性に対しても同じようだ。
「アルバラド・スコア」を行おうというアンドレア。
虫垂炎の可能性を点数で測るというもの。
・「アルバラド・スコア」
ガブリエルとエリーザが担当する。
テスト内容は・・
1) 右下腹部の移動性の痛み (1点)
2) 食欲不振
3) 吐き気、嘔吐
4) 右下腹部の圧痛 (2点)
5) 反跳痛 (1点)
6) 発熱の有無
7) 中等度の白血球増加 (2点)
8) 左方移動を伴う好中球増加
総合点は6点。6点はぎりぎりセーフのライン。
しかし7点目の根拠としてルチーアの脇腹の痛さは
だいぶ前からある。鎮痛剤を使っていて発熱や吐き気
が押さえられる可能性があるからだ。
薬によって押さえられた状況であり本来ならば7点か
8点に該当する。
ガブリエルを怒らせるドメニコ。
しかし問題は患者だ。ルチーアは虫垂炎であり、
ニューヨークまではもたないであろうこと。
・CTが届く
ニグアルダの病院のCTが空いたので虫垂炎かどうかが
分かる。
夫は飛行機に乗るためにそれを受けずに行こうと急か
す。
「決めるのはルチーアであり、他の誰でもない」
そして恐れを認めることを解いたガブリエル。
「飛行機に乗ることが怖い」
「死ぬのも怖い」
「あなたも怖い」
・結果
虫垂炎であり腹膜炎寸前の状態だった。
飛行機に乗っていたらしんでいたかも知れない。
無事手術は終わる。
● ルッジェーロ
職業 : 製薬会社の営業
症状 : 心臓の痛み・苦しみ。意識喪失
家族構成 : 妻(コスタンツァ・病院長の秘書)
第一発見者 : テデスキ医師
備考 : テデスキと一晩を共にした男。
寝ていたら胸が痛みを感じて目が覚めた。
裂けるような痛みだったと本人談。
妻は一人だったと思っているので発見が遅れたらと
思うと幸運だったと思っている。
CTを撮りたいが今は無理なのでエコー検査と血液検査
で対応した結果、問題はない。
・ルッジェーロから頼み
一瞬だけでもホテルに戻りたい。女性と居たので
部屋を片付けたい。リスクは承知。何にでもサイン
する。それだけ妻との関係を壊したくないのに何故
浮気するんだろうね。
しかしアンドレアはジュリアを同行させ、それを許可
する。
ホテルから病院に戻った際に、車椅子からベッド
に戻そうとして腕を握るアンドレアはそこで違和感
を覚える。
血圧計で測ってみると血圧が左右で全然違う。
アンドレアは手首の動脈で分かる。
「大動脈解離」であろうこと。大動脈の内幕が裂ける
が外膜が裂ける前に処置しないと助からないであろう
事。
・新たな壁
外科医のエドアルドはCT検査で確定診断され無い限り
は手術は出来ないという。アンドレアは一通りの
エコー検査で何処に解離があるかは分かるし、オペを
すれば解離の膨らみは目で確認出来る。
しかしそれはあくまで解離が有った時の話。
「可能性があることは否定しないが確定にはCTが必要だ」
「アンドレアが責任のすべてを負うというサインをしろ」
・発作が起きる
再び昏睡状態になる。解離で「冠動脈閉塞」か
「脳梗塞」を起こす可能性が高まった。
なんとかしてCTが出来る病院を探そうとするも、
ジュリアは他所の病院に運ぶ時間などないという。
ジュリアやリッカルドの後押しでアンドレアは
再び自分を取り戻した。
・手術に対する責任の決断
エドゥアルドにその事実を伝えると彼はサインする
までもなく覚悟だけで十分だとして手術することを
了承する。
・結果
「大動脈解離」で間違いなく、手術は成功。
● オリヴィア
職業 : 市長
症状 : 腹痛
家族構成 : 夫、3人の子供
第一発見者 : ヴィンチェンツォ(市長の秘書)
備考 : 3ヶ月前に市長に当選。しかし当選区は
市議会にマフィアが紛れ込んで居たことも有り
少なからずストレスが有る。また彼女は第三子を
最近出産している。
患者秘書のヴィンチェンツォが病室から助けを求める
声を上げる。病室には市長のオリヴィアが倒れていた。
普段は痛みはないが立とうとするときだけ痛みが酷い。
数日前に入院していて、「エコー検査」、「CT検査」、
「MRI検査」は行っているがどれも問題はない。
「腹痛」以外に・・
「中等度の高血圧」
「頭痛」
「背部痛」
「倦怠感」
「食欲不振」
の症状。
ストレスが原因の精神的な痛みではないかと主張する
のはアルバ。
彼女はタフな人だとして毒を盛られたのかも知れない
としてマフィア陰謀説を唱えたリッカルド。
「精神科に診てもらうか」「薬物検査をするか」の選択。
テデスキはアルバ論を選んだし、アンドレアは精神科
に任せつつ、薬物検査もするという広範囲な選択を
したような感じ。何も出なければ消化器科へ回すとされ
る。
・エンリコの診断
心因性のものとは思えない。
そして薬物検査も陰性。
消化器科に移して専門的に診てもらうとすると、
市長は呆れる。厄介事を他の部署に回すつもりでしょ
として信用を失う。
・リッカルドの功績
ドラマは皮肉な方向に転がる。
彼は市長の様態を診て右を下にした時と立った時に
痛むことを考えれば「左腎の遊走腎」。
腎臓が固定せずに下がるから尿のうっ帯を起こして
痛む。産後の女性に多いこと。
検査で何も出なかったのは仰向けに行うからで、
それを確かめるには彼女を立たせた状態で脇腹を触診
すること。
ただアルバはそれに反対して消化器科に移すことを
求める。
アンドレアも勢いは良かったが結局アルバの選択を
取る。
「いつも自分が正しいつもり?」
・立った状態で触診する
左の腎臓を触診する。無理だとする市長に
「辞めたら良い。有権者ががっかりするのはよくある
ことだ。」
結果としてコルセットをつけることで痛みは止まる。
左腎が遊走腎しないように固定したのかな。
● リッカルド
仕事依存症。これは深刻な精神疾患で治療しなければ
ならないとアルバから指摘される。
結局仕事依存しているリッカルドが今回オリヴィアを
救い、そして彼女が夫と三人の子と嬉しそうにする
姿を目撃する。
アルバはコロナによってリッカルドが変わったことを
口にするが、彼自身は変わったなら変わったで
それも良しだとする。
「また別のオリヴィアを救えるならコロナに感謝し
たい」
最近リッカルドが急速に嫌な人物になりつつある。
アルバに悪態に近いことをついた後に
「こんな僕と居るのは大変だよね。でも愛している
んだろう?」
【その他】
●面白いやりとり
・リッカルドと患者
「二ワトリが教会に行ったら何をする?」
「コケッコンシキー」
・リッカルドとアルバ
「スポーツカーだってエンジン全開が続けばいずれ
故障する」
「スボーツカーもつか~れた?」
・ルチーアとアンドレア
「シミュレーションだ。委員会が決めたヤツ」
「倒れる日を間違えたな」
「死なせたら落第よ」
・ジュリアとアンドレア
「返すわよ」
ジュリアがすごい剣幕で車椅子に乗った患者ルッジェ
ーロの車椅子を押して返した。浮気隠しの片棒を担が
されて不愉快この上ないという感じだ。
・ガブリエルとルチーア
「吐き気と嘔吐は?」
「無い」
「変だな、僕は彼に吐き気がする」
●ガブリエルの告白
自分はコロナではなく、更に検査結果を勝手に書いた
事をみんなに語った。全部を精算する為。
精算しなければならないことって色々とあるんだよね。
この病院はね。
エンリコも駆り出される
テレーザとのツーショットが無かったのは残念。
アンドレアとの会話で、
「医長を名乗る虚言症の患者がいる」
として呼び出されたようだが、この精神科はアニェー
ゼも休暇を取っているので大丈夫なのか?
●ルチーアの過去
ガブリエルとエリーザが屋上で会話する。
彼女が子供の頃の話であり、ガブリエルはまだ
イタリアには来ていない頃のこと。
ルチーアの母親が再婚したがその夫からは過剰に
愛された。彼は有名な作家で国中で話題になった。
それが「吐き気がする男」の正体。
●特別という言葉
「特別」という文字はある意味今回のドラマの
キーワードの一つだった。
今回のオペは特別だからとしてドラッグをやろうと
するエドアルド。
今は特別だからと言って過食症になったカロリーナ。
特別な日、自分の授賞式があるとして妻の体調を
気にもかけない夫。
病院では特別な事態が起きている。
特別なホテルに泊まり、医師という特別な人材のもの
と関係を持つ。
●盗聴されていたカロリーナの会話
エドアルドが内通者なのかと思った。
カロリーナの会話を聞いているということは、
エドアルドがドラッグをしている事も把握されて
いるんだろうね。
「私も時々夢に見るの。病室に出て戻ると患者が
死んでいる。ロレンツォにボンベを戻す私。」
「どういうことだ?ロレンツォにボンベ?見つけた
のはお父さんではないのか?」
●許し
コスタンツォは夫が浮気している事実を知りつつも
許すことにする。22年連れ添った相手。
「リスクというのはゼロに出来ない。それがコロナ
の教えでしょ」
「目を覚ましたらもう一度やり直します。また浮気
したら大動脈を引き裂いてやる!」
●シミュレーションの結果
ダミアーノはアンドレアの評価を報告する。
「こんな日は誰でもうまくいかない」
「その通り、だから余計に驚いた」
「アンドレアはみんなに医者である意味を思い出さ
せた」
残る試験は口頭試験だけ。しかしカルーソの後ろで
動いている男は別の手があるとして最後の行動に
出ようとしているようだ。
【SOUNDTRACK】
・Firestones by Tony Brubdo / Nico Brundo
・Breathe
・Nothing but you
・Kryptonite
・I’ll Find you in the dark
・Need you right now
・Changed at all
【CAST】
アンドレア・ファンティ (Luca Argentero) 元内科医長
ジュリア・ジョルダーノ (Matilde Gioli) 医師、アンドレアの恋人
アニェーゼ・ティベリ (Sara Lazzaro) 外科医、元アンドレアの妻
エンリコ・サンドリ (Giovanni Scifoni) 精神科医
ロレンツォ・ラッザリーニ (Gianmarco Saurino) 内科医
リッカルド・ボンヴェーニャ (Pierpaolo Spollon) 医師、アンドレア慕う
アルバ・パトリツィ (Silvia Mazzieri) 研修医
エリーザ・ルッソ (Simona Tabasco) 研修医
ガブリエル・キダーネ (Alberto Boubakar Malanchino) 研修医
テレーザ・マラルディ (Elisa Di Eusanio) 看護師
カロリーナ・ファンティ (Beatrice Grannò) アンドレアの娘
チェチーリア・テデスキ (Alice Arcuri) 感染症科
ウンベルト・カルーソ (Massimo Rigo) 事務長
Dr.ルチーア・フェッラーリ (Giusy Buscemi) 心理士
*ゾエ (Virginia Bernardini) 看護師 il piccolo
エドアルド・ヴァレンティ (Gaetano Bruno) 外科医
ダミアーノ・チェスコーニ (Marco Rossetti) 医者
ダヴィデ (Simone Gandolfo) アニェーゼの現在の夫
*マッシモ・ジェンティーレ (Lorenzo Frediani) 元患者アジソン病
マヌエル (Virgilio Mongelli) 里子
コスタンツァ (Alessia Giangiuliani) 秘書
ルッジェーロ (Davide Paganini) 製薬会社の営業
オリヴィア (Roberta Caronia) 市長
ドメニコ (David Sebasti) ルチーアの夫
ヴィンチェンツォ (Francesco Meola) 市長・秘書
(Giacomo Martelli) CEO PNS Diagnostica(PNS医療)