DOC(ドック) あすへのカルテ2
(DOC – NELLE TUE MANI)
制作:2022年 イタリア
原作:Pierangelo Sapegno、Pierdante Piccioni
第11話 前進 Ragioni e conseguenze
(Reasons And Consequences)
脚本/Francesco Arlanch、Viola Rispoli
監督/Beniamino Catena
【STORY】
■バスの中
ミレーナ・ビアンキ (Annalisa Insardà)は車内で電話
する。現在不定期の仕事だけなので仕事が出来るならば
どんな僻地でも構わない。それが例え地の果てでも・・
そんな会話をしていると彼女は気分が悪くなり運転手に
停めるよう頼む。外に出た瞬間に吐血する。
■アンブロシアーノ総合病院
●ガブリエルの病室
エリーザ、テデスキ、アンドレアが居る中、彼の
検査結果が出る。
「数値も安定していて問題はない。」
それを聞いたガブリエルはみんなに心配かけたこと
を謝罪する。しかしテデスキは謝るだけでは駄目で、
しっかりと向き合うべき事を求める。
テデスキにカルーソからの電話で退席する。
エリーザは悪いのは私であり、助けが必要ならば
話してくれると思い込んでいたと語る。
しかしガブリエルは彼女の意見を否定し、これは僕の
問題でありとても複雑なことを語る。彼女は原因は
ナツィネットでしょとし、私なら大丈夫なので言って
欲しかったことを語る。
・テレーザがやってくる。
入院患者のミレーナ・ビアンキが来たことを語る彼女
はガブリエルが担当するか?と冗談を語る。
テレーザはアンドレアに手紙を渡す。
何の手紙なのか分からずに居ると、テレーザはDOCは
覚えていないかもしれないが3年毎に内科医長の
国際会議が郊外のリッチなホテルで開催される
のだという。アンドレアは自分が内科医長では知ら
ないものから連絡が来たのだろうというと、前に
出席した時には仕事ばかりで楽しんでは居なかった
ことをテレーザから聞く。
「今度は楽しんで見たらどうか。」
「シャンパンやキャビアが出るのにテデスキに譲る
なんてもったいない」
今は患者に集中だと語る中、アンドレアはガブリエル
に後で話が出来るかと語る。
テレーザはアンドレアに対して、本当のことを言えば
どうかと告げる。
「ガブリエル、君は新型コロナじゃなかった」
ということ。しかしアンドレアとしては彼の口から
自分で話して欲しいことを語る。
●院長室
カルーソはテデスキに対してロレンツォが0号患者
だという証拠を手に入れたと語る。(日付:2020年2月28日)
「ダミアーノはこれを何処で手に入れたのか?」
・それだけは話さない。
・我々がアンドレアの私物の中からたまたま見つけた
ということにしよう。
・少し強引だが実際に持ち出したのは彼で間違いない
とカルーソ。
テデスキもまた、
「文書保管所で彼に会った際に直接診断書を取るの
を見ていないが、カルテの場所が変わっていた」
と語る。
カルーソはそれを委員会で証言して欲しいことを告げ
る。彼はアンドレアのせいで遠回りしたが、ようやく
電子医療機器の導入に目処がついたことを語る。
3社から見積もりが来ていて、この「PNS医療機器」
が一番だと思うとし、テデスキに目を通して意見が
欲しいことを語る。
●ミレーナの病室
サングラスをかけた中年の女性がベッドで診察を
待っていた。彼女は日差しが眩しいとしブラインドが
ないのか尋ねる。アンドレアはサングラスをしていて
も眩しいのかと問う。ミレーナは水がほしいとして
できればジュースを持ってきて欲しいというが、
エリーザは語る。
「飲み物ならば廊下の自販機で自ら購入して」
「私達は医者であり血を吐いた原因を調べる為に来た」
・アルバがやってくる
内視鏡検査の結果、胃から出血している事を報告。
患者は咳が止まらない。手首を痛そうにしているが
体中が全部痛いと語る。
医師はそんな彼女に質問をしていく
1) 薬は飲んでいるのか尋ねる
薬を飲まなければ起き上がることも出来ないくらい
の痛みだという。
2) 何を飲んでいるのか尋ねる
現在飲んでいるのはこれだとして「ケトプロフェン」
を持っていた。これを乱用して出血したのだろうこと。
アルバは飲んで済ませるだけでなく痛みの原因を
突き止めなければならないことを語る。
ミレーナは病院ではいつも「腱炎」だと言われるだけ
だという。
3) 普段感じる痛みを1から10で表すといくつか
どうせ薬を飲み過ぎだと思っているのだろうとし、
それが誤りであることを主張する。この痛みで
私はすべてを奪われた。「息子」までもずっと里子
に出している状況で、この体では面倒が見られない
と訴える。
エリーザはそれを聞いて詳しく検査しくしょうとし
水とミントを用意するという。
4) 息子さんとずっと会っていない?
調子が良い時に時々会える。6年間も転々としている
ので息子のマヌエルも慣れていると語る。
アニェーゼの自宅
急に病院から電話がなったアニェーゼ。
それを察したダヴィデは、マヌエルの事を送れなく
なったであろうことを語る。
「どうせ僕が居ると思っているんだろう」
アニェーゼはこの件では喧嘩したくないという。
しかしダヴィデは主張を辞めずに、
「ホントのことを言っただけ・・僕に任せきりだ」
「君しいつも自分のことばかり優先し、後ろに居る
僕のことを振り返りもしない」
アニェーゼはそれを聞くと自分の主張も言わずには
居られなかった。
「病院の調査のせい。その前には新型コロナ流行。
私だってそんなものから解放されたのにどうしろと
言うのか?」
●医局
患者のミレーナについて病名を語り合う中、
アニェーゼと時間差で社会福祉士のレンティーニ
(Paola De Crescenzo)先生が入ってくる。
彼女はこれまでミレーナとマヌエルの件で少なからず
関わってきた人物。これまでの医師の診断によると
ミレーナは痛みを誇張しているみたいだという。
アンドレアは医師でも間違うことが有ることを告げる。
レンティーニは彼女の痛みは産後鬱と同時に始まった
こと。彼女はシングルマザーで経済的に不安定の状況
で出産し、更に状況は悪化したこと。定職には就けず
不定期の仕事についても体調不良が原因で長続きは
しないことを語る。
【感想】
今回は「依存」と「離脱」が描かれた。
そもそもそのように依存になる原因は何なのか。
依存と言えばドラッグ問題が一番分かりやすい問題
ではあるが、依存は物質的なものにだけでなく精神的
なものにも当てはまる。
依存者はとにかく嘘をつく、信用できないなど
問題児として敬遠されることも多い。
そもそも依存していることに本人が気が付いていない。
内面で起きている問題に言及されることは嫌がり
理解者が居ない限りは自力での更生は難しい。
それでも内面を話したくはないので同じことを繰り
返しては失速していく負のスパイラルを経験していく。
依存の問題について見てみると、ドラマの中では
その多くは家族(親子関係)に起因するものであること
に気がつく。
その最たるはやはり近親者の死であろうか。
・リッカルドは仕事依存 (コロナ禍の影響)
(自身の怪我の件も関係しているかも)
・カロリーナは過食嘔吐 (両親の離婚、コロナ禍)
・アンドレアとアニェーゼは娘への過干渉 (息子の死)
・ガブリエルはパニック症 (コロナ禍の影響)
・ミレーナは発病 (愛する者(夫)の死、生活苦)
・サブリーナはドラッグ中毒 (母親からの過干渉)
コロナ禍で見えてきた人生観の相違は興味深く描かれ、
キャラクター自身を人格的観点からシーズン1との違い
を見比べてみるのが楽しいかもしれない。
そして親子問題に見る問題の数々。
■人が持つ可能性と多面性
人はそれぞれいくつかの顔を持っている。
日本人ならば外国人から痛いほどに聞いた事がある
日本人としての価値観の一つ。
「日本人は二重性を持ち、本音と建前が有って理解
できない」と一度や二度は言われたことがあるの
ではないか。
韓国人と関係がある人ならば1極回か1恒河沙数くらい
は耳にしたことがある言葉であろう(<-そうか?)
本来誰にでも本音と建前くらいはあるような気がする
が欧米とのコミュニケーションの違いから相手の
考えが分かりづらいというのはあるのかもしれない。
今回のシナリオの中では話合う流れの中、怒りや
憤りの感情と共に本音を吐き出すことで人生を堰き
止めていた流れを一気に流し出すことになる。
それはまさに「個人にとっては小さな一歩だが、
人生にとっては大きな飛躍である」というアーム
ストロング船長のセリフをパクリたくなるような
展開だ。
相当目に見える行動と頭の中の思考は違うところが
有った。それで相手を怒らせてしまうことは複数の
場面で起きたけれど、怒らせることはともかく失望
させる展開は見ていて寂しいものだった。
一つの問題をクリアすれば、新たなことに挑戦した
くなる。次のステージが誰にでも待っているわけでは
無いけれどそのチャンスを目の前にちらつかせては
ぶっ潰すというエグさを持ち合わせたシナリオで
興味深い。
■必要なものを得る為に他者を利用し誘導する
もはや神にでもなったつもりなのか?
と言わんばかりの展開で久しぶりに「アクトレイザー」
で遊びたくなってきたほどの展開である(<-バカ)
神は万人・万物に対して公平でなくてはならない存在。
しかしそこに人が介在すればその人の意志・思考が
入り込んでしまう。神からの言葉の仲介者で
あるはずの司祭が特別な相手ばかりと関係を持つ
ことは決して許されない。
それは同様に医師にも言えることではないのかと
いう問いかけ。医師が私情を持ち込んでも良いのか。
カルーソは医師ではなく経営者みたいなものなので
思考はまた変わってくるのだろうけど、現場で働く
ものとしてはどうなのか。
ここでは上手く立場を分離して、医師としての自分
と個人としての性格を分離させて、医者も司祭も人間
の子としての扱いをする。
ドラマでは戦略的策略的に物事を運ぶケースが多か
った。これはもちろん今に始まったことではない。
しかし見ていると「さまぁ~ず」のトークコントの
大竹さんが最後にボソっと語るように、展開は明る
い方に動いているように見えて実際には人を傷つけ
自分を傷つけるというあっと驚くような展開を用意
する。多少違和感のある展開もあるがなかなか見応え
はある。
しかし秘密を吐露した点では今回の結末は悪い方向
ばかりでなく良い方向にも転んでいった印象がある。
■その人にとっての優先順位。
ここで問題となってくるのは、それぞれ個人が持つ
「優先順位」の違いだ。
何を優先して守りたいのか。
誰を優先して愛したいのか。
ボートから落ちた二人の人の内、一人を助けられる
としたらあなたはどちらを選ぶのか。
・カルーソはダミアーノを利用する
ダミアーノを使ってアンドレアを追い出そうとする
流れがある。病院でのゼロ号患者は誰かという証拠
である診断書の存在。カルーソはダミアーノがこの
件を知っているものとして利用しようとする。
ダミアーノを上手く利用して手に入れた診断書を
使って理事会を丸め込もうとするも「誰が診断書を
隠したのか」「0号患者を見つけること自体に意味が
ない」というローマの先例から失敗に終わる。
○テデスキが最後に証言しなかった
・ダミアーノはカルーソを利用する
カルーソはダミアーノの父親の件で、限りなく有罪に
近い医師法違反の父を助けるカードを持っている。
看護師をしている父親が医師の許可なくして麻酔を
使用した事による裁判。
カルーソはコネを使ってイタリア麻酔医の権威と
呼ばれる人物を裁判で召喚し、一気に駒を引っくり
返した。
○問題となるのはジュリアを利用したことだ。
同僚と恋愛することが如何に難しいことなのかを
感じさせる。
ダミアーノがコップに入った水を持ってジュリアの
元にきたので、
「この展開は先週みましたから!!」と期待していた
のに凄い勢いでビンタして終わった。
・アンドレアとアニェーゼは患者を利用する
今回はマヌエルの母親・ミレーナが登場する。
ミレーナはマヌエルを取り戻したがっている。
アニェーゼはダヴィデとの関係は里子の子育てで
だけで繋がっていると思っている。
ミレーナの病気を特定し治すことができれば里子
は母親の元に帰る。
子育てが終わった熟年夫婦の喧嘩が耐えずに離婚
するかの如く、里子がいなくなれば一緒にいる
理由はなくなるはずだと考えるが人生はそう上手く
は計画どおりにいかない。
治療後ミレーナは船の給仕の仕事を経てイタリアを
去る。彼女は仕事や生活のことだけでなく私生活を
充実させる為に旅立ったようだ。
アニェーゼが暗い顔して報告に来たときには彼女は
自死してしまったのかと思った。
■医師としてのリスク、個人としてのリスク
衝動的な行動はミスを招く。
これはテデスキがアンドレアの行動を見て発言した
言葉だ。今回が初めてではなく、過去にも医者は
リスクを冒して患者と向き合っていることを語って
いる。
医師として駄目ならば別の道もある。
しかしそう考えた時点で逃げていると考える事も
出来るし、人生を考えればそれにばかり固執する
ことでもない。
別の人生を選べる時点でかなりその人物は幸せな
人生をおくれているのではないかと思われる。
ガブリエルもまた人生が煮詰まっていた。
未来が決められたもののようで、そのレール通りの
道を歩まなければならないでいる。
ガブリエルは自らの弱さを認めるばかりか、臆病もの
であり裏切り者であり、恥を抱えて生きるという
とにかく自虐の連続である。
因みに今回のガブリエルの診断書を見ると
検査日は2020年3月23日。
生年月日は1991年8月28日と書かれているように見えた。
【患者】
● ミレーナ・ビアンキ
彼女はなんとアニェーゼとダヴィデが預かっている
里子のマヌエルの産みの母親。
アルバ、エリーザ、アンドレア、アニェーゼが担当。
患者はバスに乗車中に気分が悪くなり吐血。
病院に来た時に病気の症状として出ているもの。
・胃の出血
・咳が止まらない
・手首の痛みを始め体中の全身が痛い
・日差しのまぶしさ
・ミントや水を欲しがる
医師の話し合いの中で出てきたものは、
「線維筋痛症」
「心因性」
「関節リウマチ」
原因が分からず「痛みの誇張」ではないかとする医者
たちの診断が過去に起きている。
彼女の痛みは「産後鬱」から始まったとされる。
「関節リウマチ」と「C反応性タンパク」の検査を
することになる。
しかし検査の結果、「関節リウマチ」ではない。
他の数値も基準内ではないが目立った異常はない。
「C反応性タンパク」の値が高いので
他の「自己免疫疾患」ではないか。
「狼瘡 / ろうそう」を口に出したのはアルバだった。
しかしその場合皮疹が出るはず。
軽い鎮痛剤(パラセタモール)を与えて観察になる。
・マヌエルが病院に来る
ミレーナに息子と会わせるのを約束したのでアニェー
ゼが連れてくる。彼女が持っている唯一のミントを
息子に渡すが、その後痛みを訴えてマヌエルには
実の母の辛い一面を見せる。
パラセタモールでは効かない。
強い抗炎症剤を与えることは出来ない状況。
エリーザは改めて鎮痛剤と共にパラセタモールを
飲ませたが痛みは止まっていない。
退院させるかコルチゾンの投与なのか。
「ミレーナにとっては僕たちが唯一の希望だって
いうのに他の病院と同じようにただ放り出して
良いのか」
腕に発疹が出始める。
やはりろうそうではないのか。
補体C3 C4、抗DNA抗体を調べることになる。
・検査結果
ろうそうではなかった。
身体的に疾患が無かったとしても苦しみは本物。
マヌエルと会い唯一与えられるミントを渡すも
返された。口が渇くが水を飲みすぎるとムカムカする
からこれを舐める。
口の乾きの流れから舌を診て亀裂があることが分かる。
光リに敏感なのにも実際に眩しいから。
「結膜充血」していた。
シルマーテストを行い涙の分泌量を測る。
体液を分泌する腺に白血球が広まり損傷を与える。
3人に1人は関節炎を起こす。
結果「シェーグレン症候群」
痛みに惑わされて単純な症状を見逃していた。
唾液腺生検をして進行度合いを確認する。
● サブリーナ
若い女性の患者。電話のやりとりを聞いている限り
では学生なのか。
担当医はカロリーナとリッカルドとダミアーノ。
最初にサブリーナに回診に行った際に二人に対して
研修医でしょと言われる。
病状として、
・周期的な嘔吐発作に襲われる
・薬は効かない
・起こるときはどこでも場所を選ばず起きる。
サブリーナの元に度々母親から電話がなる。
着信画面には「不安な母 / Ansia Mater」
嘔吐はあの女がストレスになっているのかもしれない
と自己判断。その後、即、リッカルドの靴の上で嘔吐
する。
初期の検査では何も見つからない。
・生理の時に発作が出ているのではないか(ダミアーノ)
・ホルモンは関係ない
新しい吐き気止めを試す。
その前に何かの中毒かもしれないので薬物検査をする。
検査結果が出るまでに可能性としての病名を語り合う
・自己誘発性も否定
・過食症、摂食障害
・「ポリフィリン症」
この中ではリッカルドが語るポリフィリン症が一部に
該当するのでその可能性を模索する。
新しい薬を渡した。
同世代の女性同士としてカロリーナは、嘔吐発作
が起こるタイミングについて尋ねる。
食べた後、食べ過ぎた時などに発作が起きるので
はないのか。
しかしあっさりとあしらわれる。サブリーナは
研修医を相当軽視しているようだ。
薬は効果なく嘔吐する。
「ポリフィリン症」の検査も陰性。
しかしカロリーナが肩に触れた際に彼女が火傷
していることを知る。
熱いシャワーを浴びると吐き気が少しマシになる。
・検査結果
(sono pronte la analisi di Sabrina)
ダミアーノが裏切ったことを聞き、リッカルドは
検査結果を彼に報告しようとしない。
患者に対して大麻とTHCが検出されたことを語る。
大麻は依存症にはならないと思っているが実際には
なる。カロリーナはこの手の症例を文献を通して
見たことが有った。
「カンナビノイド悪阻症候群」
大麻の長期使用で稀に起きるもの。
吐き気止めに使っているはずの大麻が逆に作用する。
患者は大麻を吸うことで試験や母のことや仕事のこと
が忘れられたとし、やめる努力はするとは
いうが無理じゃないかなとも思う。
依存症の人は嘘を付くものだ。
【その他】
● 内科医長国際会議
招待状は勝利者の印みたいなものとなってしまった
感じ。
今回は至るところで書類が多かったので紙が重要視
されることが多かったな。
2枚用意された会議のチケット。
アンドレアはテデスキに一つの借りを作ったけれど
果たしてそこでお礼をするのか?
● コロナの0号患者
ロレンツォに診断書が出たのは2020年2月18日。
診断書は文書保管所のカルテ内に有った。
調査委員会で検証され決定が下る。
ロレンツォに問題が有ったとされれば、「家族連帯
基金」からの支援金の受給が止まってしまう。
理事長が現れてそのことを話し合っていた。
● 昨日の敵は今日の友・・なのか
アニェーゼとミレーナの最初の会話。
「どうせ私は駄目な母親。それを見に来たくせに・・
医者の稼ぎがあれば母親も楽よね」
「感じても居ない痛みを訴えて子供から逃げる方が
楽よ」
その後互いに謝罪。
アニェーゼは息子を亡くしたことを吐露する。
すると彼女も妊娠が発覚した後に夫が亡くなったこと
を話す。
アニェーゼはミレーナを息子のマヌエルと会わせる
ことを約束する。
遭わせた後にアニェーゼはマヌエルと二人で遊ぶ。
「願い事をしましょう」
「水泳を続けたい」
● 行動には結果が伴う
ダミアーノに裏切られたと分かった後に、アンドレア
が内科の面々を集めて、こんなセリフを語っていた。
「Once upon a Time」S3 E22でのセリフを思い出す。
● 追い出されたらどうする?
エリーザがアンドレアに尋ねた質問。
「世の中、医学がすべてじゃない。人生は分からない」
「秘密を一人で抱えるのは辛いだろう」
● 大人の事情、そして本性
イタリアの里親・里子制度がどうなっているのかは
分からない。アメリカのドラマを見れば里子を
家庭で面倒をみれば給付金が支給され、それで生活
している人がいるけどイタリアはどうなのかな。
大人の都合で子供が利用される。
「大人が怒鳴ってしまうのは具合が悪いか、
イライラがどうにもならないか、喧嘩が原因。」
「あなたのせいではない。」
● 「カンナビノイド悪阻症候群」
2004年オーストラリアで初めて発表された病気。
その後にアメリカでも研究が進められた。みんな
症状は同じで緩和法も同様。
治すためには吸うのをやめるしかない。
● 診断を下せたのはあなただけ
大麻で嘔吐する患者・サブリーナがカロリーナに
語った言葉だ。その後にサブリーナはカロリーナ
に対して無礼(研修医扱いして軽視する)を謝罪した。
その後にカロリーナに対してダミアーノも語る。
「悪かった・・アンドレアの件ではなく過食症のこと
は知らなくて無神経だった。後から知ったよ。申し訳
ない」
この流れはガブリエルとアンドレアの中にも有る。
ガブリエルが問題を抱えていることを知りつつも
見逃していた。
誰かが誰かを見ている。愛情のない人の視線は、
恐ろしい武器のようにして突き刺さることもあるが
見守ってくれていると感じるだけで暖かくなれる
ものも有る。
ただこのドラマでは恋愛を引きずっているケースが
多く有る。上述したけれど職場での恋愛関係で
まとまってしまっているからだ。
・ガブリエルとエリーザ
・テレーザとエンリコ
・アンドレアとアニェーゼ
・ジュリアとダミアーノ
・アルバとリッカルド
・カロリーナとエドアルド
気がつくとほぼ全員が院内感染(笑)
互いに事情を知るからこそ付き合いやすさはあるが
破局した時には同じ空間に居る分だけ難しい事態
へと発展する。
一方的な恋愛のベクトルとして、
テデスキからアンドレアへ。
ジュリアからアンドレアへ。
アンドレアからアニェーゼへ。
リッカルドとカロリーナの微妙な関係。
それを見守るアルバのイライラ。
● ルチーアの病気
最後の方でリッカルドが彼女に対して文句を言いに
いく。アルバに助言した言葉が彼に余程突き刺さる
ものが有ったのだろう。「仕事依存症」。
しかしアルバは名前は挙げずに、ルチーアも状況を
聞いて見解だけを述べただとされる。
しかしその彼女が腹部を押さえて苦痛に顔を歪める。
● ガブリエルの問題
ルチーアとの面談はまだしばらく続きそうな感じ。
問題は誰にでも有るが認める勇気がない。
「怖いんだ」
この世は闇ですな。
【SOUNDTRACK】
・Firestones by Tony Brubdo / Nico Brundo
・Breathe
・Nothing but you
・Kryptonite
・I’ll Find you in the dark
・Need you right now
・Changed at all
【CAST】
アンドレア・ファンティ (Luca Argentero) 元内科医長
ジュリア・ジョルダーノ (Matilde Gioli) 医師、アンドレアの恋人
アニェーゼ・ティベリ (Sara Lazzaro) 外科医、元アンドレアの妻
マルコ・サルドーニ (Raffaele Esposito) 内科医長、秘密を持つ
エンリコ・サンドリ (Giovanni Scifoni) 精神科医
ロレンツォ・ラッザリーニ (Gianmarco Saurino) 内科医
リッカルド・ボンヴェーニャ (Pierpaolo Spollon) 医師、アンドレア慕う
アルバ・パトリツィ (Silvia Mazzieri) 研修医
エリーザ・ルッソ (Simona Tabasco) 研修医
ガブリエル・キダーネ (Alberto Boubakar Malanchino) 研修医
テレーザ・マラルディ (Elisa Di Eusanio) 看護師
カロリーナ・ファンティ (Beatrice Grannò) アンドレアの娘
チェチーリア・テデスキ (Alice Arcuri) 感染症科
ウンベルト・カルーソ (Massimo Rigo) 事務長
Dr.ルチーア・フェッラーリ (Giusy Buscemi) 心理士
ゾエ (Virginia Bernardini) 看護師 il piccolo
*エドアルド・ヴァレンティ (Gaetano Bruno) 外科医
ダミアーノ・チェスコーニ (Marco Rossetti) 医者
ダヴィデ (Simone Gandolfo) アニェーゼの現在の夫
*マッシモ・ジェンティーレ (Lorenzo Frediani) 元患者アジソン病
マヌエル (Virgilio Mongelli) 里子
*コスタンツァ (Alessia Giangiuliani) 秘書
サブリーナ (Susanna Acchiardi) 患者・嘔吐
ミレーナ・ビアンキ (Annalisa Insardà) 患者・マヌエルの母
(Paolo Giovannucci) ダミアーノの父
ダニエーレ (Enzo Saturni) ローマの病院
(Vittorio Ciardo) 検査官
レンティーニ (Paola De Crescenzo) 社会福祉士
スーザン・ラッザリーニ (Alice De Carlo) ロレンツォの妹
マウロ (Diego Facciotti) スーザンの夫
(Giacomo Martelli) CEO PNS Diagnostica(PNS医療)