キャシーのbig C ~いま私にできること~
The Big C (シーズン3)
制作/Darlene Hunt
第8話 グッバイ・ジョイ Killjoy
脚本/Mark Kunerth
監督/Jann Turner
プロデューサー/Melanie Marnich
【STORY】
●前回までのあらすじ
女の子を迎えられることに感激するキャシー。
朝2時からお腹の中で暴れているとマキシーンは伝える。
教会のバザーの抽選会の一等賞の賞品は、なんとキャシーが
将来アダムにプレゼントしようとしていた車(フォード社マスタング)だった。
「少しは思いやりの心を学びなよ」「自分のことばっかだ」と
アダムはキャシーに告げる。。
バーテンダーのカービーから怒りの解消法を学ぶキャシー。
ショーンはテレホンセックスで知り合ったカップルとのデート。
ジョイはポールにプエルトリコのツアーへの同行を求む。
悪い方向に進みそうなのを察したアバブーが二人を止める。
「私は助けたい人を助ける」
教会のバザーから車を乗るとデイヴらに車をあげようとする。
しかしクーパー家にいくとマキシーンのお腹は妊娠していない
ことを窓越しに見てしまう。
●公道
キャシーはドラッグレースのように信号が青になると車を
急発進させる。
同乗しているのはデイヴやマキシーン。
赤ちゃんによくないのではないか?
スピード違反で捕まったら大変だ。
こんな田舎道、誰も来ないわ。最後だから思い切り飛ばしたかったの。
私からのサプライズよ。車をあげる。
私にはもっと大きな贈り物が・・2人の赤ちゃんよ。
でも優しすぎるわ。(Maxine)
次は誰が運転する?
しかし彼らを車から降ろすとキャシーは態度を一変させる。
車はあげられない。だってズルいわよね。赤ちゃんはいないもの。
“何?”なんて惚けないで。私はバカじゃない。
知らないふりはやめて。余計にムカつくから。
私は妊婦よ。
キャシーはそんな彼女のお腹を蹴る。
「あなたの赤ちゃん枕なの?」
キャシーは銃を取り出すと歩くよう命じる。
何故こんなことを・・なぜ赤ちゃんを使ってだましたの?
金が無くて困っていたんだよ。(Dave)
生きるために仕方なく。(Maxine)
仕方なく?新聞配達かカフェでバリスタでもやれば?
服を脱いで・・脱げって言ったの!全部脱いで。どう惨めな気持ち?
私も同じよ。
ガンなのに子供をもらえると本気で思ったのか?(Dave)
私を責める権利なんてない。病気があっても子供を愛し育てられる
と誰かに信じて欲しかった。私は何も悪くない。可哀そうなのは
この私よ。あなたたちは置いていく。今度私の家族に近づいたら
必ず弾を命中させる。
●THE NAKED TURTLE
キャシーはバーテンダーのカービーに銃を返しに行く。
映画みたいに包んだ。あれは指紋を消す為かしら。
犯罪に使った?(Kirby)
まさか。預かってて。持ってると危険。
いいよ。なんだか様子が変だな。
最近ずっと変な気がする。
●ジェイミソン家
キャシーを心配してポールが帰宅する。
可哀そうに残念だ。遅くなってごめんよ。オマハで足止めされた。
ジョイも悲しんでた。”なんて言っていいか”って。(Paul)
私理解できない。ひどすぎる
クズのやることだ。(Paul)
奴らを逮捕してもらって賠償金を払わせよう。
訴えるなら私たち自身を・・バカ罪でね。(Cathy)
5000ドルも渡したんだ。取り戻さないと。
1万ドルよ。困ってるみたいだったから。
俺に何の相談もなく更に5000ドル渡したのか。最近どうかしてる
ぞ。真っ昼間に酒を飲んだり、タトゥーを彫ったり。(Paul)
バカでごめんなさい。赤ちゃんを失ったのにお金の事?(Cathy)
実際に失ったのは金だろ。赤ん坊は嘘だったし(Paul)
大事なのはお金ね。乗り気じゃなかったもの。
“キャリア”の邪魔だから(Cathy)
何故仕事の話になると嫌味っぽくなる?応援してくれてもいい
だろう(Paul)
プエルトリコはお断り(Cathy)
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■感想
未来のアダムにプレゼントしようとしていた車を
勝手に寄付しようとしていた事を知り、本当に必要な人に
プレゼントしようと考えるキャシー。
ポールはジョイからプエルトリコの講演に同行するのを求め
られる。
ショーンはティムとジゼルという夫婦との出会いが有り、
そこに割いる様にして”スラップル”の関係が始まる。
これこそ求めていたものだとして喜ぶが・・・
人には譲れない一線があり、それぞれのキャパシティとか
リミッターは変わってくるので、その線引きも変わってくる。
どれだけ寛容そうな人でも、やはり踏み込めない一線は
ある。
人は欲しいものを与える振りをするだけで、その人を操ること
が出来てしまうという事が描かれた。
両者の関係は対等ではなく上下関係が生まれ、不条理なまで
に相手に尽くして相手のご機嫌を損ねないようにしなければ
ならない。全ては目的のものを手に居るために。
女性と男性で分けるのは嫌いだけど、セックスに
関する求めるもの、その価値観は相当違ってくるように思う。
その良い例がアダムとキャシーなのだろう。
どの流れに於いても絡んでくるのはセックスの問題ばかり
だった。
・キャシーはポールがジョイと関係を持とうとしている事を
知り止めに入る。
・ショーンは誘われるままに”スラップル”の関係を始めるが
ある一線を越えた時点で三角関係のようになってしまう。
・アダムはジェシーからセックスと引き換えに車を差し出そう
とする。
●養子の末路
誰もがこうなることは予期していたハズだ。
正当な手順を踏んでいないところで行われる生命のやりとりは
金が絡めば人身売買にも近い。
彼の為に意図して仕事を作り、100万ドルを与え、そして車さえも
与えようとしたキャシー。
この流れの主導権は詐欺カップルが持っていたが、正直それ
ほど手の込んだ詐欺ではなかったので、遅かれ早かれバレる
流れが有ったことだろう。
ストレス発散の為に教わった銃の訓練がすぐに活かされ
エピソードを回収するのが速いな。
笑えるのは詐欺師が正当化しようとして、苦しい言い訳に
終始しようとしていた時のやりとりだ。
これまで主導権を握っていたものが、逆転した格好であり
完全論破のキャシーが相手になる。
>”何?”なんて惚けないで。私はバカじゃない。
>知らないふりはやめて。余計にムカつくから。
>「あなたの赤ちゃん枕なの?」
キャシーのリミッターは外れてしまった。
・山道をスピードをあげて走る。
・威嚇発砲する。
・偽装妊娠していたマキシーンのお腹にケリを入れる。
ただこのままで終わらせて良い案件なのか?
被害額も相当なものになっている。
この男女は高額の金額を受け取って怖くはならなかったのだ
ろうか?
●譲れない思い
「止まらない未来を目指して、譲れない願いを抱きしめて」
(田村直美さんの曲「ゆずれない願い」より引用)
ショーンが求めていた恋愛の形、”スラップル”。
元々はティムの方から誘ってきた形でショーンはそれに応じた
格好だった。
3人婚のような形だと必ず歪なものになる。
良い所取りみたいな感じを想定しているのだろうが、
絶対に感情が付いてこないと思うんだよね。どこかで我慢が
生じたり、破綻を想定してルールを用意したところで、人の
心・欲望をルールに縛りつけることは出来ない。
ただショーンも正直きっかけから全て変なところから始まって
いるので、その関係を求めるのも都合が良すぎるなと思わせる。
●ポールとジョイ
人生をエンジョイするのはお終いよとばかりに今回ジョイに
起きたことは衝撃的だった。
ガンを克服しようとして別のところで亡くなってしまう。
一連の流れは講演での才能によって引き出されたのか、
それともアダムがいうようにキャシーは「思いやりの心」を
失い、「自分勝手なこと」ばかりしているが故に、ポールと
の間に蟠りを生じ始めたのか。
人生は何か目的とか目標、やりがいみたいなものが無いと
息苦しさはあるかな。
各々が持つやりがいをキャシーは奪ってしまっているのか。
■その他
■使用された曲
・Game Called Life by LEFTOVER CUTIES (Main Title Theme)
■出演者
キャシー・ジェイミソン (Laura Linney) 43歳、妻、高校の教師
ポール・ジェイミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェイミソン (Gabriel Basso) 高校生、15歳
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
ジョイ・クラインマン (Susan Sarandon) がん克服、歓びの探究者
マーレーン (Phyllis Somerville) キャシーの元隣人の老人
デイヴ・クーパー (Hamish Linklater) マキシーンの彼氏
ティム (Brian d’Arcy James) バイ、心理療法士
ジセル (Tammy Blanchard) ティムの妻
ピーター (James Colby) キャシーがバーで知り合う
ジェシー (Kailie Torres) アダムの彼女、高校生
マキシーン・クーパー (Mamie Gummer) 偽妊婦
カービー (Lee Tergesen) “ネイキッド・タートル” バーテンダー
シェイ (Fredi Walker Browne) “ネイキッド・タートル”の常連
ベサニー (Mylinda Hull) ホテルの支配人