May 17, 2010
第11話 秘密の診断 Family Practice
脚本/Peter Blake
監督/Miguel Sapochnik
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カッディは母・アーリーンと共にリサの妹・ジュリアが働いて
いる店に服を買いに行く。カッディの服に対して、イタリアの
娼婦みたいだという母。ジュリアは姉に対して母さんも太って
いるとは言っていないとして宥める中、アーリーンは私に
貶されたくなければ呼ばなければ良いという。
そんな中アーリーンは心臓が変な動きをしていると告げると、
念の為に姉さんにちゃんと診てもらうべきだというジュリア。
チームハウスの面々は死体安置室でアニメ番組を見ていた。
マーサは一体何でこんなところに集まるのかとすると、チェイス
は先生が誰かを避けているからだという。タウブとチェイスと
フォアマンはハウスが誰から避けているのかを賭けていた。
タウブはウィルソン、チェイスはカッディに賭けているというと
フォアマンは読みが甘いと告げる。
そんな中カッディがハウスの元にやってくると、医師が必要だ
としてハウスを呼ぶ。オレじゃなくても良いだろうとすると、
君の母は65歳だし、ただの高血圧だという。目眩は大球性貧血
なのではないかとする中で、心房細動も思い込みだというのか?
というカッディ。ハウスは専門医に診せろと告げ、今まで医療
倫理なんか気にしなかったが、やっぱり身内を治療すべきではない
としてハウスは冷静な判断が出来なくなる事を告げる。
しかしハウスはカッディに連れて行かれる。
ハウスはカッディから白衣を着せられアーリーンの元へ。
ハウスは”検査は上々です!”と告げる中、胸部の少女、虚血も見ら
れず不整脈は自然に治るし、クスリで治すことも可能だという。
別の症状との関連性はないのかとして、ハウスはアーリーンから
15年分のカルテを手渡される。分厚いカルテだった。15年間
続いている症状を探す様言われ、ハウスはチームにそれを丸投げ
する。
「便秘、下痢、インフルエンザ、目眩、発疹、背中と関節痛、
心臓に違和感、腸がポコポコする・・・」。また股関節の
手術を受けているがこれだけは妄想じゃなさそうだという。
血液検査・レントゲン・MRIでも見つけられない病気だとして
皮肉ると、カッディも様子見しようという。甲状腺検査を
して自宅に有害物質があるかを調べると語る。
マーサとタウブでアーリーンの自宅を調べるが、ランドもカビも
鉛もないというマーサ。タウブはカッディの卒業アルバムを
探していた。ハウスがカッディの高校の卒業アルバムを見たがって
いる事を告げるが、カッディが見せてくれないそうだという。
ダサイ高校生だったのだろうというタウブに対して、マーサは
私なんてガリ勉の女王だったとして、貴方の身近にもそういう人
が居たでしょと語る。するとタウブは私も学級委員で生徒会長だ
ったと語る。そんな中、引き出しの中からアーリーンの写真と
同時にヒスパニック系男性の”一部”が見える。
更にアザルコンというクスリが有るが、それが何のことだか分から
なかった。
ハウスはアザルコンとはメキシコで飲まれている胃薬であり、
鉛中毒を起こすことが分かっているという。それを聞いたカッディ
はキレート剤を投与するという。
更に薬以外のものが見つかったとして、これを見たら酷い吐き気
と勃起不全を起こすと語る。君の母にはセックスフレンドがいる
ようだという。
日記に書かれているヘススという建築業者でマッチョの男。
名前からして元ユダヤ系の名前だという。ママもやるわねとカッディ。
カッディは母親の病室にいくとなんでメキシコの民間薬を服用
しているのかと問う。友達に勧められたというアーリーン。
ボーイフレンドについて尋ねると、性生活に活発なのは彼の方だ
という。ジュリアはその存在を知っていることを知りショックを
受ける。しかも5年間付き合っていて、相手は既婚者で有ったこと。
どうして黙って居たのかというカッディに対して、あなたとは
そういうことを話合う関係じゃないからだという。
タウブは荷物を運んでいるとフォアマンから引っ越しの準備
なのかと問われる。郵便物を届けに来たというレイチェルがやっ
てくる中、話があるという。互いに前に進もうということだ
ったが、タウブは君は前に進むことが出来ているかを問う。
フィルという恋人の件を尋ねるが、そのことではなく話は金の
ことだという。副業で稼ぐのはどうかと問うと、医療訴訟の
コンサルタントの仕事が有るという。タウブはそれって君の
弟・ジェイミーの弁護士事務所の仕事のことかと問う。
最後に遭ったのは5年前のことだったが、ジェイミーはタウブが
浮気していることを知り興奮してタウブの鼻を折っていた
のである。しかも最低男だとして罵られたこと。レイチェルは
その件には否定しないが鼻を折ったのは確かにやり過ぎだという。
ハウスはアーリーンの元に行くと、彼女はネットで病気について
調べていた。鉛中毒だとしているが、私の症状ではないという。
5%はそれに該当するとする中、アーリーンはハウスに対して
私のことを心気症だと思っているのか?と問う。今もらった薬を
飲んで居るが手が震えている事を語る。関節炎の薬による
副作用として手が震えることが書いて有るというアーリーンに
対して、そのラベルはオレが作ったもので、その容器に入って
いる薬は偽薬だと語る。
カッディはハウスに対して、これからは内科部長のカウフマン
が担当すると告げ、退院すると大変だと語る。ハウスはこの
ままだと新種ガンが6つあると言われると語る。
しかしそんな中、カウフマンから内線でカッディに連絡が有り、
アーリーンが心房細動を起こして心拍170であることを聞かされる。
除細動器を使う準備をするとされる中、カッディはハウスに対して
内密にチームとして診断をし続けて欲しいと語る。
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カッディの母・アーリーンがカッディや彼女の妹・ジュリアと
買い物中に心臓の違和感を訴え、念の為に検査をする為に
プレインズボロ病院に連れて行く。ハウスはそんな義母を診る
ことに難色を示して隠れたり、倫理感を唱えて、身内の診断を
すべきではないことを訴えては回避しようとする流れがある。
アーリーンは口が悪いだけでなく、病気に関しては心配症な
一面が有り、ハウスは検査の結果からも何の異常も示す数値が
表れていないことから、心気症だと感じて偽薬を飲ませて試す
姿が有る。それを知ったアーリーンはハウスからの診察を拒絶
したことで、内科医のカウフマンが診ることになるが・・・
ドラマとしては珍しくカッディ家の事情というものを描いたもの。
カッディの母・アーリーンはS7-9に登場し、その時に取り上げて
いるけど、この人は相当クセのある人物で、姉妹がいることに
(S7-9話 https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=856)
対して差別的対応を見せていることへの悲しい事情が存在する。
子供も複数人居ればそれだけ性格の違う子も存在する訳で、
親が子供に対して同じ分の愛情を注げないのは仕方がないにして
も、その理由もまたなんだか悲しいものとして描かれたような
気がする。
ドラマでも子供に対する親の対応の仕方が違うということで
描かれるものが多い。その大半は子供の出世や成績により
左右されることが多いけど、大抵デキの良い子供の方に愛情を
傾けることが多いのに対して、このドラマに於けるカッディ家
では出来の悪い子の方が可愛がられるということも有って
実に切ないもの。人は完璧な存在ではないので、しっかりもので
口うるさく言うものたちを疎ましく思うのかも知れないけど、
口うるさいのは母親譲りの姿が有るし、性格が似すぎていると
逆に上手く行かないということは有るけど、このドラマの中では
母親や妹が持っていないものを私が持っている為に意地悪して
いるようなことを口にしていた。しかし現実を診ると、妹は夫も
いて三人の子供を授かり育てているということを語っていたので、
仕事としてのキャリアを持つカッディの方が本当の幸せを得て
いるのかどうかというところに繋がるのかも。
ドラマではタウブの家庭の事情も面白く描かれた。
前回愛しているが幸せではないとすることを互いに実感して、
レイチェルとの別れを決意したタウブ。タウブに金銭問題がある
とのことだけど、原因は何だったのだっけか?ギャンブル??
割のいい整形外科医から移籍してきた際にも言及されていた気が
するけど細かい事情を忘れているな。
タウブにも義弟が居るようで、借金の返済の為に副業を提案される。
ジェイミーの弁護士事務所の医療訴訟に於けるコンサルタントと
して働くよう薦められるが、タウブは自分が浮気した5年前の
時にその義弟から暴行と暴言を吐かれたことに未だにわだかまりが
あるようで、なかなか打ち解けられずにいる。しかしそんな彼とも
手を組んでいかねばならない程に金銭的問題が深刻なものとして
存在しているのか。
結果的にジェイミーが抱えてい訴訟案件で、ジェイミーは専門医
に見せた結果子供に問題はないとしたけど、レントゲンに写る
影を見たタウブは脳内に微小出血の可能性があると考えて、すぐに
脳出血・血管造影で確認すべきことを提案したことで、和解仕掛け
ていた示談が不意に終わり、ジェイミーからはまたしても鼻を
折られることになった。余計なことに口を挟むとろくな事が
起きないとする流れは、カッディママとのエピソードの中でも共通
するものとして描かれているけど、切ないけどそれが医者としての
性分であり、人間としての倫理感・道徳心と法的規範との間で
揺れ動く様が面白く描かれている。
また今回はカッディからハウスに対して無理な要求が行われて
その要求も一転・二転としていくところがある。
主治医の対応とは別の治療を施していくことに関して、
「倫理と法律を無視するにも程が有り、法を犯してまで助ける義務
はない」とするフォアマンの台詞が象徴しているかのようにして
今回の一連の展開に於ける複雑さを描いて見せた。
バカ正直なマーサに対してハウスは”マスターズ対策”と称して、
チームから外す辺りの流れは面白く、特に序盤に於いてその意図が
分からないウチは良かったものの、実はハウスが先の先を読んで
彼女に対して、意図的に医師として・人としての倫理感をマーサに
破らせており、それをネタに脅そうとする中、マーサとしては
例えどんな脅し・パワハラがあろうとも決して屈しないとばかりに
強い信念を見せる辺りはなかなか見応えが有った。
そんな彼女の融通の利かないところに時々辟易とさせられることが
有るのも事実だけど、彼女が嘔吐するくらいにハウスの脅しが
彼女の人生・決断を左右させる程に悩ませる辺りが、なんとも気の毒
な状況だった。
そういえば今回ウィルソン先生が出演しなかったな。
■今回の患者
・アーリーン・カッディ
65歳、リサとジュリアの母。
15年前から少しずつ違和感を感じていたのか、詳細なカルテが存在
していた。
運ばれて来た時には「心臓が変な動きをしている」ということで、
高血圧なのかどうかということだったけど、「心房細動」が起きて
いることの説明をどうつけていくのか。
「心気症」ではないかとするハウスの指摘も有り、ハウスは主治医
からハズされる。
いつものように家宅捜索。
毒素もドラッグもないが、メキシコ系の男と性的関係を持っていて
その彼を経由してのことなのか、アザルコンという胃薬を飲んで
いることが分かる。鉛中毒の可能性を指摘してキレート剤を投与。
主治医がカウフマンに変わった後、心房細動で心拍が170という状況
が訪れる中、カッディはハウスには内密の調査を依頼。
ハウスは患者の部屋に盗聴器を仕掛けて会話を盗聴。
「法をおかしています」というマーサの台詞がなんだか憎めない。
最近の「クソ対オレ事件の裁判じゃ違法じゃなかった」と訳の
分からないことを語っていたけど、盗聴を辞める際にハウスは
皮肉交じりに「国を救ってくれてありがとう」とマーサに語る姿が
有る。
アーリーンは「チアミン欠乏」が有り「アルコール中毒」ではないかと
いうこと。カッディからの許可が必要だということで、
その件を語る。本人に了承を得ればへそを曲げて治療がやりづらく
なるということで内緒で行う。カッディは母は気難しいけど
父親が亡くなって以降、「聞かれた事には正直に答える」ことを
語るも、ハウスは常習者は嘘を付くとして説得する。
胃酸の薬と称してチアミン剤を飲ませる。
カッディからの連絡でアーリーンは高熱・38.9度が出たことに
よって、チアミン欠乏とアルコール中毒の件も否定。
内科医は「白血病」を疑っていたが生検の結果これも違うことが分かる。
スチュワートという昏睡患者の診断でマーサを追いだした後、
処置室で男性だけでコンサル開始。
現状で「発疹」と「発熱」が追加された結果考えられる原因は
何なのか。SLEのような自己免疫疾患ではないかと語るタウブに
対して、内科医の診断と同じだぞとし、プレドニゾンを投与し始めて
いることを知る。最初の症状が心臓障害だったことからして、
フォアマンは「心内膜炎」に言及する。もしも心内膜炎ならば
プレドニゾンは免疫を抑制して死ぬ恐れがあるとし、広域抗生物質
をすり替えて投与すべきことを告げる。しかし誰もがその薬の
交換に難色を示す。母が寝ている間、妹を誘いだして投与しろ
というハウスの指示が有ったことで、またまたナンパ師のチェイス
の出番なのかと思ったけど流石にそれはなかった。
マーサはカッディに対して、ハウスが影で治療をしていることを
密告。薬剤部に問い合わせたら、広域抗生物質を手に入れたこと
を告げる。
しかしハウスに確認した結果、「心内膜炎」の可能性がかなり
高いということで、カッディ本人に薬を変えさせるかどうかの
選択を求める。カッディは母に話しにいく中で、「どうして
私に厳しいのか?」として問い詰める。「この様にしてケンカした
後、実感するのは、私にはあの子との方が気が合うこと。あの子の
方が優しく、同じように愛しているが、それでもあの子の方が
好きだ」と言われたことで、カッディも躊躇無く投与した。
呼吸困難と痒みが発生。アレルギー反応が出る。
プレドニゾンはアレルギー反応を抑えるハズなのに何故だという
カウフマン。カウフマンは広域抗生物質のせいでアレルギーが
起きたという事実を知っていないということで、繰り返し投与
してしまう恐れがありより事態は複雑になる。
マーサは真実を話すべきことを訴え、ハウスが自分にしたことに
反論するが、マーサが昏睡患者の採血をしたことは親族の同意に
違反していて法的には暴行罪に当たることをもってハウスは口封じ
をしようとする。
しかしもう隠し通すことは出来ず話す事になると、カウフマンは
委員会どころでなく、医事当局に報告するとして、ハウスは
イカれていることを語る。
それを知ったアーリーンもまたこんな病院には居たくないとして
総合病院への転院を求める。しかし転院させたら死なせることに
繋がるとして、ハウスとカッディとの間で責任問題について激しく
やりとりが有った。
ハウスは元々はカッディが母の件から逃げ回っていることが原因
だと告げ、退院させたら死ぬ事を告げる。そうなればいつかは
オレが原因だと思うはずだとして取り戻すよう語る。
カッディは母に対して「私の判断を信じているから通院していた」
ことを指摘して、ここで転院したら、「丁寧な対応だが死ぬ事。
ここに残ればハウスの酷い対応を受けるが死なずに済むこと」を
語り留まらせる。
抗真菌薬を投与するが、アーリーンに異変がある。
右の海馬傍回に障害があり、中枢神経系がやられていること。
対応に迫られ、今にも亡くなりそうな状況の中、結果としては
金属中毒だった。人工股関節が摩耗しすぎて限界が来ている
こと。コバルト中毒が原因だということで、股関節の手術と
共にキレート療法を受ける。しかしその原因を調べる際に、
麻酔もかけずに股関節を切開して、色が変色しているのを見せて
いたね。
人工股関節を入れる際の説明書きには、コバルト中毒に対する
症状の説明も書かれていたということで、見落としていたことが
分かる。
マーサに関してハウスは、カッディはかつては上司としてオレの
ことを止めていたが、今では恋人として止めることが結果として
間違った方向に進んでいること。マーサにカッディの変わりの
セーブ役を托すことで首を回避させるけど、カウフマンの口は
ふさげるのか?(笑)
以前からハウスとカッディの件で付き合うことでのリスクの一つに
この件を指摘していたことが有ったよな。
■使用された曲
・The Light by Mason Jennings
・Mr. Sandman by The Chordettes
グレゴリー・ハウス (Hugh Laurie) 偏屈な医者
リサ・カディ (Lisa Edelstein) 院長
エリック・フォアマン (Omar Epps) 黒人、野心
ジェームズ・ウィルソン (Robert Sean Leonard) 冷静、がん専門医
ロバート・チェイス (Jesse Spencer) 金髪・美形、オーストラリア
クリス・タウブ (Peter Jacobson) 元整形外科医、浮気
レミー・”サーティーン”・ハドリー (Olivia Wilde) ERから来た医者
— (Bobbin Bergstrom) Nurse
レイチェル・カッディ (Kayla Colbert) カッディの娘・2歳半
レイチェル・カッディ (Rylie Colbert)
マーサ・M・マスターズ (Amber Tamblyn) インターン、天才
レイチェル・タウブ (Jennifer Crystal Foley) タウブの妻
ジュリア・カッディ (Paula Marshall) リサの妹
アーリーン・カッディ (Candice Bergen) リサの母
Dr.マーティ・カウフマン (Ben Bode) 内科科長
ジェイミー (Michael Gladis) 弁護士、レイチェルの弟、暴力癖
カラ (Julia Rose) ティモシーの母
— (Kelly Frye) Salesgirl
ティモシー (David Olejnik) トラックと接触事故
— (Jeanne Taylor) Candace Bergen double