September 30, 2012
第12話 フランケンシュタインの苦悩 In the Name of the Brother
監督/Milan Cheylov 脚本/Jane Espenson
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ゴールドはエマに対してアシュリーの子を渡さないので有れば
私と取引しろと言われる。リロイは町の人には俺たちへの理解
がないヤツラが大勢いるとし、町の呪いが解けた今、多数の人
が町にやってくるという。ルビーも私が人狼だと知られたら
大変なことになると。ゴールドはベルに対して薬を私の一番
大事なものにかけるとお守りとなって町の境界線を越えても
記憶を失われないとし、これで息子のベルファイアを探しに
いけることを語る。境界線でベルと一時の別れをしようとする
と突然フック船長が現れベルに対して発砲する。ベルの肩口に
当たるとベルはそのまま境界線を跨いで倒れ込み記憶を失う。
その直後ゴールドはフックに魔法を使う中、フックは町の外から
やってきた車によってぶつかってしまう。
ゴールドはベルの傷口を魔法で治すが、ベルはゴールドを見て
不審者だと感じて恐れを告げる。
すぐに現場にはエマやデビッドがかけつける。
町の境界線で3人が倒れて居るとして救急車を要請する中、
ペンシルベニアナンバーの車がある事を告げ、その車が男を
轢いたようだという。
ゴールドはエマたちに対してベルが境界線を越えて記憶が
失われてしまった事を告げる。
エマはフックの元に近づくと、フックはあばら骨が折れて痛そう
にしていたが、ヤツの顔を見たかとして、愛しい女性が一瞬
で消えたのだという。ミラの時と同じでオレから彼女を奪った
気持ちが分かったかとゴールドに告げる。しかしゴールドは
お前が先にミラを奪ったのだと語る。ゴールドはフックを
殺そうとするが、エマとデビッドはベルが見ていることを告げ
人殺しが第一印象となっても良いのかと語る。
メアリーたちも救急車と共にやってくる。
ベルやフックよりも先に車の中に男性が入って居るのでその人
を救出して欲しいと告げる。町の外から来た人物で世界が突然
攻め込んできたみたいだと語る。
病院では救急車が到着することを受けて、館内放送でホエール
医師にすぐにERに来て欲しいという知らせが入るが、ホエール
は酒を飲んで酔っていた。
— 昔 —
色の無い世界。
クリスマスが明け新年を迎える中。フランケンシュタイン家では
乾杯する。
フランケンシュタイン家では、母が亡くなり、父・アルフォンセ
と軍人の長男ゲルハルトと、研究者のヴィクターが住んでいた。
父は息子に対して勲章を見せて欲しいという。銀十字賞だった。
父は息子たちに新年の贈り物をやるという。
ゲルハルトにはお前達の母さんの父から受け継いだもので代々
に渡って伝えていくべき豪華な時計が入って居た。ビクターに
対しても箱を開けろという父。中には”委任状”と称して戦争へ
いく為の書類が入っていた。ビクターは研究は今が佳境だとして
それを拒むが父はもうこれ以上研究資金は出さないという。
軍に入隊して第34連隊の軍医になる事を告げ名誉なことだと
語ると、父はくだらない研究だとして一蹴する。ゲルハルト
もビクターの味方になって父を説得しようとするが聞く耳を
持たない態度だった。僕は凄い成果を上げているのだと告げる
が。。
— 現在 —
町に飛び込んできた男性が病院に運ばれてくるが、エマは
医師達にこの男の存在を隠しておいて欲しいと頼む。
— 昔 —
ゲルハルトは出て行く弟・ビクターに対して声を掛け、この
時計はお前が持っていろと語る。しかしビクターはこれ以上
は僕のことは良いと告げ何とかする事を語る。その光景をルン
ペルは見ていた。
— 現在 —
ゴールドはベルの病室に行く。
ベルは意識がなく眠っていたがゴールドが彼女の元に行き
キスをすると彼女は目を覚ます。しかし次の瞬間、ゴールドが
近くに居ることで悲鳴を上げる。
エマはフックの入院する病室にいくとコーラは何処にいるのか
と問う。フックはまたエマによって手錠でベッドに縛られた
状態だった。お前はこういうのが好きだなとエマを皮肉る
中、居場所は知らないとし、彼女とは別行動を取っていたのだ
という。それよりも俺のフックを返して欲しいと告げる。
あんたは宿敵を殺し損ね、車に跳ねられて怪我している割に
ご機嫌そうだと語る。フックは骨は折れているがそれ以外は
元気である事を告げ、ヤツを傷つけることが出来たことが
最良の薬である事を語る。彼に取ってはベルが心のよりどころ
だったのだろうと。そして誰も死んで居ない事を告げると、
エマは現状が分かっていないとばかりにゴールドは自由に
動けてあんたは動けない事。不死身で魔法を使えてベルを
傷つけたあんたのことをゴールドが黙っていると思うかと問う
と間違いなくコロされると語る。
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ストーリーブルックの町にかけられた呪いが解けたことは、
町の人々がこの町から出る機会を与えるだけでなく、外部の町
からも人たちが自由にやってこられるということを意味していた。
町に訪れる一人の男・グレッグ・メイデルとは一体何の目的が
有ってやってきたのか。彼が事故する前にはゴールドが魔法を
使う姿が目撃されていた可能性が有り、救急搬送される彼に
関する対応について、彼を活かすか見殺しにするかで意見が
割れる。そうしている間にも医師のホエールは一人苦悩に満ちて
いるところが有った。
今回は久しぶりのフランケンシュタインのエピソード。
タイトルそのまんまのS2-5「ホエールの正体」の中で、ホエール
医師の前身がフランケンシュタインであるということが明らかに
された訳だけど、彼には当然の如く家族がいて、父親と兄が今回
初めて登場する。
父親役は「24」でのアメリカ大統領・チャールズ役のGregory Itzin。
フランケンシュタイン家に於ける、愛するものによって殺害される
親子関係の構図が、一連のドラマの流れに存在している親子関係にも
該当するところが有って、なかなか興味深いところは有るね。
ドラマとしては、「愛するものの為には何でもする」という親心が
テーマとして浮上した感じの内容だった。
フランケンシュタインの兄弟関係、親子関係、コーラとレジーナの
親子関係、ゴールドとベルとの関係などがベースとなっており、
愛するものを取り戻す為には、他人を犠牲にしてでも引き寄せよう
とするというなりふり構わない姿が有る。
更に広義の視点に立つと、町の人たちを守る為に今回町の外から
訪れた男性の命を巡り、助けるべきかどうかの葛藤が訪れる。
もしも魔法のことを見られていてその事実が公にされてしまったら
大変になってしまうということで、住民達の間でも町を守る為に
一人の人間の犠牲を強いるべきかというもの。
色んなところに突っ込み処がありすぎてどこから指摘していけば
良いのか分からないけど、一番気になったのは「町の境界線」に
置いて町の人たちが外に出る際には記憶を失うにも関わらず、
外から町に入ってくる人は記憶がまるで左右されないことへの
違和感があることかな。
この記憶云々の”縛り”に該当するのはおとぎの国から来た人だけなの
だろうか。ストーリーブルックから外に出る時にだけその記憶の
問題が左右するのであれば、グレッグのことを外に追い出すだけ
で一応は記憶は消去出来るということも有る。
グレッグという人物は色々と旅して回る人物でSNSなどにも旅の
詳細を掲載している。そんな彼から事故に遭う直前のことを
事情聴取のような形でエマが尋ねていくことになるけど、
「嘘を見抜くことの出来るエマさん」は、その嘘をまたも見抜けず
容認してしまうことになるのかと思うと、一体何の為の設定なのか
と小一時間な感じ。
能力と言えば今回はなんと言っても人狼・ルビーがホエールを
見つける為に最大限の能力が発揮された。嗅覚だけでなく、俊敏さ
を利用して海に飛び込もうとする彼を助けたこと。
彼が愛する人を自分の為に失ってしまったが為に責任を感じている
ことや、周りの人たちからは怪物を見るような目で見られること
に対して、意気消沈としている中で、ルビーが同様の立場である
ことを利用して、彼に新しい人生を歩むことへの助言を呈していく
ところなど、面白い繋がりがあるなという感じだった。
また今回は至る所で、アイテムの存在が抽出されるものが有り、
ベルの「欠けたティーカップ」、フランケンシュタインの「ガラスの
割れた時計」、人を見つけることが出来る「地球儀」の存在など
が利用された。
興味深いシーンは色んなところに有った。
コーラとルンペルがついに接触したこと。それと同時にコーラと
レジーナもまたついに接触を果たした。
その過程で見られるコーラが姿形を容易に変えられるというところを
見ると、ドラマとしてはかなりややこしくて収拾が付かないような
気もするのだけど、コーラの思惑の中には本当に愛するものとの関係
を修復する為だけにいるのかどうかが気になるもの。
またフランケンシュタインの世界は白黒であり、おとぎ話とは違う
世界だとしてヘンリーが指摘する姿が有った。
そんな世界に於いてもルンペルの力が及んでいて、マッドハッター
が彼と会う前に接触していて、命を蘇らせることに関して研究投資
をしていたという辺りの事情もまた興味深い。
父親からは「あれは息子ではない、お前も惨めな墓泥棒であり、
魔術を信じるアホ、この家の面汚し」だとして父親からは怪物呼ばわり
される姿が有る。こうしてみると、レジーナが母を怪物呼ばわり
していることなど、至るところで親子関係から派生する悲しい
物語が有るんだなと気が付かされる。
このエピソードを通して、銃殺されてしまうビクターの兄の流れと、
ルンペルの愛するベルが撃たれる流れが微妙な所でリンクした流れ
として存在しているところもまた興味深いところだ。
形あるものは何時かは壊れるとは言われるけど、大事にしていた
ティーカップをあっさりと壊してしまう無情さも感じる。
それは同時に人間の関係にも言えることで、ベルとルンペルを繋いで
いた記憶の糸が消えただけでもの凄い嫌悪感を示される辺りは
ちょっぴり切ないところである。
ルンペルのキスによって目覚めた彼女だけど、この場合眠りの魔法
ではないのでそのキスが意味あるものではなさそうだけど、
コーラとルンペルのキスのシーンはあらゆる意味で衝撃的なものが
有るのかも(笑)
おとぎの世界の人たちは色んな世界に行っている事も居るのだろう
けど、コーラに至っては現在の世界にやってきたことへのジェネレー
ションや世界観のギャップがあまりなく溶け込んでいるところは
ちょっぴり違和感が有る。
それと同時に今の世界に溶け込んでいるストーリーブルックの人たち
の姿が有るけど、彼らがスマホがどうとか、SNSのことに言及する
辺りはなんだか滑稽な感じがする。
グレッグの携帯を巡り、パスワードが解けないとして苦悩する姿が
有ったけど、デビッドはリロイに対してパスワードを破れないか?
と問う中、「スマホをツルハシでこじ開けることは出来ない」とする
ドワーフギャグをサラりと語るところなど笑えた。
そんなリロイは町の事情を知られることに最も保守的姿が有り、
映画「ET」でも「スプラッシュ」でも人は魔法を見つけると分析したが
るのだとして心配する姿が有る。
ドーフの中の”ドク”に手術は出来ないのかと問う残念ながら
出来ないとのことだった。
この地上で唯一愛してくれるかも知れない人を見つけにゴールドと
エマが旅立とうとしているけど、記憶の問題とかどうするのかって
感じだし、前回も語ったけど、コーラとかフックが居る中で町の外
に行こうとするところはちょっぴり違和感はあるな。
■その他
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メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ウソをついている人を見抜ける、ヘンリー母
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、元ストーリーブルックの町長
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、メアリーの彼
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
アーチー・ホッパー (Raphael Sbarge) ジミニー・クリケット(コオロギ)、カウンセラー
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、不気味な町の名士。質屋
グラニー (Beverley Elliott) 赤ずきんの祖母、ホテルと食堂を経営。孫のルビー
ルビー・ルーカス (Meghan Ory) 赤ずきん、食堂でウエイトレス
ベル (Emilie de Ravin) 精神病棟に閉じ込められていた
— (Barbara Hershey) コーラ、レジーナの母
修道院長 (Keegan Connor Tracy) ブルーフェアリー
— (Sarah Bolger) オーロラ姫
— (Jamie Chung) ムーラン
— (Colin O’Donoghue) フック船長
Dr.ホエール (David Anders) ビクター・フランケンシュタイン
— (Chad Michael Collins) ゲルハルト。ビクターの兄、軍人
グレッグ・メンデル (Ethan Embry) ストーリーブルックにやってきた
— (Gregory Itzin) アルフォンセ、ゲルハルトとビクターの父
— (Carolyn Adair) Nurse
— (Ian Harmon) Graveyard Sentry
— (Scott McAdam) Orderly
— (Janet Pinnick) Nurse
— (Nelson Wong) Paramedic
— (Kis Yurij) イゴール、ビクターの助手
七人の小人 (白雪姫を助けるドワーフ)
— (Mike Coleman) ハッピー
ウォルター (Faustino Di Bauda) スリーピー
— (David-Paul Grove) ドク
— (Jeffrey Kaiser) ドーピー
Mr.クラーク (Gabe Khouth) スニージー 、雑貨店
— (Mig Macario) バッシュフル
リロイ (Lee Arenberg) グランピー、何でも屋
— (Ken Kramer) ボシー