October 13, 1985
EP7(7) 美女は湖底に沈む A Lady in the Lake
監督/Walter Grauman 脚本/Robert Van Scoyk
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ジェシカは湖の見えるペンションへとやってくる。
不動産業者のハリーがジェシカが”ペンション殺人”という小説
を書いていることを聞いて適切な場所だとして紹介してくれた
のである。ハリーによるとここにはエドガー・アラン・ポーも
泊まったことが有るという。しかしジェシカはこのペンション
からすると建ててから10年程度じゃないのかと問う。古い支柱
を残して改装したのだという。ハリーがジェシカにペンション
を買わせようとしているのではないかとしてそれを否定すると
私は一週間泊まるだけだと語る。現在経営者のグレースが
ここを買おうとしているという。そんな中、ジェシカは二階の
窓から外を見ている女性の存在に気が付く。
ペンションの中に入るとエドガー・アラン・ポーの肖像画が
飾られていた。ハリーは経営者であるグレースをジェシカに
紹介する。すると彼女はストーンレイク・インにようこそと
告げる。ハリーはグレースに対して10月で賃貸契約が切れる
事を告げると、その時またどうするかを考えるという。
ジェシカはグレースからペンション内を案内される。
あの肖像画はハリーの案で室内の雰囲気が暗くなるので反対
したのだという。まるでカラスでも出てきそうねと語ると、
カラスは居ないがリスは屋根裏に住んでいたことがあるという。
そんな中グレースが外にまた目を向けていることに気が付く。
ジェシカも外を見てみると、そこには私女性・ジャックとベティ
の姿が有った。
グレースはジャックの元に駆け寄ると、あなたはあくまでボート
の管理係であり女性の世話役ではないと忠告する。しかもあの
人は人妻だと語ると、ジャックは向こうの方から言い寄って来た
のだと語る。決してトラブルなど起こすなと忠告する。
ペンションには多くの人が泊まっていた。
カードゲームをしているのはキャロリンとハワード・クレイン夫婦。
ジェシカはホリスというバードウォッチャーと一緒に歓談していた。
サンディに頼んでお茶とジンジャークッキーを頼む。
ジェシカはホリスから色々と客のことについて尋ねる。特にハワード
は会社を売って大金を得た富豪だと語る。
カイルが室内にやってくると、妻・ベティを見たかとみんなに
尋ねる。更にジョアンナ・ベンソンがやってくる。彼女は
自然愛好家の人物だった。みんなにジェシカのことを紹介すると
彼女が小説家だと知りみんなファンだと語る。「死体は真夜中に踊る」
とか「殺人コレクトコール」など呼んだという。ハワードもファン
だが表紙の美女がなかなか出ないぞと文句をいう。するとジェシカ
は表紙と内容が違うことはよく言われることだと笑う。
ハワードはニュージャージーから来た事を告げ、二年前には
アトランティックシティに言ってシナトラと遭ったと語る。
ジョアンナはジェシカに対して森は見たか?と問う。
ホリスはジェシカに対して朝バードウォッチにいかないかと誘う。
仕事をする前の9時頃一緒に行くと約束する。
いざ9時頃森に行くと、森ではジョアンナが裸で走るのを見る。
彼女は自然の中で裸でいるのが好きらしい事を語る。
ホリスは二手に分かれてバードウォッチをしようと告げ、待ち合わせ
場所を決めて二手に分かれる。ホリスは親切なことにジェシカの
為に双眼鏡を用意してくれていて貸してくれる。
しかしジェシカとしては困ってしまうが、取りあえず湖の方向へと
歩いて行くと、ボートに搭乗するクレーン家の夫婦がいることが
分かる。赤いドレスを着た妻・キャロリンと夫のハワードが何やら
バートの上で争っているように見えて、キャロリンが湖に落ちて
しまう。ハワードもすぐに湖に飛び込むが彼は泳げなかった。
すぐに警察に知らせるジェシカ。
すると警察も潜水士を用意して湖のキャロリンを探すが彼女の
姿は見つからなかった。ハワードの方はハズリット医師が
ペンションで診察しているという。
そこにやってきた保安官のエイモスは今回の事件はジェシカが
目撃していたので助かった事を告げる。
ハリーはグレースの元を尋ねると、意外とこれでストーンレイク
が有名になるのではないかと語る。
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ジェシカはペンションを舞台にした推理小説の執筆のために
そのモデルとなるペンションに一週間ほど滞在して執筆活動を
進めようとする。
ペンションには他の客も泊まっていて、自然を満喫としている中
で、ジェシカの目の前で男女の夫婦がボートの上で争い
そして湖の中に落ちる光景を目にする。女性・キャロリンの方が
湖の底からなかなか浮上せず、死体が見つからない中で、どういう
ことなのかと疑うが・・
ドラマの舞台設定がキャボットコーブだったというところが驚き
だった。エイモスが駆けつけた時には、意外とご近所で起きた
事件だったのかという思いがしたけど、キャボットコーブは小さな
街なので、あんまり頻繁に殺人が起きても困る。そういう意味では
ジェシカと仲良しのエイモスがなかなか登場させられる事情も
有るのかな。
ペンション殺人事件ということで、古典的だけどしっかりと
ツボを抑えている内容だった。
解決までのプロセスに多少の雑さ加減は見え隠れするも、その
辺は80年代のドラマらしいところかな。
冒頭からペンションの二階のカーテンの影から外を眺めている
女性の姿を見ると、「ツインピークス」みたいな雰囲気が
有る。
事件は男女関係の縺れが原因・嫉妬心が動機なのではないかと
する可能性を臭わせつつも、ドラマとしてはボートから消えた
女性の謎の究明の方に着眼点を持っていく。
既にこれまでに多くのドラマを見たことも有ってか、トリック
自体はすぐに想像出来るものが有ったし、突然バードウォッチング
に誘う男・ホリスがジェシカを誘いつつ森の中に勝手に消えて
行く行動を取ったので如何にも怪しい感が出ていた。
事件の発生がペンションの関係者ではなく、実はその客周りの
事情に有ったこと。
事情通だった男性が色々と口をしたことが結果的にはジェシカ
に多くの情報を与えてしまった感じ。
後半になって出てくるハワードの親族周りのエピソード。
連行される車の中でサラりと会話を通して描かれた訳だけど、
ジェシカは早い段階が事件の流れ自体は掴んでいたようで、
残すところ動機の解明をしている状況だった。
至るところで男女の問題は発生していた。
その中でも離婚したがっている熟年カップルの存在が抽出される。
「夫の悪評を立てる為に殺人未遂事件をデッチ上げる妻」という
構図はあの段階で想像するのは難しいけど、夫婦の共有財産は
ニュージャージー州では認められていないということも有って、
法で守られている当然の権利を奪い取る為に複数の意図の下で
ドラマが動いていた。
ホリスを見るととても人を殺すような人には見えなかったけどね。
ジェシカ・フレッチャー (Angela Lansbury) 小説家
エイモス・タッパー (Tom Bosley) 保安官
ノア・ペインズリー (Johnny Crawford) 副保安官
ハリー・ピアース (John Astin) 不動産仲介業
キャロリン・ヘスター・クレイン (Susan Blanchard) ハワードの妻・水泳
ハワード・クレイン (Laurence Luckinbill) 夫、会社を売って富豪
バートン・ホリス (William Christopher) バードウォッチ
カイル・ジョーダン (Charles Frank) 夫
ベティ・ジョーダン (Lauren Tewes) 妻、ジャックと浮気
グレース・オーバーホルツ (Lee Meriwether) ペンションの管理
ジョアンナ・ベンソン (Lee Purcell) 自然主義者
ジャック・ターキー (Charles Taylor) 湖のボート係
Dr.セス・ハズリット (William Windom) 医者