May 12, 2011
第8話 過去から来た処刑人 Crime After Crime
脚本/Richard Catalani
監督/Paul McCrane
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ケビン・フェッツァーの35歳の誕生日がラスベガスのホテルの
フロアを貸し切って行われる。友人たちが約200名招待される
中、彼は招待客の為に自分の10歳の頃の写真を巨大モニターに
掲載し、当時こんなちっぽけで痩せていた少年が今では
大人用のゲームセンターのチェーン店”ジョイスティックジャン
グル”の創業者として億万長者となっていたのである。
モニタの中からケビンが飛び出してくるという段取りだった
が、スクリーンモニタが下がってくると同時に誕生日ケーキ
が見え始めると、彼はその場で血を流して殺されていることが
発覚する。
すぐにCSIが現場を捜査にやってくる。
酔った大人が昔のゲーム”ピンボールやパックマン”などで遊ぶ
場所を提供して大成功を収めたのだというグレッグ。みんな永遠
に子供で居たいものなのかというと、遺体はズボンを脱がされ
子供用のパンツを履かれていた。誕生日のケーキは35歳のハズ
だがローソクは8本しか立っておらず、ケーキの上には滴下血痕
があることから、意図的に8本にしたのだろうという。殺した
後に相当手間をかけているという。
ケビンの親友だという男性は、彼が悲惨な登場をする10分前
に彼の姿を見たとし、ロウソクに火をつけていたところだった
という。しかし彼は誰の手も借りず一人でなんでもしたがる
性格が他人には決して任せようとはしなかったとのことだった。
現場にはアルもやってくる。
遺体を見るとすぐに鈍器損傷であることを告げる。前歯が2本
折られて居ること。ケーキには中速飛沫血痕が付着していること
から殺害現場がここである事は明らかだった。犬歯と切歯の間に
何かが挟まっているという。ここには防犯カメラが設置されて
いないので不審者に関しては分からないとのことだった。
そんな中警備員から招待されていない客がここにやってきて、
ケビンと争いになり追い出されていた事を知る。彼は男のこと
をオヤジだと呼んでいたという。
2) 一方デビッドはモルグで愚痴を語る。アルは現場に行き
ゲームや美女に囲まれているという。ニックやサラはそんな
にひがむなと落ち着かせる。デビッドの助手としてジミーが
手伝う中、焼け焦げた遺体を調べる。警察官が路地の入り口で
何かが燃えているのを発見したのだとし、遺体にはミシュラン
のタイヤがぐるぐる巻にされていること。ニックによると南アフ
リカやメキシコのカルテルが行う処刑方法だという。ベガスに
来て火あぶりの刑にしたというものなのか。
サラによるとスネーク・バックとラ・ティエラというギャング
がこの界隈では争っているという。取りあえず被害者の身元を
割り出そうということになる。
1) 被害者・ケビンのズボンを脱がせた理由は一体何なのか。
性交渉をした形跡もないという。アルによると虚栄心による
窒息死だとし、歯のラミネートが殴られた拍子に喉に入り
窒息したという。胸筋のインプラントと植毛をしている。
キャサリンはオタクが儲けてお直ししたのねという。
凶器は丸い球状のものだという。
ブラス警部はケビンと争っていたという父・リックを取り調べる。
10歳の子供を捨ててその後養育費も払わなかった男だとして
リックを非難する。しかしリックはあいつは幼少期から何処か
変だったのだとし、人をジロジロと眺める癖があったのだという。
薄気味悪いヤツだったと。トラック運転手がローンを滞納して
トラックを奪われ、息子に金を無心し断られたので殺したのだろう
とするが、金をもらうのが無理だと分かり、隣のカジノに行っ
たらツイていたのでローンを完済出来たのだという。防犯カメラ
を見てみれば良いという。
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ラスベガスで大人のためのゲームセンターのチェーン店を経営
しているケビン・フェッツァーが35歳の誕生日に殺害される。
またデビッドら検視官の元にタイヤでぐるぐる巻にされ処刑され
たというギャングの幹部・ラモン・カスティヨ(通称:エスペクトロ)
が運ばれてくる。更にモーテルではダーリーン・クロッカーという
女性が銃殺されて発見される。三人の間に繋がりはないと思われた
が、どの人物も過去に子供や妻を殺害したものの、証拠不十分で
不起訴になっている人物だという事が判明する。殺害の方法が
過去に被害者が殺害された方法を踏襲していることから、事件に
詳しいものの犯行だと推測していく。
また一人、ラスベガス署に刑事がこの世から去ってしまった。
サム・ヴェガ刑事と言えば、「クローザー」で言うところの
サンチェス捜査官のようなギャングに精通するゴッツイキャラクター
でS1-16の初登場から数えて、CSI科学捜査班では全21エピソード
に登場したキャラクターだ。この後、S12-20のエピソードにもクレジ
ットされているのでどういう使われ方をするのか。裁判の法廷で
利用されるのか、それとも刑事仲間の回想シーンとして描かれる
のか・・・とにかく、古くから出てきたキャラクターなので
ここでの退室はちょっぴり寂しいものがあった。
さて今回の事件は幽霊による犯行なのか?と疑われる程の不可解な
殺人事件だった。
冒頭で殺害されたケビンは冒頭からレトロゲームの誕生日パーティー
が行われていたので、懐かしさを醸し出していたのだけど(巨大スク
リーンに「ドンキーコング」が写っていた!)、殺害した凶器は
アーケードボウリングだとホッジスが見抜いていた。
一方、ギャングのラモンもタイヤでぐるぐる巻にされて殺された
人物だった。通称:エスペクトロとか幽霊という意味があるらしく、
ライバルのディエゴによると彼はとても慎重派で普通の人では
まず見つけることは出来ない人物だとされていた。
まるで「西海岸捜査ファイル~グレイスランド~」の鍵男ジャング
ルズとか、オーディンみたいな存在だ。
そして三人目の女性はPCP(エンジェルダスト)という90年代の合成
麻薬によって殺害された事件だった。
それぞれの事件の被害者が容疑者として見られていた時代から
20年以上も経過していることから死因はデジャブだと語るラッセル
主任の姿が有ったり、三人目のPCPを接種し、鏡の破片で殺された
際には、モーガンが「ブラッディメアリー・・・幽霊の仕業よ!」
として鏡の前で明かりを消してメアリーの名を三度呼ぶと彼女が
出てきて殺人を犯すという有名な都市伝説を語っていた。
ブラッディメアリーネタとしては、「ゴースト~天国からのささやき」
のS3-2などでも取り上げられているし、「スーパーナチュラル」の
S1-5ではそのまんまタイトルがBloody Maryだ。
ダーリーンの現場で発見された黄色い花粉の結果を巡り、
面白いやりとりがラボで行われた。ラボで人気のモーガン。
モーガンと一緒の現場だとラッセルに聞かされたグレッグは
思わずガッツポーズしてしまう程の喜びを表現していたけど、
ラボに於いてはホッジスが黄色い花粉をモーガンに言われて
調べており、結果が分かるとモーガンはそそくさとヘンリーの
元に結果を聞きに行く。キツネユリの花粉だと判明した際に
モーガンがホッジスに語る「近くにきたものにくっついて繁殖しよう
として必死なのよ」という台詞は彼に向けたメッセージ性のある
ものだったし、PCPの件でヘンリーに調べてもらっていたモーガン
は次のデートだとしてヘンリーの元にすり寄っていた。
ブラス警部がちょっぴりセンチメンタルになっているところも
見逃せないところが有った。
ダーリーンが殺されたことを知った際に彼は「子供を殺して報い
を受けたんだ」として、刑事らしからぬことを語っていたけど、
前回のエピソードでのブラスは子供を庇った結果、子供が
容疑者だったという流れが有り、目の前で起きている現実と心の
中で思っている現実とのバランスが乱れている状況だった。
ラッセルが捜査を続けようとしているところを見て、これ以上の
捜査は必要はないようなことを口にしていたけど、やはり犯人が
刑事だということを薄々感じていたのだろう。
ベガ刑事が仲間の刑事たちに残した手紙では、バッヂを汚した
ことを謝罪しつつも「俺のやり方を認めないものもいるだろう
が気持ちは分かってくれるだろう」として、メッセージを残して
いた。
上述したようにブラス警部が前回のエピソードの最後に殺人を
冒した子供から「これまでで最高の気分だ」とのメッセージを
受けたのと共に、ベガ刑事は最後に「安らかな心で旅立つことが
出来る」としていたことからも、復讐殺人に対する心情が
語られるというエピソードだった。
主導していたのは末期がんの元刑事・スタン・リチャードソン
だったけど、リストン保安官が最初のパートナーだったとして、
彼の次の犯行を予測して語るシーンなど、彼女にとっては無念
の思いが有ったのかも。そして刑事が刑事を裏切ることになって
しまう罪悪感も有ったのかな。
・The WhoのWho Are You
D.B.ラッセル (Ted Danson) CSI主任
キャサリン・ウィロウズ (マージ・ヘルゲンバーガー) CSI(新主任)
ニック・ストークス (ジョージ・イーズ) CSI
サラ・サイドル (Jorja Fox) s10で復帰
グレッグ・サンダース (エリック・スマンダ) CSI研究員
アル・ロビンス (ロバード・デヴィッド・ホール) CSI検死官
デビッド・ホッジス (Wallace Langham) CSI
デビッド・フィリップス (David Berman) CSI (眼鏡の方) 検死
モーガン・ブロディ (Elisabeth Harnois) L.A市警、SID、エクリー 娘
ジム・ブラス (ポール・ギルフォイル) 刑事、警部
コンラッド・エクリー (Marc Vann) CSI上司
ミッチェル (Larry Mitchell) 刑事
ヘンリー・アンドリュース (Jon Wellner) DNA
マンディ・ウェブスター (Sheeri Rappaport) 指紋
シオマラ・ガルシア (Monique Gabriela Curnen) 銃器ラボ
サム・ベガ (Geoffrey Rivas) 捜査官
バルタン (Alex Carter) 捜査官
スタン・リチャードソン (Michael Massee) 元刑事、末期ガン
35歳の頃のケビン・フェッツァー (John Brotherton)
リック・フェッツァー (Cooper Huckabee) ケビンの父
10歳の頃のケビン・フェッツァー (Riley Thomas Stewart)
16歳の頃の(Jonathan Decker)
シェリー・リストン (Barbara Eve Harris) 検事補
ディエゴ・バラ (Ramon Franco) ギャング
ジミー (James Aldridge) Assistant Coroner
— (Mitch Eakins) Hair-gelled Bro
ダーレーン・クロッカー (Jodi Carol Harrison) モーテルで死
— (Roopashree Jeevaji) Receptionist
マイキー・モラン () 8歳少年、91年殺害される
マルタ・アルテロ () ディエゴの女、2002年殺される
チェルシー・クロッカー () 89年、12歳の時PCP摂取で死亡
ケン・クロッカー () チェルシーの兄、PCP中毒