第12話 8つの手 Turn
脚本/William Kendall、Daniel Truly
監督/Peter Leto
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メラニー・クロスは88年の卒業生だと知る。
ドームの発生源である卵を持つノリーとジョーを脅して、ジム
は崖から投げ入れさせる。バービーはポーリーンたちに卵が
投げ落とされたことでゼニスへの道が閉ざされたと語る。
ノリーとジョーはハンターに対して卵を奪った手先だと知る。
ライルは少し遅れて湖から出てきた所をジムが助ける。
極寒の地と化したドームだったが、自転が止まり気温が元通り
に戻るが、今度はドーム全体が収縮していく。
レベッカはドームの前にいくとドームが収縮したり止まったり
を繰り返している事を知る。少なくとも自転が止まったので
大気が正常化したとのこと。ジョーとノリーは、ドームがこれ
まで地震や極寒を起こし、今度は収縮していることに対して、
ドームは進化しているのかと問う。取りあえず住民達をドーム
の中心に集めようと語る。
ライルは一人呟く。
『天の下の出来事には全て定められた時が有る。生まれる時、
死ぬとき、植える時、植えて失ったものを・・・抜くとき』。
ポーリーンはライルが戻ったことにホッとしたことをジムに
語る。ジムに対してこの音が聞こえるかと問う。卵から発せ
られているものではなく他の何かの音だった。
そんな中ポーリーンはライルを見て休んでいるべきだと語る。
ライルはすぐにみんな永遠に眠れる事を告げ、オレがドーム
に戻る際に何が見えたのかをサムから聞いただろうと告げる。
はっきりと地獄を見たのだという。何処までも君に付いていく
というライル。ジムはそんな二人が接近しているのを快く思わな
かった。
メラニーは卵に連動し体調が悪化していた。
しかしジュニアがメラニーの傍にいることを知ると、「オハヨー」
と語り手を握る。また会えてうれしいと。少し体調がよくなった
事を告げるが、メラニーはまたドームが何か問題が起きている
のでしょと問う。ドームは僕たちを押しつぶそうとしている
とし、止める方法を必ず突き止めるという。心当たりはある
というジュニア。
ジュリアとバービーも非難するために家から必需品をダンボール
箱に詰めていく。ジュリアは昔の写真に目を通す。元夫と一緒に
写った写真だった。バービーはそれも持っていくべきことを
語るが、あくまで昔のものだという。ジュリアはポーリーンの
日記をダンボールに入れる。
ドームは私たちから多くのものを奪い今度はこれなのかと嘆くが
今は生き延びることだけを考えようという。バービーは絶対に
ヤツの思い通りにはさせないと告げる。
ジムはレベッカの元にいき現状を尋ねると、レベッカはドーム
の収縮速度から住民達が潰されるまでの時間を計算していた。
ドーム自体で押しつぶされる以上に、ドームによって潰された
ものが山積みになっていて私たちはその山積みになったものに
押しつぶされるだろうと語る。卵が街から無くなったせいだと
してジムのことを非難する中、ジュリアは「ドームが私たちを
殺すハズはない」と語る。しかしその言葉に敏感に反応したのは
レベッカだった。前にもジュリアはそんな言葉を言っていたが
何か証拠でも有るのかという。ジュリアは科学では割り切れない
何かがあるのだと語る。
そんな中ジョーとノリーがバービーたちの元にハンターを連れて
くる。彼から言うべき事があるらしいとしてジョーは告白させ
る。彼はドンの為に動いていたこと。するとハンターはスパイ
するよう脅されていただけだという。卵を送れと言われていたが
ジムに先を越されたこと。しかしノリーはそれでもハンターは
味方である事を告げ、外の兵士の男・マリクに対して卵の実験を
辞める様提言していたことを語る。卵に何かすればメラニーが
苦しむことを知って提言したのだと。
バービーはそんなハンターを連れて二人きりにしてくれと告げる。
ノリーはベンが落ち込んでいるのを知り声を掛ける。
もう大丈夫だと言うが、ベンは避難してくる際に工具店の店主
が車ごと押しつぶされたのを見た事を告げ、もうすぐ全員死ぬ
のだと語る。ノリーは私たちはここでは死なない事を告げると
ベンはやっぱり死ぬようだと語る。こんな街は嫌いだと言って
愚痴っていた君が今はオレを元気づけている状態だと皮肉る。
そんな中バービーはハンターを連れて外に行くのを見たジョー
はノリーに一緒に付いていこうと語る。
ジムはポーリーンに対して自宅に戻り君の絵を見直して見よう
と語る。ポーリーンは忙しいとして断り、あなたは私がライル
といるのを快く思っていない為に引き離そうとしているだけ
だと語る。助けたことを後悔しているのかと問うポーリーンに
対してジムは君がヤツを必要としているならば助けたのもやむ
なしだと語る。それを聞いたポーリーンはそこは変わったわね
と告げ、かつて卒業式のパーティーでのことを引き合いに出す。
あの時あなたはライルが酔って私と踊ろうとしたのを止めて、
彼といるべきではないと言ったことを語る。
バービーはハンターをドームに縁に連れて行くと兵士とコンタクト
を取りドンをここへ呼ぶよう要求する。
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ジムは街の人たちを助けるという名目の元、卵をドームから外の
世界へと投げ込んだが為に、ドームは突然極寒状態になり、
卵の危機と同時にメラニーの容体も悪化する。なんとかメラニー
を生き長らえさせる為に試行錯誤する中、取りあえずはドームが
自転を終えて気候は安定する。しかしドームが次に起こした行動・
現象は収縮という状態だった。
いよいよ能力者たちが手に手を取り合って見たりパラレルワードに
言及される辺りの状況は「幻魔大戦/ハルマゲドン」みたいになっ
てきたけど、敵を倒す為ではなくメラニーを助ける為に手を取り合う
姿がそこには有る。
みんな一度の奇跡を経験しただけで自分がリーダーみたいに思い込ん
でいるところが凄いというか、勘違いしているというか、ジュリアに
してもジムにしてもドームは私を選んだとか、自分がリーダーとか
なんとか言っているけど、状況を見るとリーダーはどう見てもメラニ
ーだよなぁって感じ。
過去ジムが絞首台から逃れられた辺りの展開を見ると、別に奇跡でも
なんでもなかった気がするし、街の人たちを助けているという意味
では、レベッカとかバービーの方がよりドームからの意思の下で
動いている感じがする。
今回はレベッカとジュリアの発言を通して奇跡vs現実主義者である
科学者との対立の構図も有ったけど、なんだか急にレベッカが
感情的になる姿が有り、ジュリアにいきなりくってかかる姿を
見るとそのテンションについて行けない部分も有った。
ただ何故レベッカが科学者として実証主義を貫くのかということが
幼少期・8歳の時に突然母親を失ったところに繋がって居て、
細かいところで人物像を掘り下げた感じ。
こうしてみると幼少期に親を失ったみたいな人、片方の親だけに
育てられてきた人物が多いことに気が付く。
科学と奇跡のコラボレートは、分かり会えない価値感のもの
たちが歩み寄ることへの象徴的シーンの一つだった。
ライマメのレクチンによる反応から、メラニーの血液型を調べて
輸血することに・・。レベッカがメラニーと同一の血液型が該当する
ということで輸血する。血のつながり方からすると、レベッカ
にも何らかのドームからのメッセンジャーとしての役割を担って
いくことになるのかな。
状況を鑑みれば卵を戻せばドーム内の状況が落ち着くハズだという
ことは容易に察しが付くものの、卵を掴もうとしたジムとか兵士た
ちが悉くはじき飛ばされる光景を過去に目にしているので、ドーム
内に8つの手のものたちが全員閉じ込められている状況の中で、
どのようにして卵を持ち上げて、卵をドーム内に戻すのかということも
一つの興味として存在していたし、今回はメラニーを助ける為には
8つの手が必要だとされる中、7人しかいない状況の中で、どう対処
していくのかどうかもまた気になる要素だった。
新たに8人目を登場させるのか。
それともより多くの選ばれしものたちを発掘するのか見物だった
けど、結局は量子物理学/パラレルワールドの理論を持ち出し、
レベッカが過去と現在の共通する時空にいる存在だとして、
一人二役の状況を描いた。
二つの世界を繋ぐキーマンとしてのメラニーの存在感を引き立たせ
ていく。
時空の狭間のようなものが出てきたところを見ると、
「Once Upon・・」のマッドハッターの帽子みたいな状況であり、
過去にポーリーンが描いた「渦巻き」が再び出現した格好だけど、
この穴がまた別の世界に繋がって居るのかどうか。
シーズンラスト前のエピソードという事で人事異動も激しく、
ライルとポーリーンを退出させた。それと共にメラニーも居なくな
ったところを考えると、完全に世代交代を意識したものなのか。
信心深さも度を超えると狂信的な感じがするライルが、最後まで
結局信用出来ない人物だった訳だけど、高校時代からジムが
ポーリーンに対してライルに近づくなと言ったところをみると
やっぱりジムにはそれなりの人を見抜く能力が有ったのか。
無線を探す過程でジョーが銃を発見した時のノリーとのやりとり
が面白かった。
「護身用だ」というジョーに対して、「それならば私の後ろに隠れて
いれば良い」というノリー。
ノリーがベンを勇気づけるシーンなどを見ると、ノリーのパート
はコメディ的役割として面白い位置づけになっている感じがするね。
■メモ
・Turn! Turn! Turn! by Sara Niemietz and W.G. Snuffy Walden
デール・バーバラ (Mike Vogel) “バービー”、謎の男
ジュリア・シャムウェイ (Rachelle Lefevre) 新聞記者
リンダ・エスキヴェル (Natalie Martinez) 保安官
アンジー・マカリスター (Britt Robertson) ジミーの姉、ウェイトレス
レニー・Jr. (Alexander Koch) “ビッグジム”の息子、大学生、精神が・・
ジョー・マカリスター (Colin Ford) アンジーの弟、高校生
フィル・ブッシー (Nicholas Strong) WYBSラジオDJ
ノリー・カルバート・ヒル (Mackenzie Lintz) アリスの娘
レベッカ・パイン (Karla Crome) 高校の生物の教師
ジェームズ・レニー (Dean Norris) “ビッグジム”、街の権力者
キャロライン・ヒル (Aisha Hinds) アリスのパートナー・黒人
サム・ヴェルドロー (Eddie Cahill) 元救命士
メラニー・クロス (Grace Victoria Cox) 謎の少女
ポーリーン・レニー (Sherry Stringfield) ジムの妻、サムの姉
ライル・チャムリー (Dwight Yoakam) 理容師
ドン・バーバラ (Brett Cullen) デイルの父、アクタイオンエネルギー社CEO
ハンター・メイ (Max Ehrich) ドンの部下、ハッカー
ピーター・シャムウェイ (R. Keith Harris)
ベン・ドレイク (John Elvis) 住民
マリク (Mike Whaley) 外の兵士
Chester’s Mill Townsperson
(Amber Dawn Fox)(Keith Gallucci)(Caroline Kahn)