Sep. 16, 2013
第9話 赤い扉 The Red Door
脚本/Kelly Souders、Brian Wayne Peterson、Adam Stein
監督/Peter Weller
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ドームの外に出てきたバービーは父・ドンに対して、ドーム内
にいる愛する人・ジュリアに対して生きていることを伝えたい
としてメールして欲しいことを頼む。しかしドンはバービーが
伝えたメールの内容以外のことを書いて送信していたことが
分かる。「卵を見つけて持って来て欲しい」というもの。
その事実をハンターから聞かされるが、問題は何故「卵」なん
かを欲しがっているのかに有った。
ジュリアはレベッカに対してバービーが崖から落ちて死んだ
ことを誰にも話さないで欲しい事を告げ、その理由として
ドーム内での力の均衡・双璧を成すバービーが亡くなったと
知ればジムが暴走すると考えたからだった。
そんな中ジョーはバービーからメールが届いた事を告げる。
ジュリアはバービーからのメッセージだと思い約束の場所で
有るドームで夕刻にいくと、バービーが生きていて外からメッ
セージを送ってくる。「絶対に跳ぶな。外は危険だ」ということ。
そんなバービーは軍兵士と思われるものたちによって連行される。
その光景をジムは木の陰から見ていた。
バービーは取り調べ室に連れて行かれる。
バービーは兵士たちに電話を一本かけたいというが、兵士は
ここは警察ではないという。バービーは軍でもないのだろうと
し、その証拠に黒い制服に記章もつけていないこと。所属を示す
旗もないことからジュネーブ条約に違反しているぞと語る。
しかし兵士はバービーこそ身分を偽り立ち入り禁止区域に入った
犯罪者だと語る。それならば起訴か釈放をしろというが、
国防権限法で適用され必要が無くなるまで拘留出来るのだという。
オレはテロ犯じゃないというバービーに対して、それならば
何故ドームに近づいたのかと問う。君のことをずっと監視して
いた事を告げ、特殊部隊長だったのだろうと語る。どうやって
チェスターズミルから出たのかそのルートが知りたいという。
「跳ぶな」と言っていた意味は何なのかと問うと、何故そんな
事を知りたがるのかと問う。君たちを守る為だというが、オレ
たちの為に一体何をしてくれたのかと問う。協力するよう告げる
兵士はジュリアに「発生源」を提供させろと告げる。
やはり目的はアレかと問うと、あんたらには絶対に手入れさせ
ないと語る。
ジュリアの元にジムがやってくる。
ジュリアは保安官として働き始めたジムに仕事は楽しいのかと
問う。ジムは夕べの件でジュリアを問い詰めようとするが、無理
せずドームの外には数週間ぶりに兵士たちが集まっているが
心当たりは無いのかと問う。最近変わったことはないかという
ジムに対して彼女は「無い」という。バービーの遺体が無い事
には埋葬出来ない事を告げ、妻のポーリーンが亡くなった時には
損傷が激しく棺を閉じられたままで葬式をした事を告げ、バービー
の件でも同様にすることも可能だし、君が望むのであればバービー
の遺体を回収する為に崖を下りていくと語る。しかしジュリア
はバービーはサムの遺体を引き取りにいくところで同様の亡くなり
方をしたのでこれ以上の危険は冒せないと語る。
そんな会話を室内で来ていたノリーやジュニアたちは、バービー
の件をジムによって感づかれたかも知れない事を告げる。
特にジュニアはあれだけ執拗に聞いていたのでバレているだろう
事を語る。バービーが生きていると分かるまでは私たちの秘密に
しなければならないと誓い合う。バービーのことを捕らえた連中
は卵を欲しがっていること。メラニーはジュリアに対して卵を
渡したりはしないでしょと問うが、ジュリアの返事は曖昧だった。
ジュリアはまたメールが入るかも知れないので学校に行かないか
とみんなに語る。ジュニアは署に行って父を見張っていると語る。
ポーリーンはライルやサムたちと、何故「赤い扉」の絵が出てきた
のかを話合う。ライルによると、「旧約聖書ではイスラエルの民
は子羊の血を戸に塗り、その生け贄の印を見に死の天使は彼らの
道を通り過ぎた」のだと語る。ポーリーンは芸術論で言えば
扉は何処かへ続く入り口の象徴だという。サムとライルはあの学校
のロッカーが入り口になっており、そこを通って町から出てきた
事を語る。この扉でチェスターズミルに戻れるのかも知れない
というポーリーン。ライルとサムは二人共崖から飛び降りで意識が
戻ったら公園にいたのだという。扉が有るのであればジュニア
を連れてこられるかも知れないとして、ポーリーンは公園を調べよう
と語る。
ジムはジュニアに対して、外に居る黒い制服を見たかと問うと、
夕べバービーが外にいたのを見たがお前は知っていたのかと
問う。ジムは息子のことは全て分かるとばかりに問い詰めると
知っていたことを認めるジュニア。これからも嘘をつくなと
語るジム。
ドンはバービーの取り調べ室にやってくる。
2分間だけの面会が許された格好だった。裏から手を回してなんとか
時間をもらえたが私は一会社の経営者に過ぎないと語る。政界に
友人はいるが彼らはまた違う人種なんだと告げると、正体は謎
なのかと告げる。ドームへのミサイル攻撃で失敗した際、軍は
政府とマスコミによって激しく叩かれたので直接関わらない
で済むように民間業社を雇ったのだという。それって父さんの会社
を雇ったようにか?と告げる。バービーはジュリアへのメールを
変えたのは誰だとして父を疑う。ドンは言われた通りに送ろうとした
が彼らに見つかってしまったのだという。それを聞いたバービーは
見え透いた嘘だとばかりに、「もう嘘は十分だ・・真実を知り
たい」と語る。
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ドームから外に出ることに成功したバービーは、ドーム内に
留まるジュリアに対してなんとか無事を知らせるメッセージ
を送ろうとするが、メールの送信を父親に頼んだ為に、
偽の情報を送信させてしまう。ドームの外にいるものたちは
ドーム内にある発生源の「卵」を求めていることを知り、
バービーはジュリアに消息を伝えると共に、外に出ないよう
訴えていく。そのやりとりを見ていたジムは密かに行動を
起こし始める。
その人にとってもっとも大切なものは一体何なのか。
今回のドラマを見ていると欲深い大人たちよって振り回される
内容だけど、バービーとドン、ジュニアとジムの関係を通し
て描かれる人間関係を通して見ると、どっちの親の方がより自分の
エゴをむき出しにして子供のことを裏切れるのかという点で
キング・オブ・外道の対決の構図がそこにある。
そして何よりも自分の家族を大事にしたい気持ちというのは
分かるけど、ジュリアまでもが「町の人の為」に卵を渡そう
としているのではなく「愛する人の為」に卵を渡そうとしている
こと。少なくともこれまで同じくドームの存在意義に対して
連携の取れていたものたちが、ここに来て卵の利用法を
巡って足並みを乱していくという辺りは如何にも人間的な欲が
絡んだ内容にも思える。力の存在とはやはり無慈悲なまでに人の
関係を壊していく。
更にポーリーンの姿を見るとジュニアのことしか頭にない
ようで、この人も何処まで広い心を持っているのか謎で
ある。
色々と分かったのはドームの発生の件ではドン父や政府は
一切関与しないところで起きていたこと。
ドームの出入りに関しても一部の人間を除いて知られていない
ところを見ると、ドームが人為的なものではなく、実験的
意味合いで作られたものではないということが判明した。
ドームの中にバービーが戻ること自体には問題は無いように
思うけど、ポーリーンが現れたとなると町中は大騒ぎなの
ではないかと。
それよりも行き来できたという事情からして、町の人たちは
外に出ることを希望する人たちで殺到するだろう。
しかしジムが兵士との取引の中で町の人たちを外に出したいとする
主張が却下されたとなると、何らかの問題が有るのだろうか?
ただ誰でもドームの内外を自由に行き来できるのかという面では
疑問符も投げられ、毎回のようにしてドームの壁に於いて妙な
引っかかり方をしているライルの事情が何を意味しているのか。
力を持たないものたちがドームの壁を通ると時空の狭間にでも
陥ってしまうのではないか・・・と思ったのだけど、今回初めて
ドーム以外の人物・ハンターが内部に入れたとなると、その可能性
も無いのかな。
「赤い扉」の件では意外とあっさりとしたものが有ったけど、
ドームを行き来する渦巻きに入る際に、それぞれに見た
過去の映像と未来を示唆する内容が意味する先が一体何なのか
というところだね。
特にはメラニーが過去、一日だけバービーとは遭っている姿が
有った。この時点でドンはメラニーから何らかのドームの力
というのを知ったのか。死んだハズの彼女だけど、彼女の転居記録
ではチェスターズミルの前に居たのはゼニスだったと以前の
エピソードの中で描かれていたのでその際にバービーに遭っていた
というところなのか。
一応ポーリーンがどのようにして未来想像図を描いていくのか
ということは今回の渦巻きの流れで見えてきたけど、
これからもどんどん彼女の中からイマジュネーションを発揮
していくのか。
しかし問題はジュリアが語っている様に、人も変われば
状況によってドームが指し示すものが違うように、ポーリーンが
未来予想図として描いている事象に関しても、それが良い方向
に導き出されていくものなのかも分からない。
ポーリーンの導きによって悪い結果を生んだと捉える人も
いることを思えば、まだまだ癖の有りそうな感じはする。
それにしてもジムのハゲ頭を利用した演出を毎回挿入するようになったな。
今回もジュリアが保安官事務所を訪れる際に、ソファーに深く座るジムの頭
のてっぺんだけが写る映像が笑えた。
■メモ
・
デール・バーバラ (Mike Vogel) “バービー”、謎の男
ジュリア・シャムウェイ (Rachelle Lefevre) 新聞記者
リンダ・エスキヴェル (Natalie Martinez) 保安官
アンジー・マカリスター (Britt Robertson) ジミーの姉、ウェイトレス
レニー・Jr. (Alexander Koch) “ビッグジム”の息子、大学生、精神が・・
ジョー・マカリスター (Colin Ford) アンジーの弟、高校生
フィル・ブッシー (Nicholas Strong) WYBSラジオDJ
ノリー・カルバート・ヒル (Mackenzie Lintz) アリスの娘
レベッカ・パイン (Karla Crome) 高校の生物の教師
ジェームズ・レニー (Dean Norris) “ビッグジム”、街の権力者
キャロライン・ヒル (Aisha Hinds) アリスのパートナー・黒人
サム・ヴェルドロー (Eddie Cahill) 元救命士
メラニー・クロス (Grace Victoria Cox) 謎の少女
ポーリーン・レニー (Sherry Stringfield) ジムの妻、サムの姉
ライル・チャムリー (Dwight Yoakam) 理容師
アンドレア・グリンネル (Dale Raoul) 町の人、食料の備蓄
ドン・バーバラ (Brett Cullen) デイルの父、アクタイオンエネルギー社CEO
ハンター・メイ (Max Ehrich) ドンの部下、ハッカー
— (Jessejames Locorriere) Interrogator
— (Brody Rose) Little Boy
マリク (Mike Whaley) ジムと交渉担当
トレバー (Colin Dennard) ハンターの仲間
若い頃のジュニア (Austin M. Stack) 母が亡くなった際、サムと話す
若い頃のバービー (Brennon Olsen) バービーの幼少期一日だけメラニーに遭
う
— (Michael Joseph Kowalski) Security Gaurd