第5話 危うい交換条件 Honor Among Thieves
脚本/Joe Henderson 監督/Arlene Sanford
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エレンは証人保護を受けており別の場所に移されそうだった。
ニールはエレンから凶器の銃の指紋にニールの父の指紋が出て
きた事を告げ、そして自白したのだという。しかしニールは
更にその時のことを聞きたいと考えて改めてエレンの元を尋ねた
際に彼女は何者かに撃たれてしまう。救急車で運ばれる中、
サムを信じるよう言われる。
エレンの葬式にニールは参列する。
ピーターは少し離れた場所でその様子を見ていたが、ニールが
自分のことを責めていたのを受けてピーターは、ニールの責任
ではない事を告げ、オレは初めてエレンに遭った時には門前払い
されたとし、全てはお前の為にしたことだという。エレンは
密かに元同僚の刑事と連絡を取っていたとし、それがサムと
いう名前で遭ったこと。ニールは恐らくあそこにいる男だろう
として物陰から葬儀を見ている怪しい男を目にする。サムに
対して呼びかけると男はその場から立ち去る。エレンの好きな
花束だけを残していた。
ピーターはこれは連邦保安官局の仕事だとして、情報を聞き出す
のは難しいことを語る。例えそこに行ってもニールは入れない
という。犯罪現場の報告書を作るのに遺留品のデジタルコピー
を採る事になっているのでそのデータをくれるよう頼んでみる
とピーターも約束する。なんとかしてサムを見つけないと・・
とニールは焦っていた。
ニールの家でモジーはアイリッシュウィスキーでエレンの追悼
をする。モジーはニールに何とか犯人を捕まえないといけない
ことを告げる。情報は全て連邦保安官局にあるというが、彼ら
が情報を渡すハズがないという。ここはピーターに任せるしか
ないとニールは語る。
ジョーンズはピーターと共に復帰後初仕事だと告げると、ピーター
は上層部はオレがヘマするのを待っているので慎重に進めない
といけないという。ジョーンズはニールから目を離すと何をする
か分からないという。ニールにはエレンの件も有るので暫く休み
を与えたというが、ニールは現場に来ていた。働いている方が
気を紛らわすことが出来るというもの。しかも今回の任務で
ケスマニ美術館に入れるとしてニールは浮かれていた。絶対に
規則違反はするなよと釘を刺す。
ニールにある装置を見せると、AX-5000と呼ばれる防犯システム回避
する為のブラックボックスだろうという。この装置が美術館に
設置して有ったのだという。夕べ清掃員が地下室で配電盤にセット
されているのを見たという。午後3時に防犯装置が停止するように
セットされていたとし、それを食い止めなければならないという
ことだった。
時間になるまで外のバンの中で監視しているピーターたち。
しかしピーターとニールは客の振りをして美術館内で監視する
ことに。ジョーンズは監視カメラ映像を見ながら全体を見ている
ことを語る。ダイアナはポリエステルの制服を着てやってくる。
彼女は美術館のガイドの振りをして潜入しようとしていたので
有る。ニールはダイアンとピーターが客の振りをした方が
デートしているように見えるとし、自分がガイドをするという。
ニールはダイアナの美術の知識を知る為に質問する。
「ロダンの地獄門が完成した年を知っているか?」(N)
「1917年だ」(D)
「地獄門は未完だ」(N)
「ロダンは1917年に死んだので創作が停止された年だ」(D)
として知識があることを披露する。
ピーターとニールは美術館内へ。
ピーターはニールにセキュリティに関してどうかと問うと、
万全である事を告げ、ネジで締めてあるのでセキュリティが解除
されていても盗みづらいものだという。もしもニールならばそんな
時にどんな手を使うのかと問うと、僕ならば飲み物を引っかけて
スタッフが修復用の部屋に持っていかせて手薄になったところを
頃合いを見て盗むという。それならばジュースと時計を持っている
ヤツが犯人だろうという。
しかしその人物は居なかった。代わりに何かタイミングを見計らっ
ているような女性を目にする。
警備員の交代時間を見計らっているのかも知れない。
来週からシャガール展が有り作品は既に倉庫に届いているとして
ダイアナとニールは語る。
するとその女性・アビゲイルは二人の元に近づいてくる。
アヒゲイルは二人に目の前の絵のことについて尋ねると、ダイアナ
は不思議な作品だという。見るものの哀愁をかき立てる作品で
あること。ニールはわざと大胆で官能的な作品だろうとすると
アビゲイルはダイアナと共に話し込むのだった。
しかしアビゲイルは少し離れた所にいたニールの元にすり寄ってくると、
あなたはガイドを抱き込もうとしているのでしょと問われる。
自分は客だとするが、アビゲイルはニールを見てあなたは、
美術品窃盗のニール・キャフリーでしょと告げ、私はニールの
ファンだと語る。
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ニールの父親のことを知る数少ない証人のエレンが何者かに
殺害される。しかし捜査の管轄は連邦保安官局であり、
FBIとしても容易に他の部署の捜査に首を挟めない事情が
存在していた。ピーターはニールからの頼みに答えたいと
考えるが、ピーターはまた知能犯専門チームに戻る事の出来た
後の復帰戦でも有り、失敗できない立場にいた。
ピーターたちは美術館から何かを奪おうとして防犯装置を
無効化する装置が設置してあるのを知り、張り込みして
何者が何を狙っていくのかを調査していくことになる。
ニールに掛けられた嫌疑を払拭するのは、まだまだ遠い道乗り
で有り容易ではないことを感じさせるものが有った。
なんと言ってもつい先日までピーターも望んでいたこととは
いえ海外への逃走を図っていた訳だしね。
そもそも防犯カメラ映像を見る際に、ニールの行動を条件反射
的に調べてしまうところからして、ピーターはニールのこと
を信用していないことが伺える。
普通に生活している分には問題がないけど、ニールの中で
今の状況よりも優先すべきものが出来てしまった際に、FBIや仮釈放
という規範を守りつつ、自らの欲求や衝動を抑えて行動を起こせる
のかどうかが試されている。
驚くべきはなんと言ってもダイアナがクリスティとの関係に
於いて倦怠感が発生していること。
プロファイラーチームが互いのことをプロファイルするのを
禁止しているみたいな暗黙のルールがある事が有るけど、今回のニー
ルはダイアナが接する人物に対して、そんな心理を読んでいた。
緊張している相手とかリラックスしている状態など、逐一ダイアナの
ことを監視する様な視線を投げかけていた感じがする。
アビゲイルという女性との出会いによって、ダイアナとして
も感じる思いが有り、禁断の恋へと発展していく懸念もあった。
「上手いウソには真実がある。」(N)
「仕事の振りだから罪悪感を抜きに恋人の振りが出来た。
本当の自分とは違う方向で走っている気がする。」(D)
「現実から逃げる為だよ。止まったら現実に追いつかれるだけで
なくひき殺される。それでも止まるには何かを諦めなければ
ならない。」
ニールのエレンを追う流れとダイアナの気持ちの区切りを
一緒くたに扱うことには違和感はあったけど、なかなか二つ
のことを同時に手にするのは難しいなと感じさせる。
ニールは今回のアビゲイルに主導権を握られ、そして脅迫される
という流れは面白かったし、最後には実利を得るニールの姑息さ
加減がまた計算高くて上手く出来ていたと思うけど、あの美術館
での盗難騒動の中で幾ら防犯カメラ映像に映らないような仕組み
になっているとはいえ、モジーとかニールがその場で存在を消し
つつ盗むのは無理が有ったね。そもそもモジーって特徴的な体格
をしているしね。
ニール・キャフリー (Matt Bomer) 天才詐欺師
ピーター・バーク (Tim DeKay) FBI知能犯専門チームの捜査官
モジー (Willie Garson) ニールの友人、犯罪者社会との深いコネ
ダイアナ・バリガン (Marsha Thomason) FBIピーターの部下
エリザベス・バーク (Tiffani Thiessen) ピーターの妻
クリントン・ジョーンズ (Sharif Atkins) FBI ホワイト・カラー・ユニット
リース・ヒューズ (James Rebhorn) FBI・ピーターの上司
アビゲイル・キンケイド (Rebecca Mader) 美術品の窃盗
スカイ・ワン (Andrew Hwang)
— (Noah Unger) Boy
— (George Morafetis) Elderly Man
— (Athena Reich) Flower Store Owner
— (Sonya Hamlin) Woman