第15話 “オリジナル”の意味 The Original
脚本/Mark Goffman 監督/John T. Kretchmer
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【前回までのあらすじ】
エレンはニール宛に告白ビデオを残していた。
「お父さん(ジェームズ)はウチの署は汚職警官だらけでオレは
ハメられたんだと言っていたこと。彼の言うとおり汚職警官を
見つけたと・・」。その相手とは相手はテレンス・プラット
上院議員だと分かる。プラットのことを調べるとピーターは
車のブレーキを細工され危うく激突死するところだった。
ニールは父・ジェームズにここに居ては危険なのでモジーの
隠れ家にいて欲しいという。モジーはピーターの部屋で見つけ
たエレンがニューヨークに来た際に働いていた雇用者IDから
「グリフィンムーア」という警備会社で働いていた事を知る。
エンパイアステートビルの50階に関係があることが分かる。
【ストーリー】
エンパイアステートビルの前で、モジーはアイスクリーム店
の屋台を出しながら様子を見ていた。”カンザス一番”シャツ
を着た男に声を掛けられる中、モジーは店を借りに来た振り
をして中に入ろうという。しかしピーターがチェックしている
のに俺たちが証拠の場所を掴んだとバレたらマズイと語る。
しかしそんな会話の中ピーターがやってくる。アイスをくれ
とモジーに要求すると15ドルだという。ボッタクリで逮捕する
ぞというピーターは、ここで偵察活動をしているのかと問う。
このビルの50階に証拠があると睨んでいるのだろう?と語る。
ニールはピーターはこの件には関わらない方が良いとすると、
エリザベスにそう言えと頼まれたのかと問う。オレはあんたに
嘘をつくしかなかったのだとすると、嘘を付けば更にオレが
調べようとするからエリザベスも逆効果だと思ったのだろうという。
ニールは何時から知っていたのかと問うと、事故の著後から知って
いたという。ジェームズの汚名を注ぐだけじゃなくプラットの不正
を暴けるという。更に彼はヒューズを追いだしたのだと。
ニールとピーターはFBI署にいくと、そこにはヒューズの代わりに
ホワイトカラーの指揮官として転属してきたアマンダ・キャロウェイ
の姿が有った。アトランタのホワイトカラーに勤務していたという
彼女。アトランタからニューヨークとはかなりの大出世だという
ピーター。アマンダは職員たちの前でヒューズの変わりになる
つもりはないとし、独自捜査で、現場にも積極的に関わることを
語る。ジョーンズやダイアナはボス(ピーター)が、なるべきだと
語る。ニールも同感だとするが、オレが管理職よりも現場好きだ
ということを知っているのだろうとし、島でもムチャをしたからな
という。保管庫行きのことを考えればホワイトカラーに関われる
だけで満足だという。
アマンダはニールとピーターの元にやってくると挨拶する。
ピーターはここで13年勤務していることを語る。アマンダは二人
のことを調べたとし、素晴らしい功績を挙げていることを称える。
早速美術品の偽造事件についての捜査があるとしてアマンダは
その案件の捜査を告げる。ベルニーニの彫刻で疑惑が持ち上がった
というもの。本物ならは何百万ドルもするもの。ホワイトカラー
ユニットは軌道がズレていると思われているので私が来たと
アマンダは語る。
プラットの報告書にエンパイヤスーテトビルのことは報告しない
というピーター。ニールはアマンダはオレに優しかったので大抵
そういう人物には裏が有る事を語る。
ニールたちはベルニーニの彫刻の件での捜査を依頼したもの
たちに逢いに行く。そこにいたのはアンリとレスリーだった。
アンリとニールは顔なじみでサントロペで遭って以来だという。
コートダジュールで彫刻で有名な街にいたとのこと。
レスリーはこの彫刻は本物だと思うとして、ニールに意見を
求める。彫刻にはロープの跡が付いていた。ナポレオン戦争の頃は、
綿ロープで彫刻の運搬が良いと言われていたのだという。台座
に石膏が足されている事を指摘するピーターに対して、これは
ベルニーニ本人が足したものだという。パトロンがこの作品を
自宅の広い道路に移した時についたのだという。
ズバリ「本物なのか」。1842年にボルドーから出荷された時の
ラベルを見れば分かるという。今の時代には無い色素が使われて
いれば本物だという。ベルニーニ程大理石に命を吹き込める芸術家
はいないという。この躍動感から見ても間違いないだろうとのこと。
デュボアの「ハンド・オーバー・ハンド」が置かれていることに
気が付く。先週オークションで650万ドルで売れたものだった。
ニールはこちらの方は贋作だと語る。
TIBEDAUX GALLERY。
ウチはオリヴィエ・デュボアの作品を全て扱っているという。
これらはちゃんと鑑定を受けた上で売れたという。技巧的には全ての
要素が備わっていて贋作のレベルは高いが、手の重なり合う
ラインが一体的過ぎるという。晩年モチーフを変えたし基本も
変えたのではないかというレスリー。署名が入って居るとし、
手書きのメモを彫刻に埋め込むものだという。デュボアの謎の
一つになっていて、X線で彫刻の中にメモが入って居ることも確認
しているとのこと。
そんな中、ニールは「ヒヨコの鑑定」のことを例に出す。
ヒヨコは雄と雌に分けなければならないが、専門の鑑定士がいるが
見極めが難しいのだという。日本人はヒヨコの鑑定法をあみ出
したが、教え方は一匹ずつヒヨコを手に取り押すとメスに分ける
だけ。生徒は勘で分けて一匹ごとに先生が正しいかどうかで伝える
という。でも数ヶ月経つと生徒は100%見極められるようになると。
でも理由は分かっていないとし本能的に見極められるのだという。
しかしこの彫刻はデュボアの弟子のJBベルミエール本人から購入した
ものだという。デュボアが昨年亡くなるまで弟子として10年間
働いていたという。誰よりもデュボアの作品に詳しいと言われて
いるとのこと。
彼の作品のウチ、4つは売りに出されていなかったとしこれは
その一つだった。他に「シスターズ」「プロポーズ」「」
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ヒューズが辞めた後任のホワイトカラーユニットの指揮官として
アトランタ支部からアマンダ・キャロウェイが赴任してくる。
とにかくアマンダは検挙率を気にする人物で、数ある事件の中でも
不確実な情報を元にした捜査よりも、解決出来そうな事件
を優先しようとする。現在のホワイトカラーユニットは軌道が
ずれていると思われているので、それを修正する為に来たことを
語る。
そんな中、アマンダは早速ベルニーニの彫刻の件で美術品が偽造
ではないかとされている疑惑が浮上したので、それをニールと
ピーターたちで調べて欲しいと告げる。アマンダは管理職ながらも
自らも現場に赴くタイプだと語る。しかしその行動はピーターや
ニールのことを監視しているかのうようだった。
ピーターとニールのコンビに於ける検挙率の高さを称えているのに、
何故かそんな捜査を軌道修正させようとしている人物が有る。
まぁ確かにルールから外れて捜査することに対して違和感を唱え
てブレーキ役を果たす人がいるのは大切で、同じ方向を向いている
捜査官ばかりではなく、責任を取る人にはルール遵守を唱える人
の方が良いのかも知れないね。
ニールとピーターの関係が私生活も含めてツーカーの仲になる中で、
捜査官としてのピーターらしさがニールの中の詐欺師的要領の良さに
凌駕・吸収されて、捜査官としてのボーダーが何かを見失って
いるところも有るので、潜入捜査に於いて何処まで許されるのかに
関して監視役は必要なのかな。
そんな監視役として担当するアマンダ役のEmily Procterは
「CSI:MIAMI」でも敏腕な捜査官・カリー・デュケイン役として活躍
した人物だ。マイアミがシーズン10で終了したので、その流れ
から「ホワイトカラー」にスライドしてきたけど、シーズン4だけ
のキャラクターなので、プラット議員と共に散ってしまうのか。
Emily ProcterもCSI当初はもの凄くブロンド美人だなぁと思って
いたけど、このドラマでの役柄も相まって、イマイチ魅力が薄まって
しまった感じがする。
捜査官としてのボーダーに悩むピーターに対して、贋作を続ける
ニールとしては常にオリジナルが何なのかを見失って行きそうな
ものが有りそうだ。自分の成長過程が芸術の肥やしとなり、それが
作品に与える影響だというのであれば、ニールのように
証人保護プログラムによって3度名前を変えている人物からすれば
アイデンティティの問題にも繋がってきて、作品に迷いが出るという
のも分かりそうな感じがする。
ジェームズが退屈だということで今回ヒョコヒョコ
とニューヨークに出てきてしまう中、早いところ問題を解決したい
思いがあるのも分かるけど、下手に動かず素直にニールたちに任せて
欲しいなという思いがあるも、今回、アマンダが情報をプラットに
流していることを考えれば、ジェームズのそんな不意な行動が
意外と良い方向に流れていくのではないかという感じがしてくる。
今回のニールはデュボアという彫刻家の作品に対して、デュボア
の弟子だったというジェフ・ブレイトニク(JB・ベルミエール)
と共にデュボアの未公開の彫刻作品を巡り、やりとりがある。
ニールは作品で贋作であることの説明の中で、ヒヨコの雄雌を選り分
ける日本人の職人のことを引き合いに出していた。
またモジーは今回エンパイアステートビルでの監視活動に際して
アイスクリームの屋台でアルバイトするフリをして、様子を伺って
いたけど、彼の口からは「日本文化は好きなんだが、日本人観光客
の”はいチーズ”にはもう飽きた」と語っている姿が逢った。
少々贋作を作る流れはインチキ臭くて、ニールが鑑定士として
だけでなく実際に専門家さえも欺ける大理石の彫刻を作れるという
のは違和感があったし、あの小型の高解像度スキャナー/磁気断層
撮影スキャナーにしても、コンパクト過ぎるものが有ったな。
そしてニールの足輪も気が付くと簡単に外せるようになっているし、
ルールを遵守するという割に、潜入捜査に於けるアダムスの態度
を見ると如何にもきな臭そうな人物だったね。
最後にニールと父の会話が有り、捜査の手順に関してピーターを
裏切れないことを語る際には、「オレにとっては実の父以上の存在」
だと語る辺り、なんとも複雑な心情が見え隠れしていたね。
ニールの芸術を褒める時の父は、「オレの子だ、自慢の娘だよ」と
語る姿が有り、なんとも言えないやりとりが有った。
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ニール・キャフリー (Matt Bomer) 天才詐欺師
ピーター・バーク (Tim DeKay) FBI知能犯専門チームの捜査官
モジー (Willie Garson) ニールの友人、犯罪者社会との深いコネ
ダイアナ・バリガン (Marsha Thomason) FBIピーターの部下
エリザベス・バーク (Tiffani Thiessen) ピーターの妻
クリントン・ジョーンズ (Sharif Atkins) FBI ホワイト・カラー・ユニット
JB・ベルミエール (Pablo Schreiber) 贋作家、ジェフ・ブレイトニク
アマンダ・キャロウェイ (Emily Procter) ヒューズの後任のFBIチームリーダー
レスリー (Kerry Butler) ギャラリーの職員
ワトソン (Ali Ahn) 捜査官、アマンダに分析結果を報告
ジェームズ・ベネット (Treat Williams) ニールの父
エベレット (James Riordan) 鑑定人
アンリ (William Abadie) ニールの知人、彫刻に詳しい
ナターシャ (Janet Dacal) ベルミエールの
ギルバート (Bhavesh Patel) エンパイヤステートビル・貸店舗・不動産
ハーブ (Lance Roberts) タイソン清掃・強迫神経症
— (Jessica Cantor) 芸術学科学生
— (Jason Simon) ツーリスト