第20話 悪い女王 The Evil Queen
監督/Gwyneth Horder-Payton 脚本/Jane Espenson
Christine Boylan
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誰かが口封じのためにオーガストを殺したというエマ。
エマはデビッドとメアリーから巨人・アントンが持って来た
豆から栽培し魔法の森に戻ろうとしていることを聞く。
メアリーは一からやり直せると。レジーナはそんな彼らが何か
を隠していると勘ぐり調べると魔法の豆を栽培しているのを
見つける。グレッグとタマラは街の外にニューヨークでエマに
よって縛られていたフックを見つけてストーリーブルックに
連れて来る。
*****
グレッグとタマラはフックを図書館の時計台に連れて行く。
フックはこれが拷問ならばもっと頑張らないとどうにもならな
いことを口にするが、二人はフックに仕事を頼みたいのだという。
しかしフックはオレは最後の仕事を終えたばかりで、ルンペル
を殺して人生の目的は果たしたのだという。タマラは私も
闇の王を刺すところを見たかったと皮肉ると、この目で見て見ろ
として双眼鏡を渡される。時計台から下を覗くと、ゴールドと
ベル(レイシー)が歩いているのを目にする。彼は死んでいないこと。
ヤツはあんたに勝ったのだという。今でも彼は凄い魔法を持っていて
もう誰も手を出せないという。するとタマラは私たちの助けが
ないと彼を倒すのは無理だという。私たちは魔力の殺し方を知って
いるのだという。フックはその代償は何なのかと問うと、
あんたには有るモノを探して欲しいとし、僕の父だというグレッグ。
この街で昔誘拐されたのだという。なんでオレなのかというフック
にアンタは父を誘拐した女のことを知っているとし、それが
レジーナであることを語る。
「取引は成立か」・・と。
— 昔 —
レジーナは近衛兵のバークリーやリバーズなどを連れて逃走してい
る白雪姫を捜していた。情報のあった小屋へとやってくるが
もぬけの殻だった。白雪がこんなところにいたなんて・・とレジーナ
は悔しがるが、誰かが告げ口をしたことで逃げたのだという。
レジーナはすぐに村人を集めるよう告げる。
レジーナは村人達の前で、白雪は国民を裏切ったのだとし、自分の
父親を毒殺したこと。私の夫を殺したこと。お前達の王様を殺した
のだと語り、殺したのは自分が王座に就く為だという。今は村から
村に逃げているが、彼女は盗人であり、人殺しであり国賊だという。
白雪の身柄確保の情報を出したものに金を与えるというレジーナ。
誰か見ていないかと問うが、誰一人として名乗り出るものは
いなかった。レジーナは村人を皆殺しにしろと告げ白雪を探す様
近衛兵たちに告げる。
— 現在 —
もし魔法の森に戻るとして、本当にレジーナを置いて行くのか
としてメアリーとデビッドは話合う。デビッドは連れて行くのは
危険だとし、連れて行けばずっと恐怖が続くのだという。
しかしメアリーはヘンリーが嫌がるとし、どんなに恐ろしくても母
親だという。デビッドはまた懲りずにチャンスを与えるのか?と
問うとこれまで散々裏切られてきたのだと語る。チャンスを与える
代わりに選ばせるのはどうかというと、ここに残るか、一緒に
戻ってルンペルが入って居た牢屋に入るかだという。それを
変装して聞く耳を立てていたレジーナは冗談じゃないと呟く。
— 昔 —
レジーナはルンペルの元にいく。また来たのかというルンペル。
随分と権力が好きみたいだなというルンペルに対して、村人に大金
をやると言ったのに何故白雪を匿うのか?と問う。何故私よりも
白雪に忠誠を誓うのか?と。私が女王だとすると、ルンペルは
君は村人を殺している事を告げ、つまり「悪い女王」だと語る。
彼女は人気者で、君は恐怖政治をしているので愛される訳がない
という。しかしレジーナはそんなことはないとし、白雪が死ねば
時が解決すると告げる。レジーナはルンペルに母が使っていた
姿を変える呪文を教えて欲しいと告げると、ルンペルはコーラ
でさえ習得するのに何ヶ月もかかったのだという。オレが君を
変身させてやるが、そうなると制御は出来ないという。呪文を
かけている間には魔法も使えないという。レジーナは魔法は
必要ない事を告げ、手の届くところまで近づいたら素手で白雪の
クビをへし折るという。へし折り終わったらオレを呼べば元の戻す
という。レジーナは代償は何か?と問うと、ジョージ王の国との
貿易を全て辞めろという。国を破産させたいのだという。
契約は成立しルンペルはレジーナに呪文をかける。
見た目は貧乏な服を着たレジーナだが、自分以外の人物には
別の若い女性のように見えるのだった。
ルンペルは一つ忠告だとして、女王が庶民に扮すれば聞きたくない
ことも聞く事になるという。レジーナは目的を果たせれば構わない
と語る。
— 現在 —
レジーナはヘンリーの元にいくと”オハヨー”と声を掛ける。
見せたいものがあるというと、レジーナは魔法の豆を見せる。
エマとメアリーとデビッドは私にこれを隠していたとし、隠れて
魔法の豆を育てていたのだという。あんたを魔法の森へ連れて
行き私を置いて行くつもりだという。ヘンリーは話していない
だけで隠していた訳では無いのではないかという。
みんな私のことを「悪い女王としかみていない」とし、”悪い”
とはみんながそうしただけだという。これは私が一からやり直す
チャンスだとすると、「私の呪いには実は安全装置の引き金が
組み込んである」のだという。時を元に戻す次に良いことだと。
それを使えばこの街は永遠に消えるとし、私たちは一番に逃げる
のだという。そして魔法の森にいくのだと。他のみんなはどうなる
のかというヘンリーに対して「死ぬ」のだという。それ以外の方法
はないとし、他の人が私たちの人生に関わる限りあなたは私の
ものにはならないという。一度は愛してくれたとし、彼らが
居なくなればまた愛してくれるし、私の本当の姿を見てくれる
だろう・・・それは英雄の姿だというと、ヘンリーは皆殺しなんて
ダメだとし、悪者のすることだという。しかし私を仲間はずれにする
みんなが悪者だという。ヘンリーはそんなレジーナを好きになれる
ハズがないとし、なんて僕にそんなことを言うのかというと、
そんなことを言える人はあなたしかいないとし、あなたは全てを
忘れるからだとして魔法でヘンリーの記憶を奪うのだった。
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タマラとグレッグはフックを使ってグレッグの父親を捜そうと
する。代わりにフックがルンペルを殺害出来るように魔力を
殺すことが出来ると持ちかけられる。
一方レジーナはエマやメアリーたちが魔法の豆を密かに作り、
魔法の森に戻ろうとしていることを知り、レジーナはこの街を
消滅させてヘンリーだけを連れて魔法の森へと戻ることを考えて
いた。この街に呪いをかける際に、実はレジーナは防衛策として
“安全装置の引き金”を組み込んでいたことを告げる。
なんだか同様のエピソード・同様の意図を持った内容のシナリオが
繰り返し描かれて居るような印象は受ける。
デビッドが冒頭でメアリーに語っているセリフがそれを象徴として
いるのだけど、
「何度も裏切られているのにまたチャンスを与える?」ということを
実感させる為に、そういったエピソードを繰り返し描いているの
だろうか。
一見すると悪い姿をしているレジーナとかゴールド、コーラ
辺りの人物が、過去の回想シーンを描く度に、実は良い人だけど
思わせ、悲しい運命をたどってきたことによって性格が捻くれて
しまった人物として毎回そんな思いをさせられるのだけど、シナリオが
終わる頃には、やっぱり悪い人という結論を以てドラマを見終わる
ところが何とも言えないよね。
今回は悪さ故のボーダーを完全に越えたところでレジーナが動いて
いたので、まさにタイトル通り「悪い女王」ここに君臨という
感じだった。
若い頃の白雪は確かに我が儘だった。
若い頃の白雪が出てくるエピソードを見ると3つのエピソード
(S1-18、S2-2、S-15)が有り、特にS2-15の時には、宮廷に居る時の
白雪の我が儘さ加減に嫌悪感を覚えたけど、他人を
犠牲にしてでも母親を生き返らせるかどうかの選択を迫られるシーン
を通して成長する姿をこのエピソードの中で魅せられた。
S1-18では、今回白雪が変身したレジーナを助ける際に語っていた、
暴走した馬に乗っていた白雪を助けたレジーナとしての登場する
姿が有り、善人だった頃のレジーナを唯一の覚えて居る人物かも
知れないのが白雪であることや、唯一自分のことを正しい視線で
見てくれていたのが白雪ではないかとする中での不思議な因果な関係
として描かれていた。
「どうして知らない人を助けるのか」(Reg)
「見返りを求めない善意があるんだって。その時、私は心から
理解し、その時から変わった」(Mary)
愛する人が死ねば運命が変わるのは確かだけど、その人が居なく
なれば無条件に愛情が自分の方向に向くと思っているレジーナの
不思議な価値感はどこから来る物なのだろうか。
過去のS2-2の時には「力よりも自由」だったけど、すっかり感化
されて今では「力こそ全て」がある。今回の過去のエピソードの
中でも、「力こそ全て」の象徴として、無慈悲なまでに人を殺して
いる姿が有り、「悪い女王」の「悪い」たる所以が、本人の
思惑とは別に、勝手に噂として歩き回っているとするには、もう
無理な状況として描かれていた。
わざわざヘンリーに自分のしようとしていることを話してしまう
レジーナの姿はちょっと違和感が有る。「記憶」に関しては、
このドラマでは重要かつ、魅了させる要素の一つでは有るのだけど、
レジーナ勝利の直前に、この日のこのシーンを思い出させて、
ヘンリーがそっぽを向くみたいな流れとして如何にも描かれて
いきそうだ。ドラマとしてはヘンリーそのものがレジーナの暴走
の”安全装置”として働いている部分も有るんだろうけどね。
安全装置に関してもなんだか後付け感があることは否めないけど、
マレフィセントによって守られているとは思わなかった。
それも図書館だか庁舎のエレベーターから地下室にいけるように
なっているというのが何とも言えないね。
マレフィセントは元々はKristin Bauer van Stratenが演じている
のに今回はその姿形もなく妖怪化された姿が有った為にクレジット
されることもなかった。
王子や王様が自分の身分を偽り庶民の暮らしを通して、自分の姿
をみんながどう見ているのか知るシーンとか面白かった。
「水戸黄門」とか「あんみつ姫」とかその類のものだよね。
フックの使い方も面白く、彼がどちらの味方なのか最後まで分から
ない作りだったけど、やたらとコーラのことを口にしている彼の姿
を見ると、フックがレジーナ側の人間ではないなということを感じ
させる。まぁレジーナの下に付いたところでルンペルを倒せるハズ
もないし、長い物には巻かれてこれまで上手いこと
生き残ってきたフックにすると、やはり現在形成的には、正体が
判明していない不気味さを持つグレッグとかタマラに付いた方が
有利に働くと思ったのかも知れない。
なかなか自分の思いとか思惑が伝わらないエピソードとしては
レジーナだけでなくエマのエピソードでも言えるところだった。
「ウソを見抜くこと力がある」。そんなエマの言葉の見抜くことが
出来ずにいるメアリーの姿。
みんなエマはニールがタマラと結ばれることに嫉妬しているの
ではないかとする誤解が有り、自分の主張を誰一人として聞いて
くれないこと。過去のレジーナの主張が誰一人として耳に届かない
状況と精通しているけれど、ヘンリーだけは信用してくれた。
新たな作戦名として、コブラ作戦改め「カマキリ作戦」。
コブラ作戦は呪いを破る作戦だったけど、今度は街の秘密を守る
為の作戦だということ。
中国絡みじゃないのだろうけど「蛇拳」とか「蟷螂拳」とか
ネーミングはジャッキーチェンの映画を彷彿とさせる。
「蟷螂拳」とは元々相手の攻撃を無効化して攻撃を転じるところが
有ったので、今回の魔力を無効化するタマラたちに対抗するには
良い名前の付け方なのかも。
しかしエマがタマラを理解する上で、タマラがこの街の秘密を
知っているということをエマはどういう経緯で知ったのだっけか?
ニールが全てを話したのかな。
不思議な欲求というのもまたいくつかの場面で語られている。
「彼女は愛されるよりも復讐がしたい。私にはそんな生き方を想像
することも出来ない」。メアリーがおとぎの世界で変身したレジーナ
に言った言葉だった。
またフックもまた、復讐することに人生の活力を求めている感じで
いざ復讐したら抜け殻になることを語っていた。
タマラやグレッグが過去のおとぎの世界ではどんな人物に該当するの
かなと思って見ているのだけど、この二人は新人類みたいなもので
現在の世界の代表なのかな。
「魔力対科学」の対決の構図。
そのウチ、このドラマでも「魔女狩り」のエピソードを取り上げる
のだろうなと思って見ているけど、今回の白雪を探して村人を
殺して回る姿を見ると、まさにそんな感じにも思えるね。
しかし現代の世の中に魔力があると周知された流れというのは
グレッグの言葉が発端となっているのだろうか?
グレッグが偶然この中で魔力を見つけた訳では無さそうだし、
魔力は存在していることは理解しても、「ストーリーブルック」が
「天空の城ラピュタ」の如く、常に動き回っている為にその場所
を特定できないでいた。シーズン2で初めて魔法を見たという
訳では無く、もっと壮大な目的が有ったことをラストで口にして
いる訳で、それを使命だと語っていた。
レジーナには「教えてあげないよジャン」(コイケヤ「ポリンキー」
のCMみたいな終わり方でしたね。)
「ドワーフから盗むなんて許せない」
豆が全滅してしまったけど、レジーナが一部持っていったのかな。
あとレジーナがマレフィセントの目を盗んで盗んできたもの
(呪いの引き金?)って、どんなアイテムだったのか画面が暗くて
分からなかった(笑) あのグレッグが父親から編み方を習っていた
けど、その類のアイテムなのかな。
■その他
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メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ウソをついている人を見抜ける、ヘンリー母
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、コーラの娘
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、メアリーの彼
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
アーチー・ホッパー (Raphael Sbarge) ジミニー・クリケット(コオロギ)、カウンセラー
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、質屋
グラニー (Beverley Elliott) 赤ずきんの祖母、ホテルと食堂を経営
ルビー・ルーカス (Meghan Ory) 赤ずきん、食堂でウエイトレス
ベル・フレンチ (Emilie de Ravin) 記憶喪失 レイシー
修道院長 (Keegan Connor Tracy) ブルーフェアリー
— (Colin O’Donoghue) フック船長
タマラ (Sonequa Martin-Green) ニールの婚約者、魔法を探す
グレッグ・メンデル (Ethan Embry) ストーリーブルックにやってきた
ニール・キャシディ (Michael Raymond-James) ベルファイア
— (Jennifer-Juniper Angeli) Weaver / 織工
— (Harold Davies) Fisherman / 漁師
— (Hrothgar Mathews) Carny / カーニバルのパフォーマー
— (Max Montesi) Peasant Boy / 農民
— (Bri Neal) Peasant Girl / 農民
— (William J. Phillips) Peasant Man / 農民
バークリー (Aleks Paunovic) レジーナの近衛兵
リバース (Michael Teigen) レジーナの近衛兵
*** 白雪姫を助けるドワーフ
— (Mike Coleman) ハッピー
ウォルター (Faustino Di Bauda) スリーピー
— (David-Paul Grove) ドク
— (Jeffrey Kaiser) ドーピー
トム・クラーク (Gabe Khouth) スニージー 、雑貨店
— (Mig Macario) バッシュフル
リロイ (Lee Arenberg) グランピー、何でも屋
— (Ken Kramer) ボシー