第13話 愛が壊れるとき Nobody Likes Babies
脚本/Mark Wilding 監督/Tom Verica
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選挙の不正に荷担する時、自分に死刑宣告したというヴェルナ。
ホリスがフィッツを狙撃したのではないかとして、ホリスに
その妻を擦り付けようとして検事局のデビッドは取り調べし、
オリヴィアもサポートするが、オリヴィアはホリスがフィッツ
の狙撃で暗殺者に金を出していた訳では無いことが分かる。
デビッドは釈放する中、サイラスはホリスを殺害しようとして
チャーリーを雇う。サイラスは事故に見せかけてやってくれ
と指示する中、ホリスがエレベーターに乗るとチャーリーも
乗る。
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チャーリーが乗った後に閉まる直前ハックもエレベーターに
乗る。ハックはチャーリーに対して銃を向けてホリス殺害の
流れを止めようとする。ハックはホリスに対してヤツはチャー
リーと言ってアンタに向けられた刺客だと語る。オレがやって
も良いがオリヴィアからはあんたを守るよう頼まれて来たの
だという。司法省とは取引しないと約束して欲しいこと。口を
閉じている限りはあんたを守るが、しゃべれば彼の小切手に
変わるとして出て行く。
ジニーンは取材クルーたちと共に、出産したメリーの赤ちゃんを
撮影に来る。メリーとフィッツそして赤ちゃんを囲んだ写真を
撮影。「アメリカのベビー」の誕生だった。まだ二人は名前を
つけていないとし、フィッツはウォレスにでもするかと語る。
しかしメリーはウォーリーなんて頼りない気がするという。
ジニーンらが退散するとメリーはさっさと子供を乳母に預ける。
フィッツは離婚した後にも息子と一緒に過ごしたい事を語る。
離婚を承諾しろというのかというメリーに対して和やかに行こう
と告げる。メリーはどんな時には苦楽を共にして死を分かつまで
時まで一緒だと誓ったでしょと語り、離婚はあり得ないことだ
という。しかしフィッツはボクに無理強いをするなと語る。
オリヴィアはサイラスに連絡すると、狙撃犯はホリスではない
事を語る。危うく殺すところだったというサイラス。権力は
人をうぬぼらせ、時に引き戻せないものだと。
しかしデビッドは不正選挙に食らいついているのが問題で、
まるで骨を咥えた犬状態だという。サイラスはもっと大きな犬を
用意すると、オリヴィアはホリスを付きだした時に全てを白状
する覚悟だったという。票をいじったこと。しかし考えると
ダメージを受けるのはフィッツだけなのだという。もしも
それをフィッツが知れば立ち上がれないだろうと。
そんな中フィッツがやってくるとサイラスは退席する。
フィッツはオリヴィアにキスをするる
オリヴィアはエディソンと結婚するというが、フィッツはメリー
が促進剤を使って出産したこと。全てはボクを操る為であり
息子の命を危険にさらしたのだという。例え君が誰と結婚して
もボクは離婚すること。任期中にそれが出来るか分からないが、
必ず解消するという。もしもではなく現実だとし、オリヴィアに
対して待っていて欲しいという。愛していることを告げると
フィッツはオリヴィアに”待つと言ってくれ”と頼む。オリヴィア
は少し考えさせて欲しいと語る。
クインはホリスをこのままにはして置けないという。
ジェシーを殺して私の人生を破滅させたのだという。しかしハリソン
はもっと別の事に集中すべき事を語る。誰が大統領を狙ったのか
というアビー。
ヴェルナに逢いに行くオリヴィアはホリスはどうなったのかと
問う。逮捕されていないこと。ホリスのオフィスの携帯電話
だけでなくもっと決めてとなるものが出ないと厳しいのだという。
ハックが手に入れたベッキーの口座番号と、暗殺の報酬として
金を振り込んだヤツを調べたが特定出来ていないという。
ベッキーの口座番号はあるが、ホリスがサイトロンの爆破依頼
した時振り込み先として同じ口座を使っていること。二度目の
振り込みも有ったがホリスではなかったという。ホリスのオフィス
のプリペイドカードの電話はベッキーだけだった。ベッキーを
雇っていたのはホリスではなくヴェルナでしょとオリヴィアは
語る。
罪悪感を払拭する為に何故殺し屋を雇うのかと問う。
電話で告白すれば良いでしょというと、告白しても何も解決は
しないのだというヴェルナ。「この国は嘘の上に欺瞞の上に
築かれた」というイメージしか生まれないという。私の罪悪感
などどうでもよく、私はアメリカの魂を救いたいこと、この
国を取り戻したいのだとし、その為には信頼の上で築かれた国
でないとダメだという。オリヴィアはヴェルナに対してあなた
はただの臆病だと告げる。
ヴェルナはパテル医師からガンを宣告され、余命一年、もって
二年だと言われたことを思い出す。
オリヴィアは”あなたが救いたいのは国ではなく自分の名誉”
だと語る。フィッツを消せば自分の違法行為を認めずに済む
からだという。じゃあ私を検察に付きだしたらどうか?と
しあなたがそんなに勇敢ならばと語る。できっこない・・あなた
も同じ告白をしても害こそあれ益はないと分かっているからだ
というヴェルナ。本望だろうというヴェルナは私はこんな罰を
喰らっていること。オリヴィアが居なくなった後、ヴェルナは
デビッドに病院に来るよう指示し告白することを語る。
デビッドはヴェルナが入院する病院に来るが入り口のところで
面会は出来ないとして止められる。私は約束を取り付けたし
連邦検事補だというデビッド。しかし会えないのはフィッツが
先にヴェルナに会いに来ていたからだった。
一方オリヴィアら事務所のメンバーはまさかヴェルナという
オバアさん判事が大統領暗殺を企てていたとして呆れる。
オリヴィアはヴェルナは何も話さないだろうと告げ、それよりも
問題はデビッドだという。するとハックは既に手を打ってある
とし「首振り人形」だと語る。それは何かとアビーやハリソンは
知りたがると、デビッドのオフィスや行きそうなところ、全てに
盗聴器が仕掛けられていたのである。今まで拷問に有っていた
ので回収し忘れていたとし、スティーブが全ての盗聴のDVDを
回収してくる。スティーブは意味ありげにアビーを見て君が
アビーだろうと告げる。それを知ってアビーはデビッドとの
セックス時も盗聴されていると知り、私がR指定の声を出したら
そこでストップしてそのCDをすぐに持って来てくれと語る。
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“不正投票に纏わる件はともかく”として、罪悪感に苛まれた
オリヴィアはフィッツ大統領の狙撃の件で、ホリスのことを検察
に付きだすが、銀行口座の流れからして、暗殺者であるベッキー
に金を振り込みしたのはホリスではないことが分かる。
サイラスはホリスが司法取引してしまう前に、刺客であるチャー
リーに口封じのために送り込むが、オリヴィアの命を受けたハック
が寸前のところで止める。この件を語らない限りは守ることを
約束。そんな中、オリヴィアは過去の関係者の言動の記憶を遡り
暗殺者のベッキーを雇っていたのはヴェルナであることを突き止め
本人に問い詰めるとそれを認める。ヴェルナを責め立てるオリヴィア
だが、彼女からは例え告発しても誰も得をしないことを言われ、
結局オリヴィアとしても何も出来なかった。しかしそうしている
間にもデビッドは刻々と大統領選挙に於ける不正投票(オハイオ州
ディファイアンス)の件で、追求の手を薦めていく。
崖っぷちに立たされた時に人は本性を現し、その人となりの性格が
試されるというけれど、まさにデスパレートな人たちの行動・習性
が興味深く描かれ、人生に於ける最大な岐路に立たされた際に、
人はそれぞれどの選択筋を選ぶのかという感じとして描かれた。
こうなってくると、誰がキング・オブ・ビッチなんだ?ってことで、
一番嫌悪感を持たずに感情移入出来る人を捜して思わず見てしまう
のだけど、どの人物がまともに見えるのかな。
正直者がバカを見る世界になって欲しくないし、このドラマの中でも
行動を起こしている人たちは、根っこの部分ではその思いがある
ようだけど、実際の理念と行動の間には相当な矛盾やギャップが有り、
笑えるほどに人となりのエゴが現れているところが有った。
フィクサーがビッチなのは良いとしても、それに関わる人たちの多く
がビッチ化してしまい、連鎖するかのようにして感化されていく様。
ウォーカーが伝染してウォーカーを生むが如く(「Walking Dead」)、
ベクターが人を襲いベクター化していくかの如く(「Helix」)、
同じ空間にいると汚染されるものがあるんじゃないかと。
どの流れを見てもギリギリのところ踏みとどまっていて、キャラク
ターの性格や行動はともかくとして、ドラマとしてはなかなか面白い
ところで駆け引きしていた。
その人となりの倫理感は有るのだろうし、人間として越えてはいけ
ない一線は有るのだろうけど、このドラマに出てくる人の殆どが
その一線を越えたということで、まさにビッチ化レースは横一線
でスタートラインに立ち、同じ土俵にようやく立ったというところ
なのか。
実は裸の王様だったということを知ってしまったフィッツ。
今回のエピソードを見ると、誰もが殺し・殺される可能性は有った
のだけど、それを行ったのが誰でもなくフィッツだったというところ
が凄い。
それを聞いてしまった彼の犯した行動はまさに非情なものが
有ったけど、その怒りの矛先はヴェルナに対してのみ行われる
ものなのかどうかが今後の見物かも。完全に信じていたものたち
に裏切られていた訳だから、仕返ししていくことも考えられるし
これまでのフィクサーをどのような形で対峙していくことになる
のか。
自由社会の権力者が復讐に身を投じたらどれだけの力を発揮出来る
のか見物だけど、その駆け引きの多くの中には「愛情」というもの
が見え隠れしていて、愛と憎しみが交互に襲ってくる様が
面白い感じだったね。
復讐と言えばクインのホリスに対する憎しみもまた興味深く描かれた。
ハックに対して5千ドルでホリスの暗殺を依頼する。
ハックは本気であれば金は必要がないが、その代わりにクインが
ここに留まることは出来ないことを口にしていた。
ハックの中にも暗殺者・フィクサーとしての線引きなり自制心が
有ったというのは驚きだけど、意外とこの二人はアンバランスな
感じだけど全く別の世界の人なので、逆に良い雰囲気があるよね。
デビッドがどの段階で情報を掴んだのかを知る為に「首振り人形」
の盗聴器が効力を発揮。
その中でもアビーとしては婆を引いた感じ。
前回のエピソードでは一番ダメージ力の有るクインが”クインルール”
を持ち出したけど、今回は”アビー”ルールと称して”私がR指定”の声を
出したらそこでストップしてCDをすぐに持って来て!と語っていた。
イニシアチブを持つのは、一番酷いことをされて同情されるべき
人たちだね。
何よりもこの流れに於いてアビーとデビッドの関係を破綻させた
人物がハリソンが仕込んだ人物(テレサ・ダン)だったという辺り
が切ないところ。ハリソンとしてはまさに「仕事をした」として
割り切るしかない訳だけど、プライベートと仕事をより分ける
のが難しい仕事だよね。
「僕らはフィクサー、その仕事をしただけ。いつも通り”理由は
聞かない”。個人的なことで誰が傷つこうと何がされようとも関係
ない。修復すべき問題以外はどうだって良い」。
「僕らはここでは感情を持たないはず。グラディエーターに感情は
ない。兵士は戦いに行くだけ」
勿論テレサ・ダンを使えと指示した(S2-7より)のは悪の枢軸オリヴ
ィアだけど(笑)
アビーがデビッドとの関係に於いて幸せだった時のことを思い出す
シーンがまた切ないけれど、”赤毛ちゃん”とか、PG-13レベルの
盗聴を見つけたとするハリソンとか、ハックがアビーをジーっと
見つめる光景なんかを見ると、ちょっぴりお笑いを織り交ぜていた
ところは良かったかも。
「アビー・ウェラン!」と乗り込んで来たデビッド。
フィッツと同じくして法曹界ではまっすぐ過ぎてソンしている
人物だよね。メモリーカードをブラジャーの中に隠して持って
来たアビーの姿に、なんとも複雑な思いがさせられた。
ヴェルナは墓まで秘密を持っていくことなく、最後まで自分の
名誉に固執した人物だった。
ヴェルナは自分が死ぬことによって結果としては罪から解放される
立場だけど、ただでは死なないとばかりに爆弾を投下して去って
いくところがまた憎たらしい。告白する相手がまたある意味では
もの凄いピンポイントで有り、あの時点ではまさかフィッツに
殺されるとは思わなかっただろうけど、フィッツの中の悪魔を
召喚してしまったところなのかな。
最後にエディソンを振って、フィッツから離婚するのを待って
欲しいと言われたことに同意する形のオリヴィアだったけど、
あなただけが幸せになって良いのですか?ということを問いかける
ものも有って、良い感じのオチにはなったな。
ジェームズが大陪審で嘘をついたところも凄かった。
この人は「復讐」ではなく「愛」を選んだ人だったのね。
繰り返しの寸止め暗殺者のチャーリーは殺さずして、一番金を
儲けたヤツということで。チャーリーはこのドラマでも準レギュラー
なので今後どういう活動をしていくのか、ハックとの対決も見物
かも。
そういえば「愛が壊れるとき」というサプタイトル。
ジュリア・ロバーツが主演した同タイトルの映画が有ったね。
http://itawind.web.fc2.com/movie2/aigakowarerutoki.htm
●使用された曲
・Scandal End Theme
Composed by Chad Fischer
・Get Down Tonight by KC & The Sunshine Band
・See In You by The Album Leaf
・The Light by The Album Leaf
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オリヴィア・ポープ (Kerry Washington) フィクサー、”リヴィー”
ハリソン・ライト (Columbus Short) 弁護士
アビー・ウェラン (Darby Stanchfield) 調査担当
リンジー・ドワイヤー/クイン・パーキンス (Katie Lowes) 弁護士
ハック (Guillermo Diaz) 技術担当・元CIA
サイラス・ビーン (Jeff Perry) 大統領補佐官
フィッツジェラルド・グラント(Tony Goldwyn) 大統領
ディヴィッド・ローゼン (Joshua Malina) 連邦検事補
メリー・グラント (Bellamy Young) 大統領夫人、ジェリー、カレンの母
ホリス・ドイル (Gregg Henry) 石油王、フィッツ支持
ヴェルナ・ソーントン (Debra Mooney) 最高裁判事
ジェームズ・ノバック (Dan Bucatinsky) サイラスのパートナー、記者
エディソン・デービス (Norm Lewis) 上院議員
アリッサ (Brenda Song) デビッドの部下
パット・ウェクスラー (Sam McMurray) デビッドの上司・検事局
チャーリー (George Newbern) サイラスが抱える殺し屋・B613
スティーブ・ドハーティ (Cullen Douglas) 回収屋、盗聴器を回収
ベッキー・フリン (Susan Pourfar) ホリスや雇う殺し屋
Dr.ナビーン・パテル (Duncan Bravo) 腫瘍科医師
ジャニン・ロック (Samantha Sloyan) ホワイトハウス記者
— (Bill Seward) ニュースアンカー
— (Lauren Lenhart) 看護師
— (Cecil Burroughs) Security Guard
— (Gina Alvarez) Bailiff
— (Trevor Hammonds) Mourner / Lawyer
— (Jessica Sirls) Mom
— (Michelle Wong) Field Reporter
— (Kacey Taylor) Mellie’s Aide