第5話 或る殺人の分析 Anatomy of a Murder
脚本/Terence Paul Winter
監督/John Terlesky
【ストーリー】
ユダヤのラビはエフレイム・マンクフスキー、みんなからは
愛称マンクで知られた彼は10人の子に恵まれ実り多き人生を
送ったとして、棺を運んでいこうとするが、棺を落としてしま
う。するとトヴァは棺の中から夫のマンク以外に見知らぬ女性
の遺体が出てきたことに思わず誰なのか?と告げる。
アレクシスとマーサは口紅の色について盛り上がっていた。
私は「バブルガムの幻想」にしようか「凍ったアイリス」に
すべきか。マーサは勝負の時は「くすぐりレッド」だという。
アレクシスによるとジーナがスパのタダ券をもらったので、
ネイルとマッサージに行くのだという。リックは母に前の妻
のことは嫌いではないのかと問うと、気に入らないけどスパの
誘惑には負けたという。ジーナがやってくると、リックも
一緒に行こうとするが、今日は女の子の日だとして男性は禁止
だという。三人で何の企みなのかとすると、アレクシスの新しい
彼氏のことを聞き出すのだという。思い出の曲はテイラー・ス
ウィフトだとすると、初めてのキスの時にかかっていたという。
リックはそんな話は聞きたくないと耳を塞ぐ。テイラーのチケ
ットを狙っていたというアレクシスは火曜日にアコースティック
ライブが有りアシュリーと生きたかったという。オークション
とかリックに頼んで取ってもらったらという。ジーナはリック
に対して私たちの思い出の曲はと問うと「AC/DCの狂った夜」
だとすると今度はマーサとアレクシスが耳を塞ぐ。
そんな中リックの元に電話が鳴る。
リックは現場に到着すると検視もまだなのに葬式なのかと問う。
エスポジートは棺の中から死体が出てきたとすると、当たり前
じゃないかと言われる。本来棺に入っていたマンクだけでなく
パートナーが入っていたという。リックはマンクがにやけている
よねと。
ラニは彼女の名前はヴァレリー・モンロー。郡立病院の内科医
だという。マンクとの関係はライアンが確認しているとのこと。
死因はと尋ねると、突然近くにいたトヴァは肝不全だという。
飲んだくれ亭主だったという。モンロー医師の死因は現在不明
だという。銃傷、刺傷、索痕はなく、死ぬ前後のアザが首の
後ろにあるが致命傷ではないとのこと。死斑を見る限りでは
死亡推定時刻は夕べの7時から9時だという。誰かが遺体を処分
しようとしたこと。バッグと携帯も一緒に処分するとは賢い
というリック。ユダヤ教の葬儀ではすぐに埋葬するからバレる
リスクは少ないという。24時間内に棺に触れた人を探してくれ
というケイト。
葬儀社のドレフュスから話を聞くが全く見覚えはないという。
今朝出勤したら窓が割られていて通報したが何も盗まれていな
いので警察は来なかったのだという。その時に調べていたら
とエスポジートに愚痴る。
昨日の晩モンローが病院を出たのが夕方の6時、殺害の1、2時間
前田という。被害者の電話を見ていたリックから電話を取り上
げるケイト。別にイタズラしていたのではなく昨日の6時以降
にネットの閲覧履歴を調べていたという。カトナのホテルを
調べていたようだとし、カトナに友達か家族、浮気相手でも
いるのかというリック。それがばれて恋人に殺されたのではない
かと推察する。
そんなリックの元にテイラー・スウィフトのチケットが届く。
アレクシスと彼の思い出の曲らしいと告げる。
ライアンは戻ってくると葬儀場は侵入されていたと語るライアン。
モンローのカード履歴に不審な点があるというエスポジートは
毎朝コーヒーを買っていたが彼女のウチからは20ブロックも
離れていること。病院とは正反対側だという。
ラニは被害者から灰色の繊維が付着していて、ナイロンだという。
恐らくカーペットだろうと。首のアザは鈍器で殴られていた
が、首の横に注射痕が有ったという。毒ではなくカラの注射器
でミンローの頸動脈を刺したのだろうと。プランジャーを推して
脳に空気を送った・・空気塞栓症だろうと。注入にはスキル
が必要なので医療のプロだという。死の空気を20cc注入したの
は誰なのか。
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■今回の事件
ユダヤ教徒の葬儀の際に、棺から本来の遺体以外に女性の遺体
が棺に入っていた事件。
被害者の名前はヴァレリー・モンロー。郡立病院の内科医。
死亡推定時刻は7時から9時。
捜査していくウチに首の裏にアザがあり、耳の裏に空気入りの
注射の跡が見つかる。
また被害者から灰色のナイロン繊維が付着。カーペットのもの
だとされるが、調べていくウチに、キャデラック・ドゥビルの
ものだと判明する。
■被害者の死亡前の行動
・亡くなった被害者は当日病院を6時に出ていること。
・クレジットカード情報から、多くの日の朝、病院とは逆方向
のコーヒーショップを利用していること。
・奨学金で医大を卒業しているのに最近、その返済金を
毎月大金の額返済していること。
・恋人は居なかったらしい。
・グレッグと口論している目撃者有り。
・病院の防犯カメラ映像から、男性と出て行くのを目撃。
■ドラマ好きのリック
元々小説家なので映画とかドラマなんかをよく見る機会が
多いのだろうけど、今回は映画を引用することが多かったな。
またドラマを見た経験から話をするシーンが有った。
中でもリックとケイトが被害者の郡立病院を訪ねる際のやりとり
が興味深い。
「医療従事者はストレスが多いので殺人を犯してもおかしくない」
「病院内は性関係も乱れている。ドラマを見て知識があるよ」
(「グレイズ・アナトミー」でも見過ぎているのか(笑))
「5人中4人の医者は同業者以外を求める」
「警察好きの医者は?」「1人居る」「バイクボーイって医者?」
「心臓外科よ、彼は朝からバイパス手術で人命を救ったの。
あなたは今朝何をしたの?」「ワッフルを作った。」
(こうして前回登場したケイトの彼氏・ジョシュのことが少し
明らかになったか・・)
■容疑者として浮上するグレッグ
郡立病院で働いている看護師のグレッグ。
女性医師との関係が良好で、やたらと下の名前で呼んでいる事。
7時から9時まではロンダ・チャイムズ医師とコーヒーを飲んで
いたという。
ケイトに対しても「髪の毛がキレイ」だとして、好印象を
持たせようとしていた。まんざらでもないケイト(笑)
リックの見立ててでは、三角関係によるもつれで、浮気したの
を見つけられて殺したのではないかということ。
それを想像して「死のキャットファイト」という小説のアイデア
を思い浮かべていた。
グレッグを巡る女性関係は怪しい要素としては十分だった。
グレッグは女性医師達とはプラトニックな関係だとした際に
リックは「寝るつもりはないのに何で女の話を聞いたり物を
買ったりするのか」と言った後に、ケイトがやってきた為に
思わず「ベケットさんだぁぁ」みたいに語っていたけど、この
疑問は当たらずも遠からずのところは有ったね。
目的は違えど、彼には女医に近づく目的は存在していた。
■被害者が大金を得ていた理由
ヴァレリーが通っていたコーヒー店の傍に、ホテルがあり、
彼女はそのホテルに通っていた。そこにはかつての麻薬王の
セサール・カルデロンがスイートに泊まっていることが分かる。
そこにはセサールの弟のマニュエルも住んでいて、彼によると
防犯カメラ映像の男性をダイナーで見かけたというもの。
アメリカズというダイナーでランチを食べる常連客。
接触すると、司法省のレナード・マロニーだという事が判明。
ヴァレリーには、潜入捜査を手伝ってもらっていたというが、
目的はカルデロンではなく、郡立病院の会計監査の不正、
処方箋の偽造、医療詐欺などを調べていたという。
この時点で視聴者の多くが犯人を想像出来たのではなかろうか。
自分たちのことを調べていると感じたセサールの弟が殺害に
及んだということを・・。
しかしヴァレリー本人も郡立病院勤務なのに、個人の診療を
受け持つということは不正ではないのかな。
■被害者が検索していたカトナのホテル
カトナには何にもないぞというモンゴメリーに対してリックは
素晴らしいところが3つあることを述べる。
1) 美しい田舎の景色
2) 漫画家ギャリー・トゥルードーが通った学校
3) マーサ・スチュワートの家
ベッドフォードヒルズと言えば女性刑務所があるとして面会者
リストなどを調べていく。
そこでグレッグが度々エイミー・ポーターと面会していた事が
分かる。
■受刑者エイミーとその死の偽装
脳卒中で倒れて郡立病院に運ばれて死亡したというエイミー。
しかし実際には薬を使って一連のことを処理していて、グレッグ
は彼女を脱獄させようとしていた事が判明。
棺桶にまた別の女性が入ることになるのかと思ったけど、
ケイトたちはそのトリックに気がついていくことになる。
脱出作戦を決行した一連の流れに対して「プリズン・ブレイク」だ
と嬉しそうに語るリックの姿が有った。
更に「パルプフィクション」「ショーシャンクの空に」など
を引き合いに出していた。
「ショーシャンクの空に」は警察官ならば誰でも見ていると
していたけど本当なのか。
■意外にも純愛
グレッグは無実の罪で服役しているエイミーのことを愛して
いて、他の女医にも目を向けずにひたすら脱獄作戦を考えていた
様だ。その課程で人を殺したらまずいだろうという可能性も
有ったけど、彼女を殺すことなどありえないという。
ただ彼が医療に従事していることと、ヴァレリーの死が医療
スキルが必要なことが多少なりとも合致したことで疑われた。
「こんな素敵なラブストーリーはハッピーエンドで終わらせない
と」というケイトの言葉が印象的であると共に、刑務所から
の脱獄に関して、リックは誰が俺のためにそんなことをしてくれる
のかという際に、ケイトは私が助けると告げ、またリックに対して
気を持たせるような発言をしていた。
■ブレスレット、そしてATMの映像
決め手は被害者が持っていたというブレスレットが無くなって
いることと、ATMに写っていた車からカルデロンが所持する車
だったこと。リックらがカルデロンを問い詰めていくと、
そこには兄が捜査対象になっているという誤解から発生した
事件だということが判明した。
「兄貴が教えてくれたことだ」と。
■アレクシスを巡るジーナとリック
私生活では、アレクシスの対応を巡り二人が対立する光景が
有った。リックとしては娘に彼氏が出来たことでより疎外感と
喪失感が強い中で、テイラー・スウィフトのチケットを使って
娘の気を引こうとして努力する。しかしジーナがより自分よりも
条件の良いチケットを入手してしまったことで、リックは激怒
するが、そんな彼女から「あなたはいつも自分がヒーローで
ないと気が済まない」ということを指摘されて、気がつくところ
が有った様だ。
■使用された曲
・Castle Theme
Written by Robert Duncan
・You Know It’s True by Jules Larson
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
グレッグ・マクリントック (Michael Cassidy) 看護師、女医に人気
ジーナ・コウェル (Monet Mazur) リックの元妻
セサール・カルデロン (A Martinez) 元コロンビアの麻薬王
マニュエル・カルデロン (Carlos Sanz) セラールの弟
ジェリー・カムデン (William Allen Young) 郡立病院医院長
レナード・マロニー (Bo Foxworth) 司法省
Mr.ドレフュス (John Kassir) 葬儀社
Dr.リサ・アッカーマン (Allyssa Brooke) 薬剤師
Dr.イマニ・フェルペス (Brea Cola) 医者
エイミー・ポーター (Erin Fleming) グレッグの恋人
トヴァ (Cynthia Frost) 喪主、夫マンクの死
Dr.ヴァレリー・モンロー (Sara Holden) 被害者、郡立病院内科医
— (Nathan Lam) ラビ
— (Stephen Pisani) Pallbearer /棺につき添う人