第6話 正すべきもの Legacies
脚本/Moira Kirland、Marc Guggenheim 監督/John Behring
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【ストーリー】
銃を持ちマスクをした3人組が「スターリングトラスクバンク」
に強盗に押し入る。仮面にはそれぞれトランプのA・J・Kの
マークをしていた。一人非番だった警察官・スターンが客と
してきていた為に、銃を抜き出して撃とうとするが、一人の女性
は被害者が出ると考えて、何もしないで欲しいと止める。
しかし犯人のウチ、Aのマスクを被った男は相手が銃を持って
いる事を知って銃弾を撃つ。それを知りマスクKの男は何で
発砲したのかとして激怒。取りあえず金庫にある金をバッグに
詰めていく三人の男たち。しかし何者かが非常ボタンを押した
為に銀行の外にはスターリングシティ警察が周りを取り囲む。
ルーカスは拡声器を使って外から投降を呼びかける。すると
突然銀行のドアが開いて人質全員がマスクを被った状態で逃走
してくる。誰が犯人なのか分からないまま、室内を調べると、
犯人は金庫室の地下に穴を開けて逃走した事が分かる。
用意しておいた車に乗り込む中、リーダー格のマスクKは改めて
マスクAに対して何故警察官を殺したのかと問うと、オレが
撃たれても良かったというのかと問う。
ディグルとオリバーは基地で訓練をしていた。
オリバーはディグルに対して戦術をたたき込む。ディグルは
オリバーの戦いのスキルを称賛する中、何処で覚えたのかと
問うとヤオ・フェイに教わったのだという。島で何が有ったのか
いつか聞かせてくれというディグル。
そんな中、今夜も仕事だとしてオリバーはディグルに資料を
見せる。
今夜のターゲットはスコット・モーガン。
グレーズ地区で電気と水道料金をつり上げて利用主が払えない
と真冬でも電気を止める非情なヤツだという。しかしディグル
は優先すべきはこいつらだとして、ネットに掲載されている
銀行強盗事件を掲示し、こいつらは3年前ペンシルベニアの銀行
強盗をきっかけに西に移動し、今朝はトラスト銀行を襲った
こと。非番の警察官が撃たれているという。こいつらは街ごと
に2、3カ所銀行を襲うのだという。しかしオリバーはオレが倒し
たいのは街を牛耳るヤツであり路上犯罪者ではないという。
ディグルは大企業の起業家やCEOが限定かとすると、それも
分かるが手帳に拘らず手広く世を正してもオヤジさんは怒らない
だろうと語る。しかしオリバーはオレは父さんの為に生き延びた
事を告げ、自分達が汚した街を救えと言い残したのだという。
手帳の名前を消していくのが目的だと。街では犯罪は毎日起きて
いるので、そういう人物を全員取り締まれとでも言うのかと問う。
しかしヒーローの定義を狭く捉えているとしてディグルは反論
する。オリバーはオレはヒーローではないと告げる。
— 島 —
オリバーは空腹と寒さで今にも死にそうだった。暖を取る為
に手帳を一枚ずつ燃やしていく。しかしそんな中、オリバーの
元には自殺したハズの父・ロバートが現れる。
— 現在 —
ローレルはジョアナに対して、悪夢だという。
事務所のメインスポンサーであるスタブ産業が支援・援助が
打ち切りになりそうなこと。悲しいけど現実だというジョアナ。
そんな中トミーがローレルの元を尋ねると、これからコースト
シティに食事に行こうと誘う。この前に話をしたが、ローレル
にはオレの本当のことを知って欲しいのだという。しかし
ローレルは今大口のクライアントから資金援助を打ち切られそう
で大変なんだという。私が今の仕事にどれだけ情熱を注いで
来たか知っているでしょとすると、それが全て無駄になる
かもしれないのだと語る。それを聞くとトミーは出直してくる
と語る。
テアはオリバーに対して、最近母さんの様子が変だと相談する。
ウォルターが突然地球の裏側に出張してから落ち込んでいると
いう。
そんな中、母・モイラはジャニス・ボーエンから電話が有った
という。オリバーはカーターの母かと告げると、母さんにとって
カーターは完璧な息子像なんだろうと語る。チェスの全国チャン
ピオンとかディベートチームのリーダーとか、ハーバード大、
プリンストン大に合格したとか、いつもそんな話を聞かされる
という。ジャニスとカーターとのブランチに二人とも参加して
と告げると、オリバーは用事があるという。しかしモイラは
今回だけは都合をつけてと言われる。オリバーは仕方なく分かった
というと、テオは兄に失望する。
ディグルはオリバーに対して、手帳の男・スコット・モーガンが
自殺したとして、今から総合病院に来てくれと語る。
トミーがオリバーの元にやってくる。新しいスポーツカーを購入
したので乗りに行こうと誘いに来たが、オリバーは用事なんだと
して出て行ってしまう。テオの姿を見たトミーは、本来スピーディ
はオリバーでなく君のハズだろうとして慌ただしいオリバーの
ことを指摘。テアはトミーが何か話したがっている様子なので、
相談にならばいつでも乗る事を語る。するとトミーは気になって
いる女性がいるが彼女の心をどうすれば掴めるのかと問う。
テアはいつもの口説き文句を使ったらどうか?と言うと
「やぁー、オレはトミー・マーリン。億万長者だけど若いし顔も良い」
とモノマネする。しかし相手は金なんてどうでも良いというタイプ
なんだとすると、それならば素直に気持ちを伝えたらどうかと
いう。しかしその子とは長い付き合いで、正攻法でも効果が
ない事を告げると、彼女に取って何が大切かさぐり、それを共有
したらどうかと告げる。
総合病院(SGH)へ行くオリバーはディグルに逢う。
スコットはとても自殺するような人物には見えないというオリバー
だが、ディグルは嘘だと語る。そんな中、ジェナがディグルの
元にやってくると、地元の病院から総合病院に転院させてくれた事
に感謝される。ディグルは出資したのはここにいるオリバーである
事を語る。夫のスターンは警察官で、非番の時にスターリング・
トラスト銀行に行っていた事を語る。医師によると24時間が
峠だと行っているという。警察は命の危険が有っても人を助けよう
とする連中だと。
オリバーはディグルに対して嘘を付いたことを指摘すると、オレは
部下ではなくアンタの仲間だと語る。オリバーはオレは会社を
正すチャンスがあるのに見て見ぬフリは出来ないのだとすると、
スターンも見て見ぬ振りが出来なかったからこそ傷ついたことを
語る。それを聞いたオリバーは強盗団を掴まえようと語る。
二人は防犯カメラ映像を見る。
犯人は三人組。その内の銃を撃った人物はカレッジリングのような
ものをしていることが分かる。しかしこれ以上防犯カメラ映像では
詳細はわからないとのこと。オリバーは警察署にならば現場検証の
写真が有るハズだとして、警察に乗り込んでデータを盗むと語る。
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オリバーは次のターゲットにスターリングシティのライフライン
を牛耳るスコット・モーガンに目を付ける。手帳にも名前が記され
ており、彼は水道や電気料金など不当に料金をつり上げてその利益
を懐に入れている人物。料金を払えなければ冬でも容赦なく
暖房を止めてしまうようなヤツだと語る。しかしディグルは寧ろ
今朝トラスクバンクで発生した強盗事件で街の治安を司る警察官
が撃たれた事件に目を付け、強盗をやっつけようと語る。
オリバーはあくまで父親の遺志を受け継ぎ、自分の使命を全うしたい
構えだが、ディグルは街を救う方法は一つではない事を告げ、
今後の方針に関して意見が割れていく。しかしオリバーはディグル
に説得され、強盗事件を対処していくことになる。
オリバーが行っている父の残した手帳を元に悪者退治の使命。
父親が残した負の遺産に対して息子が解決していかねばならない
辛さというものが有るけれど、それが金持ちとして生まれたもの
の宿命なのだろうか。
父親が残した手帳の中にはそんな悪徳なものたちの名前があぶり出し
のような形で書き残されていたけれど、オリバーは暖を取る為に
これまでにも一枚、また一枚と何枚もの手帳の紙を破っている
ことを考えれば相当数見落としが有るのではないかという気がする。
意外とそんな見落とした中に大事な人物とか、あっと驚く人の名前
なんかが書かれているのかな。
島でのことはまるでエピソードが回っていかない。
まだまだ初期の段階で、空腹で生きるか死ぬかという瀬戸際状態
の中、いよいよ光の中に導くものが現れたのかという際に、
父親から改めて息子としての使命感を勝手に諭されている感じにも
思えるし、全ては父親が悪いのに勝手に使命感を与えるなと小一時間
だけど、息子も息子で散々好き勝手やって成長してきたことへの
罪悪感の引き合いに出して、その後処理を行わせようとしている感じ
にも思える。「ダウントンアビー」でロバートは領主として振る舞う
以上は、村の人たちの生活を守らねばならないとしていたけれど、
まさに金持ち故の社会的貢献というのはそれだけ大事なものが有る
のだろうね。
クイーン家では何よりも家族の絆を持ちたがっている様子。
テオとモイラはその中でも特にその意識が強く、人恋しい部分が
見え隠れてしている。
金持ちとか有名人になるとその代償として孤独さというものを経験
するみたいだけど、忙しいからこそ金も儲かる訳だし、家庭も
犠牲になる。そして金目当てのものが近づき容易にそのガードを
下ろすことは出来ないのだろうけど、大体どの家庭も似たような
ものだとは思うんだけどね。
さて今回は、強盗を倒すという刑事の仕事を奪おうとするという
ちょっぴり過保護にも思えるエピソード。刑事には刑事の仕事が
有る訳で、まぁ資金不足で犯罪を追えないという事情が有るので
有ればともかく、一般の事件まで扱うことは寧ろ街の自助的な
能力を否定するようにも感じるな。そもそも今回の事件、オリバー
たちは簡単に法則性を掴んで銀行を襲うことを予想しているのに
警察官は何をしているって感じだった。クエンティンの登場も
無かったし・・。
ポイントだったのは、罪を犯したものにもやり直す機会を与えたこと。
このようなことをせざるを得なくなったのは、父・ロバートの
会社が会社の中国移転を決定し従業員を解雇したことと同時に、
その後の保険金を含めた補償を一切無視した行動を取ったこと。
同情する余地は無いわけでは無いが、自分一人だけが銀行を
襲って人生を楽に過ごそうと考えて強盗を犯しているという時点で
肩入れしづらいものも有る。
人は誰でも過ちを犯すものだが、その過ちに気が付いた後にどのよう
な生活をしていくのかどうかにかかっている。
チャンスを与えたのは、オリバー自身の罪悪感が加味されてのこと
だけど、それもまたある意味ではエゴのように見えるし、自らが
法の番人のような状態である。
「俺たちの共通点は父の行いの結果の人生を生きていることだ。」
「父のした事は父の責任。これからどうするかは俺たちの責任だ」
という辺りが、最大限の譲歩だったけど、結果的には犯した罪
からは逃れられなかった。
テアはトミーのことが好きなのだろうか?それとも自分のことを
気に掛けてくれる人の存在を求めているのか。
これは同時にモイラの心の中でも似たようなものが存在していそう
だけど、自分から何かをしない限りはなかなかそういう繋がりなり
絆なり、人から求められていることを体現出来ないものなのかも。
トミーはローレルとの関係を進めようとしている。
オリバーはローレルとの関係に後ろ髪を引かれながらも、彼のやる
べき優先順位はやはりローレルとのそれは低いのかな。
ディグルは格好良く自分で犯罪の解決を求めたけど、実質的に行動
を起こしているのは全て、オリバーだったな。ディグルも監視・尾行
だけでなく働け・戦え(笑)
■使用された曲
・Arrow End Theme
Composed by Blake Neely
・Let It Go by Wild Belle
・One More Night by Maroon 5
・Wildest Moments by Jessie Ware
・Be The Song by Foy Vance
・Die Life by The Soft Moon
・Keep You by Wild Belle
■検索用キーワード
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オリバー・クイーン (Stephen Amell) スターリング・シティの億万長者
ダイナ”ローレル”・ランス (Katie Cassidy) 正義感溢れる弁護士
トミー・マーリン (Colin Donnell) オリバーの親友にして、悪友
ジョン・ディグル (David Ramsey) オリバーのボディガード。元軍人
テア・クイーン (Willa Holland) オリバーの妹”スピーディ”
モイラ・クイーン (Susanna Thompson) オリバーとテアの母親
クエンティン・ランス (Paul Blackthorne) スターリング・シティ警察の刑事
ウォルター・スティール (Colin Salmon) クイーン産業のCEO
ジョアナ・デラ・ヴェガ (Annie Ilonzeh) 弁護士、ローレルの相棒
ルーカス・ヒルトン (Roger R. Cross) 捜査官
ヤオ・フェイ (Byron Mann) 島の住民
マルコム・マーリン (John Barrowman) モイラに接触??、トミーの父
ロバード・クイン (Jamey Sheridan)
デレク・レストン (Currie Graham) 父親、マイクK
カイル・レストン (Kyle Schmid) 長男、マイクA、ラーチモント高校中退
Mrs.レストン (Sarah-Jane Redmond) 母親
テディ・レストン (Tom Stevens) 次男、マスクJ
カーター・ボーエン (Warren Christie) 医師
ジャニス・ボーエン (Laura Soltis) カーターの母、モイラの友人
フェリシティ・スモーク (Emily Bett Rickards) スターリング・シティ社
— (Dalias Blake) 銀行・守衛
— (Brendon Halcrow) 銀行・マネージャー
ジャナ・ワシントン (Karen Holness) スターンの妻
スターン・ワシントン (Mathew Yanagiya) 警察官、銀行で撃たれる
— (Lucy Page) Cocktail Waitress
スコット・モーガン