第19話 アブノーマルな愛 Sick
脚本/Dawn DeNoon
監督/David Platt
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大学生の学生寮に住むゴス少女とプレッピー少女。
2人部屋になったことで電話線一本を取り合う格好で、ゴス少女
がずっとネットで回線を塞いでいることも有ってプレッピーな
少女が少しはチャットを辞めて欲しいという。
しかしゴス少女は”サイコキラー”というハンドルネームの相手
がchatの中で、”怒りを解き放ちたい”、”ナイフとロープと5歳の
少女”、”純潔を汚し切り刻む”と書き込みしてきたことでヤバイ
と考えて、プレッピーな少女はchatの変身に”警察に通報する”
と書く。ゴス少女はそんな言葉ではなく宥めないとダメだと
するが、相手からは”通報ありがとう、警察も皆殺しにする”と
してきたことから、すぐにデンバー警察に通報する。
警察署員は情報を受けてその掲示板やchatを監視していたが、
“準備開始した。地獄で逢おう”という書き込みを最後にして
切断してしまう。名前を割り出すと、名はジェレミー・オステ
ィローだと判明するが、ここはコロラド州であり、容疑者は
ニューヨーク在住だという。
NYPDは通報を受けて急いでオスティロー家に向かう。
エリオットとオリビアは突入班たちに、この部屋には子供が居る
ので注意してくれと語る。
ドアを強引にあけると、ジェレミーを逮捕しようとする。
サイコキラーというハンドルでIDはJ-J-O Rulesだとすると、
妻のアンは、それは息子のJJのIDだという。ジェレミーJr.だと。
ベッドの下に隠れていたJJがやってくると、ジョークだと語る。
署に連れて行ってJJから話を聞く。
同行してきたジェレミーは息子は12歳でありイタズラだという。
しかしエリオットはそれは殺人の予告だと語る。
“服を脱がせ”、”レイプしてやる”。そんな書き込みは君の望み
なのかと問う。父親は今後ホラーやネットは禁じるとするが、
ネットのせいじゃないという。アンはまた息子は繊細だと語り
マンガや映画から引用したセレフだろうと語る。
しかし取調室ではJJはいつから暴力的になったのかとして
オリビアは追求する。それは誤解だとするが、妹は虐待されて
いないかと問うと、娘さんと話をさせて欲しいという。幼い
被害者への事情聴取に親の同意は不要だというオリビア。
エリオットは”彼女の純潔を汚し切り刻む”と書かれたことは妹
のリゼットのことなのかと問う。それとも別の5歳児にムカつい
たのかと問うと、お気に入りのCDを壊されたが仕返しなんか
しないという。痛めつける場面を想像するだけだとすると実行は
しなかったのかと問う。人生のストレスだとすると、エリオット
はオレは犯罪者がムカツクのだと語る。エリオットは昨日4人の男が
女を集団レイプしたとし、そいつらは彼女を殴り、懇願するのを無視
して辱めたのだという。それを聞いた父は相手は子供だぞというが、
この子は大人の犯罪者気取りをしているのだという。犯罪者に
なりたいのかと問うと、”まぁね”と語る。
オリビアはリゼットから話を聞く。
JJに何かされたのかと問うと、髪の毛を引っ張られたという。
人形を使って教えてくれないかというオリビア。リゼットは
人形の髪の毛を引っ張った後、私にではなくベバリーとエリカ
の髪の毛を引っ張ったのだという。2人共病院にいること。
ここが病院だとしてベッドの下から箱を取りだすと中から人形が
多数出てくるが、いずれの人形も性器のところが傷つけられて
いるものだった。
クレイゲンたちはジェレミーに対して、ご子息は病気である
事を語る。妹の人形を壊しただけだとするが、生殖器の部分を
切り取っていると語る。これは心の障害であること。精神鑑定
の同意書にサインを求める。サインしなければテロ行為の示唆
で起訴する事を告げると、ジェレミーは何でもかんでも9.11に
結びつけるなと語る。ベルビュー精神科病院に入院させるとし
家には帰せない事を語る。病院か少年院かは貴方次第だという。
マンチは病院にいくことになったのかと問うとようやく父親を
説得したという。フィンはJJは独房がお似合いだとして、
同じアパートの子を怒鳴り散らしているという。目つきが悪い
からという理由でクロゼットに閉じ込めて殺すと脅して一時間
閉じ込めて放置したことが有ったのだという。親は高級品を送って
謝罪したことをかたると、まるで時限爆弾だというエリオット。
学校で爆発したかも知れないというフィン。
3月2日(火)・フォークナー中学校。
校長から話を聞くと、JJは注意力散漫で成績は低下、問題行動を
起こしていたという。女性の机にマジックで猥褻な絵を描いたり
猥褻な文章を送ったり・・。セラピーを進めたが親が拒否した
ので学校としては今年限りで退学にするという。生徒は暴行した
のかと問うと、確かにしたけど相手が否定しているという。
ケンカだったことも有りミッチェルという生徒は血だらけでJJは
無傷だったとのこと。しかし不自然なのはミッチェルはJJよりも
体格の大きいガキ大将なのだという。
ドッヂボールをしているミッチェルたち。
それを見ていたマンチはドッヂボールは残酷だとして、自分は痩せ
ていたので標的にされたという。「鉛筆を折れ!」と言われたこと。
フィンはミッチェルにボールをぶつけるとアウトだとして呼び
だす。JJとケンカの経緯について尋ねると、シャワー室で誰か
がJJのタオルをとったのだという。イタズラで濡れたタオルで
たたき合ったが、JJが突然僕を殴りだしたのだという。鼻血を
出して唇も切れたという。何故やり返さなかったのかと問うと、
恐かったのだとし、アイツは”レイプ!”と繰り返し叫び続けて
いたとのこと。
短気で性に関心、行動や性格の変化・・これは性的虐待児の
典型だという。一体誰からなのかというクレイゲン。父が犯人
ならばJJも本人の前では真実を言えないだろうという。母親は
知っているハズで、罪の意識を感じて居るようだったという
オリビア。JJを説得するよう告げるが、エリオットは取り調べ
の際に厳しくしたので信用されないという。それならばホアン
に頼もうとし、精神科病院にも顔が利くという。
3月2日(火)・ベルビュー病院。
ホアンはJJと二人で話す。気分はどうかと問うと誰に怒っている
のかと問う。両親は大馬鹿だという彼にどうしてそう思うのか
と問う。ここに入れたことだというと、何が有ったのかと問う。
JJは言ってはいけないことだとし、契約したからだという。
秘密にすることを契約したのかと問うと、僕ではなく親が契約した
のだという。犯罪を隠す契約などないことを説明するホアン。
いつのことなのかと問うと外泊した時、参加した子では僕だけが
「宝の部屋」で寝たのだという。彼の寝室だとする、相手はビリー
で、パジュマを出してくれたという。服を脱がして触られたという。
僕にも触るよう言ったこと。両親にも打ち明けたとすると、ビリーは
パパの会社の社長なんだという。口止め量をもらい会社を辞めた
事を知る。
3月3日(水)・ビリー・トリプリーの自宅
3月2日(水)・判事執務室
3月9日(火)・第38法廷
3月9日(火)・ノラ・ホッジズの自宅
3月9日(火)・監察医事務所
3月11日(木)・ライカーズ刑務所
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大学生の二人がネットでのchatをしていると、突然chat相手が
猟奇的な発言をし始める。元々奇抜な人たちが集まるサイト
だったが、その中でもリアルに5歳の少女をナイフとロープで
切り刻むとしていたことから、警察に通報する。発信場所は
コロラド州ではなくニューヨークだということで、SVUが発信者
の自宅に踏み込むと、そこにはオスティロー家という4人の家族
が住んでいる事が分かる。父親のジェレミーの犯行かと思われた
が、12歳の息子・ジェレミーJr.(JJ)がchatしていたことが
分かり、彼本人はジョークだとし、両親もホラーやゲームなどに
影響を受けた発言だとするが・・・
シーズン5は子供の事件が続きますね。
ネタとしては2003年11月18日に複数の子供に対する性的ないた
ずらをしたとの疑いをかけられたマイケル・ジャクソンのネバー
ランドネタが取り上げられた格好だったのか。チャリティでの数々の
資金提供など、今回の容疑者とされるビリーは英才児の為の寄付、
病気の子供への寄付、貧しい子供への寄付など同様のことを
していたけれど、結局マイケルの件ってどうだったのかイマイチ
よく知らなかったりする。
早くから犯人が自体が誰なのかは判明するが、それを証明すること
の難しさを感じるものが有る。
またこの事件の根本に有る犯罪に於ける歯止めの利かない状況は
人間の欲心が作りだしたもので、その責任は犯人が最も悪い訳
だけど、問題として最も誰がエゲツなく見えるのかということと
して描かれてしまった感じがする。
犯人を知りつつ黙認して金を受け取っている父親が問題なのか、
そんな事件に便乗して金を得ようとして虐待を訴える為に孫を犠牲
にする祖母が問題なのか。
ホント人の欲心とは人の尊厳など簡単に踏みにじり、血縁が有って
も所詮は他人事として見ていられるものなんだなって感じがする。
そもそも虐待事件が後を絶たない現実を見ると、子育ての関係って
ただでさえ難しいものがあるんだよね。
今回は特定の捜査官が主役だということも無かった。
敢えて言えば、少年期は細身だったことで虐められたとするマンチ
とか、話を聞くためにいじめっ子にボールをぶつけて、強引に
話を聞こうとするフィンだったりするのか。
裁判の方にも力点が置かれていて、完全に検事側有利の案件だった
のに、抜け道は色んな所にあるんだなって感じで、証言頼みの
起訴は相当難しいことを感じさせたし、何よりも冒頭から精神の
病気だと捜査官たちが被害者を病院送りにしたことも有って、
難儀を極める流れが有る。
しかし子供が発する助けを求める信号を大人や両親がキャッチせずに
スルーしているとなれば、一体誰に助けを求めれば良いんだろうか
って感じ。人形に対して異常な行動を見せているウチにこの件が
取りあえず阻止出来たことは良かったけど、結果的にドラマでは
解決に至らずにあやふやなままで終わってしまった。
金を受け取ろうとして孫に水銀を飲ませていた祖母の逮捕だけが
唯一の収穫。
虐待している本人には何の音沙汰もないところか、寧ろ更に子供
は集まっていくという不思議な光景にはちょっと驚くところが
有るけれど、大人もまさかこの人が犯罪を起こすはずはないと
いう先入観を抱いているのだろうか。
容疑者にかけられた男性は35歳にもかかわらず子供のように振る舞う
ピーターパン症候群を患う。そんな子供が好きならば、性的対象と
して見て、いたずらなどするものなのか?
孫を利用して金を得ようとしていた女性はミュンヒハウゼン症候群
にかかっていて、自分が注目されないと気が済まないとしていた
けれど、この症状を持った人物による犯行は最近でもこのドラマで
描かれていたし、「リベンジ」に於けるルイーズの母は遺産を自ら
使う為に娘に薬物を与えて薬付けにしている現状が有ったな。
ノバクとしては今回の件で、メアリー弁護士に相談するシーンが
有った。S5-16に続いて二度目の助言を仰ぐシーンだった。
レストランでの会話の中で、思わず性器の話をして
周りの客から引かれてしまっていたけど、過去にもキャボットが
上司と相談する姿とか結構思い出されるな。
判事のジョセフはメアリーに対して絶対の信頼があるのか、
JJの証言を買収して彼の消息を隠して司法妨害をしている父親に
変わって後見人を名乗り出る彼女に即断でその権利を与えていた。
ジェレミーは逮捕されてでも息子の居場所を知らせようとはせず、
息子を守るというよりも金を守る為に行動を起こしているその
執念が凄かったね。
白血病でビリーの虐待を証言してくれると思っていたノラだが
実際には白血病ではなく祖母が仕掛けた金儲けの罠だったこと。
日曜日放送の「クリミナル・マインド」S5-10の中でプレンティス
が最後にストーカーの妄想症の男にあんたも刑務所に行って
被害者と同じ目に逢えば良いみたいな発言をしていたけど、
今回のノバクも最後に「あなたは病気じゃない。欲深いだけだわ」
と語る姿が印象に残るものでした。自分が病気だということを
傘にして犯罪を犯しているという辺りがホントいやらしいけれど、
自分が病気だと分からずに子供に対して虐待している人というのも
相当タチが悪い。
残念だけどこの事件解決しないままで、この先ビリーが逮捕される
ことはないようだ。
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エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
— (Jose Zuniga) Computer Forensics Technician
トレバー・ラニガン (Peter Hermann) 鑑識
メアリー・クラーク (Marlo Thomas) 判事、ノバクが相談する
チャウンシー・ジエコ (Peter Riegert) ビリーの弁護士
ウィリアム”ビリー”・トリプリー (Will Keenan) トリプリートイズ社長
ジェレミー・オスティロー (James Colby) JJの父親
JJ.オスティロー (Shane Haboucha) 息子、虐待を受けて居る
アン・オスティロー (Jennifer Van Dyck) JJの母
リゼット・オストロー (Ryan Simpkins) JJの妹
エイプリル (Madeleine Martin) 白血病に見せかけられる
クレオ・コンラッド (Jill Marie Lawrence) ノラの国選弁護人
ジョセフ・P・ダーフーン (Philip Bosco) 判事
ノラ・ホッジス (Cindy Williams) エイプリルの祖母
— (Kit Flanagan) フォークナー中学校校長
Dr.カイル・ベレスフォード (Stephen Gregory) エイプリルの病気について
— (Jamie Proctor) Goth Girl
— (Sarah Jane Everman) Preppy Girl
ジョナス・ハース (Tim Ewing) エイプリルの支援
ミッチェル・エディソン (Nick Cubbler) ガキ大将
グラディス (Susanna Guzman) トリプリー家のメイド
— (Bill Hoag) デンバーの捜査官
— (William Franke) デンバーの制服警官
— (Ed Bogdanowicz) ESU
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