第3話 売名行為 Obscene
脚本/Jose Molina
監督/Constantine Makris
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潜入捜査官・ジェシー・ドーニングが主演する、ドラマ”GIRL
UNDERCOVER”の撮影が行われていた。女性が滅多刺しされ首を
折られて居るという女性被害者に対して警察犬部隊を導入する
として犬を連れた警察官役のものがやってくる。しかし犬は
被害者役の女性を通り過ぎて行ってしまった為に監督のマルケ
ズは激怒。撮影が台無しだという。犬はジェエーのトレラーハ
ウスの楽屋のドアを開けようとする。中ではジェシーが頭を壁
に強打されレイプされていた。
救命士によると瞳孔に反応は有るが検査しないと助かるかどう
かは分からないとして病院に運ぶ。
エリオットとフィンは現場に来ていた。”潜入捜査官”の製作を
している責任者のマケルズから話を聞く。現状の説明を求める
と彼女のロケ車のドアを開けたら彼女が床に横たわっていたの
だという。ロケ車の鍵は誰が?と問うとスタッフだけだという。
彼女と揉めた人はいるのか問うと、番組はシーズン3になり、
スタッフたちは家族も同然だという。しかしフィンたちは室内
に置かれているゴシップ記事を目にしてこれはどういうことか
と問う。記事にジェシーをバッシングするものばかりで、
「尻軽ジェシー」「十代の娼婦」と書かれていた。衣装が
セクシーなだけでゴシップ誌は大騒ぎするのだという。しかし
エリオットは殆ど裸だとすると「ふしだら女」と書かれている
ことを告げる。言わせておくだけで別に害はないとのこと。
しかしその中でも「社会の敵・ジェシーを追放しよう」
「スパイガールを放送禁止に」と物騒な文句の集団がいること
を知る。
医者のペインによると、ジェシーの体内には大量の鎮静剤が
検出されたという。頭には打撲痕もあることから犯人に薬を
飲まされたが目覚めたので似グリ飛ばしたものなのか。
現在病室で彼女は怒鳴っているとしイカれたようだという。
エリオットとフィンは病室にいくと、マルケズがジェシーに
落ち着かせていた。ジェシーは一体どういうことだとして、
ロケ車で昼寝をして目覚めたら病室にいたという。撮影現場で
何か飲み物を飲んだかと尋ねると椅子の傍に置かれたソーダを
飲んだという。ジェシーは早くでないとまたマスコミの餌食に
なるという。家に帰らせてくれとしてジェシーは出て行って
しまう。エリオットは未成年者は退院に親の同士が必要だと
するが、両親はカリフォルニアにいるという。14歳の時に娘の
稼ぎを使い込み、親権を剥奪されたという。エリオットたち
はマケルズたちを疑うが、彼はスタッフのDNAを全て提供する
事を語る。他人のものは強制出来ないとするが、私たちは
兄妹同然だという。先週も卵を投げてきた連中を捕まえたとの
ことだった。その人物はスペンサーというもので、撮影時には
必ずデモを起こすという。ジェシーは若者を堕落させていると
して「社会の敵を追放させよ」というのが彼女のスローガン
だという。
9月1日(水)・キャロリン・スペンサーの家
キャロリンから話を聞くと、それは言葉のアヤだという。娘の
手本にならないとして、例の下着姿の写真を見せる。近頃の若い
娘は知性派よりも半裸でガリガリの女に憧れるのだという。
そんな中息子のダニーと娘は母親に学校に遅刻することを告げる
が、忙しくて送れない事を語る。パパと大違いだというダニー
に対してそれならば一緒に暮らしたらという。ウィロビーはそれ
を聞いて私が送ると語る。
フィンはジェシーは大物で若くしてスターだという。
しかし彼女は16歳の少女がまるで娼婦みたいなことをしていると
して小学生に不適切な番組は夜10時以降にすべきで、実現までは
諦めないという。一人の力が社会を変えるとのこと。
活動のお陰で局は二度も課徴金を払わすことが出来たのも活動の
成果だという。機能も撮影現場でデモを行ったのかと問うと3時
半までだという。デモの参加者はと問うと彼女は会員名簿を
渡してくれる。
N.I.C.E(正しい娯楽番組を作る会)という活動をしているとして
パンフレットをクレイゲンに見せるエリオット。会員は800人
以上だという。NICEの使命は青少年の保護で、ハロウィーン中に
少女がレイプされたのも原因は”潜入捜査官”に扮した為だという。
オリビアはNICEのサイトは検索すると10万件がヒットするという。
批判の対象は映画から音楽、ラジオ局に至っていて、「クリックして
政府に陳情を」「不買対象スポンサー企業一覧」「低俗番組を
追放し子供を守る為にクリックを」と書かれていることをマンチ
は語る。
そんな中クレイゲンはオリビアに容疑者を送還するのだろうとして
そろそろ飛行機の時間だと語る。
クレイゲンはNICEが事件に関係がありそうかと問うと、エリオット
は活動派抗議とデモだけだという。フィンはロケ車の鑑識報告が
あがってきたとして、ソーダからは鎮静剤は入って居なかったとい
う。しかしロケ車には鎮静剤や睡眠薬が大量に見つかったと。
オキシコチン、バイコディン、パーコセットなど・・事件当日
に処方されているというエリオット
9月1日(水)・フランコ・マルケズの事務所
彼女は鎮静剤を飲んでいたとマルケズは語る。今期はハードだっ
たので医者が処方したのだろうと。エリオットたちは君の演出で
ストレスを感じて居たのではないかとしてストリッパーにライフガード、
下着モデル役だという。毎週半裸は辛いとするが心配はないと
いう。ジェシーがやってくると、一人は嫌なのでここで休むという。
彼女は被害者なのに何故役柄にけちをつけるのかとして訴えると
全ては金の為だろうという。裸も先生とのセックスも・・と。
単なるドラマだと主張するが、少女売春で視聴率稼ぎなのかと語る。
16歳前の処女喪失のご時世だとしリアリティがあるのは性的に
自立した女性だという。16歳では性的に自立は出来ないというフィン。
ジェシーは特別だとしてさっさと勤めを果たして犯人を捕まえろ
という。彼からジェシーが出演するドラマのVTRを渡される。
9月3日(金)・FMラジオ局
9月8日(水)・第27法廷
9月23日(木)・第35法廷
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未成年の女性が過激な潜入捜査を行う刑事役のドラマ「潜入捜査官」
で主役を演じているジェシー・ドーニングは、楽屋のトレーラー
ハウスの中で血を流して倒れて居るのを発見される。レイプされ
たとする痕跡がある中で、スタッフから事情を聞くと、ロケ車
にはスタッフだけが鍵を持っていて、シーズン3に入ったこのドラマ
に於いてはスタッフは家族の様なもので、彼女を襲うようなこと
をする人物はいないという。16歳のジェシーのドラマは過激さを
極めていた為に、ゴシップ誌は散々ジェシーの悪口をかき立てて
いた。中でもNICEと呼ばれる正しい娯楽番組を作る会は、毎回の
ように抗議活動に来ていたという。彼らはテレビだけでなく映画
や音楽、ラジオに於いても不適切だと思われるものを排除する為
の活動を行っていることが判明する。また被害者のジェシー自身
当時の記憶がないことが判明し、レイプされたと認知していない
であろうことも伺え、当初は何者かにドラッグで眠らされたと
感じて居たが、ロケ車内には多数の鎮痛剤が有り、彼女が自ら
服用していたことが分かる。
今回は珍しくエリオット&フィンのコンビでの捜査だった。
オリビアは一瞬出てきたけど、護送のために飛行機に乗ると
していたので、その後登場がなかった。
変わりに検事局の支部長をしているエリザベス・ドネリーが、
S4-14以来、久しぶりに登場。この人、キャボットの時には
度々指南する役で登場したけどね。
ドラマでは出てくる人出て来る人全ての者が欲やエゴまみれの
状況の中で、言論の自由とは何かということを改めて考えさせられる
エピソード。
驚くのは病院の医師までもが、学資ローンの返金の為という
ことで病人のプライバシーを犯している現実が有ることだった。
公共の場での言論はどの程度のことを主張しても許されるもの
なのか。ニュアンス一つで殺人ともレイプを視聴者・聴障者に示唆
するような言葉を使っていても逮捕出来ない事情が有ったり、
ゴシップ誌の紙面に於いては心ない言葉が溢れていて、女優に対して
散々な言葉を使っているけれど、露出したりするのが悪いのか、
言葉の暴力が悪いのか、最早泥仕合のような形で描かれた。
しかしそんなゴシップで有っても取り上げられているウチが華と
ばかりに、持ちつ持たれつの関係だと主張するものがいたり、
それが宣伝効果としての役割を果たしてしまうところなど、言われる
本人の気持ちとは関係無しに言葉は飛び回っている姿がある。
無責任に発した言葉が自分に跳ね返ってくる流れが有り、
共通するのは子供を守るとは名目に親でさえも自らのエゴで
現実が見えなくなっている状況である。
いざ自分の息子が罪を犯せば、それこそまさに相手が悪いとして
息子が盗撮したりレイプしたとする現実は完全に無視しており、
恐ろしいまでの身勝手ぶりが有ったな。
ジェシーの親もまた子供が稼いだ金を使って親権を失っている状況
だし、言論の自由、資本主義の悪い一面を端的を示した格好だ
った。
若者は過激で刺激的な内容や言葉に感化されると思うけど、
やはりレイプするまでに至るほどに、そんなくだらないラジオ
番組に出たいとする子供には理解が出来なかったし、凄いのは
NICEで活動しているキャロリンは、息子を悪の道へと誘い込んだ
としてBJを発砲するけど、その映像をNICEで活動している
副部長に撮影させていて、それをマスコミに売って売名行為に使う。
心神耗弱的な主張する流れが嘘だと判明した後にも、陪審員は
寧ろNICEに同情的で、それだけBJなどが自由を名目に汚い言葉を
垂れ流していたのだろう。
ドラマとしては二つの部分に分かれていて、一つは実際にレイプ
犯罪を犯したダニーに対して罪悪感を芽生えさせる為に、
被害者となったジェシーとダニーを実際に面会させたことか。
起訴されていない状況なので被害者と加害者を合わせることは
出来たのかも知れないし、ジェシー本人がレイプされたと
する事態を覚えて居なかったことも有るのかな。
スターなのに人間扱いされていないような現状に対して、母親の
言葉に感化され、責任逃れしようした彼も現実を見るようになった
けれど、問題なのは親たちだよね。
正直レイプの件は、証言とかなくても証拠が揃っているので
ダニーの罪を法廷で問うことは簡単なように思えた。
母親の件では裁判では、確かに憎らしいところも有るけれど、
BJのラジオ内容があまりに酷い事もあって、同情する人も多かった
様だ。なんだか見ているとどれも微妙な感じで、なんとも言えない
後味の悪さを感じたな。
キャロリン役のDana Delanyは、「デスパレートな妻たち」で、
キャサリン役としてシーズン4から登場。その時の彼女も随分
と身勝手で恐い役だったけどね。「ボディ・オブ・プールフ」
の中での彼女も子供を無視して仕事一辺倒だったけど、怪我を
機会に親としての自覚を持ち始めるというものだったね。
それ以外にもあらゆるドラマに出ているので色んな役に染まれる
人なんだろうな。
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
エリザベス・ドネリー (Judith Light) 地方検事支部長
キャロリン・スペンサー (Dana Delany) NICE(正しい娯楽番組を作る会)
ダニー・スペンサー (Raviv Ullman) キャロリンの息子、強姦
BJキャメロン (Lewis Black) ラジオ局のDJ、言論の自由
ジェシー・ドーニング (Maggie Grace) ドラマ”潜入捜査官”主人公、16歳
フランコ・マルケズ (Nestor Serrano) 番組製作責任者
シャマル (Lauren Luna Velez) 弁護士、ダニーの弁護
— (Jason Antoon) Radio Producer
Dr.ペイン (Tessa Auberjonois) 病室を盗撮
デーヴ・シーバー (Michael Boatman) 弁護士、キャロリンの弁護
ジョセフ・P.ターフーン (Philip Bosco) 判事
ギウリアノ (Santo Fazio) パパラッチ
ダニエル・ラーセン (Sheila Tousey) 判事
マルティネス (Joselin Reyes) 救命士
イーディー (R.J. Reed) ジェシーの下着を盗もうと・・
ゼロ (Patrick John Costello) ジェシーの下着を盗もうと・・
オルソン (Joseph E. Murray) EMT
トニー (Chris Hartl) 地方検事補
トリップ・ウィリス (Jesse Marchant)
ヴィジェイ (Josh Tower)
スージー・イェン (Jane Kim)
— (Sandy Rustin) ジェーンドー
— (Rich Chew) Uniform Officer
— (Chad Goodridge) Uniform Officer
ジム・ウィロビー (David Gerald) NICE副責任者
— (David Shumbris) Drunk
— (Joseph Edward Taylor) Jury Foreman