第10話 胸のぬくもり How Do You Feel?
脚本/Mark Kunerth 監督/Anna Boden、Ryan Fleck
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【前回までのあらすじ】
ミックが店の商品を盗んでいるのを知りポールは盗みは行けない
とするが、分け前をもらって自分も仲間として加わることに・・。
レベッカは結局ショーンとの子供を産むことが出来ず死産する。
区切りをつける為に胎児の葬式を行う中、ショーンはクスリを
飲む事を辞めてしまう。アダムは「がん患者の子供たち」と
いうホームページのchatroomでポピーという女性と知り逢うが
彼女の年齢はキャシーと同世代だった。レベッカはシカゴに戻る
としてこの地を去る。またリーとキャシーは感謝祭の時に、
キャシーの嘘がバレてしまい、リーを怒らせてしまう。あんた
の同情など要らない。ガンを治す薬ではなくせいぜい寿命が
伸びるだけだとしてリーとしては珍しく感情をむき出しにする。
【ストーリー】
リーは日課としてランニングをしているところに、車でリーに
面会に向かうキャシー。また車で僕のことを轢くのかという
リーに対してキャシーは感謝祭のターキーの残り物だとして渡す。
ランニングしても大丈夫なのかとの問いかけに息をすると痛い
だけだとし、走り込まないとマラソンに出られないのだという。
キャシーは嘘を付いたことを謝罪すると、リーもまた酷い事
を言ってしまったとして、お互い様だと語る。自分はだから
誰とも深く付き合わないのだとし、仏教徒だし深い付き合い自体
が苦手だと語る。キャシーはリーが耳に痛い事実も言ってくれた
としてだから好きなんだと語る。ガンの友達が必要だからなんだ
ろうとするが、キャシーはまたケンカをするのかと問う。私は
お喋りがしたいだけなんだとすると、リーも了承する。そして
ターキーを受け取り和解する。
ポールは帰宅したキャシーにプレゼントがあるという。
キャシーはまたポールがジャンクフードを食べていることに懸念
を示すが、昼休みは30分しかないのに、ヘルシーなものなんて食べ
られないと言い訳する。一体プレゼントとは何なのか。
開けてみると体重計が入って居た。体脂肪モニター付きだという。
何か裏の意味があるのかとして結婚記念日にまさかのアイロンを
くれたことが有ったと語る。あれは「熱い絆の意味」で俺なりの
シャレだったというポール。シャーマン先生は常に健康状態の
把握が大事だと言っていた事を告げ、体重、骨密度、BMI値、メタボ
年齢に至るまで自分がキャシーの分も管理するという。
そんな中キャシーは窓から隣の兄の家で、「無料ベビーグッズ有り」
との立て札を見てしまう。
キャシーはショーンの元にいくと、子供グッズがあるよと語る。
ただし子供用のウェットティッシュは痔に優しいのでそれ以外は
持って行っても良いという。調子はどうかと尋ねると、ショーンは
良いという。やることも有るとして子供部屋を水栽培の部屋にする
予定だという。
そんな中、裏の家に引っ越して来たというマイクと妻のドーン、
そして娘のジェイニーが立て札を見てやってくる。
ハッピーファミリーの降臨だとすると何でも好きなものを持って
言ってくれというショーン。しかしショーンはハイテンションの
まま、連邦政府の子育ての控除の件を語り、実際の子育ての費用
は全然足りない事を告げる。つまり得なこと何て何一つないんだ
という。マイクらは突然気難しいことをいうショーンに怪訝そう
な顔を見せる中、子供が泣くのを見てショーンも不機嫌になる。
しかし赤ん坊は泣いてナンボだとし、泣いて人を騙してマキャヴェリ
主義のクソだなと語る。ドーンは子供の前でそんな言葉は使わない
でと語るが、赤ちゃんは耳は聞こえないけど、社会がこれにムカ
付けって洗脳してからでないとむかつかないと語りだす。
キャシーはショーンに発言を止めるよう告げる中、マイクたち
はまた今度にするとして出て行ってしまう。
ポールは盗みで得た金をキッチンの空き缶の中に隠す。
アダムとポピーはゲームをしながら話していた。ポピーは
SNSを幾つもしていることをアダムに語る。My Space、Facebook
Twitter…etc..。その辺全部blogの宣伝に使っているのだと
いう。blog名って「痛い若作りオバサン.com」?と語る中、
二人はじゃれ合う。オッパイに手が当たったというポピーに
ルーペを使わないと見えないだろうと語る。
そんな二人の姿を見てキャシーはポピーに対して貴方とアダム
が遊ぶのは変ではないかという。アダムは15歳であり、あなた
は思春期より更年期でしょと。変な関係になることも有るとし、
アダムの最近の行動も不安定である事を告げる。しかしポピーは
アダムはまだ子供であり、一緒にいるのが楽しいだけで、それは
互いに同じ経験をしたからだと語る。キャシーはそれを言われる
と返す言葉もなく、アダムの事を傷つけたら承知しないとして、
髪の毛を掴んで引きずり回すからと忠告する。
ポピーは帰宅する際、明日5時からサプライズがあるので良い格好を
してと語る。
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キャシーは治験の結果で良好な結果が出たにもかかわらず、
ガン友達であるリーには素直に話すことが出来なかった。
感謝祭の時にそれがバレて決別したかに思われたが、キャシーは
ターキーの残りをリーの元に持って行くと、嘘を付いたことを
謝罪し、ガン友達だということを超えても大切な人であること
を伝える。リーも言い過ぎたとして互いに和解していく。
一方ショーンは赤ちゃんが産まれる前に亡くなり、そしてレベッカ
も出て行ったことに加えて、双極性障害のクスリも断薬してしまい
不安定な精神の状態だった。赤ちゃんグッズを処分する中で、
隣人に引っ越して来た赤ちゃんもちの夫婦に対して、どうしても
赤ちゃんの泣き声が彼の中には痛く突き刺さるものが有った。
キャシーのガンの治験が上手く行く中で、逆に周りのものたち
が色々と懸念すべき事態に陥り始めたことが描かれた。
こっちが上手くいけば、あっちが下手に回り始めてしまうという
辺りが何とも皮肉で、歯車がなかなかかみ合わないところを
描いていて人生って複雑なものがあるね。
一番懸念すべきものはやはり、リーの体調が悪化していることかな。
それと同時にショーンもまた折角精神状態が安定していたのに、
赤ちゃんの死によってまた元の状態に戻りそうに有る。しかも
今回はそれにパワーアップしたかのような負のオーラが有るところ
が恐い。
ショーンには罰ゲームのようにして近所に赤ちゃんのいる夫婦が
引っ越して来てしまった。その声を聞く度に彼の心が壊れていく
様だ。先月末「Star Trek: Voyager」の女優さんも子供の泣き声
に反応して騒動を起こしたとかなんとかゴシップ誌を賑わせて
いたけど。
ショーンは耳栓とかコットンが無いかとしてキャシーの元を尋ね、
最終的にはアイスピックでも良いとし、鼓膜を突き刺さってくる
あの声さえ防げれば良いことを口にしていた。
今のショーンにはキャシーも恐いことを口にしているけど、人の
死の重さを感じと共に、ショーンを支えているキャシーが亡くなっ
た時の影響とは図り知れないものがあるなと思わせる。
この流れと同期しているのが、ポピーとアダムの流れだった。
ポピー自身がガンに侵されているのかと思ったけど、実際には彼女
はリストカットしている様で、精神状態が安定していない。
ポピーが同窓会に出席する中でトイレに籠もってリストカットする
際に、アダムには生理が来たのでタンポンを買って来て欲しいこと
を口にしていた。私のような男性には分からないのだけど、色んな
製品がある中にはコットン製品も有るのかな。
ショーンが語っていたようにコットンとかアイスピックというアイテム
の流れはそのまんま生理用品なりリスカのカッターナイフに繋がって
いるかのようで、世の中には耳に入って欲しくない言葉や音を
人は関知してしまうようだ。
ポールの件は取りあえず今回はほのぼのムードだったけど、
彼の中にもデカイ爆弾を抱えているところが有って安心出来ない
ところだよね。
窃盗の共犯で稼いでいる金が確実に貯まっている(笑)
ポールはキャシーの健康管理のために購入したという万能型の体重計
を購入するも、結局は自分の健康管理のために買うことになった
という皮肉さ加減として伝わってくる。
体重計は音声で読み出される仕掛けになっていて、ポールは自分の
名前をスヴェンと呼ばせようとし、キャシーはグッバイという名前
につけた。スヴェンは北欧人っぽくて、細身の印象があるとの
ことだけど、その辺の感覚はよくわからないな。
ポピーは何故同窓会(1990年・エディナ高校卒業)に出席したのだろうか。
ポピーという人物を知る為には視聴者的に見て良い機会では有った
んだけどね。昔はゴスの格好をしていたとか、小銭稼ぎに食堂で
ウクレレ弾いてフォークミュージックやっていたことが語られていた。
アダムが上手いことそんないじめっ子たちに仕返ししていた。
いじめっ子たちはナタリー軍団と呼ばれ、何故かみんなナタリーだ
としていたけれど、先週の「超能力ファミリー サンダーマン」の
中で、フィービーがチアリーダーたちの名前が何故かみんな
マディソンっていう名前だと語っていたのを思い出す(笑)
いた。そのことをキャシーが知ったらやはり引き離されてしまう
のかな。年齢差のある不釣り合いな関係だけど、意外と面白い
関係には見える。アダムがホテルに呼びだされた際には、
「卒業」するのか?みたいなことを口にしていた。
また同じ日に見た「CSI:科学捜査班」のS13-17話がデビッドの高校の
同窓会のエピソードだったのだけど、あっちは1998年高校卒だった。
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=2709
キャシーはリーに対してせめてものプレゼントとして、彼が
飲みたがっているワイン・ラフィットロートシルトをプレゼント。
残念ながら1982年製ではなく2007年製だったけどね。
キャシーに誰にも話していない秘密話をしてと語った際には、
大学一年の時に実家に彼氏を連れて行った際に、農業用の道で
車のボンネットの上でHしたことを語り、翌朝出発する前に
ボンネットの埃は人間魚拓になっていて、キャシーの裸がくっきり
と跡が付いていたことを語る。その流れからオッパイに触れたこと
がないというゲイのリーに触れさせるシーンが有るけど、普段ならば
妙に萌えるシーンなのに、ガンだということだけで、妙に萎えてしまう
ところが有り、視聴者的に不謹慎な視線で見る事への罪悪感を引き
出す流れだったな。
背中の腫瘍の流れにリーは気が付いていたみたいだったけど、
治験は本当に上手く行っているのか?
■使用された曲
・It Must Have Been by Roxette
・Take Cover by Vib Gyor
キャシー・ジェイミソン (Laura Linney) 43歳、妻、高校の教師
ポール・ジェイミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェイミソン (Gabriel Basso) 高校生、15歳
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
ポッピー・パメラ・コワルスキー (Parker Posey) がん患者の子供KOC
リー・ファロン (Hugh Dancy) ガンの患者
マイク (Bill Heck) ジェイニーの父
ドーン (Maggie Lacey) ジェイニーの母、マイクの妻
— (Roslyn Ruff) 看護師
ナタリー・プラス (Nadia Quinn) 90年卒、エディナ高校同窓会生徒
ナタリー・スコット (Sara Gettelfinger) エディナ高校同窓会生徒
ダン (Mark Gerrard) エディナ高校同窓会生徒、ナタリーの夫
ジェフ・ジョンソン (Tony Hulse) エディナ高校同窓会生徒、ナタリーの夫