第16話 汚い爆弾 パート1 Setup
脚本/David Amann
監督/Rob Bowman
【ストーリー】
警告音が鳴り響く中、リックは隔離部屋に通される。どんだけ状況が
悪いのか説明してくれとハズマットの防護服の男たちに尋ねる。
隔離部屋にいたもう一人はケイトだった。
— 36時間前 —
NYCタクシーが道ばたに駐まっているのを不審に思った警備員が
近くの工場で遺体を発見したという。ケイトとリックは現場入り
するとエスポジートたちから事情を聞く。被害者はアミール・アルハビ
でタクシー運転手。タクシーは路上に放置されていた為か、部品の
多くを盗まれていた。ケイトはすぐに部品が出回っていないか調べる
様指示。現金は無く、金と部品目当ての強盗ではないかというエスポ
ジート。しかしラニは「それは違うなベイビー」と語る。
何故強盗じゃないと思うのかというケイトに対してラニは死亡推定時刻
は午後23:15。やけに正確だとすると時計が止まっていたのだという。
死因も9mm弾を額に撃たれて如何にも強盗の仕業に見えるが、被害者
は指が一本ずつ折られているのだという。拷問されたのだろうと。
ケイトは誰を乗せて、何処を走っていたのか調べる様指示する。
ライアンはアミールは7年前にシリアからアメリカに来て昨年市民権
を取得。タクシー車両の営業許可証は従兄弟のジャマルと共同で
所有していたという。車両はタクシーリムジン協会で追跡出来ると
いうケイトだが、それは無理だというライアン。夜22時2分にメーター
を切っていたのだという。しかしGPSが付いているので移動した経路
は分かるという。彼はワシントンハイツに行き、セントニコラスアベニ
ューの1600番台の住所で6分間停止。夜になると危険な地域だという。
リックはカージャックにでも有ったのかとすると、ケイトは目撃者を
探すよう指示。アミールの通話記録を見ると20時1分に妻にかけた
のが最後だという。携帯にはメモのアプリが入っていたが、
「C4121652」と書かれていて、殺される1時間前に入力したものだという。
何の番号だか調べて置いてとケイトは指示する。リックは7桁だから
電話だろうとし、Cは人物のイニシャルだと言うが、ライアンは既に
調べたという。
アミールの妻・ナジハから話を聞きに行くケイトとリック。
夫から電話でどんな内容の会話だったのかを尋ねると、仕事で遅くなる
と言っていたという。舞台が終わった直後だから乗客が捕まるかもと。
彼はホワイトハイツに行っていたこと。そこは麻薬取引や売春で有名
な危険な場所だとすると、夫はそんな人ではないという。メモについて
何か分かるかと尋ねると、近くにいたジャマルも分からないという。
夫は金のことを心配していたとし、娘のマリカは手術が必要だという。
父のない子になるのねと涙するナジハ。
ジャマルに話を聞く。あなたはビジネスパートナーでしょと問うと
ビジネスは順調なのかと問うとどんなことをしているのか尋ねる。
アミールがタクシーを運転していない時に車両を他のドライバーに
リースしていたという。相手はケヴィン・マッキャンとディミトリ・
ヴォルドフだという。ジャマルは自分にとってタクシーは投資で本業
は現在引っ越し外車をしているという。タクシーの営業許可証には
価値があるとし数の制限があるというと、誰の物になるのかと問う。
するとナジハとボクで共有すると語る。
そんな中ケイトに電話が鳴り盗まれた部品が見つかったとのことだった。
部品はリーマン・ジョーンズが転売していたというエスポジート。
既に彼を取調室に呼んでいるということでケイトとリックは彼から
話を聞く。
部品を拾ったんだという彼。解体したんでしょというケイトは目撃者
が居るのだという。そして工場で運転手も殺したのだろうとすると、
それを否定する。ブラブラしていたら無人タクシーを見つけたから盗
んだだけだという。23時15分だったとすると、リックたちはちょうど
殺人が有った時間だという。しかしジョーンズはオレは車泥棒専門で
殺人はしていないという。その目撃者が犯人だろうと。しかしケイト
は目撃者なんていないとし、嘘をついた事を語る。しかしジョーンズ
は確かにその場に男が要るのを見たとし車の中で何かを探していたと
いう。内装が剥がして有ったのだという。
■今回の事件
・タクシー運転手のアミール・アルハビが殺されて発見される。
強盗事件かと思われたが、拷問され、更にタクシーには隠しカメラが
付けられていたり、内装を剥がした跡がある。
・アミールはシリアからアメリカに帰化した人物。娘のマリカは
手術が必要な為に金を必要としていた。
・タクシーの車体自体はケヴィン・マッキャンとディミトリ・ヴォル
ドフに貸して金を稼いでいた跡がある。
・死亡する前にGPSでタクシーの動向をトレースするとワシントンハイツ
やセントニコラスアベニューに行っていたことが判明。危険な地域だ。
・アミールは携帯のメモアプリに「C4121652」と書かれたメッセージ
を残している。
・交通違反カメラの映像から、アミールは謎の男をタクシーに乗せて
走っており、その人物は外交特権を持つシリア領事館のファリフ・ユセフ
だったこと。安全保障省のトップで秘密警察だった。
・「C4121652」が指し示すものは、セントニコラスアベニューの貸倉庫
のC412だと判明。リックとケイトで調べに行くと高濃度のガイガーカウ
ンターが反応。ハズマットに捜査官に調査を依頼。検出された放射性
物質はコバルト60。ただ被害を及ぼすほどのものではなく、倉庫の中
に格納されていたこと。
・国土安全保障省のマーク・ファロンは、リックやケイトの捜査を
批難してこの捜査から排除する。
・殺されたアミールの口座を調べるとアフガンのパグラウ空軍基地の
傍の軍関係者が利用する銀行から振り込みがある事が分かる。
・従兄弟のジャマルが犯人ではないかとされるが、リックは別の
ストーリーがありそうだという。
■感想
タクシーの強盗殺人から始まり、殺された人物が元シリアからの
帰化した人物だという事。更にシリアでは核兵器の開発を
行っていた人物だということで、アメリカのニューヨークを襲うテロ
リストの一人ではないかという緊迫感の溢れた内容だった。
元々子供が手術する為に金が必要だとしていたので、スラム地域で
ドラッグでも売り買いしているのかと思ったけど、ドラマとしては
売人だけでなく、更にそれを越えてテロリストの疑いへとスライド
していくところなど、ちょっとした物騒な話になった。
被害者を調べていくと次々と謎が出てくる。
・残されていた携帯のメモアプリの数字。
・事件当日のタクシーの走行順序。
・金が無いハズのアミールは金を持っていたという目撃者証言。
・タクシーに取り付けられていたカメラの謎。
・アミールと事件当日に接触していたのが外交特権を持つシリア領事館員。
核爆弾があると分かると、それを知るものたちは身内ばかりを街から
遠ざけようとする流れが有り、ライアンはジェニーを実家に帰らせる
姿が有り、ケイトの恋人は突然国境なき医師団としてハイチに行って
しまう。
アレクシスとマーサは”静寂のオアシス”という名のスピリチュアルな
保養所への旅行。キャッツキル山地にあるということで、アレクシス
を付けていき、「内なる自分と対話する」ことを口にしていたけど、
アレクシスは相当嫌がっていた。しかし核爆弾があると分かった
リックが無理矢理アレクシスをそれに参加させようとしたことで、
娘は相当怒っていたみたいだけど、これも親子心だということで、
許してあげてくださいね。
ラニが久しぶりに登場したけれど、そのラニのことをエスポジート
は都心部から苦そうとしていたけどね母親と折り合いの悪い彼女は
街から離れない様子。
みんな身内のことを最優先に考えているけど、この辺は捜査官として
の特権だったりするのか。
如何にも途中から出てきた国土安全保障省のマーク・ファロンが怪し
かったりするのだけど、リックがユセフと接触したことをきっかけに
ケイトと共に捜査をハズしたけど、一番核心に近づいていたからなのかな。
タクシーにカメラが仕掛けられているのを見て、リックは映画
「カンバセーション…盗聴」引き合いに出していた。
また被害者が残した番号はワシントンハイツの住所の倉庫だと分かった
際には、リックはケイトに対して、「レイダース/失われたアーク
《聖櫃》」を引き合いに出し、リックはケイトに
「アークだったらどうする?ジョーンズ博士」と語る姿が有った。
ガイガーカウンターの触れ方はハンパじゃなかったので、リックは
「チェルノブイリ並にやばいのか」「最大値だった」としていたけれど、
このドラマが放送されたのは2011年2月21日。あと2話遅かったら、
「福島原発並にヤバイのか」とはならないだろうけど、そういう
時に放送されていたんだなと改めて感じさせる。
結局流れから想定すると、自作自演説が今のところ容疑としては
一番怪しい。ファロン役のAdrian Pasdarは「HEROES」でネイサン・
ペトレリ議員を演じていたけど、ヒーローものに出演することが
多い俳優さんだよね。
ケイトとリックが怪しい倉庫を見つけた際に、せめて誰から報告
して置きべくだったのに、迷惑をかけたくなかったのか。
核爆弾を扱うほどの人物ならば組織化されて二人では制御出来ない
事実はありそうだけど、結局冷凍庫の中に閉じ込められてしまった。
携帯電話も通じなさそうだし、冷凍庫の中には容疑者とされていた
ジャマルが遺体として発見されるし、果たしてどうメッセージを
送るのかな。この辺はライアンとかエスポジートが嗅覚でみつけて
欲しいけどね。
ケイトはリックに隔離室に居る際に本音を漏らしていた。
「ジョシュに対して好きになったのは彼の情熱や使命感だったのに
いつも相手に一番魅力を感じている部分に悩まされるという。
今のケイトにはただ私の為に居てくれる人と一緒に居たい。」
まさにナチュナルにリックのことを指していて、告白するタイミング
だったけど、邪魔されてしまった。しかし二度目のチャンスが冷凍庫
の中で訪れたけれど、果たして告白したりするのかな。
ケイトが不機嫌だと知った際に、ライアンが報告するのを躊躇って
リックに話していたシーンがちょっと笑えた。
■使用された曲
・Castle Theme
Written by Robert Duncan
・Sympathique by Pink Martini
・Move That Ass (Get On The Floor) by The Page Brothers
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
マーク・ファロン (Adrian Pasdar) 国家安全保障省
ナジハ・アルハビ (Bahar Soomekh) アミールの妻
ジャマル・アルハビ (Piter Marek) アミールの従兄弟
ケヴィン・マッキャン (Lochlyn Munro) タクシー運転手
ファリク・ユセフ (Alon Aboutboul) シリア領事館
ジョシュ・デビッドソン (Victor Webster) 医者、ケイトの彼氏
リーマン・ジョーンズ (Matt Bushell) 車泥棒
クレッグ (David Weidoff) カメラを仕込んだ人物
— (Billy Mayo) Senior Officer
— (Hahn Cho) Hazmat Specialist
— (Philip Douglas) Security Guard
ガイダー捜査官
ディミトリ・ヴォルドフ