第3話 詐欺師の宿命 Uncontrolled Variables
脚本/Julian Meiojas 監督/Sanford Bookstaver
【前回までのあらすじ】
ピンクパンサーズは世界最高の窃盗団だという。ウッドフォードが
リーダーであること。どの捜査機関も手がかりはなくニールが潜入
すると語る。しかし潜入しているとケラーもまたピンクパンサーズに
入っている事が分かる。それをピーターに語るとヤツはロシアの刑務
所に入っているハズだろうという。ピーターはニールに対してエリザ
ベスと自分に子供が出来た事を語る。
ニールはケラーにいつから情報屋になったのかと問うとお前と同じ
取引をしたとし、互いに弱みを握っている運命共同体だと語るケラー。
【ストーリー】
モジーはニールにインターポールは信じるなと語ると、お前はどんな
組織も信用していないだろうと語る。奴らはカルト教団だとし、
大戦中にナチスが運営していたという。ナチスはケラーと関係はないよ
というニール。インターポールはバカだとしてケラーなんかと取引
するなんて・・と。ニールはヤツの狙いが分かれば優利になると語る。
しかしお前とケラーは運命共同体だとし共倒れする可能性もあること
を語る。
モジーが持っている赤い箱が気になりネコが入っている?というニール。
中を開けると人形が入っていて、呪いをかける人形なのかと問う。
“さるぼぼ”と呼ばれる日本(岐阜県飛騨地方で昔から作られる)の安産
祈願のお守りだとし、友達にあげるのだという。エリザベスだろうと
すると、出産のサポートもいるという。まだオファーは出していない
というが・・
ニールはこれからピンクパンサーズの会合があるというとモジーも
一緒に行こうとするが、時期を見て紹介するので今はまだ控えていて
くれと語る。
FBIではケラーが情報屋として雇われていることに対して、インター
ポールは認めていないという。彼らは無線識別チップを使っている
というダイアナ。ケラーの信号を追跡出来るかも知れないという
ジョーンズ。会合では毎回チェックされるとすると、一時的に信号
を切っているのだろうとし、誰かが操作しているという。近くに監督者
がいるハズだというピーター。
ダイアナとピーターでケラーの近くでハリコミする。監督官が潜入中
ならばデータベースには無いはず。写真を撮り、次回も同じ人間が
居ればそいつが監督官だというピーター。
ニールは会合に行くがそこにいたのはケラーだけだった。
ウッドフォードは仕事で町を出ているという。俺たちは別に任務が
あるとしてまた昔みたいに俺たちは組むのだというケラー。
標的はアトラステック社。社内の保管庫にエクソダスというファイル
があること。中身は聞いていないがコピーして任務完了だという。
ニールはケラーと組むことに違和感を覚えるがそれを察した彼は
自由が欲しいならば我慢しろという。侵入方法は?と尋ねると、コンビ
復活を祝して古い手法だという。目の前のファーマーズマーケット
にいる彼女はエイミー・ハリスで、アトラス社CEOのアシスタントを
していること。6年勤務で信用があること。彼女ならば保管庫に
入れるとし、上司は3日間ロンドンに出張中だという。しかし3日で
ダマせるか?。彼女はよく笑い目も合わせて話しているいい人だとし、
お前では無理だと語るニール。彼女を巻き込まず別の侵入方法を
探ろうというが、下見をしたがこれしかないという。オレがやるか
お前がやるかだというと、ニールは自分がやると語る。
彼女は野菜を購入していた。
隣に行くとその野菜はコールラビだとし、キャベツの一種でサラダ
にするかリンゴみたいにかじるんだと語る。彼女は穀倉地帯出身
だけど初めてみたという。ニューヨークに何年かと問うと6年だと
言われる。もうニューヨーカーだと語るニール。彼女はこの待ちが
好きだとし、でも両親はアイオワに戻れと言っているのだという。
どの親でも同じだよと語る。ニールはハヤトウリとコールラビとクズ
イモを購入する。
■今回のミッションと流れ
・ピンクパンサーズのウッドフォードが不在の中、彼からの指令で
アトラステック社の金庫内にある「エクソダス」というファイルを
盗めというもの。
・FBIではケラーがニール同様に捜査機関(インターポール)のコンサ
ルタントの形でロシア刑務所から出所している事を知り、近くで
見守っている人が居るはずだとして探す。
・ケラーの監督者はリュック・ルノーというフランス人。
ピーターはそんな彼にここはアメリカであり協力か手を引くかを
選択させる。
・アトラステック社のCEOの秘書のエイミーに接触して金庫内に入ろう
とするが、オハイオから出てきた彼女はとても良い子故にニールは
利用することを躊躇っていく。
■感想
今回はこれまでの展開の中では面白かったかな。
モジーが出産祈願に持っていた人形の”さるぼぼ”と言っていたけど、
それが本当に日本に存在しているとは思わなかった。
ネタが70年代の異物のパソコンであり、記憶媒体が8インチのフロッ
ピーディスク(日本人が開発)だったという事も有るし、こんなコン
ピュータ技術で核の発射コマンドも管理していたんだとしていたこと
から、シナリオ上潜在的には日本が多く関わっていたものがあったね。
現在では使われていないローテクこそ最高のセキュリティだという
ことを何度かドラマで聞かされた気がするけど、確かに古い時代の
インターフェイスの規格やOSが違う時代のパソコンやその記憶媒体が
使われれば容易に盗み出すことは難しそうだしね。
モジーが何とかして解読しようとしていたけれど、読み込んだ際に
ERRORと絵文字のような形で表示されたけど、コマンドプロンプト
時代を知っているものならばまず思い浮かべるのはSyntax Errorなの
だろうけどね。
個人的に何度も書いているけど自分はレトロゲームオタなんだけど、
8インチのフロッピーディスクって目にしたことはあるけど使っている
所は見た事がない。学生時代に先輩からPC8801という機種を無料でもら
ったので、その時にもらったのが5インチの1Dとか2Dという規格だった
けど、このドラマに出てきた8インチのディスク容量はダイアナによれば
80kバイトだと語られていた。正直それで役に立つものなのかって
気がするんだけど(笑)
プリントアウトする際にピーターが懐かしい音がするなとしていたのは
ドットインパクト型のプリンターだったのかな。
ウチに初めて有ったプリンターはCANONのBJ-10vで、当時インクジェッ
トプリンターの方式というのは斬新だったと聞いた事があるけど、
自分も友達に年賀状を出すときに親に使わせてもらった記憶が有る。
「筆まめ」がまだversion2とか3くらいの時だけど、こんなものを
ガキだった自分が操作していたのだからよくやっていたなと思う。
■事件
さて脱線したけれど、ドラマとしては最終シーズンになり、ニールに
対して自由や未来という言葉を感じさせる流れが有ったけど、今回
のケラーの発言を聞いて絶望的なものを感じたところがあるのでは
ないかな。でも周りのものを狙うと言ってもFBI捜査官を犯罪者が
狙うというのは正直無いなと思わせる。しかしケラーは過去エリザベス
を誘拐している事実が有るからこその信憑性を感じるところも有ったり
してね。
ドラマではインターポールがFBIと同様にピンクパンサーズを
捕まえようとしていることに関して、FBIとしては彼らが逮捕しない
ことにはニールの釈放話がどうなるのか分からないので、インターポー
ルに彼らを渡したくはないのではないかな。
しかしどの捜査機関もピンクパンサーズの情報も手がかりがないとして
いる割りに今でも既に多くの容疑がかかっているので捕まえれば良い
のではないのかと小一時間。潜入している意味が分からないのだけど、
ピンクパンサーズ構成リストなり組織の全貌を掴みたいということ
なのだろうか?
ケラーがインターポール側のコンサルタントをしている際に、ダイアナ
が
「ユーロ版のボスを探せば良い」「スーツにボノ風サングラス」
としていたけど、ピーターってサングラスしていたっけ?(笑)
ケラーの監督者がフランス人のリュック・ルノーだと判明。
主導権争いをする中で、ニールを渡せとルノーが主張してきた時には
驚いた。インターポールの方がこういう国をまたいだ国際犯罪組織
摘発捜査では優位に立てるものなのだろうか。
ニールもそんな傲慢さを見せるルノーに思わず
「黙れ、クルーゾー警部」としていたけれど、ピンクパンサーズという
くらいなので狙っているのはダイヤモンドなのかなとか思っていたけど
捜査の中で、「エクソダス」のアルゴリズムを解読すると「アメリカ
国内の空港」、「空港会社と発着便」、そして「輸送先」が現れる。
一体何かを密輸入している組織なのかな。
■エミリー
とても良い人。オハイオで生まれ育った人物であまり人を疑うことを
知らないのかな。ニューヨークはとても良い町だとしていたけれど、
良い人だと思っていたニールが詐欺師だと知った時の失望感たるや
ニューヨークにネガティブさを植え付けただけでなく、彼女自身の
人生も狂わせてしまった。ニールにビンタするシーンは切なかった
けど、これがニールがしてきた事だということを改めて実感して
本気で更正する気になっただろうか。それともFBIは寧ろ悪役を
捕まえる立場であることから残りたいとする意思も生まれたのでは
ないのかと思わせる。
しかしエミリーに近寄せられて彼女もその気だったのにニールは
なんとか交わそうとしたし、ジューンが入って来た時にはちょっと
笑えた。
■エリザベスの心配
ドラマとして気になるのは、エリザベスの妊娠ネタ。
このドラマとしてのフルシーズン(13話構成)ならばゆっくり妊婦ネタ
も描けるのだけど、僅か6話のネタで生まれるまでを描く物だろうかと。
また彼女は出産してもピーターが仕事で忙しくして子育てには一人で
行うのではないかと心配する姿が有る。
ダイアナがその辺の心配を払拭し、ピーターは良い人で羨ましいこと
を語っていたけど、確かに心配だね。
■あうんの呼吸を感じる
ニールはケラーと同一視させることを不本意だと感じていたけれど
今回の作戦に於ける二人の役割を見るとやはりとても息があって
良いサポートぶりを発揮した。
■使用された曲
・White Collar Theme by Jon Ehrlich
■出演者
ニール・キャフリー (Matt Bomer) 天才詐欺師
ピーター・バーク (Tim DeKay) FBI知能犯専門チームの捜査官
モジー (Willie Garson) ニールの友人、犯罪者社会との深いコネ
ダイアナ・バリガン (Marsha Thomason) FBIピーターの部下
エリザベス・バーク (Tiffani Thiessen) ピーターの妻
クリントン・ジョーンズ (Sharif Atkins) FBI ホワイト・カラー・ユニット
マシュー・ケラー (Ross McCall) 元犯罪者、インターポールのコンサルタント
リュック・ルノー (Isaach De Bankole) インターポールの監督官
エイミー・ハリス (Laura Ramsey) アトラステック社CEO
ジューン (Diahann Carroll) 大家
グラント (Gerard McNamee) エイミーの上司
ヘンリー (Joseph Harrell)
— (Deshane Granger)
— (Leetopher Scott) Union Square Resident