第16話 破滅の王者 Killer Moves
脚本/Mary Leah Sutton
監督/Alec Smight
【ストーリー】
エルビス似の遺体を目の前にしてデビッドとクロフォードは互いに
お気に入りを語り合う。「監獄ロック」か「ブルーハイチ」も捨てが
たいというクロフォード。デビッドは?エルビスの映画で一押しは
「チャンジ・オブ・ハビット」だという。メアリー・タイラー・ムーア
の修道女がたまらないというデビッド。
サラとグレッグもやってくると、エルビスの格好をした遺体にサラ
は「ラスベガス万歳ね」と。
被害者はジョージ・デニビシ。名刺にはソックリ芸人と書いてある
とし、現金もカードも残っているので物盗りではなさそうだという。
頭部に複数の傷、ベンチには血痕はなく、下に血だまりもないという
サラはここで殺されたのではなく別の場所で殺害されベンチに座る
形に置かれたのだという。滴下血痕があるというサラ。凶器からの
ものかも知れないとしてグレッグとサラは血の跡を追いかける。
しかし血はここで終わっていた。
その場所には鳥が転がっていてここにも刺し殺されているという。
犯人はエドガー・フラン・ポーになぞったのか?という。
これは大ガラスではなくミヤマガラス ルークだという。くちばしの
付け根が白いのがルークだという。アジアや中央ヨーロッパにいる
鳥だとし、それがなんでネバダにいるのか。
するとグレッグは繋がりが見えたと語る。どういうことなのかと問う
サラに、鳥はルークでプレスリーはキング。これはチェスの駒だという。
犯人のユーモアセンスは歪んでいると。
ルークはアベニューDと一番通り(D1)、キングはアベニューCと一番通り
(C1)。サラは犯行現場を見つけないといけないという。グレッグに
対して何処に行くのかと問うと、チェス盤のマスメはアルファベット
と数字で表されるのだという。チェスには独特のキャスリングという
手があり一度に2つの駒を動かすことが出来る唯一の技で、ルークは
最初の場所からD1に移動し、キングはE1からC1に移動することになる
技とのこと。ここはアルファベット地区だということを考えれば、何か
関係が有る可能性が高いという。サラはグレッグが高校でチェス部の
部長だったことは知っているというが・・飛躍しすぎではないかという。
メンフィスは最高と書かれた車が見つかる。エルビスの家はメンフィス
よねとし、この車の運転席にはかなりの量の血が飛び散っているという。
ここが現場だという。車へ誘導したかったのか・・・凶器まで車の中に
残っているとのこと。
フィンはアルの元へやってくると、アルはキング・イズ・デッドって
言うなら出て行ってもらうとし、デビッドから嫌と言うほどプレスリー
ギャグを聞かされたのでそう言いたくもなるという。
死因は頭部を複数回鈍器で殴られたもので、タイヤレバーと傷口が
符合したという。少なくとも12回は殴られていること。トックスの結果
薬物のジフェンヒドラミンが出たという。この量は凄いとし、胃の内容物
に錠剤のカスはなく、変わりに注射の跡が見つかっているとのこと。
撲殺前に薬を使ったであろうこと。計画的でチェスプレイヤーの様に
緻密だというと、アルに対して”サンキュー・ベリーマッチ!”と言って
出て行くフィン。
ラッセルの元にいくホッジス。
キノコだけでなく非維管束植物も好きなのかと問う。コケなど・・。
実は毛髪らしきものがキングの衣装に付いていたが調べたら毛ではなく
苔だったこと。しかも体重の20%まで延滞を吸収するものだという。
ベガスは砂漠で苔は育たないだろうというラッセル。茎の表面に微量の
ラウリル硫酸ナトリウムとシアバターが含まれていたとし、シャンプー
やバスオイルによく含まれる成分だという。メディテレニアンホテル
の宣伝ではないが最近ホテルはエコ路線の一環で苔のバスマットを全客室
に使っていること。またニセプレスリーはホテルの出入りが禁止になっ
ていたいたという。犯人はマットを分だのかも。
現在ホテルではチェストーナメントをしているという。
キングスクラウントーナメント。
グレッグとニックが現場にいく。
この中の一人がタイヤレバーで人を殺したのだろうというが、正直
その腕力を振りかざすヤツは半分もいなさそうだというニック。
グレッグはチェスは本質的には激しいもので、戦術パターンは
「捕獲」「待ち伏せ」「犠牲」「攻撃」という暴力的ゲームだという。
トーナメントの責任者のジェニー・キャロルに話を聞く。
この近くで殺人事件が有ったことを話す。プロモーションツアーの一環
とのことだが何をしているのかと問うと、チェスの魅力を広めようと
しているという。チェスはずっと男のゲームという感覚なのでそれを
変えたいということ。
そんな中、グレッグのことをキッドと呼ぶ男・ポール・ロマックスが
いた。参加する為に来たんじゃないのだろうと問われる。
ベガスではいつからイベントをしているのかとキャロルに尋ねると、
月曜日からで12カ所を回るツアーの8番目だという。ベガスでは150人が
参加したとのこと。ニックはキャロルに参加者と従業員、出入り業者
のリストが欲しいと頼む。
■感想
チェスの世界になぞられて描いた殺人事件。
こういうのって面白いのかつまらないのか表裏一体って感じで、
グレッグの過去に迫る話こそ面白かったけど、いちいちチェスの過去
の棋譜に因んで、殺人を行っていくという辺りはかなりの不条理で
消化不良だし、女性が男性に復讐する物語としても、なんだか父親
から女性だからとしてぞんざいに扱われてきた女性が復讐するのに
対して、チェスでの実力を誇示する訳でもなく、女性にも優秀な
プレイヤーがいることを示唆する流れを世間に知らせられた訳でも
なく、どうもグダグダに終わった。
■事件ケース
チェスネタとプレスリーネタは、モルグのアルのセリフじゃないけど、
ホントウンザリだったので、あまり集中出来なかった。
カール・シュルートと共に過去に対戦したトロイ・パーカーでの一線
に於いて、自分ならばこう打つとする主張をもってキャロルは実力を
誇示したのか。
怪しい人物をキャロルがチェスの駒のようにして利用していたという
ことを描きたかったのかも知れないけど、人生をかけてまでやる
ことではなかった。
■事件ケース2
犯人が行っていたのは、1998年の決勝戦に於いて、残り三手で
勝利出来るという終盤戦「アウステルリッツ・エンドゲーム」の場で
ミスしたトロイが破滅したことを再現し、新たな講釈を自らの手で
再現させたもの。ただこの試合なんて残り3手で勝負が付いていたし、
どのようなミスをしたのかは既にチェスファンならば周知の事実のハズ。
それなのに別の新説でもない手を使って自分なりの勝負をしていた
キャロル。
それまでに殺害した人物は、過去にチェスイベントで回ってきた過去
にも存在していた。
気づかれなかったら相当寂しい事件だな。
■その他
疑ってゴメンと言いたいのは、グレッグの師のロマックスか。
完全に怪しいと思っていたけど、殺す理由はないよな。
彼はトロイの面倒を見ていた様で、犯人ではなかった。
過去には色々とグレッグに対して色々と指導してくれていた。
グレッグがチェスを辞めた理由に関しても別にそう知りたいとも
思わなかったけど、結局一つの事にハマることへの恐れが有り、
それはCSIで行う鑑識作業にも言えるようなことだとしていたね。
最後はサラとグレッグが食事しながらチェスをする感じ。
グレッグと言えばモーガンとの捜査がおなじみだけど、サラとも
意外と合いそう。グリッソムが居なければグレッグとサラが結ばれる
ことも有ったのかな。
■使用された曲
・Who Are You by The Who
・I’ve Seen All Good People
■出演者
D.B.ラッセル (Ted Danson) CSI主任・S12より
ジュリー・フィンレイ (Elisabeth Shue) CSI・S12 #14より
ニック・ストークス (George Eads) CSI ・ S12・昆虫学
サラ・サイドル (Jorja Fox) s10で復帰
グレッグ・サンダース (Eric Szmanda) CSI研究員
アル・ロビンス (Robert David Hall) CSI検死官
デビッド・ホッジス (Wallace Langham) CSI
デビッド・フィリップス (David Berman) CSI (眼鏡の方) 検死
モーガン・ブロディ (Elisabeth Harnois) L.A市警、SID、エクリー 娘
ヘンリー・アンドリュース (Jon Wellner) DNA
ジム・ブラス (Paul Guilfoyle) 刑事、警部
ミッチェル (Larry Mitchell) 捜査官
コンラッド・エクリー (Marc Vann) CSI
ケビン・クロフォード (Alimi Ballard) 捜査官
ポール・ロマックス (Ron Glass) グレッグのチェスの先生
ジェニー・キャロル (Sarah Lafleur) チェストーナメントの責任者
リー・クロスビー (David Dastmalchian) イーリー刑務所に5年
カール・シェルート (Carlo Rota) 元チェスのチャンピオン
トロイ・パーカー (Gary Colon) 53歳、カールに負けた元チャンピオン
グレッグ (Taylor Vale) 14歳の時
— (Marc Abbink) Spectator
— (Austin Spotts) Chess Player