July 29, 2012
第4話 迷える男たち Lost Boys
監督/David Petrarca 脚本/Speed Weed、Geoffrey Nauffts
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エレインは大統領選に出馬を決意するが、準備が整うまでは
外部に漏らさないよう身内に戒厳令を発令する。しかしダグラス
は大統領選挙に出馬することが家族の崩壊に繋がると考え、
それを阻止する為にスーザンにリークする。しかしスーザン
はそれをすぐに記事として掲載することなく、寧ろダグラスへ
の取引材料として、エレインの計画についてあらゆることを
教えて欲しいとし、借りは返してもらうという。
— 去年の12月 —
ショーン・リーブス議員・オハイオ州選出・共和党員。
必要ならば議会に泊まり込むとし、国民の負担を増やすだけの
給付金制度なんて必要ないとマスコミの前で訴えかけていた。
マーガレットやエレイン、ダグラス、アン、TJなどは、
バリッシュ家でクリスマスの飾り付けをしていた。
エレインはショーンのパフォーマンスを見て馬鹿な頭をして
いるとすると、TJは突然彼はスタンフォードでトップの成績
で卒業したのだと語る。何で知っているのかと問われ、TJは
オロオロしつつ”ヴァニティフェア”の記事で見た事を告げ、
連邦議会イチの腹筋の持ち主だと書かれていたという。
あんな初当選の議員が大統領の目を指で突くようなマネをする
なんてとダグラスは語る。
TJはそんな中突然これからグループセラピーに行ってくると
して家を出て行く。
ショーンとTJは実は密会している間柄だった。
ショーンはあの法案はやり過ぎでありろくに審査もせずに子供を
親から引き上げる法案だという。TJはもっと一緒に居ようと
いうと、ショーンはXmasの間はずっとこっちにいるのでいつでも
会えると語る。
そんな中ショーンの元には妻から電話が鳴る。
それを聞いたTJは君たちは学生時代はベストカップルだったの
だろうと問うが、僕たちはオタク系だったのだという。ダサく
てフットボール好きのメソジスト派だという。ボクが一目ぼれ
したのはTJだという。まさかスーパーで口説かれるとは思わな
かったと語る。
— 現在 —
1年前は幸せだった。半年間はシラフで過ごす事が出来た。
ホワイトハウスでの暮らしは硝子張りで窮屈だったと、グループ
セラピーの場で語る。人間の視線、非難、期待、孤独を感じて
いたとし、酒やマリファナ、クスリに手を出したという。特に
コカインを知ったら全部どうでも良くなってしまったとし、それ
からはずっとぼやけた生活を送っていると語る。
ダニエルはスーザンと逢う。
スーザンが呼び出したのはスーザンの姉の家だった。
ここで姉と同居しているのだという。ダニエルに対してエレインの
大統領選挙の動きについて尋ねると、現在の母は世界中を飛び回って
いる事を告げ、ガルセッティ大統領による牽制の最中だという。
ダニエルは帰国して3日後に本格始動をしようと考えていた。
大物の支援者と会って予備選の為の資金集めをするとエレインに
も語っていた。
スーザンはダニエルに対してエレインの支援者リストが欲しい
と要求する。あなたの父に広報担当者・ミンディ・マイヤーズ
を付けたのは「見境のない女ったらし」のイメージを払拭する
為に雇ったのかと問う。
バドはテレビインタビューの場で、エレインの良さを説き、
「エレインはこの世に一人だけ・・我が生涯の恋人だ」として
涙ぐむ姿を見せる。この男泣きで好感度がアップするとして
ミンディかバドに語るが、バドは納得がいかなかった。
俺はロシア人を睨んで核弾頭5千発を削減させたのだという。
バドはこれからTJのナイトクラブのオープニングに出席すると
いうが、ミンディは出席しないよう語る。女子大生が抱きついて
いる写真を撮られれば、「見境のない女ったらし」のイメージ
が復活してしまう為のものだった。
ダニエルはスーザンに対して頑張れるのはアンがいるお陰だと
して、アンはジョージア・ギボンズの取材を受ける事を語る。
彼女のしている内装業の宣伝にもなるという。スーザンが家族の
ことにまで詮索してくるのを知って身内のことには手を出すな
と語る。しかしスーザンは全てを公開しないとバラすと脅す。
彼女を裏切り私の元に来たこと。しかしダニエルはスーザンは
特集記事が必要としており、その為にスクープとして掲載しな
いのだろうとして彼女の意図を見抜く。君もボクを必要として
いるのだろうとして立場は対等である事を主張する。
そんな中ホワイトハウスでは緊急事態が起きていた。
サムソンによるとグリニッジ標準時の今朝10時16分に
中国の原子力潜水艦・ケイリンが発した遭難信号をコロナド海軍
基地が傍受したのだという。信号はすぐに消えてしまい38秒後
には水中聴音機が捉えた音だとして、そこに集まった政府関係者
と軍事関係者たちは会議をする。ケイリンは座礁したであろうこと。
しかもサンディエゴの沖合24kmの地点だという。
コリアー副大統領は驚くことはないとし、中国はこれまでにも
あらゆる手で諜報活動をしているという。ガルセッティ大統領
とタフト将軍は乗組員は100名いる事を告げる。
そんな中エレインが発言すると、みんなが皮肉るように
“お帰り”と告げ、”君が居なくなってからアメリカは崩壊寸前
だったと語る。コリアーは乗組員よりもサンディエゴが心配
だという。中国には信号は届いていないし、例え届いていても
助けに来る事は諜報活動を認めることになるので無理だろう
という。原子力潜水艦を拿捕すれば中国の諜報活動を封じられる
のではないかとし、何もしないと100人の乗組員が放射能を
徐々に浴びて死んでしまうと語る。大統領は善悪はさておき、
中国は現在世界第二位の経済大国であり、米中関係が国際協力
体制の鍵を握っているのだという。裏ルートを使って中国政府
に知らせるべきだとエレインは語るが・・・
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エレインは着々と大統領選挙に再出馬する為の準備を内密に
行う中、現ガルセッティ政権でも国務長官であるエレインが
クーデターを起こそうとしているのではないかということを
疑っており、再出馬の準備が出来ないように工作する。
TJがナイトクラブのオープンに向けて着々と準備を進めていく
中、サンディエゴ沖に中国諜報員100名が搭乗する原子力潜水艦
ケイリンが座礁していることを知る。ホワイトハウスの危機管理室
では関係者が招集され、この対応を巡って意見が分かれていく。
ドラマとしてはエレインの再出馬の公言までを描いたものだけど、
過去に起きたTJの自殺未遂事件に関して、過去の現在の共通する
ドラマの流れを描いて、「今そこにある危機」なのか、過去の
事象なのか一見すると分からないようにしてある作りは上手く
出来ている。
エレインがTJに対して、子育て諦めてしまった感を吐露して
「事ある毎にあなたの傍に立ちあなたを抱きかかえて弁護して
きたが何も変わらない・・・私にはこれ以上無理で疲れた。」と
語る姿が有り、不屈の精神を持つ女性政治家も家庭のことになる
と大変だ。
さてエレイン周りに政治的エピソードでは二つの流れが有った。
1) 児童保護法を巡る法案通過の流れ
2) 中国の原子力潜水艦を巡る外交的駆け引き。
1)に関しては、TJが何故自殺に至ったのかに関するエピソードが
描かれたので興味深かった。政治家の家族として育つものとして、
その苦労と共に狡さというものを抽出したもの。
共和党員のショーンとの関係がTJにとって支えになっていたこと。
ショーンがホモセクシャルである事実は、政治家としては一つの
ウィークポイントとして存在しているし、攻撃する側にとっては
イニシアチブを取る為の格好の材料となる。
彼が態度を変えたという流れの中にも、それを使ってエレイン陣営
が利用した可能性が高く、TJの居場所というものを母が奪っている
形になってしまうところが皮肉なものとして描かれている。
TJは一見すると厄介ものだけど、彼が藻掻けば藻掻くほどに
負のスパイラルに陥っている感じがして何とも切ない感じがする。
「奥さんがいるのに浮気をして、貴方のことを愛していると言いな
がら状況が変わると姿を消した人物」で、私が貴方を見つけたと
するTJとエレインのやりとりが有ったけど、その件で礼をいうつもり
も感謝もするつもりもないとTJが一蹴したのも、そういう内情が
有りそうだね。
2)に関しては、ガルセッティ側との対立の構図を鮮明にしたもの
だった。ガルセッティの立場は、イランでのジャーナリスト処刑
問題の対応と全く同じモノで、「寝た子は起こすな!」とリーバオ
が語る通り、中国もアメリカも人権的立場ではなく、政治的・外交
的立場でこの現実に向き合っている。
この原子力潜水艦などを使ったデリケートな外交問題を絡めた
ドラマって結構多いよね。人道的には助けたいが助けることが
出来ないこと。メンツの為に自国の兵士を見殺しにしてしまう
という切なさと、ルールを守らないアメリカ以外の敵国という
構図はアメリカが最も得意とする設定だ。
見殺しにすることはモラルに反するというエレインに対して
「クーデターを企んでいるものがモラルを語るとは・・」と
思わず反撃を喰らうところは何とも皮肉。
“忠誠心”という言葉を使って敵対していても、向かうべき道は
同じである感じを引き出していたけど、なんとも変な感じだ。
相変わらずバドの先見の明と、情報収集力、分析力の鋭さには舌を
巻くところがあった。その割りに女性関係にはやっぱりダラしない
(笑)。「イーストエンドの魔女たち」でウェンディ役を演じた
Madchen Amickと浮気しつつも、女性問題を指南してもらうという
ところが何とも言えないけど、テレビの前でエレインに対して語る
バドの姿はある意味演技でも何でもない本心が含まれているのだろう
ね。それが分かるからこそ憎めないところも有るし、エレインも付か
ず離れずのところがある感じだ。
ジャーナリストと政治家の関係に於いては、政治家としてのウィーク
ポイントを突かれてしまう流れが有り、政治家の家族として生まれた
ものはガードが堅い。しかしその関係者・アンのガードが緩いところ
に目を付けたジョージアが、エレインの再出馬の情報を誘導して
引き出すと共に、スーザンとの間で駆け引きを行う流れが有った。
ドラマではどのエピソードも脅しのような形で自分が相手をコントロ
ールしようとしている流れが有り、ゲスな形に写るところが有る。
スーザンがダグラス相手に行ったことを今度は、昨日の敵は今日の友
だと思っていた部下のジョージアから脅される立場になってしまう
のだからなんとも皮肉だ。
ただこの流れの中で、ダグラスが意外と無能ではないと思わせる
一面が有ったところは唯一の収穫かも知れない。
バドの有能さばかりが描かれているけど、バドの性格に関しては
エレインも見抜いている感じで、ミンディとの関係を見抜いていた。
ワシントンのルールとして「ロサンゼルスの人間を雇ってはいけない」
という。
TJのナイトクラブがいよいよ開かれる。
バドはミンディからクラブのオープニングに行けば、マスコミから
またイメージを植え付けられるとして行くべきではないと助言される。
エレインもまたショーンが来ることを知って呆れるまま、行かない
ことを語っていた。
切ない流れになってしまったけど、果たしてTJは無事なのか。
・Have Yourself a Merry Little Christmas by Mandy Barnett
・Freak Come Out by Jeremy Thurber
・I Feel It by Urban Myth Club
エレイン・バリッシュ (Sigourney Weaver) バドの元妻・国務長官
スーザン・バーグ (Carla Gugino) ジャーナリスト
ダグラス・ハモンド (James Wolk) エレインの補佐、息子・次男
T.J.ハモンド (Sebastian Stan) エレインとバドの息子、長男・ゲイ
アン・オガミ (Brittany Ishibashi) ダグラスの婚約者、摂食障害?
マーガレット・バリッシュ (Ellen Burstyn) エレインの母
バド・ハモンド (Ciaran Hinds) 元アメリカ大統領
アレックス・デービーズ (Dan Futterman) ワシントングローブ誌デスク
ポール・ガルセッティ (Adrian Pasdar) アメリカ大統領
バリー・ハリス (Roger Bart) 大統領の首席補佐官
アリス (Kristine Nielsen) エレインの秘書
フレッド・コリア (Dylan Baker) 副大統領
ミンディ・メイヤーズ (Madchen Amick) バドの広報担当者
ガナー・コックス (Wes Chatham) TJのセラピー、パートナー
ジョージア・ギボンズ (Meghann Fahy) ワシントングローブ誌記者
リーバオ (Ming Lo) 中国大使代理
ショーン・リーブス (David Monahan) オハイオ州選出・共和党員・ゲイ
ポーリーン・サムソン (Linda Powell) 危機管理室
トレヴァー・ガルセッティ (Michael Dostillio) ポールの息子
タフト (Robert Heath) 太平洋艦隊司令官・将軍
オマール (Stephen Hill) 薬の売人、TJの仲間
サム (R.J. Kelly) Secret Service Agent
— (Dennisha Pratt) Newscaster
— (Shawn Gonzalez) Washington Globe Employee
— (Alan Davis) Washington Globe Intern
— (Kristoffe Brodeur) Front Door Host
— (Jennifer Butler) NA Group
— (Jason Cutts) French Aide
— (Tom Delconte) Limo Driver
— (Justin Fortmeier) Agent
— (JaQuinley Kerr) Fan
— (Natalie Ruelle) VP Secretary
— (Christopher Weite) Barrish Supporter / Club Bartender