第20話 奴隷契約 The Company
脚本/Breen Frazier
監督/Nelson McCormick
【ストーリー】
イヴォンヌはうちの子も居るのかと問うと、モーガンは被害者の一人の
特徴がシンディと似ていると語る。ロッシはストーカーから逃げたまま
消息を絶った従姉妹だという。身元不明の痛いが出る度に伯母さんから
電話があるというモーガン。イヴォンヌは何かあったのでしょと。
何年もシンディの事でボロボロだというモーガンは、結局分からないまま
なのかと問われ、でも殺人者が殺したと認めたと嘘をつく。
【ストーリー】
イリノイ州シカゴ。
フランにデジレーは車で運転中に電話する。すると隣に止まった車の
助手席にシンディが座っていることに気がつく。デジレーはシンディに
手を振り気がついてもらおうとする。車が発進した為に追いかけると
デジレーの車は次々と横からぶつかり大事故になる。
モーガンの元に深夜電話が鳴る。
姉のサラからの電話でデレクにすぐに帰ってという。母さんに何か有った
のかと問うとデジレーがケガしたのだという。
病室でデジレーはベッドで安静にしていると、もしかして兄ちゃんが
来ているかと問う。臭い香水を付けているのは兄ちゃん以外に誰が居る
のか?と言われる。母は徹夜していたので帰したとし、お前は何をやって
いるんだと語る。誰を追いかけていたのかと問うとドライバーはみて
いないが助手席にシンディが居たのだという。モーガンは彼女は死んだ
というが、絶対にシンディだったとし、私はお兄ちゃん以上に仲が良か
ったのだから間違いないという。有りもしないことをみるのはよくある
というが、私がシンディと呼びかけたらこっちをみたし、彼女は話しか
けてきたのだという。「ごめんなさい」って。あれは絶対にシンディだ
という。
モーガンはホッチに電話すると、ホッチも妹の容体を気にしていた。
意識は戻ったが事件にぶつかったと皮肉る。告白するがオレはある人の
死をでっち上げたこと。去年漁船で大西洋に遺体を捨てていた犯人が
いたけど、オレの従姉妹も殺したとしていたので、家族に犯人はヤツ
だと言ったのだという。8年間も苦しんでいる叔母をみて居られなかった
とのこと。家族のためのウソだったが生きている証拠が出たのだという。
サラはモーガンの会話を聞いて何てことをしたのかと憤怒する。
移動中の飛行機。
プレンティスは、シンディは8年前に同僚にストーカーされてシカゴから
逃げたのねと。ストーカーしていたのはジョン・ヒッチンスというヤツ
だというモーガン。シンディと叔母に言われ調べたら、電話やメールの
記録は典型的なストーカーを示すものだったという。一時間に数本の
メッセージでプレゼントを送り返したのが怒りを買ったのかも知れない
というリード。犯罪ギリギリの所だったので会社も警察も手が出せず、
引っ越しをさせたのだという。チャールストンから連絡が有ってそれきり
で、その2週間後ヒッチンスはシカゴで拳銃自殺したのだという。警察は
彼がシンディを殺したと結論づけたというプレンティス。しかし遺体
は見つからず、シカゴに現れたのは想定外だったというモーガン。
シンディの失踪とヒッチンスの自殺について調べ直そうというホッチ。
矛盾点を洗い直してくれと語る。
イヴォンヌはサラに話を聞いてモーガンの元にやってくる。
事故のことを聞いたとしてデジレーがシンディをみたことも・・
モーガンはハッキリしたことは分かっていないとすると、自供の件は
謝るという。悪気はなかったというがモーガンをビンタしていく。
シカゴ警察。
パーマー刑事に資料を求めたが、資料は少なかった。もっとあれば
良いが失踪なんてこんなものだという。ヒッチンスの自殺後に部屋で
見つかった写真はフィルムから引き伸ばされているというモーガン。
プレンティスは自分で撮影したならフォトショップは使わないとし昔
気質のカメラの愛好家だろうという。ホッチはヒッチンスのカメラ歴
を調べる様告げる。8年前には既にデジカメが主流だという。また自殺
に使った銃について、撃った銃のディーラーは真っ当な銃器店で
犯罪歴のない店主だというパーマー。JJはヒッチンスは44口径だけ
使用されていること。自殺には大きすぎないかという。買ったときの
様子をディーラーに聞こうというホッチ。
ガルシアからモーガンに電話が鳴る。
シカゴ警察から届いた資料を送っておいたというガルシア。
モーガンは何か話してくれないかというと、ガルシアはあんたと話す
ことが何も思いつかないという。言えるのは応援していること。味方
であることだと語る。
銃器店のオーナー、アーノルドに話を聞くロッシとJJ。
8年も前に購入した人についてのことなので詳細に覚えているかどうか。
ジョン・ヒッチンスが買ったハズだとするが、買ったのはマルコム・
フォードという人物だとして顔写真付きの証明書に見せる。JJは彼から
ヒッチンスが購入したのか。ロッシはこの男に撃たれたのかも知れない
と語る。マルコムが何者かを調べないといけないという。
シンディに対してマルコムは急いで準備しろと語る。
隣人のボブは車を洗車しながら週末旅行かとして楽しんでと語る。
シンディにはストーカーが2人もいたのか。
1人だがフォードの方がプロファイルに有っているというロッシ。
フォードは行きずりの女や恋人から暴行で複数の告発を受けているという
JJ。リードはガルシアの調べで白黒写真の道具を買ったのも確認されて
いるという。フォードはシンディを巡るライバルのヒッチンスを殺し部屋
に写真を残して容疑を彼に向けたのか。
モーガンはホッチにフォードの事情聴取をオレにやらせてくれないか
というが、ホッチはまずは叔母に話をしたのかと語る。何処で狙われた
のかを協力を頼めというホッチ。
■概要
・イリノイ州シカゴでデレクの妹のデシレーが車の運転中にたまたま
赤信号で隣に停まった車にシンディが乗っていたのを見て、なんとか
コンタクトを取ろうとするが、自動車事故で彼女自身は病院に運ばれる。
・デレクは姉のサラからの連絡ですぐに病院に向かうよう告げられる。
デシレーは顔を腫らして重傷ながらも命に別状はなかった。
そんな彼女から突然シンディが車に乗っていたとし、絶対に間違いない
ということから、デレクはホッチに連絡して捜査が開始される。
・当時シンディは会社の同僚だったジョン・ヒッチンスによって
ストーカー被害に遭い、彼女の失踪2週間後に彼が自殺したことによって
真実は闇の中に陥る内容だった。
■感想
S6-23で一度明らかになったデレクの従姉妹のシンディの失踪事件。
当時は7年前に姿を消したとして、身元不明遺体が出る度にデレクの
元に電話がなるとしていうやりとりが有った。
モーガンのことを気にかけていたのはロッシだったけど、あの時は
シンディの失踪によってイヴォンヌ叔母が精神的におかしくなりかけて
いるので、立ち直らせる為に黒人の身元不明遺体が見つかったことを
通してイヴォンヌにはそれをシンディに見立てて犯人が自供したとウソ
を語る。その二人の姿をロッシが見ていた姿は目に焼き付いている光景
だ。
あれからドラマスケジュールもちょうど1年が経過して、伯母さん自身、
8年苦しんでいることになっている。
■捜査
誘拐事件かと思われたが、実際には脅迫によって人を従わせるという
悪質な事件だった。
SM愛好家たちの趣味が発展したような形で、「組織」と称して巨大な
力が働いていると見せかけて人から自由を奪うというもの。
人質とされているのは子供だということで、「組織」の役割分担の
えげつなさとか感じるところがあるし、ここまで来るとカルト教団
とか秘密結社のような存在なんだなと思わせる。
一番の弱点は自分を攻撃されるよりも家族や子供が殺されると思い込
ませられるところなんだろうね。
それを見抜いているからこそ、「組織」は至るところで同様のことを
していて、子供の数がそれを物語っていた。
その組織は、ある意味ではアメリカでは「フラタニティやソロリティ」
に見る社交クラブの結束感にも繋がるところが有る。
またドラマでは皮肉だけど、奴隷売買というと昔のアフリカ系アメリカ
人がアメリカに奴隷売買されてきたというのに、今回の被害者加害者は
共に黒人で有ったこと。
■プロファイル
・マルコムの元で8年にわたり監禁される中、シンディの自我は砕け
散った。その結果犯人は彼女が逃げないと確信しある程度の自由を
与えている(プレンティス)
・だからシンディと犯人を引き離すのは難しい。彼女は極度のストック
ホルム症候群だ(ホッチ)
・SM愛好家のロールプレイ。男たちがあたかも奴隷売買を手がけている
振りをする。主人を怒らせたり逃げたら必ず組織に見つかり家族もろ
とも殺されると思わされている。(リード)
・普通はプレイ上の設定だがシンディは組織が存在すると信じ込まれて
いる。(ロッシ)
・残された契約書を分析した結果、マルコムの居場所のヒントがある
(リード)
・文面からして地下ネットワークが存在するらしく数名の信頼出来る仲間
がいるようだ(JJ)
・彼にとってSMは遊びから活動に変わっている(ロッシ)
■その他
・デレク家の事情
サラという姉とデジレーという妹が居るみたいだね。
S2-12の中で、モーガン家が母親フランの誕生日会で集まる姿が有った。
http://itawind.web.fc2.com/kaigai/criminalminds/criminal212.htm
父も母も昼夜働いていたので、デレク家の子供たちは今回のイヴォンヌ
伯母さんたちの元で過ごすことが多く、その為に従姉妹のシンディと
もよく精通しているみたい。
S2での事情をみる限りではモーガン家は相当治安の悪い地域に住んで
いたよな。でもモーガンは地元の子供たちにも目を配っている姿が
有ったよなぁ。
因みに
母・フラン ・・・ Kerrie Keane
長女・サラ ・・・ Erica Gimpel
次女・デジレー ・・・ Benita Krista Nall
クレジットだとデジレー以外は名字が書かれていない。
・交通事故が凄い
アメリカの車の衝突シーンって段々のリアルで過激になっているけど
今回のデジレーの車のぶつかり方を見ると絶対に死亡したなと思ったら
意外と元気だったのでちょっとビックリ。
・マルコムとの駆け引き
今回は取調室に於ける駆け引きも面白い要素だった。
モーガンがマルコムと遭えば確実に乱闘になるなと思わせたけど、
まずはJJとプレンティスが、子育てに関して夫との関係とか結婚など
の状況を雑談の形で会話し、マルコムの価値観を引き出すことに
成功する。なんかこういう雑談している光景とかもっと見たいよね。
JJだけがマルコムの言葉に惹きつけられた振りをしたけど、
ホッチがこれ以上エサを与えてはダメだということで、これ以上の
言及がなかった。
モーガンと会話するときには、このマルコムの瞳孔が開いたままだった
のでもの凄く不気味だったな。
・シンディは洗脳されているのか
デジレーは私の方がシンディのことを良く知っているとしていたけど、
デレクは途中で立ち寄ったシンディが盗んだ缶詰の意味している所を
くみ取り、変わっていないということを示唆していた。
またホッチに対して朝食は親が食べていたものを子供に食べさせると
いう習慣があることから、シンディには子供がいるのではないかという
公算も立てていたのかな。
シンディにとっては母親と対面した際に、あれは娘じゃないと言われた
時には本当のことを言いたかっただろうね。ただ子供が無事だとされる
まではなかなか本音は出せなかったのだろう。
・モーガンとガルシアのやりとり
毎回面白いのがこの二人のやりとり。
かつて二人で電話している際にスピーカーホンになっているのにガルシア
が私生活のことも話してしまった為に、モーガンがそれ以降、スピーカ
ーホンになっているぞと語るシーンが多いんだけど、
今回は落ち込み、そして激怒するモーガンがガルシアに色々と言葉を
語っていた。
「今もタブレットで防犯カメラ映像を送った。お礼は?。上の空ですか」
「昔賢い黒人が言っていた。”ベイビー、落ち着け”って。」
「本物のヒーローに戻る気になったら電話して。それまで口利いて
あげないもん」
■使用された曲
・Be Still by The Fray
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 国防総省
エミリー・ペレンティス (Paget Brewster) BAU
マルコム・フォード (Chad L. Coleman) シンディを誘拐・洗脳
シンディ・バーンズ (Shanola Hampton) イヴォンヌの娘
イヴォンヌ・バーンズ (Denise Dowse) デレクの叔母
サラ (Erica Gimpel) デレクの姉
デシレー・モーガン (Benita Krista Nall) デレクの妹
パルマー (James Edson) シカゴ警察・捜査官
ラリー・スタイルズ (Bob Glouberman) マルコムの弁護士
ドミニク・マグイア (John Zderko) “組織”の構成員
スージー・マグイア (Elizabeth Kouri) “組織”の構成員
ボブ・キャンベル (Dirk Etchison) シンディの家の隣人
アーノルド・ウットコム (T.R. Shields III) 銃器店のオーナー
アンソニー・フォード (Dusan Brown) シンディの娘、山小屋で育てられる
— (Holger Moncada Jr.) 店主、ハンディマーケット
エリック・ベックフォード (Jon Eric Preston) “組織”の構成員、山小屋
ジュリー・ベックフォード (Ieva Georges) “組織”の構成員
マット・ミラー (Brian Ibsen)
— (Germany Kent) 母
ジョン・ヒッチンス