第20話 マレフィセントの娘 Lily
監督/Ralph Hemecker 脚本/Andrew Chambliss
Dana Horgan
【前回までのあらすじ】
エマとリリーはエマがコンビニで万引きしようとしていたところで
知り合う。ゼリーナはレジーナに対してあんたの大事なロビンが可愛い
奥さんと居ると思うのかとして私だと電話口で語る。ゴールドは私の電話
一本で愛する男が姉に殺されるとレジーナを脅迫。しかしレジーナは
ベルの心臓を取り出して私がニューヨークに行くので邪魔したら握りつ
ぶすとゴールドに警告。メアリーとデビッドはクルエラは人を殺せない
状態だということをエマは知らないとして焦る。エマはクルエラが
ヘンリーを誘拐したとして力を使ってクルエラをがけの下に落として
殺害してしまう。
【ストーリー】
魔法使いの弟子は洞窟に入っていく。すると魔法使いは弟子に対して
何故ここに降りてきたのか問う。作者が規則を破って物語を書き換え
始めた事を告げ救世主が闇に染まる可能性をマレフィセントの子供
に移させたと語る。取り消す方法は無いのかと問うが、魔法使いは
残念ながら知れはないという。子供の運命はどうなるのかという弟子に
対してそれでも変わらず二人は糸は絡み合うのだとし、それが定めだ
という。我々が手を打つべきは作者だとすると、それは既に手を
打ったという弟子。間違いを修正され、今は本の中に居ること。これから
は筋書きは変えられないとし事実を記録するだけだとすると、弟子に
対して監視するよう告げる。作者が二度と運命を弄ぶことがないように
と。
ストーリーブルック。
クルエラの葬式に集まるものたち。作者のアイザックもその一人で彼は
マレーズ・クラブでもらったキスマーク付きのナプキンを棺桶に収める。
逢いたい・・毛皮のコートもひっくるめて彼女なのにこの僕を今の僕に
してくれたのだというアイザック。救世主に殺される必要が有ったのだ
というゴールド。本の結末を書き直し、我らがハッピーエンドを
手に入れる為に、ミス・スワンに旅をしてもらわないといけないという。
闇への道を一歩。そのまま落ちてもらわないと・・。
グラニーの店。
エマはゴールドを捕まえるとしてどうしてこんなことをさせたのかと
憤怒する。しかしフックたちはよく考えろとし挑発しているのだという。
エマは私だってクルエラは殺したくないがそれは後悔であり闇とは
違うという。誰でも後悔はするものだと。これ以上ゴールドとアイザッ
クに妙なことをさせないのが一番だという。すると店にはマレフィセン
トが現れて私もそれに協力したいという。私たちの敵は同じと分かった
というマレフィセントはゴールドだという。彼が君を生き返らせたのだ
というデビッドに対して、それは私を利用する為だという。クルエラが
死んだのが良い証拠だという。流石のゴールドでも竜は飼い慣らせなか
ったのねとレジーナ。エマには人捜しの才能があると聞いたので
お願いしたいというマレフィセント。誰を捜すのかと問うと、私の娘
だという。生きているのかと問うと、そうだとしメアリーとデビッドが
この国へ送った後にも生き延びたのだという。ゴールドの野望を阻止
したいなら私の為に町を出る以上の方法があるかと問う。娘の情報は
有るのかと問うエマに対して、闇の王に聞いただけで、30年前にこの
世界に送られたこと。ついた場所はミネソタで養子になったということ。
リリスと名付けられたこと。エマはウソでしょというと、走って古い
新聞を確認に行く。いると洗礼情報にリリス・ペイジと書かれ手首には
見た事のある星のアザがついていた。
— ミネソタ州1999年 —
エマは家族旅行の前にチェックリストの品をナップサックに入れたか
どうか確認していく。懐中電灯、乾電池、水筒、マッチ・・・レイピー
って何なのかと親になった両親に尋ねるとレーズンとピーナツのミック
スされたものだという。私は旅行自体初めてなんだというエマ。
寝袋を用意するためにガレージに行くの物音が聞こえる。用心深く物音
の方向を調べるとそこに居たのはなんとリリーだった。リリーはきっと
私の顔など見たいはないでしょとし、それでも私は他に行く場所が無か
ったのだという。マジで困っているとし、以前にずっと友達だと約束
したでしょと言われる。そこにエマの両親がやってくる。私の里親が
引っ越して来たというリリーは、エマは以前からの友達だという。
それなら夜はウチで食べていったらどうかと誘われる。
— 現在 —
レジーナは運命って皮肉だと語り、エマとリリーと知り合いだなんてと
語る。昔友達だっただけというエマ。レジーナはあなたが突き放した子
なのかと。自分の親が別の世界に追いやった子と親友になるなんて
あり得るのかといエマにレジーナは、私たちの理解を超えた力は確実に
存在するのだという。唯一の友も私が選んだわけではないということな
のかというエマ。レジーナは私にも経験があるとし、たまたま養子に
したのが救世主の息子だという。決断は自分でしても運命がそれを後追い
してるという。私は姉からロビンを助けにニューヨークに行くしあなたは
親の罪滅ぼしにリリーを見つけたいのでしょというと、闇に染まらない
ことをゴールドに証明しないと・・だから協力しようという。エマは
二人で旅をするのかと問うとお守りは要らないよと語る。しかしレジーナ
は私が貴方を頼りたいのだとし、ニューヨークに行くのだからと。
町から殆ど出たこともないというレジーナは今日で私たちは運命を打ち
破ろうと語る。
アイザックはゴールドに二人を町から出すのかと問う。救世主には
良心の呵責を感じさせる必要が有るというゴールドはリリー探しの旅で
より早くハートが黒く染まるのだという。その前に用事を済ませると
してゴールドはウィルとベルが一緒にいるのを見てそちらに向かう。
いざ出発の時。
ヘンリーに良い子にしていてねというレジーナ。フックはエマに気を
つけろとし善人から悪役に成り下がったオレからのアドバイスだとし
「復讐は魅力的で闇に抗い難いが抵抗しろ」ということだった。
オレには生き甲斐が無かったが、今はオレがお前の戻るべき場所
でありお前は戻るべき場所を見失うなと語る。
レジーナは魔法の無い国には魔法を持って行くとして、雪の女王の巻物
を詰め込む。これがないと帰ってくる時にこの町に入れないからだと
いう。
エマは知り合いに連絡して住所を見つけてくれたという。5年前の住所
だとするがマサチューセッツのローウェルだとし、私が5年前に住んで
いたボストンから50kmも離れていないところだという。リリーとはミネ
ソタで育って別人のところに引っ越してまた大人になって近くに住んで
いたというのか。運命が近づけるのだというレジーナ。
■概要
・ヘンリーを誘拐したクルエラは、人を殺せない縛りがあるが、
それを知らずにエマはヘンリーが殺されると思い込み魔法を使って
彼女を崖から転落死させる。全てはゴールドの陰謀だと考えて
エマは一刻も早くゴールドと作者を捕まえようと考える
・そんな状況の中、マレフィセントがエマの前に現れて、共通の敵
ゴールドに対峙する為に協力を持ちかけられる。
マレフィセントの子供はメアリーとデビッドによってエマの中の
心の闇を全て押しつけられた格好だったが、今でもこの世界で生きて
いる事を知る。
・マレフィセントの子供は30年前にこの世界に送られたこと。
ミネソタで養子になったこと。名前はリリスだと聞いて、エマは
古い資料を調べると、リリス・ペイジの洗礼情報の記事が記載されて
いて、その写真には生まれながらにして星形のアザが腕にあるのを
見て、エマが1998年に知り合ったリリーと同一人物だということを
知る。
・エマはレジーナと協力してストーリーブルックを出て、リリーの
捜索と同時にロビンの妻・マリアンがゼリーナとすり替わっている
為に助けに行こうとする。
■感想
S4-5の中でリリーとエマが知り合った経緯が描かれたが、その後の
流れを描いたもの。
当時のエピソードの中では、寧ろエマの里親だかグループホームの
女性が雪の女王だったということが分かる作りで、リリーの存在に
ついてはノーマークの状態だったけど、ドラマでは何でも不可解な
繋がりを「運命」と称して繋がりを持たせているのに対して、その運命
に抗えない事実としてのリリーとエマの因縁の関係が描かれた感じ。
今の時代、外の世界は現実の世界でありエマ自身が
「私が悪役?ここは現実でヒーローも悪役も居ない。存在する
のは現実の問題と人間だけ」と語っていたけど、そんな現実に世界
に、おとぎの国から仕込まれている人物が実に多い事。
特にゼリーナもまたこの世界に来ていた。
魔法使いの弟子がこの世界にやってきて、1999年当時のリリーに
真実を語っている姿が有る。
■魔法使い・魔法使いの弟子・作者
この繋がりがよく分からない。
魔法使いか魔法使いの弟子の一存で、規則に違反している作者を
クビにできるのであれば、作者としての権利を取り上げれば良い
だけではないか?どうすると作者は次の作者に変わるのだろうか。
闇の王と同じで何か引き継ぐための儀式でもあるのか。
そもそも作者の性格などは全く考慮することなく、作者としての大事
な任務を引き継がせているのだろうか?
魔法使いの弟子が現在の世界で、リリーに逢う。
ピッツバーグ行きのバスに乗っていた時の事だ。
思わずヨーダ扱いされてしまうところは、如何にもアメリカン。
やることなす事全てが上手く行かない理由の中にメアリーとデビッドの
しでかしたことが有ることを話したけど、全ては作者という人物が物語
を変えてしまったことが元凶なのだからそれも含めて話したらどうか?
自己保身か?このヨーダめ!!(笑)
■ウソ、裏切り、復讐
エマとリリーの関係は微妙だ。
このドラマ、時代を考慮してその時々の事象だけを取り上げてみると、
90年代のエマがリリーに殺意を抱く理由は当たり前のように思える。
何の事実も知らされていないエマとリリーにとって、リリーがエマの
幸せをぶちこわしているとしか見えないからだ。
この時点で既にエマにとっては闇の心を持つ機会というのは十二分に
存在していたと思われ、不条理な不幸さというのも限りなく訪れて
いる。
エマは過去から現在に於いて常にリリーに裏切られた感、嘘をつかれた
感が強いけど、更に広義の視点から物語を眺めた場合、その状況を
作ったのが自分の両親だということを考えると、正直エマがリリーを
現代の世界で殺す事が出来ない事情も何処か甘受しなければいけない
ことのように思えてくる。
ただその両親だって物語通りに行動した結果、作者によって踊らされた
感じだし、その作者を選出したのは魔法使いの弟子だということを考え
れば結局誰が悪いんだよということになる。
■ドラマの構成は相変わらず上手く出来ている
二つの事象を一つの流れのようにして描く手法は最高に上手い。
過去の世界でエマにネックレスを取りに行かせたリリーは、エマの
新しい両親の部屋から旅費を盗む為に工作したものだった。
この流れってゴールドとベルの流れにも精通しているところが有る
しね。
この後リリーはコンビニ強盗で捕まっていたけど、エマの彼氏だった
当時のベルファイアも強盗で捕まり・・って感じだったよね。
■狼が引き寄せた運命
エマが運転する車が狼を避けてタイヤをパンクさせてしまう。
「運命じゃなくただのパンクよ」
「コーヒー・マグダイナーに運命でもなきゃただの事故。」
レジーナの言い方も面白かったけど、エマが悪事を働くのを止める
レジーナの構図というのがいつの間にか染みついた感じ。
この狼、s1-1の時にも出て来たことを語っていたけど、狼というと、
最近出てこないグラニーとかルビーだよなぁ。
■その他
・ウィル
レジーナによって奪われたベルの心臓は、町長室に有る様子。
ベルはゴールドに脅されているレジーナに協力したかと思ったけど、
記憶がないので覚えていないのか?
ウィルに対してゴールドは
「私の為にあるものを盗んでこい。ベルのハートだ」(ゴールド)
「その仕事なら言われなくてもやっている」(ウィル)
なかなか面白いやりとりでしたね。
町長室にはマレフィセントが待ち構えていたけど、ウィルが中に
入りつつ、ゴールドがマレフィセントと会話している間に彼が
奪っていった。ゴールドのような魔法使いにはレジーナの「守りの呪文」
が効くのかな。
ただゴールドが最後にベルに語った言葉は本当の気持ちなのだろう。
「これからはウィルが君を守る。私は力不足だった・・さよならベル」
ゴールドさんの方がウィルよりも格好良いので何となく思わず二人を
比較してしまうシーンだった。まぁこれ以上ゴールドには関わらない
方が良いけどね。
・リリー(リリス)
現在マサチューセッツ州ローウェルにいる彼女。
かつてミネソタ州ホプキンズでエマとは逢っている。
彼女の住所を調べて部屋にいくと、彼女は全てを知っているかのよう
にしてストーリーブルックの町を探している形跡が有った。
それはまるで連続殺人犯かそれを追いかけるFBI捜査官の構図だよな。
エマはリリーには夫と子供がいて今が幸せだとしていたけど、
「私はウソを見抜ける」エマさんが久しぶりに能力を発揮。
さらに今回出発時にマレフィセントから言われていたけど
「あなたは人を捜す能力が有る」とされていた。
気がつくとエマには色々とスキルが備わっているね。
・因みに成人版・リリス役のAgnes Brucknerさん。
「プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち」でデルとの間に
子供を産んだジャンキーのヘザー役で出演。
・ゼリーナとロビン
ロビンの元に行ったレジーナ。しかしゼリーナは余裕な顔していた。
ロビンも過去にマリアンが殺されたとしても大して動じない姿が有る。
ゼリーナとの間に子供を妊娠していたようだ。
■使用された曲
・
■出演者
メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ヘンリー母、メアリーの娘
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、コーラの娘
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、メアリーの彼
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、質屋
キリアン・ジョーンズ (Colin O’Donoghue) フック船長
ベル・ゴールド (Emilie de Ravin) レイシー
ウィル・スカーレット (Michael Socha) ロビンの甥
マレフィセント (Kristin Bauer van Straten) ドラゴン
アイザック・ヘラー (Patrick Fischler) 行商人 / 作者
リリー・ペイジ (Agnes Bruckner) スターラ
マリアン (Christie Laing) ロビンの妻
ゼリーナ (Rebecca Mader) レジーナの姉
ロビン・フッド (Sean Maguire) 盗賊
— (Timothy Webber) The Apprentice / 魔法使いの弟子
若い頃のリリー (Nicole Munoz)
若い頃のエマ (Abby Ross)
ビリー (Cameron Bancroft) 父親
ケーティ (Kendall Cross) 母親
— (Philip Granger) アパートの住人
マックス (Sidney Shapiro) 息子
ザック (Parker Magnuson) 息子
— (Zoey Siewert) Brunette Girl
— (Jonathan Adams) Disembodied Voice (voice)