第9話 悪魔の正体 YOLO
脚本/Chris Van Dusen 監督/Oliver Bokelberg
【ストーリー】
ハックはクインが裏切っていることを知り彼女を捕まえて拷問にかけ
ようとする。こういう時はドリルかメスを使うんだとし皮を剥ぐのは
最高に痺れるという。あるいは手足の指の切断にするという。足の
方がグッとくる。でもお前は大事な仲間で家族だから友達割引でやって
やるという。ハックはガッカリだとしあんな悪さをして洗いざらい
話してもらうがその前に謝らせて欲しいという。悪いが自分でも
嫌だが止められないのだとし、ピッチピチのつやつやで柔らかい、そんな
こと愛する仲間にしたことは一度も無いがゴメンな。我慢出来ない
のだという。ハックはクインの顔を舐めると殺しはしないと約束する
という。まずは歯からだと。クインは辞めてとし、私は何もしていない
、良い子になると・・。ハックは余計なことは喋るなとしサクっと抜いて
サクっと喋るだと。大声は出しても良いぞと。歯を抜こうとしていた
ところ、ハックにオリヴィアから電話が鳴る。彼女はプチパニック
状態でウチの母が生きていて私の部屋に居るのだという。どうしたら
良いかと問うとハックは携帯を切って電池を外せとし、急いでお母さんを
そこから連れ出すんだという。隠れ家に行ってオレを待ってろとし
今すぐに携帯を切れと語る。司令官が探しに来るのだとしそこを出る
んだと語る。
ハックはクインに対してこれをやるのを楽しみにしてきたのに残念だ
とし、でも一本だけ抜いていくという。「一度きりの人生だろう(YOLO)」
と。
サリーの選挙参謀のレオはサリーに対して大統領戦に立候補届と
副大統領の辞任届けにサインを書いてくれという。独自路線をアピール
して裏切りものだとのそしりを回避し、2週間で灰と化したグラント
政権から不死鳥の如くはばたくのだという。その前に忠誠の誓いを
立ててくれというレオに対してサリーは国への誓いなのかと問うと
ボクへの誓いだという。キリスト教保守派のお陰で立候補がない
とし、討論会への参戦も出来たのだという。でもそこで縁を切るのだと
いう。中道になってもらうとし宗旨替えだという。”中絶を容認する”
こと。さもないと絶対に勝てないという。それは無理だというサリー。
されじゃ女性初の大統領には出来ないというと他のことで譲るという。
ゲイの権利とか教育問題のこと。しかしそれでは意味がないとし、必ず
中絶の容認は必要だという。女性票無しで勝つのは無理だというと、
神への抽選を捨てて政治に尽くすべきだという。それをしなければ
勝ち目はゼロだという。大義のために信念を捨てろって事だという
レオ。大統領になる為でも生まれてくる命を犠牲には・・というサリー
だが、他に選択肢があると思っているようだが信念を捨てる以外に
道はないと語る。
“中絶をどう思う?”。躊躇せずに信念を語るのだという。神よりも
政治だということ。”何故変わったんですか?”。”内省を重ねた結果
私は考えを改めました。中絶は当事者の女性と医者が決めること
で、選択に口出しする権利は一切私にはない”というサリー。
それを聞いて結構だとし、ラングストン大統領と語って出て行くレオ。
サイラスはジェームズに対して寝ないのかと問う。眠れないという
ジェームズはダニエルとのことでまた興奮していることを語る。
記事を書くのかと問うとダニエルを丸裸にしたので高ぶっていると
語る。聞きたい事はないのか?というジェームズ。話したいことは無い
のか?というサイラス。いい加減にしてもう寝ろよと語るサイラス。
— 回想シーン —
マヤはリビー(以後オリヴィア)を呼ぶと、もう行くとし、ヒースロー
についたらちゃんと電話すると語る。2日で戻ると。冷凍庫にはキャセ
ロールに入っているとし、愛していると語る。
オリヴィアは勉強しながら音楽で”マイケル・ジャクソンのベンのテーマ”
を聞いていた。
— 現在 —
ハリソンたちもオリヴィアとマヤの元にやってくる。
あれがオリヴィアの母なのか?・・墜落事故で死んだ?・・22年前に
死んだハズの?と尋ねる。ハックは混ぜっ返すなというが、アビーは
こっちの身にもなってと語る。あんたたちスパイコンビと違いずっと
蚊帳の外に置かれてきたのだとし急に死んだハズのポープママを連れて
来て協力なんて事情が分からなきゃ何も出来ないという。
ジェイクは僕らも分かっていないのだという。オリヴィアは放心状態
だというと、一体何処に居たのかとマヤに尋ねる。マヤはある日夫の
本当の仕事を知ったとし自分が怪物と結婚していることに気がついた
のだという。告発の為にファイルを盗んでロンドンの記者の元へリビー
を連れて逃げようとしたが夫に見つかりそのまま投獄されたのだという。
偽名は確か・・・オマー・ドレスデンだという。監獄から先日何処かの
倉庫へ移されることになり国外に送ると言われて自力で逃げてきた
のだという。ジェイクは司令官からは逃げられないと語る。
ハックは追跡用のチップを探しているとし、痛いけど取り出すという。
そして移動しようと語る。
一歩遅れてチャーリーたちがチップの信号を頼りに隠れ家にやってくる
が・・・
ローワンは急いで東海岸全部の空港、鉄道、バス、地下鉄の駅の全て
を監視するよう告げ高速もチェックだという。衛星から車のナンバー
もチェックし信号無視監視システムに侵入して顔認識ソフトで照合する
のだという。
ジェイクはハックに反射スプレーなのかと問う。監視カメラ対策だ
として車のガラスに吹きかけていた。プリペイド携帯をみんなに渡す
ジェイク。ローワンは携帯網を監視して探し出せと語る。
■概要
・ハックはクインが自分たちの調査を邪魔して警備員を殺したことを
知り裏切りもので誰かに雇われていると感じて、拷問することになる。
仲間で有っても例外はないとするハックはクインに対しても反論の余地
なく痛み付けようとするが、オリヴィアからの電話で拷問は中断。
・オリヴィアからの連絡は、自分の母・マヤが生きていて私の部屋に
居るという信じられないことだった。
・B613の面々やオリヴィアたちはある程度マヤのことを理解していた
が、アビーやハリソンなど表の仕事をしているものには理解がいかない。
しかしジェイクにとっても今回のことは何が起きているのは想像出来
るものがなかった。
・司令官は確実にマヤのことを襲ってくるはず。何とかして逃がさない
といけないということで、あらゆる対策を施していく。
・一方サリー副大統領は、現政権から離党して自由な身になり、
初の女性大統領を目指そうと考える。しかし選挙参謀のレオは、
サリーが大統領を目指すならば、彼女が唱えていることの一つで宗教観
の一つでも有る”堕胎の容認論”を展開していかねばならないということ
だった。それだけはこれまで生きてきた信念でもある為に、出来ない
相談だとするが、大統領になるには選択肢はないと言われる。
・メリーはサイラスが仕掛けたジェームズとダニエルの件がどうなって
いるのか結果が気になる。サイラスは夫がダニエルと関係を持って
いたこと、そしてその決定的写真を手にしているが、どうしてもそれを
公にすることは出来ずに”温存”だと語る。
■感想
原題がYOLO。「ヨロ」・・DAIGOさん流の略称のようだけど、
放送局のABCにも書かれているが「You Only Live Once」という意味が
あるようで、ネットで調べると・・
意味1 =「一度きりの人生」
意味2 = 映画「暗黒街の弾痕」(1937年アメリカ)の原題。
この場合、1に該当するようだ。タイトルバックの直前のハックとクイン
のやりとりでハックが言ったセリフがそのまんま採用されたみたい。
ハックが冒頭でクインの歯を抜こうとしている時に、オリヴィアから
電話が鳴ってしまい先に行かねばならず、拷問を楽しみにしていたハック
としてはお預けという形になってしまうが一本くらいは歯を抜いていって
も良いだろうとして、クインにこれも経験だと語るシーンが遭り、
「一度きりの人生だ」と語る。
今回は何と言ってもみんながみんなダマされた格好で、どの流れもある
意味では人生が終わるような一つの間違いを犯してしまった結果の出来
事としての結末が待っている。
これ程までにBAD ENDな形でのドラマというのも珍しいけどね。
■チーム・オリビア
・チームA、マヤ救出、国外脱出作戦
マヤが脱走したという時点で既にオリヴィアが携帯電話の電源を切ろ
うともB613の司令官チームは本来マヤの居場所を追跡出来るように
装置を埋め込んでいる訳で、その辺のタイムラグはドラマなので仕方
が無いけど、都合良くシナリオを構成している。
こういう埋め込み装置を見ると最近では「Agents of S.H.I.E.L.D.」、
古くは「NIKITA / ニキータ」のディヴィジョンの諜報員なんかを
思い出すな。
オリヴィアの22年前の記憶というのが少しずつ明らかにされていくと
共にマヤという人物が実はどういう人物なのかということが明かされて
いくところは面白い作り。
彼女が聞いているマイケル・ジャクソンのベンのテーマも大好きな
曲だけど、彼女はそれを聞いているフリして母の会話などは全て
しっかりと記憶しているのだから凄いけど、当時は分からなかった
会話の内容が今になって浮かび上がるというのも凄い。
大抵無関係だとされる記憶なんて忘れ去られてしまうものだろうけど、
オリヴィアにとっては母親と遭った最後の日、最後の会話だったので
覚えているんでしょうか。
下手に隠し事をしていた結果、最悪な方向に決断を向けてしまった。
マヤを逃がす為に新しい身分を与えようとしていたチーム・オリヴィア
だけど、マヤの情報は国土安保省のページに掲載されているという。
その時点である意味では冷静になって何故掲載されているのかという
ことを精査する必要が有ったんだろうけど。
困った時の大統領頼み。ジェイクが戦友繋がりで助けを求めにいった
のに大統領としては動じず、オリヴィアからの頼みは聞いてあげるとい
う何とも不条理さ。ペンタゴンのシャープ将軍に電話して、ノーチェック
で香港にいけるように手配していた。
フィッツもテロリストを国外に逃がしたと知ったらただでは済まないだ
ろう。やはりここでまたB613の存在の必要性を唱えることになりそうだ。
でもそういうのってCIAが居るだろう。
とても地味なことだったけど、先週と同じくアビーがデビッドの元を
尋ねてマヤを国外に逃がすようにして欲しいと頼むところがまた
無理な要求だったよね。
・チームB、対B613、クイン拷問
ハックはクインが裏切っていることに怒り。
ただクインにして見れば言い訳する余地は多分にある気がするんだよね。
最初に抜いた一本はあくまで経験だとしていたけど、チャーリーの
味方だと見せるように抜いたのだろうか。昔の昭和の俳優さんは、
映画の役柄の為に歯を抜いたなんて話を聞きますが・・B613の協力者と
なることを名目に自分が犯した殺人のVTRの回収に向かったようだ。
ただ正直ローワンがクインの弱点のVTRをおいそれと返還しますかね?
ハックがクインの言葉に全く耳を傾けないのは不自然。
でもそこが信用ではない闇の世界ならではのやりとりなのかな。
でもでもまだクインはハックとかチャーリーのようにそういう世界に
擦れた人物に思えないけどね。
最後は上手くクインがハックに拷問を受けたと見せかけチャーリー
はクインには自分しか居ないと思わせる。もちろんその後は彼らが
騙すための工作だけど・・・
■チーム・グラント
・副大統領サリーの再出馬の阻止
この流れはまた辛かったね。
まず非情なことにサリーを大統領にさせるという名目でレオが彼女
自身のことなどつゆ知らずに、敬虔な信者から脱せさせたこと。
愛するものの為に改宗することはないことはないけど、彼女の場合、
心のよりどころにしていたところはクリスチャンだというところも
有ったのではないか。
しかも堕胎の容認は政治戦略の為とはいえ認めるところは辛い。
これで本当に大統領になれるという確約が有れば良いけど、サリーは
ちょっと安易に選挙参謀のレオのセールストークに乗せられた感じが
するな。
ただサリーがそういう決断を取った背景にはフィッツ大統領の言葉
がその一員として存在していた。
「機会が来たら逃さずにのし上がること」。
不倫問題に加えて、有力な対立候補のジョゼフィーンの脱落。
これを逃さずしていつ機会があろうかと。
フィッツは「自分のことに必死でどれだけ他人に迷惑をかけているのか
分かっていない」と何度となく言われていた。
・サイラスの躊躇
サイラスは夫のジェームズとダニエルの不倫に関して写真を撮って
決定的証拠を持っていた。しかしそれを使えばジェームズとの関係
は修復出来ないところまで追い込まれることは理解していた様子。
サリーに突きつけたけれど、まるで怯むことはなく、寧ろそんなこと
で私を脅せる材料になると思ったのかとしていたけど、結局最後に
サリーの執務室の床で血だらけになっていたのはダニエルだった
みたい。
メリーに対しては、「温存」だとして写真があることを話していなか
った。
サイラスという悪魔の一人の中でもまさか嫉妬心があるとは思わなか
ったのだろうね。
メリーはサイラスの為に、
「いつか兵器になる。この世の終わりと思うけどそうじゃない。楽に
眠れなくてもそのウチやっていけるようになる。麻痺するから。
それでやっていける。サリーは庭の雑草よ、蔓延らせないで。」
と背中を押すような行動を取った末に大変な事態が起きてしまった。
ジェームズにはサリーにも不倫写真を見せていないと語ったけど、
これは明らかにされるのか。サリーはメリー程に我慢強くないと
思うので自分から話してしまいそう。
サリーは何度となく「豚の腹を切り裂く」として不倫したフィッツ
のことを憎んでいるようだった。
メリーはオリヴィアのことをアバズレだとしているけど、それでも
殺意までは感じない。でもメリーはフィッツの父にレイプされている
しそれを我慢してまでフィッツに大統領を求めているのだから、
彼が大統領から降りる時には大変なことが置きそうな感じ。
サリーとメリーは名前も似ているが、結果的に似ているところがある
んじゃないかな。
■その他
・不思議の国通り
そういう通りがあるのか分からないけど、その通りは地図には載って
いなかったりして・・
・サイラスの目にも涙、クインの目にも涙
ジェームズとの関係が破綻すると知り、メリーの前でサイラスは涙して
いた。
クインもまたチャーリーが居る時に涙する。
チャーリーがまたデリカシーも何も無く
「泣くんじゃないだろうな。ルール違反だ」としてスパイなら幾らでも
あるような言葉をかけていた。
・アドナン・サリフ
これ地味に語られているのだけど、ハリソンに降りかかっている何か
がこの次のネタに繋がっていきそうだね。
今回は偽造IDを作ってくれるクレアから、アドナンがヨロシクって
言っていたとし、携帯に連絡すると言っていたと言われていた。
アドナンとハリソンの関係は何だろうね。
■使用された曲
・Scandal End Theme
Composed by Chad Fischer
・Ben By Michael Jackson
■出演者
オリヴィア・ポープ (Kerry Washington) フィクサー、”リヴィー”
ハリソン・ライト (Columbus Short) 弁護士
アビー・ウェラン (Darby Stanchfield) 調査担当
クイン・パーキンス (Katie Lowes) 弁護士
ハック (Guillermo Diaz) 技術担当・元CIA
サイラス・ビーン (Jeff Perry) 大統領補佐官
フィッツジェラルド・グラント(Tony Goldwyn) 大統領
ディヴィッド・ローゼン (Joshua Malina) 連邦検事
メリー・グラント (Bellamy Young) 大統領夫人、ジェリー、カレンの母
ローワン・ポープ (Joe Morton) ジェイクと精通
ジェイク・バラード (Scott Foley) 元B613
ジェームズ・ノバク (Dan Bucatinsky) サイラスの彼、記者
サリー・ラングストン (Kate Burton) 副大統領
ダニエル・ダグラス・ラングストン (Jack Coleman) サリーの夫
チャーリー (George Newbern) B613
マヤ・ルイス (Khandi Alexander) オリビアの母、
クレア・タッカー (Kelly McCreary) ハリソンの仕事仲間、偽造ID
レオ・バーゲン (Paul Adelstein) 選挙参謀
若い頃のオリヴィア (Yara Shahidi) BENをよく聞いている