第14話 ファイヤーストーム Fallout
脚本/Keto Shimizu
Ben Sokolowski
監督/Steve Surjik
【これまでのストーリー】
バリーが住んでいた家に行くジョーとシスコ。そこで当時から置かれて
いる鏡を使いそれがカメラの役目を果たしてあの晩の写真を残している
かも知れないという。壁の血は2つの閃光のウチのどちらかだという。
調べるとバリーの血だと分かるが・・
彼はロニーじゃない体はマーティン・シュタインだというケイトリン。
ロニーとシュタインの分離に失敗すれば核爆発が起こるという。
【ストーリー】
分離装置をつけたが爆発する。バリーは現場に居たケイトリンを抱えて
核爆発から逃走する。無線でハリソンとシスコは二人が無事かどうかを
尋ねると、何とか無事だと報告。しかしケイトリンは核爆発ならかなり
の放射線を浴びたかも知れないと語る。シスコはスーツのガイガーカウ
ンターを見る限りは数値は1mm以下で放射線はないと語る。
爆発した後にはクレーターの様な穴が空いていた。分離は出来たのか
どうか。するとロニーが倒れていて目を覚ますと、ケイトリンは名前
を尋ねる。ロリー・レイモンドだというと、オレだとしてケイトリンと
抱き合う。シュタイン教授も生きていてまずはラボに戻って着替えよう
と語る。
STARラボ。
シスコもロニーとの再会に喜ぶ。ハリソンもまたおかえりとロニーに
声を掛け、車イスになったのは自分のせいだが君のお陰で助かったと
語る。シュタインは汚れを落としたいとして要求する。
一方陸軍は行動を開始し、現場を調べる。襲撃の後が2カ所だとすると
ファイアストームだというウェイド将軍。分離したのかと。
ラボでは2人の体調を調べるがバイタルは正常だった。しかし体温が
38度あるというケイトリン。ロニーは問題ないとしてキスする二人。
シスコは君たちのチューでまた気まずい思いをするのかと告げる。
シュタインの体も調べたかロニーと同じで無事だとし分離出来たという。
二人が核爆弾になる危険性はもうないだろうと。しかしシュタインも
また38度あるとしてケイトリンは語る。飛べなくなって残念だろう
というと、ロニーはオレがコントロール出来るならば飛びたいという。
あんたとの体の共有は苦痛だったというのはシュタイン。橋の下で
ゴミを喰って生活していただろうというロニー。体をコントロール
するのに精一杯だったのだとし、君のコントロールならばとっくに
死んでいたというシュタイン。ロニーはオレの思考を押さえ込んでいた
だろうとすると、彼女が生きているのはそのお陰だというシュタイン。
シュタインは妻に会いたいというとハリソンはバリーが送るよと
語る。家の前に来るとシュタインは妻に何と言えば良いのかと悩む。
クラリッサは話し声を聞いて出てくる。こんな思いをさせて悪かった
というと、二人は再会に喜び抱き合う。バリーに連れ戻ってくれた
ことに感謝する。
セントラルシティ警察。
バリーはジョーの元にいく。何度も連絡を入れたんだぞというジョー。
電話は爆発のことではないとし見せたい物があるんだという。
ジョーはバリーの実家へと連れて行く。
中に入るとこんなに狭かったっけというバリー。ジョーは最近この家
に入ったりしたかと尋ねると、事件後は一度も入っていないという。
バリーにこの鏡を覚えているかと問うと祖母の鏡だという。シスコ
の作ったシステムは分かっていないが今から映像を見せるという。
すると母親が真ん中にいて二人の閃光が猛スピードで戦っていた。
そして壁に血が飛び散っていること。シスコにDNAを調べてもらった
らお前のものだったという。ただし当時のお前ではなく今のお前の血
だという。血に含まれるタンパク質の量から判明した事で大人の血で
あること。黄色いスーツを止めようとしているのはフラッシュだ
というバリー。
タイムトラベルのことをハリソンたちに話す。
この5ヶ月で分かったが何でもあり得るという。ハリソンはそのパズル
を説くために世界中の天才たちが調べてきたが、理論的には出来るが
問題が多いのだという。例え完成したとしても落とし穴が有るとし、
“ノビコフの首尾一貫の原則”を語る。過去を変えようとするとその
行為が事象の発生になるということ。つまり「ターミネーター」だ
というシスコ。更に別の説もありタイムトラベルで過去が変わり元の
世界と平行して別の時間軸が出来るかも知れないというハリソン。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だよというシスコ。デロリアーン
とジョーは告げ良い映画だったというとハリソンも同感だという。ただ
し研究していた私でさえもそれを行うのは不可能だという。あの人なら
ば詳しいかも知れないというシスコ。
ピクチャーニュースではアイリスは何でスターラボの粒子加速器の図面
があるのかと問う。爆発する可能性についてはハリソン博士も予め
話していたという。何故博士は爆発を認めたと思うのかと問われる。
彼は友達の恩人だとし、事故の夜に雷に打たれた彼を博士たちは助けて
くれたのだという。そもそも博士が爆発させなければその必要は無かった
のではないかという。事故だから仕方が無いというアイリス。そうじゃ
ないならば?と問うと、あのラボは謎だらけだという。君はラボの人たち
を知っているだろうとしてデニッシュを差し出す。友達をデニッシュ
一つで調べろというのかと問うと、君だって施設のことが気になるだろ
うと語る。
■感想
S1-5のエピソードと通じていたエピソード。
そして前回の13話の流れとも通じている。
5話ではメタヒューマンのプラスチックが出た時のエピだけど、あの時も
Plastiqueは爆弾人間化されたメタヒューマンとなってしまい、細胞に
同化してしまっていて胎内からその元凶となる物質をDNAから切り離す
ことは出来ないとされていた。
今回もまたロニーとシュタインは細胞レベルで繋がりを見せていたけど
切り離すことが出来たということは、その為の方法をハリソン博士は
開発していたってことなのかな。
プラスチックはずっとウェイド将軍によって研究開発に利用されて
おり、その際にハリソン教授とは顔を合わせている。
当時はアイリスが赤い閃光のブログを書いてうざかったけど、ようやく
新聞社に入って少しは大人しくなったかと思ったら、またしても詮索の
手が入りそうだ。ただし今回はフラッシュそのものではなく、STARラボ
に於ける秘密を暴くために友人であるものたちに接近するみたい。
アイリスにしてみれば、彼らが先に嘘をついたんだとばかりの主張を
して来そうだけどね。
■ロニーとシュタイン
ちょっとした「ジキルとハイド」みたいな関係になってしまっている
二人。解離性同一性障害の薬を飲めば核分裂するのを抑えられると
して前回のエピソードでは薬を飲んでいるシーンが有ったけど、
今回は自分自身をコントロールする術というのを身につけていくという
ものだった。
前回の話では人類進化の法則のようにして、強い方が残るとされ
体はロニーで頭脳派シュタインが残って同一化されていたけれど、
今回趣味・趣向はロニーに強く影響されていた部分が有るのかな。
ピザ嫌いだったシュタインもやたらとピザを食べたがっていた。
プラスチックの時のネタが満載だったので、当時のエピを覚えている人
には会話の端々にそのネタが含まれているのが分かる。
前回のラストでは大爆発を起こしていたのでもう終わりかと思った
けど、二人はあの大爆発でも細胞が肉体が残っていたとは驚きだ。
しかも2つ分の体が何処からともなくひょこっと現れている(笑)
爆発しかけた際に、ケイトリンを連れてバリーは逃げたけど、プラスチ
ックが爆発する際に、海の中心に連れて行って水の中で爆破させた際に
バリーが逃げる姿と似ていたね。
■ウェード・エイリング大将
プラスチックの時に倒したかと思っていたけど、結局トドメの段階で
バリーがプラスチックを止めて結果的に殺人者となるのを辞めさせた。
プラスチックにすべきことをしろと誘導したのは実はハリソン博士
だった。
今回ウェイドが登場した際には、バリーのこともよく知っていたし、
そもそものファイアストームマトリックスに関しても、以前の捜索の
際にファイルを押収した時に知ったのか熟知しているような印象だった。
驚くべきは対バリーの策を練っていたけど、軍にも優秀な研究者は
いると思うのだけど、それが誰なのかということになる。
あんな単純な運動エネルギーに反応する小型手榴弾の針を使うだけで
バリーのスピードを封じられるというのは凄いね。
しかも途中では再びバリーが発射されたミサイルを手で止めた際に、
薬品をかけられてスーツの水素イオン濃度が上昇。リンを使ったもの
のようで解けていくスーツに対して、ハリソンは真空状態を作れば
燃えなくなるとして、バリーにスピードを求めた。
一体どれだけのスピードで走ったのかな。よくバラエティ番組などで
飛行機を使って急降下させて真空状態を作るシーンとかあるよね。
ラストは結局ハリソンとウェイドが対峙することになるが、ハリソン
は黄色いスーツでの登場。ハリソンとしてはスーツで移動することに
体調が悪そうにしていた姿が有ったけど、大丈夫なのか。
ウェードは20歳の頃から軍に入り、最大の敵はソビエトであり最大の恐怖
は核戦争だと信じていたこと。しかし現在の情勢に於いては
“テロ”と”エゴ”が最大の敵だという。
世の中は変わったとして、1年間不在にしていたロニーに話すシーンが
有ったけど、普通1年間程度では変化は見えにくいけど、粒子加速器が
爆発した現在ならその変化というのも十分に感じられるだろう。
最後、ウェイドは5話の時に見たあのゴリラの怪物“グロッド”によって
襲われていたけど、どうせまた助かるのだろう(笑)
■一度の失敗からチャンスは生まれる
バリーはジョーと共に当時母が殺されたとされる15年前の現場を見に
いった。そこでは争ったときの血が飛び散っていたけど、その血は
大人になった今のバリーの血であることが判明。
タイムトラベルが存在していて、何らかの形でバリーがそこに戻った
のではないかとされた。
この手のSFで考えられるのは、バリーの母親の殺害の意味するところが
世界を危険にさらすものを生み出したり、それに関わる何かに関係して
いるのではないかということ。
また不都合な真実を知ってしまったということも考えられなくもないけど
過去に戻ってまで殺す必要が有ったのかどうかだよね。
15年前の世界情勢とかどうだったのかな。
何かターニングポイントとなるべきことが現実の世界で起きていたのか。
で、バリーは当時助けられなかったという事実をシスコの開発した3D
ホログラムで目にしているので、何が失敗だったのかを分析すること
が出来る。しかし彼らが言うように本当に過去に戻ったりしていく
のかな。そして敵はハリソンなのか。
また過去に遡って過去の事象を変えれば何かしら歪みが生まれたりは
しないのか。
一度の失敗からチャンスが生まれたと言えば、ロニーとシュタインが
互いを受け入れて脱着可能になった(笑)日本の昔のロボットアニメ
のように色々と合体して凄い完成系のメタヒューマンができあがる
とか。
ケイトリンがロニーとの別れに際して今度は傷ついていないとしている
ことから新しい恋に発展していくと面白いんだけどね。
■使用された曲
・The Flash Theme Song
by Blake Neely by Mark Ronson
・The Funeral by Band of Horses
■出演者
バリー・アレン / フラッシュ (Grant Gustin) 警察の科学捜査官助手
アイリス・ウェスト (Candice Patton) ジョーの娘
ケイトリン・スノー (Danielle Panabaker) 生物工学の専門家
エディ・ソーン (Rick Cosnett) セントラル・シティ警察、アイリスの彼
シスコ・ラモン (Carlos Valdes) S.T.A.R.ラボ、機械工学
Dr.ハリソン・ウェルズ (Tom Cavanagh) S.T.A.R.ラボ、創設者 / リバース
ジョー・ウェスト (Jesse L. Martin) アイリスの父、刑事
デビッド・シン (Patrick Sabongui) 警部
Dr.マーティン・シュタイン (Victor Garber) 変形能力の専門家
ウェード・エイリング (Clancy Brown) 陸軍大将
ロニー・レイモンド (Robbie Amell) ケイトリンの婚約者
クラリッサ・シュタイン (Isabella Hofmann) マーティンの妻
メイソン・ブリッジ (Roger Howarth) ピクチャーズニュースの上司
— (Scott Button) バリスタ
ベイツ (Herbert Duncanson) Sergeant
— (James Yi) Lead Scientist
ベティ・サン・スーシー (Kelly Frye) “Plastique”
ノラ・アレン (Michelle Harrison) バリーの母
— (David Sobolov) Gorilla Grodd (voice)