October 19, 2009
第11話 悪魔の微笑 Beat the Devil
脚本/David Ehrman、Ethan Drogin 監督/Vahan Moosekian
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夜、男はバンを走らせると森の中で駐まる。
バンの中には手錠によって閉じ込められた少女・バレリーの
姿が有ったが、彼女は男が外で穴を掘っている間になんとか
自力で抜け出すと助かる。
カルはこの日、かつての恋人だったヘレンからの依頼で大学院生
への講義へ出席する。ジリアンはヘレンに対して大学生の頃の
カルを見たかったとすると、あの頃の彼はマジメに心理学を
専攻していたという。
ニクソン大統領がウソを付いた時の映像を見せて、如何にウソを
ついているのかを表情や態度から説明する。しかし一人の生徒
のマーティン・ウォーカーは、最初からウソの証拠を探している
から分かるもので、リンカーンが同じ事をしたらウソだと
分かるのかと問う。カルはそれならばゲームをしようとして、
10枚の写真を配るので、その写真の特徴を語り、それがウソか
どうかをマーティンの語る言葉によってウソかどうかを見抜く
という。ウソを見抜ける方に100ドルかけるというカル。
しかし二度似たようなことを繰り返すが、カルは二度とも
ハズしてしまう。もしかしてヘレンが入れ知恵でもしたのか?
と問うがそれを否定する。
カルは授業を終えた後、マーティンは精神病質者である事を告げ、
恐らく人を殺していると語る。
二枚の写真は女性の写真と縛られて血を流しているものの
写真だが、性的興奮と嫌悪感を示す二枚の写真に対して、
マーティンの反応はあべこべだったのだという。しかしそんな
写真だけでは決して証拠にはならないという。マーティンは
テッド・バンディと同じ顔つきをしている事を語る。彼も
見た目はハンサムだったが60人以上殺しているという。
ジリアンにも意見を求めるが自分は表情を読み取る専門では
ないとして分からない事を語る。マーティンを捜査するので
あればもっと証拠が必要だと語る。するとカルは学園長に
対して現在行方不明の女生徒はいないかと問う。
カルは表情を見てやっぱりいるのかと告げると学長も観念した
かのように語りかける。2年生の学生が一ヶ月前から行方不明
で公開捜査をしていること。学長は警察に知らせておくという
がそれだと何もしないのと同じだと語る。
ジリアンはカルに対して私はマーティンが異常者には見えなか
った事を語る。彼の医療記録と心理分析結果が知りたいとする
と倫理を越える行為であるとして拒否感を示すが、このまま
だと人がまた死ぬのだと語る。
一方ローカーは理科の教師の精神分析を依頼されていた。
ヒクソン先生はエイリアンを見たと言ったのではなく
未確認飛行物体(UFO)を見たと言っただけで精神的には正常だ
と本人は主張する。そのUFOはどんなものだったのかと尋ねる
とホッケーのパックやドーナッツのような外見だったという。
私は酒もドラッグも飲んでいないという。ローカーはなんだか
計画通りにUFOを見ていないかとして、生徒を死体安置所に研修
に行った後午前3次に彗星観測会を開いていることに違和感
を唱える。しかもストリップクラブの屋上で見たという証言
だった。ヒクソンはそれを見た後にすぐにローカルニュース局
と空港とマドックス空軍基地に電話を入れたが相手にされな
かったという。授業中に宇宙人の話をしているという噂を
聞いた事について尋ねるとそんな話をしたことはないと語る。
ローカーはリアに対して確かに変わり者だと思うがそれを
言ったら僕だって変わり者だとし、このシャツを見て見ろ
と語る。しかし見たのが彼だけだというのが変だと語る。
いかれていても私は理科の教師でありこの仕事が好きだという。
失いたくはないとするがローカーはやれるだけのことはやる
と語る。
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カルは学生時代の彼女であるヘレンに頼まれて大学で生徒相手
に講義を行う。しかしその中で、カルの理論にクレームを
つける生徒・マーティンがいて、実演して見せようとするが、
彼には全く表情から読み取れないものを感じる。寧ろ異常な写真
に対して好奇の目を向けていることから、カルはその生徒が殺人
を犯している可能性を示唆する。しかし何の証拠もなくカルが
突発的なことを語った事も有り、誰もその意見を信用しようと
はしなかったが・・・
このエピソードからBS11での録画版に切り替え。
今まで字幕で見ていたのでBS11の吹き替え版を見ると若干の
違和感が有るけど、まぁすぐに慣れると思う。
吹き替えじゃないと、多少エピソードガイドを書くのに手間が
かかる部分が有るので、そういう意味では楽になった。
今回はイケメンなのにガッカリな役の多いJason Dohringさんが殺人鬼
のマーティン役。「ヴェロニカ・マーズ」のローガン・エコールズ
役の時には殺人を犯した俳優の父親を前にして複雑な状況に有る息子
役を演じていたけど、このドラマでは幼少期に姉が溺れ死んだこと
に関して、既にこの時点からマーティンは殺人鬼としての感覚に
芽生えていたということなのだろうか。
カルが勝負に負けるということで、ドラマとしては興味深い流れの
導入部だった。
カルの能力が絶対的だとされ過ぎていることもドラマでは不自然
なところなので、こういう視聴者の疑問を体現させるような
エピソード構成は面白いと思う。
それに加えて主人公の能力や性格に共感出来ないところも有るので、
見ている方としては複雑な心境に陥ってしまった感も有った。
ローカーが担当した案件もかなり微妙なものが有ったけど、
マーティンが殺人鬼だとする証拠が無い中でのジリアンの行動は
正しいと思う。こんなに身近に殺人鬼がいるとは思えないだろうし
「ヴェロニカ・マーズ」を見ていなければ、この人は怪しいとは
なかなか言いづらい(笑)
マーティンがリアの前に現れた時にはかなり恐いものが有ったけど、
リア自身、カルや他の職員が調査している内容くらいは確認しておい
て欲しいところだよね。
カルは大学にまでいって、マーティンの顔写真をそこら中に貼っては
要注意人物のポスターまで作っている訳だし、リアがそれを知らなか
ったというのは不自然だった。
マーティンからはなかなか自供が引き出せず、彼の母親の元を尋ねて
見て、初めてジリアンも信用し始めたということなのかな。
娘が亡くなっているという事実がビデオを盗まないと分からない流れ
を見ると、もう少しベンの捜査に頑張って欲しいところだけどね。
カルはマーティンの行動を知って敢えてその行動を誘発させた
感じだけど、命を犠牲にしてでもそうする価値があると思ったの
だろうか。
マーティンはカル自身もゲームのようにして楽しんでいると語って
いたけど、研究者としては当然マーティンのような人物は興味の
対象だと思う。
マーティンは人が苦しむ姿を見ては楽しむタイプなのかと思ったけど、
苦しんでいる過程はタオルで覆われていて見えない。
ラストで犯人が吐露するには「自転車が欲しかった」という軽い動機
から始まったもののようで、それ以降4体の遺体が発見されたけど、
なんとも辛いことだね。
「本性を隠して生きるには秘訣があるのだろう。秘訣を知っている
人間なら周囲を欺くのは簡単なこと。私はイカレているが、それは
私の全てではない。しかしイカれている。」
「辛いのは年を取ることとボケることを混同されることだ。」
何気に理科の教師が一番良いことを言っているのではないかという
感じだった。
またヘレンからの忠告でカルには深入りしない方が良いと言われて
いるジリアンの姿。最後にカルに誘われるも、仕事を名目に断る
姿。カルならばそのウソも見抜いているってところなんだろう
けどね。
カル・ライトマン (Tim Roth) 心理学者・ライトマン・グループ
ジリアン・フォスター (Kelli Williams) 心理学者、
リア・トーレス (Monica Raymund) 24歳、カルの部下
イーライ・ローカ― (Brendan Hines) カルの部下
エミリー・ライトマン (Hayley McFarland) カルとゾーイの娘
ベン・レイノルズ (Mekhi Phifer) FBI捜査官
マーティン・ウォーカー (Jason Dohring) 25歳、生徒
Mrs.ウォーカー (Lee Garlington) マーティンの母
ヘレン・デゼキス (Rowena King) 大学教授、元カルと恋人
ゴーマン (Glenn Morshower) 大佐
バレリー (Ashley Johnson) 被害者、自力で逃げる
ディーン・ウォレン (David Grant Wright)
サム・ヘンドリックス (Howard Hesseman) “ヒクソン”、教師
アンドレ (Jon Kent Ethridge) 噂を流した生徒
— (Katy Maloney) Reporter
カーリー (Hayley Holmes) マーティンに誘われかけた
若い頃のマーティン (Michael Tate Booras)
— (Annabeth Rickley) Lightman Intern
— (Jera Sky) Student