March 17, 2014
第2話 DCマダムのリスト Dirty Little Secrets
脚本/Heather Mitchell 監督/Roxann Dawson
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ホワイトハウスに勤務していたアマンダ・タナーが大統領と
寝たと触れ回っているとしてサイラスからオリヴィアに助け
て欲しいとの依頼を受ける。フィッツ大統領に直接逢って話
を聞くと彼は私が若い子に手を出さないことはオリヴィア自身
がよく知っている事だろうと告げる。それを信じてオリヴィア
はアマンダに圧力をかけてこれ以上ウソを触れ回ることを阻止
しようとするが、アマンダは自殺未遂。クインによると、
アマンダは「スイート・ベイビー」という言葉を口にしていた
とのこと。それを聞いてオリヴィアは大統領の方がウソを付いて
いると分かる。貴方が私の判断を曇らせたとして大統領に対する
怒りを露わにする中、せいぜいアマンダが秘密をぶちまけない
よう神に祈るよう告げる。私がアマンダの依頼人になったと
告げる。
ニュースでは、グラント大統領政権にとって明日は大事な日で
あることを告げる。控訴裁判所の主席判事のパトリック・キー
ティング氏が最高裁の後任判事として大統領の指名を受けること
になっていたのである。しかし人事についてキーティングの
プライバシーに関する過去の判例などを巡って大統領が率いる
共和党内の保守系議員からも資質を疑問視されていた。
そんな中、オリヴィア・ホープ&アソシエイツには依頼人である
シャロン・マルケットと面会していた。シャロンはニュースを
目にしながら、彼が大統領になれたのはオリヴィアによる手腕
が大きいのでしょと告げ、ガンの女の子にピアノ(実はギター)を
弾いている写真を選挙戦の時に出すアイディアはオリヴィアが
出したものだという。しかし何でホワイトハウスを辞めたのか
と問われる。シャロンは最高級DCマダムと呼ばれる最高級デート
クラブを経営していた。
その頃アビーとスティーブン、ハリソンとハックは、シャロンの
自宅へと侵入していた。私は心の広い偏見のない人間。人をさば
く事はないが貴方はブタ野郎だとして、アビーはスティーブンを貶す。
ジョージアがいるのに彼はシャロンが経営するデートクラブの
顧客の一人で売春をしていたのである。
そんなシャロンの自宅では警察・検察の捜査の手が入る前に
オリヴィアたちが先手を打って全ての証拠品を取り押さえに
かかっていたのである。スティーブンに必ず孫のアルバムも
持って来てという。外に居たスティーブンはローゼン検事が来る
として中に居るアビーたちに撤収命令を出す。
ハリソンとオリヴィアは入り口のドアの前に立っていた。
クインは一体何が起きようとしているのかと問うが、誰も詳しい
内容を話してはくれなかった。そんな中二人が待っていたのは
ローゼン検事補が来る事を予期していた為の者だった。
ローゼンは突然自分が目指すという正義を語り、私は国民を
守る騎士であると共に私こそ正義だと主張し、オリヴィアに
対して癪に障るヤツだと一蹴する。検察より先にシャロンが
経営する店の顧客リストや違法ビジネスに関する証拠品をもち
去っただろうとして今すぐ渡すよう告げ、今すぐにシャロンを
逮捕しても良いのだぞと脅してくる。しかし憲法の番人ならば
逮捕状を提示してと語りお引き取りを願う彼女。
クインはシャロンたちの元にいくと今回の仕事の件のことを
聞く。すると最高級デートサービスの経営者のシャロンが今回
の依頼者であり、アビーは悪意を持ってスティーブンとは古い
友達のようだと語る。彼はシャロンから女を買っていると。
一方大統領は今日は大事な一日になるとしてサイラスに語る
中、サイラスはオリヴィアの件を尋ねる。しかし大統領は
今日は最も優れた憲法学者を最高裁判事に指名する特別な日
であり彼ならばこの国の法を変えてくれるのだという。
パトリックは博士号も持っていて論文のテーマは、
“革命の本質”だという。趣味はビーチの散歩。しかしサイラス
は大統領に対してオリヴィアとは深い関係なんですよねと尋ねる。
しかし大統領は誤解だという。クリントン政権と同じ轍を踏む
のかとして、アマンダとは何が有ったのかと問うが、今はその話
はしないと話の流れを遮る。
オリヴィアは彼女の代理人をすると言っており、今後はオリヴィア
の腹一つで運命が決まってしまうと語る。
シャロンの店が摘発に有ったのは、新人のコールガールの
ジンジャー・ベルが高級ホテルのロビーで逮捕された際、
留置場にぶち込まれた途端に自分の売春を自白したからだった。
シャロンの店では待ち合わせのバーかロビーで相手に気に入られた
ら商談は成立し、自分の体に価値があるということが分かる
のだという。ハックはシャロンの自宅のPC上のデータは全て削除
し中身を調べたが、取ってきたコピーの中にはクライアントの
リストのようなものはなかったという。
シャロンはオリヴィアたちに孫の話をする中、そんな孫のアルバム
の中に顧客リストが隠されている事を知る。1986年からのリスト
で、売春婦の女性たちのファーストネーム、日付、稼ぎ、電話
番号が書かれていた。電話番号が有れば全て買春した客の
氏名・写真・住所・体重・ドナー登録の有無さえ分かるのだと
いうハック。それをプリントアウトし、全ての客の顔写真を
壁に貼る。アビーはスティーブンの写真も彼の顔を見ながら
貼り付けるのだった。
そんな中オリヴィアはクインに対してアマンダの件で病院まで
彼女の様子を見てくるよう指示する。私もシャロンの件の仕事
をしたいというが、貴方の仕事はアマンダを見ることだと言われる。
しかしクインは彼女の言っていたことはウソなのでしょと告げ
なんでそんなに気にするのかと問う。しかしオリヴィアは
質問は禁止だとして仕事をするよう語る。
アビーは写真を貼りながらも男は信用出来ない!と憤怒。
信用出来ないのは政治家だとして、顧客リストの客は政治家だら
けだった。オリヴィアはその客の一人にパトリック・キーティング
の名前が有ることに気が付く。
10分後に大統領は彼を最高裁判事として指名することになっており
大統領に急いで伝えに行こうとする。
オリヴィアはスティーブンたちに何が有っても顧客リストを検察
に渡さないよう告げる。
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オリヴィアの元には依頼人として、高級デートクラブのマダム
のシャロンがやってくる。シャロンが抱える娼婦の一人が逮捕
されたことで、デートクラブの実体が明らかにされ、検事補の
ローゼンはシャロンの自宅を家宅捜索してその証拠を押さえよう
とする。しかしオリヴィアは一歩先に行動を起こして、顧客リス
トをシャロンから受け取り、検察にシャロンの身柄を手渡さない
ように努力していくが・・・
ドラマとしてはそれなりに面白いのだけど、今回のエピソードを
見ていると根本的解決には至っていない気がするのは気の
せいだろうか。
少しオリヴィア・ポープという人物を買いかぶり過ぎていた
部分も有り、この人のフィクサー的手腕とは別に、感情
によって揺り動かされる人間性はかなり不安な一面でも有る。
冷徹な部分にこそ、この仕事に必要な要素だと思うし、それを
遂行する為にもっとも必要かつ重要な部分なものがそこに詰まって
いる感じがするのだけど、ゆえにそれに揺り動かされるようでは、
分析力とは余所に冷静さを欠いて実行性には多少なりとも影響を
及ぼすものではないかなと。
クインの立ち位置が意外と面白く感じられる。
オリヴィアとしてはクインに対して、見習うべきことは私の行動
を見て覚えろ的主張があるのだろうけど、見ていると完全に放置
プレイ状態だ。それでもクインが失敗した事に対してリカバリーしていく
流れはそれなりのスキルというものを感じさせた。
オリヴィアが先見の明があるのであれば、クインはオリヴィアと
依頼人とを上手くつなぎ止める役割を果たしていることを
今回のアマンダを説得してクライアントとして留める流れを
通して見ることが出来る。
アビーはスティーブンを好きだけど、優秀な人なのに女性関係に
はだらしないとする部分をもって相反する感情を持っているところ
は、意外とオリヴィア・ポープの流れとも精通しているところも
有るのかも。
オリヴィアが今回担当したのは、シャロンというデートクラブの
オーナーだった。そのまんま海外ドラマ「クライアント・リスト」
ですやんって感じの内容だけど、その解決の方法にはちょっぴり
理解出来ないところも大きい。
誰にでも話したくない過去が有る。そんな過去の過ちを隠す為には
一度暴く必要が有るという難儀な一面を感じさせる案件でも有った。
「誰にでも秘密はある。私は裁かないのであなたもそうして。」
オリヴィアがアビーに対して語った言葉だった。
大統領の流れに上手くこの流れを組み込んでいくところは脚本と
して上手いなと感じさせるし、オリヴィアがなんだかんだ言って
も大統領を憎みきれないとする流れは、今回の判事の夫婦関係を
通しても感じられるところが有る。
オリヴィアはフィクサーとしては優秀だけど、彼女が大統領に対して
語る様に「貴方が私の判断を曇らせた」とする流れをもって、意外
と恋愛関係・感情には未成熟なところも多いのではないかと思え、
見えていない部分が有ると思う所も有った。
判断力に関しては今回のオリヴィアは間違っていなかった。
キーティングの面談した際に、彼が売春婦と寝ていないということ
を察知していたし、隣にいる妻の冷静さから鑑みて、上手いこと
事情を察していく。
クライアントリストを通して反対派を黙らせていくという方法論
を取っていくけど、オリヴィアがアマンダを説得する際に
主張していたこととは全く正反対のやり方で、口を封じた気がする
し、オリヴィアの論理からすればこの手のスキャンダルは
必ず公になるということを示唆している。
「結局のところ愛は人の過ちよりも遥かに強い者だろう。悔やむよ
うなことをしても愛が有れば許し合える。」と大統領が語るけど
お前が言うなと小一時間。
正義に対する考察も人それぞれ。
立場も違えば、そこに人がいる限り野心や欲心が正義を鈍らせる。
フィクサーのオリヴィアと検事補のディヴィッド・ローゼンが
最後にこの一件の解決の流れを通して、冒頭でローゼンが語っていた
正義について、今度はオリヴィアが持論を展開していた。
「今回はみんなが勝利した。シャロンは商売を辞めたし、町を汚す
売春クラブはなくなった。貴方が本当の正義の味方ならば満足よね。」
大統領は紋章を踏みつけつつ、「鷲の左足には13本の矢、右足には
13枚の葉をつけたオリーブの枝・・・全て13だ」としていたけど、
wikiの「アメリカ合衆国の国章」のページにもその辺のことは
詳しくかかれている。
因みに13とは、アメリカが独立した時の州の数が13だった為だそう
だけど、13というと不吉さを感じさせるよね。
そういえば珍しく法廷シーンも有ったね。
といっても検事補が令状をもってクライアントリストを出せと
要求したことに対する提出命令の棄却を求めるものだったけどね。
●今回登場した三流紙の記者・ギデオン役のBrendan Hines。
現在自分が感想を書いている「ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る」
でローカー役を演じていた人。最近では、「Suits / スーツ」で
ローガン・サーダース役として最新シーズンの4に出演している。
●使用された曲
・I Wish
Performed by Stevie Wonder
・Mr. Pitiful
Performed by Otis Redding
・Scandal End Theme
Composed by Chad Fischer
オリヴィア・ポープ (Kerry Washington) フィクサー、”リヴィー”
スティーブン・フィンチ (Henry Ian Cusick) 訴訟担当
ハリソン・ライト (Columbus Short) 弁護士
アビー・ウェラン (Darby Stanchfield) 調査担当
クイン・パーキンス (Katie Lowes) 弁護士
ハック (Guillermo Diaz) 技術担当・元CIA
サイラス・ビーン (Jeff Perry) 大統領補佐官
フィッツジェラルド・グラント(Tony Goldwyn) 大統領
シャロン・マルケット (Mimi Kennedy) 高級デートクラブ”DCマダム”
ディヴィッド・ローゼン (Joshua Malina) 連邦検事補
メリー・グラント (Bellamy Young) 大統領夫人、ジェリー、カレンの母
ビリー・チャンバース (Matt Letscher) 副大統領補佐官
アマンダ・タナー (Liza Weil) 27歳、大統領と寝た職員
ギデオン・ウォラス (Brendan Hines) 三流紙”DCサン”紙記者
パトリック・キーティング (John Getz) 判事
クレア・キーティング (Megan Gallagher) 妻、”ステイシー”
モリス・エルコット (Troy Winbush) ホワイトハウスの警備
ノーラ・ザッカーマン (Cathy Lind Hayes) 判事
イネス・パークス (Mary Ostrow) 元売春婦、ステイシーを知る人物
— (Laila Ayad) Female Aide
— (Avis Wrentmore) News Reporter
チャーリー・メイソン (Jerry Hauck) 政治家
— (Ralph Kampshoff) Senator
— (Sapphire) Support Staff
コメント
ざっくり言ってしまえば、クライアントリストは、社会の底辺な仕事をしている底辺な人が、実は子供の頃はそこそこ利口であった(あの人生は祖母などのしつけや環境によるところが多い)ので、その知恵で最後大逆転というか、ギリギリセーフでした!みたいな話であって、この、実際にあった事件が元になっているDCマダムとはだいぶ趣旨も流れ違うんですけどねぇ。
確かに感想ではクライアントリストの持つ影響力だけをもって、有力者に於ける影響と
違法創業している娼婦に対する自己防衛的な公権力の摘発への抑止力という一面だけで
一緒くたにしてしまった部分が有るので、内容とは別のものが有りますね。
そのまんまという表現はまるで違うと思います。ご指摘ありがとうごさまいす。
イタ(管理人)