September 29, 2006
第3話 ホロコーストの悲劇 Provenance
脚本/Don McGill
監督/Dennis Smith
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父祖の地一つ、1000年、美術品80万点、600万人。
警備のあるローラン美術館にマスクをした男が侵入する。
ロックを外して手際よく防犯カメラをハッキングする。
赤外線をスプレーで浮かび上がらせるとそれをかいくぐって
絵画を盗む。防犯カメラ映像が不自然だと気が付いた警備員
は見回りしていた警備員のジミーに現場を調べて欲しいと
するがこの時既にジミーは犯人によって縛られていた。
警報が館内を鳴り響く中、かけつけた警備員に対して犯人は
スタンガンで眠らせて逃走を図る。
デビッドは押し入った形跡は無く、閉館後まで忍び込んでいて
キーカードを使って自由に動いていることを告げる。ハイテク
装置を操っていること。盗まれたのはピサロの油絵で、価値に
して2200万ドルだった。
ドンは「パリ オー プランタン アプレミディ」と書かれている
文字を読む。昔フランス人と付き合っていたという彼。
そんな中館長のアーサー・ルイスがやってくると、この美術館
のセキュリティについて尋ねる。最新式のものを使っていること
を告げると、ルイスに対して職員リストと防犯カメラの映像を
見せて欲しいという。
ルイスによるとこの美術館の中で一番価値のある絵が盗まれた
という。来月から各地で展示する予定だったのでタイミングが
悪いという。保険には入っているのだろうと問うと、この絵は
寄託されたもので、所有者は現在バカンスに行ってこの町には
いないのだという。美術館に寄託するのは保険料を節約出来る
利点があるのだとのことで、銀行の金庫並みに安全だという。
アランはチャーリーが食器も片付けずに出かけることに難色
を示す。もう少し身を入れて家を管理・維持すべきだという
父。雨漏りがしているし、ガレージのトビラがおかしいまま
だしケーブルテレビは付かないままだという。アランは
責任を持つべきだと言っているのだとして、家の中で
見直す箇所のリストを作ったとのことだった。
デビッドは美術館のリストを調べた結果職員で不審なものは
いないという。現在は防犯カメラ映像を調べているとのこと。
メーガンは犯人は美術館のキーカードシステムに熟知して
いてレーザーもセンサーもすり抜けられる技術力のあるプロ
の犯行だという。
そんな中FBIには美術品盗難課のトルナー捜査官がやって
くる。この手の犯罪は急がないと盗まれた絵の所在が分から
ないので早急に解決すべきものだという。この手の絵は転売が
難しいこと。来歴のせいであり、そこには所有者の記録や
絵の出所などがかかれた書類だが、ピサロは曰く付きのものだ
とし、これまでにも彼の絵が盗まれたのは初めてではないこと。
ナチスの略奪品だと言われており、ナチスは政権を取ると
無理矢理ユダヤ人に資産を登録させて財産を奪うやその夜に
彼らを収容所に送ったという。つまり盗まれたという証人を
消す為だが生存者ずいること。局にある窃盗犯のデータベース
から類似する事件の犯人を照合するという。
ドンが三人の元にやってくる。
アミタはラリーとチャーリーが実験するのを見ていた。
これから二人で円運動の共同講義をするので準備をしていた
とのこと。動きを理解するのにフレミングの左手の法則が
使われ、講義ではユリオリの力にも触れるという。アミタは
これと同じ原理でハリケーンは北半球では左回りだと語る。
ドンは夕べ印象派画家の父・カミユ・ピサロの絵が盗まれた
事を告げる。ローランド美術館でセキュリティが施される中
6分間で盗んでしまったというもの。アミタは捜査には二次
判別分析を使えば良いという。チャーリーは複合的特製を
探すとのこと。その場合変数が鍵だった。アートの種類、
美術館のセキュリティ、犯行の特徴など。その美術館で
ないといけない訳、その絵でないといけない訳があり、それら
の要素が犯人を引きつけるのだという。特定の性質を持つ
ターゲットにだけ引かれているのだろうとのことだった。
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最新のセキュリティが施されている美術館に泥棒が入り一枚
の油絵を盗んで行く。2200万ドル相当のピサロの絵で、
その入手経路・流通経路は限りなくグレーに近い作品である
事を知る。ナチスドイツ時代にユダヤ人迫害と共に盗まれたで
あろう一品だったが、所有者であるペイトン・シューメーカー
とその絵の所有権を巡り、訴えを起こしていたエリカ・ヘルマン
という女性がいたことが分かる。果たして盗んだものは誰なのか。
今回もまたコルビーがお休みエピソード。
変わりに登場したのが美術品盗難課の捜査官・トルナーだった
けど、それを演じているのがGarret Dillahuntさんだったので
思いっきり犯人臭が漂うものが有った。
いつ犯罪者としての本性が出てくるのかとちょっぴり身構えて
見てしまうところはこれまでの彼の役所に対するインパクト
なり俳優としての性格性が強く印象に残っているからなのかも。
私生活ネタではチャーリーとアランの関係を通して、チャーリー
の持つ責任感に言及していくもの。
チャーリーが父親から色々と家のことで口うるさく言われること
にウンザリしている姿が有る。先週とはまるで逆に、アランが
家を出て行くのが寂しそうな感じだったのに、家に居たら居たら
で一気に煩わしく感じしまうという辺りがなんとも言えないね。
チャーリーが研究室で父親のことを不満を述べているとラリーも
父親との関係を語り出した。ラリーの父親は画家で自分の価値感
を押しつけようとする父権の愚かな誇示だという。チャーリー
は我が家は干渉してくるとして何時までも僕が責任を取れない
臆病者だと思っているとした際のアミタさんのリアクションが
笑えた。「一理あるんじゃないの(ボソボソ)」
関係者に話を聞きに行く際に、ドンは絵を奪われ家族を殺された
ヘルマン夫人に対して、母親を亡くしたので気持ちは分かるとして
いた。しかし彼女からは、家族は船の錨のようなもので、無くした
ら漂流するしかないという。自分だけが生き残る気持ちが分からない
でしょと言われ7人姉妹の彼女だけが行き残ったという辺りは
ちょっと気の毒な感じだったね。しかも裁判で負けたのは78歳で
あるヘルマン夫人の記憶力の衰えで、彼女は後に「自分の記憶にし
かない家族が実在したのか分からなくなる」として、家族だった
時のものが全て無くなったことへの無念さを語っていたけど、
ようやく事件解決後には絵が戻ってくることで、辛うじて家族だった
時の事を思い留めることが出来る様になったという意味では
ホント良かったね。
またこの流れでアランのおばあちゃんの従姉妹のアンナも同じで
戦争前に国を出たが結局は残る人生をかけて家族を捜し回っていた
として、それでも見つからずに人生を捧げていたことに対して
ドンはその捜索の継続をしていきそうな感じに思えるシーンが有った。
しかし相当ドンから見ると等親的には遠い人だよなぁ。
事件捜査はネットワーク拡散確率モデルを使って流れ調べたり、
ヘルマンの孫・ジョエルの通話記録や館内の防犯記録から絵に
拘っていたことが明らかになり、盗難品美術品回収専門の
私立探偵・ピーター・トゥーッチに接触しているのを知って
彼が盗んだ疑いがもたれた。
ネットワーク分析には失敗。
しかし美術品の分析するプログラムで、美術品のクラック(ひび割れ
など)や絵の作風などを調べて、カーブレット変換を使って
絵が贋作だということを証明していく。
館長によると一年半前に寄贈された時に徹底的に絵のことを調べた
ことを指摘されるが、それでも贋作家のことを調べていくウチにグス
タフ・ストルバーグという人物によって贋作されていたものだと
判明。贋作を作ったのが誰でもなく、実は元々の所有者だった
ヘルマン夫人の家族のものだったということで、ナチスによって
奪われることを予見しての行動だった。
ある意味セキュリティを皮肉った感じにも思えるエピソードだった
し、絵を巡った捜査ではもう少しチャーリーなんかよりも
美術品盗難課の捜査官の方がよく事情を知っていそうな感じだけど
ね。
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
メーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
ジャック・トルナー (Garret Dillahunt) 美術品盗難斑
アーサー・ルイス (Benito Martinez) ローランド美術館館長
ジョエル・ヘルマン (Matt Ross) エリカの孫
ペイトン・シューメイカー (Zach Grenier) ピサロの油絵の所有者
— (Armin Shimerman) The Art-Authentication Board Member
エリカ・ヘルマン (Gena Rowlands) ユダヤ人、ナチスに略奪されたと
— (David Carey Foster) Hotel Manager
— (Lisa Renee Pitts) FBI Agent
— (David Powledge) Guard
マイケル・ネス
ベン・ラーキン
ロナルド・ウィーラー / ゴーティエ
ピーター・トゥーッチ
ホールデン
グスタフ・ストルバーグ