September 29, 2006
第8話 薬物使用の方程式 Hardball
脚本/Cheryl Heuton、Nicolas Falacci
監督/Frederick King Keller
——————————————————–
ホームラン32本、打点97点、打率.308、致死量注射一本。
マイナーリーグの練習試合。
コーチのグレイディはトレーナーのウィーバーと共に試合を
見ていた。ビッグ・ジョンストンは最近調子が良いようだと
告げると、体調の管理方法を変えたみたいだという。この調子
ならば春にはメジャーに復帰出来るかも知れないと語る。
ビックはヒットを打ち進塁するが、滑り込んだと同時に何故
か起き上がれずそのまま亡くなってしまう。
グレイディはロッカーにクスリが有ったとしてFBIに報告。
メーガンはこのクスリって野球界でも問題になっているドーピ
ング関係のものなのかと問うが、コーチのグレイディは選手が
そんなものをしていたらリーグや裁判所に密告していると語る。
クスリを使用していること自体は知っていたのかと問うと、
知らなかったとして否定するが、でも最近はやけに筋肉が付いて
いたと話していたという。自分のスイングを録画し分析して
いたとのこと。
署に戻って事件を整理する。
亡くなったビックは18歳でオークランドアスレチックスにに
ドラフトで入団し、6年間アメリカンリーグで活躍。しかしその
後2年は故障者リスト入りし、マイナーリーグに降格。監督の
話ではメジャーリーグに返り咲くとして本人はやる気をみせて
いたという。彼のパソコンにメールが来ているとして、
そこには「ドーピングをしていることは分かっている。お前の
キャリアはおしまいだ」と書かれていた。チャーリーは添付
ファイルには何が書かれていたのかと問うと、この方程式が
ドーピングの証拠だと言っているらしいがチャーリーに解析して
欲しいとのこと。チャーリーはその数式を見て高度な野球統計
分析だという。ドンはセイバーメトリクスなのかと問うと、
スポーツニュースなどに出てくるような分析ではなくもっと
高度なものだという。しかし略語や記号の意味を突き止めないと
いけないと語る。新しい分析手法を考案する数学者は
独自の記号を使うことがあるのだという。
監察医のゴメスによると死因を調べたら脳内に大量出血の跡が
見られたとのこと。脳卒中が原因で急激に血圧が上昇したのだ
ろうという。ステロイドでは普通はこうはならないという。
しかしこのバイアルの中身は安全濃度の30倍のソラサイクルが
有るとし、不注意の事故だというのはありえないという。
元々こんなものは生産されていないとしてデビッドとコルビーに
語る。これはやはり殺人だと。
デビッドは致死量のステロイドを与えたこと。
ロッカーの中のソラサイクルに細工できたもの、又は製薬会社
から出荷時に誤ったものが混入していたのか。
ビックの妻・ケリーに話を聞いて見ようという。彼女は元モデル
で結婚8年目で二児の母、5歳と2歳の子がいるという。
ラリーはウォルディーと研究室でキャッチボールをしていた。
チャーリーがやってくると、カーブボールの物理的特性を調べて
いるという。ニュートンも興味を持っていた事を告げると
ラリーは「流体力学」そのものだからねと。
チャーリーはウォルディーに見て欲しいものがあるとして、FBIから
受け取った方程式について何か分かるかと問う。ウォルディーは
教職員ファンタジーベースボールリーグで二年連続優勝していた。
ラリーはその時統計を利用するのに大学のスーパーコンピュータ
をどれ程占有したのかと問う。ウォルディーはこれは見事な
「変化点検出」だという。コミュニティのツテを辿って誰が
書いた公式なのかを探ると告げる。
——————————————————–
マイナーリーグの練習試合中に突然ビック・ジョンストンが
亡くなる。ロッカーから薬物のビンが発見され、検視した結果、
致死量のステロイド剤・ソラサイクルが検出される。しかし
市販されているソラサイクルではこんなにも濃度の高いものは
ないということで独自に製造されたものではないかとされる。
そんな中、被害者のパソコンにはドーピングをしているだろう
との脅迫のメールが届いており、添付ファイルとして何らかの公式
が書かれていることを知る。チャーリーにその公式を調べてもらう
と、セイバーメトリクスと呼ばれる高度な野球統計分析であり、
その公式にデータを当てはめると、尿検査をしなくてもドーピング
していることが分かるというものだと判明する。
今回はMLB・野球が関係しているネタということで、ドンの過去が
ピックアップされるエピソードだった。
ドンが過去にマイナーリーグで選手生活を送っていたこと。
20年間の野球人生を諦めてFBIに入ったことは幸せな人生だった
のかどうか。
“もしも”の世界を言えばきりがないけど、ドンがステロイド剤を
使っていればMLBの選手としてのキャリアを築けたのかどうか
が議題としてあがり、それをオズワルドが証明していくという
興味深いシーンも有った。ドンはオールマイティにポジションを
こなす人物ということで、ドーピングしているとその良さを打ち消す
ことになっていたという結論が出ていた。
幼少期のドンはトミー叔父さんからもらった拳銃のオモチャに対して、
あまりに銃に固執していたことから、それを懸念を示したアランが
野球へと方向転換させたというエピソードが披露され、元々警察官
になるべくしてなったということがあげられていた。
一方恵まれない人生を送っている高校を中退した人物・オズワルド・
キットナーが高度な公式を作成したことを知りチャーリーが救いの手
をさしのべようとする。
数学者同士でシンパシーを感じるものが有ったのだろう。
FBIの取り調べ室で方程式を開発したオズワルド・キットナーのこと
を聴取した際には口を割らなかったけど、チャーリーとは気が合い
色々と話をしていくことになる。
チャーリーにも正確には分からない公式だった為に野球の統計の
分野に長けているウォルディー博士から話を聞くと、見事な変化点
検出だと判明する。ただこのウォルディーもファンタジーベースボ
ールに参加しているみたいだし、他人の公式を見せても良かった
のか。
チャーリー自身は科学者にとっては知識の共有が必要だとしていた
けど、キットナーとしては飯の種となっているもの。
セイバーメトリックスのお陰で、1919年にイカサマ疑惑に巻き込ま
れたジョー・ジャクソンの潔白を1993年になって統計学者のベネット
が名誉を回復したという事例が紹介された。
なんだかDNA捜査が開発されて冤罪が証明される映画「逃亡者」の
元になった「サム・シェパード事件」を彷彿とさせるな。
オズワルドの方程式のことを知っていたであろう人物はリトルトー
キョーにいるということで、そこを訪れた際にはロスにある日本っ
ぽい町並みが描かれていたけど、あの芸者の流れなどを見ると、
流石に無いなというものが有った。
メーガンが自宅でまったりパジャマを着て寝そべりながら好きな
ドラマを見ていた時に呼びだされたという愚痴を聞いて、ラリーが
あの赤いパジャマなのかと語る姿が印象的だったけど、車で寝泊まり
している人物が事件の捜査線上に浮かび上がった際には、ラリーの
ことを引き合いに出して、コルビーがまたメーガンとは不釣り合い
的嫉妬心を露わにするところなど前回と同じ状態だった。
結果として容疑者はたらい回し状態になり、最終的にはエージェント
による犯行だった。
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
メーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
オズワルド・キットナー (Jay Baruchel) バーチャルリーグ出場
リチャード・クラスト (Jon Hamm) スポーツエージェント
ビル・ジェームズ (Bill Nye) キットナーの仲間
クラウディア・ゴメス (Lauren Velez) 監察医
ケリー・ジョンストン (Lauren Stamile) ビックの妻、元モデル
ビック・ジョンストン (Bobby Roe) マイナーリーグ選手、妻と子2人
マックス・シェベランスキー (Joel Anderson) ビックの高校時代の恩師
フランク・オースター (Andy Umberger) 製薬会社
ステンドハウザー (Susan Beaubian) FBIのIT捜査
グレイディ (Barry Shabaka Henley) コーチ
Dr.トーマス・マンデル (John Hillner) 高校のスポーツ医師
ライル・ウィーバー (Lance Roberts) トレイナー
— (Russ Hunt) Second Baseman
— (Erik Aude) Steroid Highschool Kid
— (Christian Sinclair) FBI Agent
— (Jade Gzi) Asian Punk Girl
— (Chris Harris) FBI Agent