November 15, 2002
第15話 パンドラの箱 Pandora
脚本/Tara Butters、Michele Fazekas
監督/Alex Zakrzewski
——————————————————–
カップルは車を走らせるがガス欠で停まってしまう。
女性は携帯を忘れてきたことも有り、カップルはそれぞれに
責任を押しつける中、車道には一台の車が駐まっていたことも
有り電話を借りようと近づく。しかし車内に人はなく、立ち去
ろうとするとトランクの中から物音が聞こえる。トランクを
開けると中から女性が大げがをして、手足を縛られた状態で
発見される。
鑑識によるとタイヤレバーで殴られた後にレイプされたのだと
いう。事情を聞くエリオットとオリビア。唇を接着剤て閉じられ
息も出来ない状態だという。溶剤と取り去るが怪我の具合から
病院まで持つかは分からないというもの。車の登録者はメレデ
ィス・マクグラスとなっていた。バンパーに新しい傷がついて
いることから、犯人は追突を装い車を駐めて襲ったのだろうと
推察する。彼女の現金入りのサイフは見つかるが、カードや免許
証、そして自宅の鍵がなくなっていた。住所を隠す為のものだろう
とのこと。オリビアは被害者と共に病院に着いていくとして
救急車に搭乗する。
一方アパートでは殺人事件が発生する。
近隣住民は発生時に争う声を聞いたという証言が取れる。
捜査は殺人課のビショップ刑事の担当だった。エリオットは
ビショップから話を聞くと被害者は家の主のロジャー・マクグラス
だが、これは性犯罪ではないぞと言われる。しかし彼の妻が
レイプされて発見され、犯人は妻の鍵を盗んでここに来ている
事を告げる。ビショップによるとパソコンのHDDが抜き取られている
こと。机にはCDがあり、何かを焼いていただろうことを告げる。
そんなエリオットの元に病院にいたオリビアから電話が鳴り、
メレディスが亡くなったという知らせをする。
一端署に戻ってクレイゲンに報告する。
オリビアは別件で病院で捜査中である事を告げる。
クレイゲンは夫の件で何か分かったのか尋ねると、自宅と妻の
車からは同じ指紋が検出されていること。マンチは過去の記録
と照合中である事を語る。狙いはパソコンのHDDだが、何故妻の
口を接着剤で止めてレイプしたのかと疑問に感じる。クレイゲン
は恐らく犯人からのメッセージで”秘密を漏らすな”という意味
があるのではないかという。殺人課は情報を独り占めするハズ
だとして、今はメレディスの件で集中しろと言われる。
1月28日(火)・私立図書館
メレディスか勤めていた図書館へいくエリオットとマンチ。
メレディスの同僚のマイクから事情を聞く。彼女はみんなから
好かれていた事を告げる。愛人は居たのかと問うと、職場には
少なくともいないとし、職場の8割は女性で浮気するほど良い
男はここには居ないと自虐的に語る。出世争いなどで嫉妬を
買うようなことはなかったかと尋ねると、それはないとし、
寧ろ数ヶ月前にクビになりかけたという。仕事が上の空で
頻繁に休んでいたこと。去年は彼女はメアドを7、8回変えて
いたのだという。もしかしてストーカー被害に遭っていたのか。
普段は自分のノートPCを使っていたという。
エリオットはビショップにCDとPCの件で何か進展が有ったか
尋ねに行く。CDには少女の画像が多数入っていたことを告げる。
エリオットは何故捜査で分かったことを連絡してくれないのか
と非難する。このCDは妻の持ち物だとすると、彼女は昨年
ストーカーに狙われていたかも知れない事を語る。
1月28日(火)・技術支援ユニット
捜査官のモラレスにCDを調べてもらう。
するとCDは児童ポルノで2人の少女の写真が50枚以上あるという。
一人は8から9歳、もう一人は14歳から15歳だろうという。PCは
ウィルスに犯されていること。少女のことはFBIに捜査を調べて
もらっている事を語る。この写真の送り主は誰なのかと問うと
nick2skyというハンドル名の人物だという。通称ニックは
このサーバーを匿名で借りているがIPアドレスから画像に
アクセスしているのはトイフェサント大学からのものだという。
メレディスはchatをしていて、ポルノの情報収集をしていた
ようだという。
エリオットは電話で大学に連絡を入れるが、サーバーは外部の者
がシステムに侵入されているとのこと。システム自体が古いので
追跡は出来ないのだという。犯人は手の混んだ方法で身元を隠して
いる。PCのChatでは7歳以下の少年写真300枚と引き替えに私の
息子を相手させると書かれているがメレディスに子供はいなかった。
何故chat相手にウソを付いていたのか?メレディスは”ラブリー13″
というハンドル名を使い13歳の少女に成りすましていること。
それに6人の男性が引っかかっているという。男たちとホテルで
逢う約束をしているが、逢えば年齢がバレるのは当たり前のこと
だという。しかもメレディスのメールはよく見ると男性が違法な
ものを頼むように仕向けている内容だと分かる。これは小児性愛者
の捜査で、潜入捜査をしていたのだろうという。あのウィルスは
“トロイの木馬”だというモラレス。キーボードで打った内容が
全て転送されているのだという。転送先はnick2skyの元だということ。
ヤツは潜入捜査に気が付いて痕跡を消したのだという。
彼女は情報をある連邦政府機関に送っていることが判明する。
送っているのは連邦検事補のクラウディア・ウィリアムズだった。
1月28日(火)・連邦検事補執務室
クラウディア・ウィリアムズに面会して話を聞く。
彼女は我々と関わる前から既に捜査をしていたのだという。
彼女はサイバー自警団だとし、理由は分からないが彼女も過去の
被害者だったのではないかというもの。彼女は昨年小児性愛者の
逮捕に5人摘発してくれたのだという。エリオットは彼女が調べて
いたファイルを調べて欲しいとすると、CDに入って居た画像の
ウチ大きい方の女性はミア・バン・ワグナー(14歳)、クイーンズ
に住んでいる人物だという。二週間前から失踪しているとのこと
だった。
1月29日(水)・パークサイドグリル・レストラン
1月29日(水)・連邦検事補執務室
1月29日(水)・プリント店
1月31日(金)・プラハ米国大使館
1月31日(金)・チェコ・テプリツェ
1月31日(金)・プラハ米国大使館
2月1日(土)・ポルノ捜査連邦本部
——————————————————–
車のトランクの中で発見された暴行された女性・メレディスは、
口を接着剤で閉じられて、暴行された痕跡が有った。
明らかにメッセージ性の有る犯行。彼女の身元を調べると共に
彼女の持ち物の中から鍵が無くなっていることを知り自宅を調べ
ると自宅ではなんと夫のロジャーも殺害されていることが分かる。
殺人課の捜査官・ビショップが現場を取り仕切る中で、室内から
はPCのHDDが抜き取られている事が分かる。
机の上には焼いたばかりのCDが置かれていて、その内容物はなん
と児童の画像であることが分かる。
今回はほぼエリオットの単独的エピソード。
オリビアとクレイゲン、マンチは出演したけど、それ以外の人は
どの人も出演しなかった。
元々の事件は大人の女性を狙ったレイプ事件だったけど、そこから
派生し、犯罪は殺人から児童誘拐、そして児童ポルノなどの
問題へと発展していき、ネットを使った国際的な犯罪が絡んでくる
ことも有って、捜査線は国境を越えたものへと発展していく。
そんな事情も有ってエリオットがチェコに渡って捜査する
シーンがあるというのがこのドラマにしては珍しいシチョエーション
だった。
普通は海外の捜査ならばCIA案件だけど、この手の事件では寧ろ
FBI捜査官案件な感じ。NY市警のイチ部署の刑事が海外に渡るという
のは本当にあることなのか。映画「ブラック・レイン」のマイケル・
ダグラスはNY市警の刑事という設定で日本の大阪にまでやってきた
ことは有るけど(笑)
なんと言っても複雑なのは捜査に於ける管轄権・主導権の争いだろう。
ドラマでは思った程にその辺の争いは感じ無かったけれど、
児童誘拐、法廷強姦罪、殺人罪など複雑な事件が絡んでいた。
その為捜査権に於いてもNY市警内でも殺人課と性犯罪特捜班が
捜査の主導権争いで対立する姿が有り、更に今回の被害者が
連邦検事補に協力して児童ポルノの捜査を扱っていたという自警団
故に、捜査の主導権は検察にあるのかにも思えたけど、流石に
検察が捜査をする訳にもいかない。検事補が絡んでいただけ有って
令状とか渡航の手続きは相当手際よく段取りが進んでいった印象が
有るな。
因みにそんな捜査を依頼していたのは、S4-15にも登場したクラウディ
ア連邦検事補だった。連邦検事補が出てきてしまうと流石にイチ地方
検事補・キャボットの出番もなく、制作費の関係なのか、エリオット
以外の捜査官は全てそぎ落とされてしまった感じだ。
CDの中に写る少女2名のウチ、一人はミア・バン・ワグナーという14歳
の少女で、2週間前に失踪し、その後はネットにも流出していたという。
ただミア本人は自分で荷造りして出て行っていることから、誘拐と
しては扱われず、家出人扱いとされていた。
チェコに至るまでの経緯はEメールなどを調べた結果、ミアとやりとり
していた発信者がチェコのプラハからのものだった事。そしてその人物は
インターポールでも監視しているチェコに住むドイツ人のエリック・
タシグであることが判明する。また通話記録から失踪前にプリント店
で旅券(パスポート)の申請をしていることから、少女がチェコに
渡ったであろうことを掴んで行く。
関税局からクラウディア連邦検事補を経由し、エリオットにプラハに
行って少女を探してきて欲しいと言われるところはある意味凄い
けど、この少女自体、ニューヨークを飛び出していきなりチェコに
行ってしまうのだから、どんだけ大胆な子なんだろうかと小一時間
なものが有る。
刑事・バディとしての楽しさはエリオットと殺人課のピショップ
との間でも起きたし、プラハに渡った後には、欧州警察のケイト・
ローガンとエリオットの間でも二人の間の捜査に於ける思想や優先
順位などの間で揉める事態は起きた。
ミアと犯人のタシグが逃走し、どちらかを捕まえなければならなく
なったという際に、エリオットはミアの保護を優先してタシグを
取り逃してしまった際には、
「これがオレの選択だ。」
としてケイトに自分の役割を告げていた。
結局タシグも捕まり取り調べ室に於いては、アメリカの法が適用
されないということを利用して、現地風にエリオットが暴力を
使ってネット犯罪の実体についても追求していくことになる。
この時点で判明していないのは、児童ポルノサイトの実体もそう
だけど、当初の捜査に於いてメレディスが接触していたと思われる
nick2skyというハンドル名の人物と、CDに写っていたもう一人の
少女の身元だった。
CDの写っていたもう一人の少女のことはタシグはネットでしか知らない
人物だとし、サイト名は”エイミーの小さな秘密”と称した会員制の
サイトに掲載されている事を知る。パスワードを発行しているのが
アメリカの会社。会社を特定し、パスワードを発行・クレジットカード
での支払い記録から芋づる式に会員になっていた人物が特定されて
いく。
恐ろしいのは、少女を食い物にしていることだけど、その当事者
たちは自分達が変人扱いされることは心外であり、価値感の違い
なだけだとばかりに主張する姿があること。彼らにとっては、その内、
同姓者や異種人種間の結婚が違和感が無くなっていく様に小児性愛者
も人権を経ていくような感覚を持っていること。
「何をされてもそっちのルールに従わない。我々を変えることは
絶対に出来ない。」
「あんたらだって少数派で寧ろ変人なのかも知れない。」
「同じ考えの人間は何百万と居る。」
最後にnick2skyを捕まえた時に、エイミーがドアから出てきた時の
エリオットの嬉しそうな笑顔がまたもの凄く印象的だった。
ようやく最愛の人に出会えたという感じの笑顔。
エリオットが最後に
「性犯罪を憎んでいる。だから頑張れるんだ」
と語る姿が合ったけど、こういう助けた時の充足感もその一部に
有ったりするんだろうね。
ここの所犯罪者に対して暴力一つ震えなかったエレオットのガス抜き
的エピソードで、性犯罪が寛容化されているチェコならば暴力も
許される的皮肉としても描かれている感じだし、チェコでは15歳
から性的関係に及ぶことが許されるという事情など、國の価値感の
違いなんかも同時に見られた感じがするね。
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホァン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
サム・ビショップ (William McNamara) NY市警・殺人課
エリック・タシグ (Lothaire Bluteau) チェコに滞在するドイツ人
ニコラス・タイラー (Stephen Gevedon) “nick2shy”
エイミー・タイラー (Gina Rose Epifano) 謎の少女、娘
サマンサ・ギリガン (Zena Grey) ミアの親友、14歳
Mrs.ヴァン・ワグナー (Ellen Lancaster) ミアの母
ロン・クロウリー (David Deblinger) プリント店の上司、パスポート写真
ミア・ヴァン・ワグナー (Alexis Dziena) チェコに渡る14歳
マイク・ピアソン (Ben Bode) アメリカ関税局員
ルーベン・モラレス (Joel de la Fuente) TARU Tech
ケイト・ローガン (Dagmara Dominczyk) 欧州警察(ユーロポール)
クラウディア・ウィリアムズ (Pam Grier) 連邦検事補
デイヴ (Chris Mendoza)
テッド・グラブル (Jeremy Webb)
— (P.J. Morrison) Uniform
— (Christopher Breslin) U.S. Customs Investigator
クリステン (Sarah Elliott)
ジェラルド・ロックハート (Rob Grader)
— (Tye Alexander) Paramedic
マイク・シュワルツ (Jeff Blumenkrantz) 私立図書館
— (Cherelle Cargill) Store Clerk
— (Leonid Citer) Vendor
— (Fulani Hart) Uniform
— (William H. Burns) Uniform
— (Michael Hajek) Czech Officer
— (Frank Ciornei) Czech Officer
— (Diane Bradley) Woman
— (Bryan Michael McGuire) Man
— (Jason B. Schmidt) Czech Candy Seller
— (Steven Engle) Czech Officer
— (Robert Z. Grant) Patron in European Market