第8話 地下鉄の惨事 Kill Switch
脚本/David Amann
監督/Jeannot Szwarc
【ストーリー】
リックはケイトに対して新鮮な気分だろうと語ると、ケイト
は何のことかと尋ねる。
映画「影無き男」みたいに夫婦で現場に行くことだとし
所長マクラミンとその妻、ハート夫妻だとリック。
「ターナーとフーチ」もねというケイトにフーチは犬だぞと
リック。あなたは犬っぽいじゃないというケイト。
現場の公園のベンチに付くと遺体の近くにはモーニングコー
ヒーのカップが落ちていた。ライアンは犯行は一時間前だと
告げラニは死亡時刻もほぼ同じ時間帯だという。言うまでも
ないが死因は額の銃創だとラニ。エスポは被害者はポール・
リーヴス、クイーンズ在住。銃声についてはダレも聞いてい
ないという。公園には防犯カメラもついていないというライ
アン。犯人は知ってて襲いもみ合った末に殺ししたのか?
スマホと現金が奪われているというエスポ。しかし争った
形跡はないという。物盗りなら明るい中で無抵抗の人を撃つ
か?というリック。布が付着して焦げているというケイトは
リュックか何か布を当てて音を消したのだろうという。強盗
に見せかけている為にスマホと金を盗んだのだとし、これは
計画殺人だというケイト。
・NYPD分署
被害者のポールの弟のブレント・リーヴス(Nathan Anderson)
から話を聞く。兄が恨みを買うなんてあり得ないという。
周りの人ともとても仲が良かったし兄は一ヶ月前からウチに
泊まっていたという。自宅の売買契約を勧めていたとのこと。
公園でコーヒーを飲んでいたことに心当たりはあるかと問う
と、そんなことをする訳が無いとし、兄は職場に籠もる仕事
人間だという。何の仕事をしていたのかと問うと「政府の
監査員の調査官」だという。業務内容については知らないと
のこと。仕事上のトラブルで何か話を聞いていないかと問う
とトラブルではないが夕べはビールを飲みながら気が重いと
し大事なミーティングが急に決まったと話していたという。
仕事の関係者から面倒な電話が有ったとしミーティングは今朝
の予定だという。
・ポールの職場へ。
上司のキャロル・ジャーヴィス (Wendy Braun)から話を聞く。
ミーティングの報告は受けていないこと。ポールは優秀なの
で一任していたという。どんな仕事をしていたのか?と尋ねる
と「政府の事業や契約内容の無駄や不正が無いかを調べる」
仕事で、彼の担当は「医療」で政府と契約している病気や
医療サービスなどを調査していたとのこと。不正があれば
彼が契約を止めるのか?とエスポ。報告でそうなることも
あるというキャロル。そのことで圧力がかかることはあるの
か?と問うと、独立機関だから無駄だという。彼が担当して
いた資料を見せてくれというライアン。
20件以上担当していたという。どれも大物ばかりを扱っている
こと。「医療保険をだまし取った病院チェーン」「杜撰な
サンプル管理のレイサム社の研究施設」「欠陥のある医療機器
を販売した企業」など・・とケイト。するとリックはポール
はスキャンダルに気がついたのではないかと。詐欺と腐敗まみ
れの政府と業者の癒着とか、悪徳業は政府の金づるを手放し
たくない筈。それで殺したとか。ケイトは「どの業種?」
「証拠は?」「容疑者は?」と質問攻めにする。
ライアンは手がかりを見つけたかもしれないという。弟は
急にミーティングが決まったと言っていたのでポールの通話
記録を調べたら午前11時4分にオフィスに電話が有り通話記録
は1分未満。発信源は公衆電話だというライアン。
トリーはこれが公衆電話の防犯カメラ映像だという。
昨日の11時4分に電話した男が写っているという。顔認証で
身元を調べるとジャレッド・ストーン(28歳)(Will Rothhaar)。
パソコンで不法侵入しているというと、トリーはハッキング
とも言うのよと。罪は軽いという。ストーンは「ウォール街
占拠運動の活動家で大手銀行をハッキングしメールを流出さ
せた」のだという。なんでハッカーが調査員を殺すのか?と
ケイト。するとリックは再び仮説を語る。ストーンはとんで
もないスキャンダルを暴いた。ハッキングを駆使して暴露しよ
うと思い調査官のポールに伝え彼は殺されたのだろうと。
そうなるとストーンの命も危ないという。筋は通っていると
ライアン。しかし証拠は無いとケイト。エスポはストーンの
メールを調べたらロウアーウエストに部屋を借りているという。
■事件
早朝の公園で銃殺された男性・ポール・リーヴスの遺体が
発見される。スマホと現金が盗まれていることから強盗目的
かに思われるが、即席の消音器を使っていることや白昼堂々
殺害されていること、そして強盗に見せかけていることから
計画的な殺人だという線で捜査を始める。
ポールが勤めていた会社は政府の監査院の調査で独立した
組織。ポールが担当していたのは政府関係の中でも医療分野
の調査だということだった。
■感想
リックとケイトが主人公ではなく今回はエスポがメイン扱い
に近かったかな。
このエピソードというかシナリオは何処かで観たことが有るな。
電車の中で立てこもりする事件に於いて犯人と交渉しよう
とするのがセールスマンの男性。
防弾ベストが体にまかれていることを見てすぐに交渉から
手を引いたけど・・(笑)
妊婦夫婦が居たり、若者が居たり、二人の捜査官が紛れ込ん
でいたりするところなど、このシチュエーションは刑事ドラマ
ではありがちのものなのかな。大抵は若者が身勝手な行動
を起こして複雑な状況を生んでしまったりするんだよな。
ポールに電話している人物が判明し、すぐに容疑者のジャレ
ッド・ストーンのことを見つける。しかし相変わらず
アメリカのドラマに共通するところだけど、声を掛けるタイ
ミングが早すぎて取りあえず逃げるシチュエーションを
与えて刑事の活躍を見せようとしているのではないかとする
不自然さを感じるところ。
最初はジャレッドの家に行くところで声を掛けて逃げられた
し、次は電車の中に座っているジャレッドに遠くから声を
かけて目の前にいる鉄道警察のマリサの銃が奪われて危険な
状況を生んでしまった。
■エスポは結婚したいのか?
ライアンの結婚に続いてリックが結婚してしまった。
遊び仲間が居なくなったエスポとしても早い所家庭を持ちたい
気持ちが募ったのか。
現場に行く際にエスポはライアンに結婚生活について尋ねて
いる。娘はどんどん成長しているので一瞬が愛おしいのだと
いう。しかしエスポは父親が無く成長した為に結婚すること
や子育てには少々臆している部分があるようだ。
ラニ自身もやはり子育てに自信が無いのか今のままで良いと
語っている部分があり、現状はまだ二人の間に結婚に対する
決意が見られない印象がある。
■エスポに価値観の近い女性・マリサが現れる
ラニが結婚に渋っている間にマリサというライバルが現れた
のかと思った。
マリサは鉄道警察の職員。最後に彼女は6歳の息子が実はいる
としていたけれど、これは本当のことなのかな。
エスポもマリサも軍隊に所属していた過去が有り、色々と
会話していても価値観は似ている。私生活上は分からないに
しても捜査に於ける相棒的役割は果たせそうだった。
こういうシーンになると、どうもエスポに死のフラッグが
立ったのではないかと思い怖かったけど、実際には上手いこと
マリサ&エスポの協力関係によって事件を食い止めた。
しかしジャレッドは振動の音から乗客が降りていることを
見抜いていたり、地下鉄に突入しようという段階になった際
には振動を感じて突入作戦のことを見抜いていた。
■デッドマンスイッチ
少し前の映画ではよくデッドマンスイッチって言葉を聞いた
覚えがあるけど最近はあんまり聞かなくなったな。まぁ
自爆テロ自体アメリカ国内では少ないのかも知れないけれど。
容疑者のジャレッドは警察の動きを見越して予めデッドマン
スイッチを持っていることを主張した。手で押している
起爆装置を離せばベストが爆発する仕掛け。
■犯人の狙いは何?
犯人の行動を把握する上でなかなか理解出来なかったのは
「ポールとの繋がり」「モルディヴへの電話」「白い騎士」
という言葉の意味だった。
彼は1%の富裕層を憎んでいて、過去にはウォール街占拠の
一件で活動家として捕まったことがある。2011年9月のこと
だったけど、日本はこの年津波も有ったしそれどころでは
無かったのかも。
エスポの説得が上手かったのは、
「この電車に乗っている人の中にお前が狙っている1%の
人間は居ない。みんな労働者で仲間だ。傷つけるなよ」
と語っていた。
彼はエリン・ウィルソンというハッカーの釈放を求めた。
エリンと言ったのにリックはアーロン・ウィルソンと受け
取っていたよね。
モルディヴはアメリカと犯罪人引き渡し条約がないので、
それでその場所を選んだのではないかとされる。
しかし犯人はそもそもハッカーではあるが何かを実際に起こ
すタイプではない。狙いも地下鉄ではなかったのだろう事を
告げる。
ストーンの行動を把握すると、資産運用セミナー会場がある
トレメインホテルに予約していること。
またブロードウェイ最大の劇場が近くに有りオペラのチケット
を予約していた。
■立てこもり事件に於ける情報の共有
内部と外部で連絡を取り合う必要がある。
当初はこの車両は試験的に防犯カメラを設置して有ったので
一部始終が見て取れたが、いざ救出部隊のビグローたちが
強引に押し入ろうとする際には見つかってしまった。
それが行われる前に犯人は乗客たちの為に食事を用意させる。
一人一枚のピザを与えるところが凄いけど、この辺はアメリカ
のピザの安さなんかもあるのか。エスポの好みのトッピング
かどうかは分からないが、「パイナップル、オリーブ、
ダブルのハラペーニョ」入りのピザをエスポ宛に送った。
そのピザの裏紙に侵入するタイミングを照明灯の点滅で
合図することが告げられる。
■ライアンの地味な活躍
容疑者の部屋を改めて調べるとシュレッダーを購入した跡が
有った。しかしなんでこんなに面倒なことをしたのだろうか。
単純にメッセージなんて燃やしてしまえ!って感じだけど・・
シュレッダーをつなぎ合わせることになる。
時間が無いのによくぞつなぎ合わせたって感じ。
するとそれは指示書であり、エリン・ウィルソン釈放を要求
するサイトで知り合った人物からのものだと判明。
犯人の要求はこの指示書通りに行われているが不自然さは
まだ残る。何故エリン釈放の要求と同時にモルディヴのこと
を伝えなかったのか。
■逮捕・・・そして背後に黒幕がっ
元々ジャレッドは顔色が悪そうで吸引器も使っていた。
しかし彼はH5N1型インフルエンザにかかっていることが判明
する。致死性が高くて空気感染する。しかし既にワクチンが
用意されていること。
ジャレッドはウィルスの件は知らない事を告げる。
「白い騎士」とはエリンのサイトで知り合った人物。
レイサム製薬のラボでウィルスが紛失していた。
そのウィルスの流出と同時にワクチンも同時に大量に用意
されている。このウィルスは世界で1000件しか報告例がない
のに1000万ユニット分が用意されている。
元々ワクチンは長いこと生き続けられるものでもなく、必ず
用意したワクチンを使うケースになるとは限らないがそれでも
その量は常識を逸していた。
キャロルを調べると彼女が「白い騎士」であり、検事の夫
がエリンを有罪にしており、レイサム製薬の株を大量に購入
していたことが分かる。
まるでドラマ「スキャンダル」とか計画的に停電を起こして
金儲けするアメリカドラマっぽい流れ。
■その他
・金バッジの感じの悪さは噂通り
メトロ警察も優秀だとエスポが言った後に返された言葉。
・大事な時に名前が出る相手が一番大切な人
自分の心を誤魔化しては駄目だと言われていたエスポ。
・犯罪に走らせるのはもっとも大切な感情
それは愛だ。
・怖かった人たち、寒かった人たち
エスポはライアンに弱虫と語った後、みんなが私たちも
怖かったとして弱虫であることを語る。
事件解決したのでオールドホーント(The Old Haunt)に
行こうというリックは地下鉄で・・と語る。
「早すぎる?」
「地下鉄トークンをあげよう」
「脱線しすぎ?」
オールドホーントはリックがS3-10で購入したバーですね。
■使用された曲
・Castle Theme Song
Written by Robert Duncan
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
キャサリン(ケイト)・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ヴィクトリア・ゲイツ (Penny Johnson Jerald) 主任・警部
トリー・エリス (Maya Stojan) 分析官
ジャレッド・ストーン (Will Rothhaar) 28歳、パソコンにハッキング
マリサ・アラゴン (Jessica Camacho) メトロ警察
ブレント・リーヴス (Nathan Anderson) ポールの弟
キャロル・ジャーヴィス (Wendy Braun) 政府の仕事、ポールの上司
ビグロー (Mark Berry) 救出部隊
ダスティン (Justin Cone) 電車の乗客・落書きしようとしてた若者
ロジャー・コーニング (Jake Martin) ストーンの部屋の管理人
タイ (Brandon Phillips) 電車の乗客・ベラの夫
ベラ (Hilary Ward) 電車の乗客・TYの妻・妊婦
グラント・ガーヴァー (Kevin Will) 電車の乗客・セールスマン
エリン・ウィルソン (Colleen Kelly) ストーンが好きな囚人
ポール・リーヴス …… 被害者
サラ・グレース …… ライアンの娘