第23話 悪魔の再来 Hollander’s Woods
脚本/Andrew W. Marlowe
Terri Edda Miller
監督/Paul Holahan
【ストーリー】
血を流しながら身を隠すエマ・マロイ (Chelsea Gonzalez)
は【ホランダーの森】に逃げ込むが、フードで仮面を被った
男が彼女を追いかけてくる。それに驚いて公道に出ると
その際に走ってきたトラックに轢かれて死亡する。
リックは、みんなが居る前で2枚のポスターを見せる。
「マジメでインキ顔」「気さくで苦み走ったハンサム顔」。
いずれもリックの顔のポスター。【ポー功労賞】を受賞する
ことになったのだとしミステリー作家にとっては何よりも
最高の栄誉だという。あこがれの作家たちの名前と俺の名前
が並ぶのだという。どっちが良いかと尋ねると、ケイトは2
枚目のポスター、アレクシスは1枚目が良いという。
母さんならばどっちか。息子のバカデカの頭は好きだが
友達に会ってくるというマーサ。その人の父親が亡くなった
のだというと、ケイトはお気の毒だという。しかし幸せな人生
を送ったから良いのよとしチェルシーで家賃がお得なマンション
に住んでいるので上手くすれば私のものになるという。
そんなケイトにも事件の知らせの電話が鳴る。
・現場ー。
ついに俺の受賞と君の昇格で最強カップルだなとリック。
ケイトは期待しないで欲しいとしまだ結果は出ていないのだ
からと。
ライアンとエスポが語り合っていた。
ライアンは「心臓に斧が刺さっていてイスで失血死した男で
ハエ男とあだ名をつけただろう」と語ると、
エスポは「ペットショップをやってる旦那を奥さんが犬の餌
にした件だ」という。
10年前の今日初めてコンビで担当した事件のことを話合って
いたという二人/エスポとライアン。
コリンズ捜査官(Michelle Bonilla)はケイトたちを見て
12分署の人かと問うと、州警察のコリンズだという。被害者は
身元不明、森で襲われて道路まで逃げた所をトラックにはね
られたという。襲撃されてるから殺人だと。周りに民家はなく
身分証もなし。指紋登録もないという。ブラジャーの中に
こんなものが入っていたとして、「50ドル札」「キーカード」
「レシート」だとライアン。コリンズはレシートは市内の
コーヒー店のもので日付は昨日だという。キーカードは市内
のホテルのものだと思うとし被害者の身元行動調査に協力して
欲しいとのこと。
リックは被害者の顔を見て何かに引っかかりを覚える。
コリンズに被害者の顔の模様について尋ねると十字架で不気味
なものねと。襲撃犯の仕業で儀式みたいだとケイト。
運転手は森に何かがいたと言っていて「仮面をつけた黒い影」が
いたとしていること。ウッドベリーの病院にいるという。
・ウッドベリーの病院
運転手のウォルターズ(Brian Konowal)から話を聞く。
止まろうとしたが突然のことで・・まるで幽霊を見た。黒い
コート、人形の顔みたいな仮面をつけていた。磁器のような
ものか?というリック。白くて目の周りが黒かったか?模様は
有ったか?涙がこぼれ落ちたようなもので十字に交差する黒い
線ではないかというリックに、何で知って居るのか?と
ウォルターズ。俺もその仮面を見たというリック。
運転手が書いた似顔絵。
リックは11歳の時に母が「ピピンの巡業中」で俺はニューハ
ンプシャーの同級生の家に泊まっていた。その家は広大で
国有林のホランダーの森に隣接。一人では入るなと言われて
いたこと。何時間も歩いて寒くて道に迷ったがその時に
見た黒ずくめの男が跪いているのを見たという。少し経って
男が去って近づくと「彼女の死体」が有った。喉が切り裂かれ
て額と両頬に十字の傷、腕は冷たかったという。
「ここで見た事を誰から話せばお前を殺す」と言ったという。
何故殺されずに助かったのか?ニューヨークに戻った後に
通報した。女性は謎で当時の新聞にも行方不明者の記事はなく
大人になってからも調べたこと。FBIで特徴の合う人、
十字や仮面が関連する事件でも全く何も見つからずに現実
かも分からなくなったという。
俺が作家になったのはあの出来事がきっかけ。謎を解かずに
居られないのもあの時の謎が解けてないからだという。何故
秘密にしていたのかとケイト。現実でなければ良いと・・
でも彼はあの時と同じように人を殺したとリック。
■事件
ホランダーの森で女性が奇妙な殺され方をする。
直接の死因はトラックに轢かれたものだが、顔には儀式を
したように十字架のような傷跡があり身元調査も容易では
なかった。しかしリックはその遺体を見て11歳の時に経験
した事件を思い出す。自分が小説家になったきっかけとなる
謎の事件だと語る。
■感想
いよいよシーズン7の最終話。
見てから随分と経ってしまいました。Reviewが遅れて済みません。
シーズン7の冒頭ではいきなり誘拐されて「記憶喪失」の
ようになったリックの姿が有ったので、今回の記憶もその一貫
なのかなと思われた。しかしドラマでは時は更に遡り
リックが30年前の11歳の時に見た時のエピソードらしい。
ということはこの時点でリックは41歳ということになる。
こういうドラマ、過去に何処かで見たな。
私生活ではミステリー作家として栄光のポー功労賞を受賞する
ことになり、リックは自分の写真を大きく撮影したポスター
を女性陣・アレクシスとケイトに見せていた。
リックは顔がデカイと指摘されていたけど、態度のことなのか
それとも物理的に大きいものなのか。
自分の過去を遡って当時の事実を突き止めていくなんて楽しい
ものがある。この流れを演出することで当時のリックがどんな
だったかも分かる訳だし。
また今回はケイトがブラッケンの変わりに議員として誘われる
という光景が有る。ただブラッケンの地盤を引き継ぐとなると
もしかすると警察が汚職していたように色々と政財界と繋がり
が有って変な事件や政治的駆け引きが待っていそう。
終盤にかけてノアという容疑者の精神科医をしていたホルツ
マン医師が出てくる。演じているWallace Langhamは、
「CSI:科学捜査班」でDavid Hodges役を演じていた人だ。
捜査官の最初のボスのGil Grissomを崇拝していたし、
終盤はHenry Andrewsを演じたJon Wellnerと張り合っている
ところが有ったよね。
リックの30年前の事件絡みなので、その記憶を頼りにした
ところも大きく普段は耳を傾けてくれるところでもなかなか
信用されないもどかしさが残る。
ケイトも信じない。子供の時の記憶を頼りにするよりも
現在の状況証拠の方が効果も信憑性も高い。
■現場へ・・・初動捜査
州警察のコリンズがいた。
被害者は身元不明で森で襲われ道路まで逃げた所でトラック
に轢かれている。身分証がなく指紋の登録もない。
ブラジャーの中に50ドル札、キーカードとレシート。
レシートは市内のコーヒー店で昨日のもの。
キーカードは恐らく市内のホテルのもの。
遺体の状況を見ると十字の傷で不気味なものが付着して居る
が儀式殺人なのか。
森に何かがいたとした証言はリックが幼少期に見た犯人と
同一なのか。
・運転手・ウォルターズの証言
まるで幽霊のようなものだったこと。黒いコートを着た人形
のような顔をした仮面を付けていた。リックは磁器のような
ものなのか?と問う。白くて目の周りは黒い。模様は涙が
こぼれ落ちたような線、十字に交差するような黒い線。
リックはその仮面を見たという。
・レシードとキーカード
最近レシートのコーヒー店によく来ていた女性。
キーカードは長期滞在型のモーテルのもの。
ジェーン・スミスの名前で滞在しているが現金払いなので
それが本当かは確かめる術はない。
ここに来たのはタクシー。
モーテルに滞在しているのは2週間前から。
・モーテルを調べる
イーストバーのマッチと多数の写真。凄い数の車のナンバー
プレートと住所が書かれている。
ナンバーを見ると「X」と「Z」が入っている。
人捜しをしていたであろうこと。
フランク・マロイのネームプレートが発見される。
住所はSCRANTONって書いて有った感じ。
■失踪者の山
フランクによると彼の娘が被害者だった。名前は
エマ・マロイ (Chelsea Gonzalez)は2ヶ月前に行方不明に
なったゾーイ・アディソンを捜していたという。写真の女性。
ゾーイは恋人のDVから逃げていた。
盗難車でやってきたらしいし、その恋人にはアリバイがある。
ゾーイがトラック休憩所で白いセダンに乗るのを見た人物が
いるという。
「X」と「Z」というナンバープレート。
そして後ろの窓にはNYCと書かれた楕円系のシールが貼って
有った。
エマはゾーイを捜していた。
森とゾーイの関係をフランクに尋ねるがまるで関係がない。
ゾーイには両親がなく孤独だった。
・犯人像と分析
犯人が狙うのは死んで居なくなっても分からない人。
ヒッチハイカーとか立ち往生しているドライバー。
リックは30年前に止められていたら・・と罪悪感。
11歳なので無理だし同一犯なのか。
■過去の事件
1983年2月に通報を受けて居るけど遺体は見つからなかった
という事件。FBIのデータベースで調べてもここ30年間似た様な
事件はない。これは現実なのか。
30年前の件を調べようとする。ホランダーの森の半径80km
圏内に乗り捨てられた車両が見つかる。
ただ当初はエスポもライアンも散々リックの空想を皮肉って
いたね。見て居てあまり気分は良くなかったけど・・
・トリーの解析
エマ所有のリストの中から前歴者を洗う。
2000年型のトヨタ・カローラのセダン車(XAZ-9347)がそれに
該当。エマはその車を監視していたのかな。
登録者はコニー・ルイス(72歳)という老人。
ナンバーとシールは証言と一致している。
・ルイス家へ
車の持ち主。室内は人形が多かった。
テレビは流れていてまるでソファーに座って見て居るかと
思ったがとっくに死んでミイラ化している。
ルイスを調べると息子が一人。910の電話番号からして
ノースカロライナに在住。
ケイトが電話した際の番号は(910)-555-0153、
Fayetteville , North Carolina
ただし親子は20年間疎遠。
電話が鳴る。クローゼットを開けると引きずった痕。
室内から銃声が有り、床下から逃走してしまう。
息子の名前はノア・ルイス(52歳)、90年代に陸軍に勤務。
4年前にノアは母親をナイフで脅した為に病院送り。
精神科医によるとノアは【境界線人格障害】で暴行傾向にある。
リックとしては30年前に何処に居たのかを知りたがるが、
当然エスポたちは現在の状況を知りたがる。
しかしライアンが証拠を掴んでくる。
1983年2月にリックが遺体を見た次の日にホランダーの森付近
の道路脇で放置車両が発見。季節労働者が農場主から借りた
モノで女性だという。写真も残っていてロザリータ・カンポ
ー。この流れからようやくエスポも本気になってきた感じ
だ。その頃近くにノアが居たのかどうか。
・ラニの解析
見た所では外傷がないが自然死とは確定出来ない。
死んだのは腐敗から見て3年前。しかしミイラ状態になると
いうのはある意味では風通りがよくてミイラになる条件が
整っていたことになるよな。
・イーストバー
キッチンで見つかるイーストバーの紙マッチ。
これは被害者も持っていたもの。後に重要に・・
■捜査は中盤へへ
・リックは当時の経験をメモ/文章化していた!?
「顔面は血まみれ」「肌は氷のような冷たさ」
それがミステリー作家になろうとした原因。
アレクシスからも作家になろうと考えたのは何時かを尋ねら
れる。アレクシスはもうすぐ大学4年生なのにやりたいことが
見つからない。しかしリックは既に小説家としてデビュー
していた。
・紙マッチを頼りにノアを捕まえる
母親には警告したがガミガミと文句ばかり言ったので殺した
みたいだ。エマについて教えてくれとし一昨日の夜のアリバイ
を聞く。ゾーイについても君の車に乗った後行方不明。
他の被害者は何処なのか。
被害者はボクだというノア。家に侵入したからだと。
・ノアと被害者を繋ぐ証拠無し
母親は自然死。
ノアは1983年(30年前)にはノースカロライナの士官学校に
通っていた。
ヴァン・ホルツマン医師(Wallace Langham)の元で通院して
いたので話を聞くことに・・
病院では受け付けの看護師(Holly Clapham)にホルツマン
を呼んでもらう。しかしホルツマンの方から接近してくる。
リックはホルツマンの声を聞いて30年前のあの声だと語る。
忘れたくても忘れられないというリック。
ノアの件でケイトが話を聞いているとリックはオフィス内
を見て回る。ダートマス大学(ニューハンプシャー州)には
学部生の時に在籍。写真を見ると妻がいて娘と息子が居る。
ノアは女性を誘拐して森を連れて行く。
犯行に及ぶときには仮面をつけるとして、その理由を尋ねる。
どうせ殺すのに何故仮面で隠すのか。
「自分が怪物だと思っていて、これが本当の顔だと思っている」
■結論
リックは失望していた。特にケイトに信用されないこと。
リックの凄いところは幼い頃に遺体に触れている事だよな。
どうやって跡形もなく被害者を消したのか。
絶対に何処かに隠している。資産を調べていたら農地が見つ
かる。親からの相続。ここには納屋がある。エマが轢かれた
場所に近い。
ケイトは刑事なので捜索令状も取れないし、何よりもそれに
よって得た証拠は無効になってしまう。
不法侵入になるが何か見つかれば解決に近づく。
リック一人で侵入。
納屋には鎖で扉が閉まっていた。
物置にしていて人形やノアと同じ車が有る。犯行の戦利品が
ないのか?被害者全員の写真が記録されている。
それを見つけた瞬間にドアが閉まった。
昔ホランダーの森で出逢ったことを告げるとホルツマンも
覚えていた。
「悪魔と相対すれば時に悪魔が勝利することもある。」
納屋の下から銃を借りて犯人を撃つ。
リックは首元にナイフを突きつけられていたのにそんな
ことが出来るのかって感じ。
「もしあの男と出会わなければ今の俺たちも居なかったかも」(Ric)
「犯罪者のお陰じゃない。犯罪に対する選択。それが今を
作った。」(Kate)
■その他
・ライアンとエスポの初めて担当の事件は?
10年前に初めてコンビを組んだ時どんな事件を担当したか
を話合う。
「心臓に斧が刺さっていて椅子てせ失血死した男、ハエ男
とあだ名を付けた件」(Ryan)
「ペットショップをやっている旦那を奥さんが犬の餌に
した件だ」(Espo)
・ケイトは人事考課の面談
本部からの連絡。警部試験結果と関係があるのか。
メールでくるのでゲイツには何も分からない。7時半に来て
くれと。
ケイトは悪い予感がするという。
・
行政補佐官(Orestes Arcuni)がケイトを呼びに来た。
キース・コフマン (Lance Reddick)とポール・ギブ
ニー (Mitchell Fink)が居て警部試験に関連し色々と聞か
れる。
「適任と思う理由」「NY市警の刑事として適任と
思う理由を聞かれる。
ケイトに対してコフマンの評価はとてもネガティヴだ。
「法を執行する人間だがそれを何度も無視している。」
その例として
・ロスでの管轄権を無視した捜査
・立場を利用してブラッケン上院議員に個人的復讐
・指示に背いて多くの人命を危険に晒した。
・捜査情報を上司に報告せず都合良く上層部に逆らった。
・リックの捜査協力も問題
・刑事小説ニッキー・ヒートのモデルになっている。内容は
事件捜査よりもベッドーンが多い
「君は警部に不適任で私に言わせれば刑事としての資格もな
い。」
「誤解である事を告げケイトはそれら事件全てで犯人に裁き
を受けさせた。法とNY市警に最大の敬意を示した上で行った。
リックは素晴らしい相棒で何度も助けられたこと。小説の
モデルも妻であることも誇りに思っている。警部に昇格した
ら易きに流れず確実に正義の為に戦う。NY市民を守る為に他の
誰よりも働き確実に結果を出す。危険は冒さず、でも恐れも
しない。」
これは反論出来るかどうかの試験だったという。
D.C行きも昇格試験もその現れ。新たに挑戦しないかとして、
【州上院選】の出馬を打診される。
警部試験は高得点だったので一年以内に分署を持てると。
・リックは国際ミステリー作家協会
・The International Society of Mystery Writers
・POE’S PEN
Michael Connelly本人がプレゼンターを勤めていた。
「ポー功労賞」を受賞する。
授賞式はみんなスタッフ総動員なのかな。
12分署みんなが着飾っていて不思議な感じ。
トリーが滅茶苦茶可愛かったけどこれで終わりなんだよね。
ゲイツ警部の隣に座っていた。
ジェニーもライアンと出席していたな。
■使用された曲
・Castle Theme Song
Written by Robert Duncan
・I Really Like You by Carly Rae Jepsen
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
キャサリン(ケイト)・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ヴィクトリア・ゲイツ (Penny Johnson Jerald) 主任・警部
トリー・エリス (Maya Stojan) 鑑識・分析課
ジェニー・ライアン (Juliana Dever) ケヴィンの妻
本人出演 (Michael Connelly) 小説家
キース・コフマン (Lance Reddick) ケイトを試験する
Dr.ヴァン・ホルツマン (Wallace Langham) ノアを診ていた精神科医
ノア・ルイス (Cullen Douglas) 52歳、90年代陸軍
マクシン・コリンズ (Michelle Bonilla) 州警察
ポール・ギブニー (Mitchell Fink) ケイトを試験する
フランク・マロイ (Michael Dempsey) エマの父
エマ・マロイ (Chelsea Gonzalez) 2ヶ月前に失踪したゾーイを捜していた
Mr.ウォルターズ (Brian Konowal) トラックの運転手
(Orestes Arcuni) 行政補佐官
(Holly Clapham) 看護師、ホルツマンが居る病院
11歳の頃のキャッスル (Webb Hayes)
(Angela Martinez) リポーター
ベラスケス (Schae Harrison) 警察官
ジェンキンス (Jan M. Janssen) 捜査官
(Andrew W. Marlowe) 授賞式のゲスト、コネリーのテーブル
(Terri Edda Miller) 授賞式のゲスト、コネリーのテーブル
コニー・ルイス 72歳
ロザリータ・カンポー 1983年失踪