第9話 宿命のナイフ Fate
脚本/Janine Sherman Barrois
監督/Rob Bailey
【STORY】
・ヴァージニア州レストン・ECCO SALON
ジェシカ・ランドール (Marisa Guterman)は閉店した後
片付けが終わり店内から友人のリザ・マクマレイ
(Cynthia Murell)と電話で会話する。ジェシカはチップ
の料金が少ないとしてリザに愚痴る。100ドル分もサー
ビスしてたったの5ドルしかくれないなんて・・
そんな中ドアベルが鳴り響いたように聞こえる。
サロンは既に閉店しているとして明かりの付いていない
店内に向かって居るかも知れない相手に話しかける。
戸締まりの確認をしていくとドライアーの音が鳴り響き
そこに見に行くと突然何者かにナイフで斬りつけられる。
ロッシは朝出勤の為に車に乗り込む。
カーステではAin’t Nobody Homeの音楽が鳴り響き、渋滞
にはまる。そんな彼の車の後ろにはロッシの資料を持った
女性が付いてきていた。
ロッシはいつものようにコーヒー店で”2杯分”のコーヒー
を購入すると車の中に居る女性・ジョイ・ストラザー
ス (Amber Stevens West)の車の窓ガラスを叩き、コーヒ
ーを差し出す。昨日君に後をつけられた時は気のせいかと
思ったが今日は何か違うと思ったとし君は私立探偵なのか?
と問う。雇い主は誰かと問うと守秘義務があるとして話そ
うとはしない。国税庁なら会計士から連絡があるはず
だし国務省でもない。プロのスパイがターゲットの資料
をそんなに目立つ所に置くわけがないとして助手席の資料
を指さす。葉巻も直接届けてもらっているが・・雇い主に
次に会う時にはこんなマネは辞めて直接連絡しろと言って
くれとロッシは語ると”セラヴィ”と言って立ち去る。
・ブリーフィング
BAUに到着して早々すぐにガルシアから事件の概要が
聞かされる。ヴァージニア州レストンで3人が殺害され
いずれも激しく刺されて犯行の間隔は1週間だという。
ケヴィン・ブラウンとリック・メンドーサは自宅で刺され
ジェシカ・ランドールは夕べ務め先の美容院で刺し殺さ
れたというもの。ケイトは大胆で残酷な殺し方だとして
二人の職業はと尋ねる。ケヴィンは工具店でリックは
オートショップ。リードは犯人は客かも知れないことを
口にするとその記録は既に調べたというガルシア。
モーガンは性別にこだわりがないがたまたま出会った
相手なのか?と問う。JJは自宅は近いのかと問うと5km圏内
だという。ロッシは接点があるとは限らないとし、ホッチ
は最初の2件は裏窓から入っていて3件目の美容院には
どう入ったのか不明だという。ケイトは大胆さはジャン
キーだからか?と問う。ロッシは犯人は何も盗んでいない
が被害者に服を着替え直させていることを告げる。
刺し殺しておいて綺麗な服にするなんて妙だというリード。
サイズはピッタリだが犯人が持ち込んだものなのか?とJJ。
被害者のものかも知れないとホッチ。元々の服は記念品
として持ち帰ったのかも知れないとし儀式的なのかと
モーガン。或いは興奮が冷めて罪悪感を覚えたからかと
JJ。リードは間隔が短くなっているのはターゲットを
捉えるのにはなれたからだという。ホッチは殺しを重ね
て募るのは罪悪感か欲求なのかと。
・ヴァージニア州のコーネル家
娘のスカイ(Alexis Raich)はママ(エレン)(Tina Holmes)
はまだ寝ているのかとして主夫の父・マイケル
(Andrew Burlinson)に尋ねる。息子のマックス
(Christiano Altounian)は走りに行ったみたいだよと
語る。スカイはいつからママはランナーになったのか
として父に尋ねると”さぁね”という返事。変だとは
思わないのか?という娘に、今はソッとして置こうという。
怒りっぽくなったかと思えば急に早朝マラソンだとして
絶対におかしいとし、挙動不審だとみんなも気がついて
いるという。みんなとは誰かと問う父にお婆ちゃんも
シャーリー叔母さん、それにキャシーも言っていたという。
キャシーは噂好きなだけでママにも色々と有ったのだから
と宥める。それにリハビリの先生も運動を勧めていた
だろうと。エレンが戻るとシャワーを浴びに浴室へ。
服には血の跡がべったり付いていた。鏡を見る彼女は
涙しながら大丈夫よと言い聞かせつつ、包丁に付いた血
を洗い落とす。
・現場に向かう車
電話とそれぞれ同乗し合う車の中で会話する。
3人の被害者の間に接点は無い。工具店にオートショップ、
そして美容院だから店を狙ったものではないか?とモーガン。
犯人はそれぞれに出入りしてるのか?とJJ。ガルシアは顧客
を調べたが誰も被っていないという。
<ロッシとケイト組>
現金払いだったのかも知れないとし監視映像をチェックしよ
うというロッシ。リードとホッチは出発せずBAUのオフィスか
ら指示を送っていた。リードはターゲットを選ぶ基準に
「襲いやすさ」とか「望ましさ」は有りませんねと語る。
ケイトは殺しの手口は残酷だというと何十回も刺すというのは
個人的な憎しみでしょうと。怒りに任せた過剰摂政だというJJ。
計画監察の時間は取ってないというホッチ。それなら以前から
の知り合いなのか?とケイト。被害者同士の繋がりを調べない
といけないとし、現場で支局員と合流してくれとホッチ。
■Incident
サッカーとテニスを見ながら書いたので間違っていたら
スマンです!!錦織が凄かったので感想書いていてよく
分からなくなってしまいました(笑)
ヴァージニア州レストンで発生した連続殺人事件。
被害者は滅多刺しにされた上に服を着替えさせられていた
といるというもの。既に三件目の事件が発生したことで
共通点を探ると共に犯人像を絞りこんでいく。
これだけの過剰殺傷には個人的な恨みがあるのではないか
という。しかし遺体が現場から動かされその際引きづられて
いることや被害者が着ていた服が捨てて居ないところから
見て犯人像は女性なのではないかと推察していく。
■Impression
クワンティコのあるヴァージニア州での出来事。
それ故に今回は飛行機での移動は必要無く車での移動という
ことで時差も必要無く扱い易いものが有ったかな。
そもそも今回の犯人は別に全てを隠すような行動は見せては
いない。それどころか現場に自分の毛髪を抜いて落として
行ってしまうところも有った。
今回のメインキャラはロッシだった。
ロッシを尾行する美人の女性・ジョイ。探偵や捜査機関が
使う様なファイルケースにロッシの名前が書かれていたので
誰なのかということになる。大抵こんな美人に尾行されれば
本望だけどアメリカのドラマって女性工作員がもの凄く強い
から怖い(笑)。
ロッシの朝は渋滞から始まり、カーラジオからは
Ain’t Nobody Homeが流れている。いつも立ち寄るであろう
コーヒー店でいきなり二人分のカップを持っていたので
尾行していることに気がついたなと感じたが、その時の
やりとりは興味深い。
ロッシとしては捜査以上に尾行している女性が誰なのかという
所に集中する。尾行に気がついていたのは凄いし
その際には相手のことを冷静に分析しているのだから流石は
プロファイラーだね。
当然車のナンバーも覚えていてガルシアに照合してもらい
それがサンフランシスコのテレビ局の事件記者をしている
女性だという。ロッシは雇い主に有ったら直接私に言いに来い
みたいな感じだったのでジョイも”直接来ましたが何か?”
って感じで逢いに行く。グルーピーのような人物によって
今まで散々嫌な目に合ってきたであろうことを想像させ、
必要以上にロッシも怒っていた印象もある。先入観から
ジョイを追い出そうとしたが、「娘です」という衝撃的な
告白にロッシは「サプラーイズ」って感じの衝撃波を受けた
のではないか。
今回はケイトとロッシのコンビだったので、ケイトは彼の
異変に気がついていた。話を聞きましょうかって感じの展開
だったが結局なかなか話そうとはしなかった。
■被害者
・ケヴィン・ブラウン 工具店、1人目の被害者
ドラマ開始時には既に殺害されていた一人
・リック・メンドーサ オートショップ、2人目の被害者
ドラマ開始時には既に殺害されていた一人
・ジェシカ・ランドール (Marisa Guterman) 3人目被害者
ECCOサロンで勤務。冒頭でリザと電話中に閉店した店の中で
人気を感じて調べて回ると突然殺害された。
チップをけちった客についての愚痴を友人に電話で語って
いた。後に犯人がこの店でウィッグを購入していることが
分かる。
・グレッグ (Marco Dapper) サラの恋人
サラとは犯人が働くHutchinson & Meyers Design Group(HMDG)
の上司。そのサラの恋人。本来は殺さなくても良かったが
一緒に部屋に居たので巻き添え的に殺された。
・サラ・ライアン (Angelique Cabral)
エレンと同じ建築会社Hutchinson & Meyers Design Group
(HMDG)社の上司。中盤彼女がプレゼンをして顧客に
売り込んでいたが、その際このアイデアを出したのは自分
とエレンではなくコーネル大だとして無視したことで怒りを
感じてしまった。トイレで言い争いになった時に収まれば
良かったが、私は上司でマネージメントをしているので
部下の言ったことなど覚えていないと語った。そのことで
火を付けたか。
■捜査
冒頭ではJJとモーガン、ロッシとケイト、リードとホッチ
で捜査が分かれた。
一通り会話した後に既に4人目の犠牲者で出ようとしている
ところで、その人物像には夫が居て二人の子供が居る。
問題を抱えているみたいなことを語っていてリハビリの先生
のことを口にしていたのでそれが何なのかということになる。
現地支局員はノーウッド (Jeff Denton)という捜査官だった。
とても癖のない顔をした捜査官。
現地検視官はアジア系っぽいワイス検視官。
被害者の服を洗濯している行動。「洗う」所に意味が有りそ
うだとしていたモーガンに対して、この検視官は
「カオス状態にある犯人は一番着になるものを綺麗にする」
と語っていた。
犯人のものを徹底的に洗っていることから衛生面で厳しい
施設に居たのではないかとされ、精神科施設、刑務所、
軍隊の可能性を示唆する。
■プロファイル発表
・犯人は白人女性、年齢は40から50歳。間欠性爆発生
障害(IED)を患っている (H)
・この病気は心に傷を残すような出来事が原因となって
衝動的で暴力的な行動を繰り返す(RO)
・理不尽な扱いを受けたと感じた時には怒りを爆発させる(KA)
・まず怒りそのうち時間を置いて攻撃。被害者とは殺害前に
接点がある(JJ)
・犯行後あるいは犯行について考えた時彼女は髪の毛を抜く。
これは「抜毛癖」と呼ばれるストレス発散の行為(H)
・一見理性的だが他人と口論や対立で簡単に怒りが湧く(RO)
・怒りと罪悪感が2つの人格のように現れる。恐らく心の
病気で入院経験が有り退院後は薬を飲むのを辞め、怒りの
コントロールを強いられることもなく衝動のまま殺すように
なった(R)
・殺人欲求が弱まっている様子は見あたらないから誰かから
ストレスを受ければその旅に殺すだろう(MO)
■捜査の中盤
・犯人の家族
とても幸せ家族なんだけど母親のエレンがおかしいことには
娘はとくに敏感に気がついていた。父親も気がついていた
感じだけど今は医者の言葉を信じるしかないと思っていたの
だろうか?
・犯人の病気・怪我
薬が切れると感情の抑制が利かなくなる。
前頭葉が負傷を追っていて、その原因は間欠性爆発性障害
(IED = Inetermittent Explosive Disorder)というもの
らしい。
脳の問題だけどメンタル的な問題にも似ているね。
まぁ同じく脳への信号が機能不全とか誤動作を起こすもの
なんだけど、薬を飲むのを辞めると怒りのコントロールを
強いられるようになることを語っていたので、その薬が何故
切れてしまったのかが問題になりそう。結果としては
情状酌量案件になりそうだということで、殺されたものたち
は本当に浮かばれない。
しかも旦那さんは進んで協力していた印象もあるのに・・
・犯人の妄想・幻覚
私がよく分からないのは犯人のエレンが何処まで本当の事
を話していたのか。それとも怒りのスイッチが誤動作のよう
にして入っていたのかがよく分からなかった。
彼女は常に「被害者意識」を持ち、「怒り」から
「加害者」を経て「罪悪感」を抱く。
そのプロセスは正常の時には働かないのだろうけど、感情
のコントロールは上手く出来ていないので、何処まで彼女の
語ることが本当なのかな。
サラがエレンの功績を無視したのは本当っぽい感じがする
けど、冒頭でのチップをけちったと愚痴る女性を殺す必要性
が感じないし、それ以外の所でも簡単に怒っているところを
見ると彼女の正当性を感じない。
そもそも彼女が交通事故を起こしたにも関わらず、加害者
としてではなく被害者意識に転化していた。
■クローズド
なんと夫がエレンが一連の殺人事件を起こした証拠を見つけて
警察に連絡しようとしていたところで夫のことを殺した。
この時点で同情も情状酌量にもして欲しくない気がしたけど
前頭葉の損傷なんて治るものなのか?
5人の人間にだって家族がいる。その人たちを殺して情状酌量に
なれば遺族達が今度は黙って居なさそうだ。
娘さえも人質にしている光景が有ったがなんとか説得した。
ラストに一度自宅に行って空振りだって展開は最早パターン
というよりこのドラマのルーティンになっている。
■その他
・ロッシには家族が居た
3回の結婚でもうこりごりだと言っていた。
ロッシの相手はヘイデン・モンゴメリーで1984年にパリで
結婚したとされる。ヘイデンは外交官でロッシは出張中に
出逢った。妊娠は知らなかったというロッシ。
ジョイは継父の死の直前に聞いたこと。それで母親も白状
したという。ヘイデンはどうしているのかなと思ったけど
まだパリに居るみたいだね。
そして彼女はガルシアによるとサンフランシスコのテレビ
の事件記者をしているというからアメリカに居る事になる
のかなぁ。
急いでロッシは飛行機で飛び立とうとする彼女に逢いに行く。
21時59分発の飛行機。バックでは「Follow You Down」が
流れている。
Trans Alliance Airline 58便、サンフランシスコ行きが
旅立とうとする際にロッシは間に合った。
「どうして別れたのか?」と問われていたが、
ロッシはやはり小説家の一面も持っているから説明は上手
だったかな。
「夏のつむじ風みたいな恋をして風が過ぎ去ってみるとオレは
FBIで上を目指し彼女は外交官。オレは世界を手にしたかった
が彼女は既に手にしていた。夫婦を続ける自信がないとあの時
は言ったが、実際に彼女に追いつきたかった。」
この辺は男性心理が働いていそうな流れでもあるかな。
もしも妊娠が分かって居たら・・・しかし彼女はオレが家族
を持てないのをよく分かって居てヤレが逃げることを・・。
「知らされたらパリに残っていたか?」
「30年前のオレがどうしたかは何とも言えない。留まったと
思いたいがね」
因みにジョイの夫はロッシと同じくイタリア系。そして2歳
の男の子のカイという子が居るみたいで熱が出たから帰らな
いといけないという。誰にも言わないで飛行機に乗ったけど
ロッシは大丈夫なのか!?
■MUSIC
・Criminal Minds Theme
Composed by Marc Fantini and Steffan Fantini
・Follow You Down by Cajsa Siik
・Ain’t Nobody Home by Lenny Mack Band
・I Wanna Be Where You Are by Gia
■CAST
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) BAU
ケイト・キャラハン (Jennifer Love Hewitt) S10新加入、大学教授
エレン・コーネル (Tina Holmes) 妻
スカイ・コーネル (Alexis Raich) 娘
マイケル・コーネル (Andrew Burlinson) 夫
マックス・コーネル (Christiano Altounian) 息子
サラ・ライアン (Angelique Cabral) エレンと同じ建築事務所
ジョイ・ストラザース (Amber Stevens West) ロッシの娘、SFテレビ局事件記者
ノーウッド (Jeff Denton) SSA。支局の捜査官
ジェシカ・ランドール (Marisa Guterman) 3人目被害者””ECCOサロン
ブライアン・ジョーンズ (Shaan Sharma) 仕事クライアント
リザ・マクマレイ (Cynthia Murell) ジェシカの友人
Dr.ワイス (Teresa Huang) ヴァージニア州レストンの検視官
ヘイデン・モンゴメリー (Paulette Ivory) 外交官、ロッシの元恋人
グレッグ (Marco Dapper) サラの恋人
Mrs.ベンソン (Shannon Marie Bullock) アビーの母
アビー・ベンソン (Alyssa Baric) 車イス、2014年1月28日交通事故
エイミー・ダンウェル (Alli Kinzel) 空港ゲート
チャック・ロス (Hank Chen)
(Natalia Bair) 空港の旅行者
ケヴィン・ブラウン 工具店、1人目の被害者
リック・メンドーサ オートショップ、2人目の被害者
カイ・モンゴメリー ジョイの息子、ロッシの孫